モバイルプラットフォーム向け Cisco AnyConnect® セキュアモビリティ クライアントは、スマートフォンやタブレットからの展開が容易な信頼性の高い暗号化ネットワーク接続を提供するとともに、外出先の従業員にも永続的な社内アクセスを提供します。
製品の概要
Apple iOS、Android、Windows Phone 8.1 以降、BlackBerry 10.3.2 以降、一部の Amazon Kindle および Fire Phone デバイス、Google Chrome OS(初期プレビューバージョン)で利用可能なモバイルプラットフォーム向け Cisco AnyConnect セキュアモビリティ クライアントを使用して、従業員のスマートフォンとタブレットを保護できるようになりました。
従業員がビジネス電子メール、仮想デスクトップセッション、またはその他の企業アプリケーションにアクセスしているかどうかにかかわらず、AnyConnect クライアントは、ビジネスに不可欠な情報のための使いやすいインターフェイスです。クライアントは、Datagram Transport Layer Security(DTLS)、IP セキュリティ インターネット キー エクスチェンジ バージョン 2(IPsec IKEv2)、および TLS(HTTP over TLS/SSL)を使用して、Voice over IP(VoIP)などの遅延の影響を受けやすいアプリケーションを含む、ビジネスに不可欠なアプリケーションと、企業リソースへの暗号化されたアクセスを提供します。AnyConnect 4.x は、iOS 8.3 以降のアプリケーションごとの VPN 機能をサポートします。
図 1 は、Apple iOS および Android デバイスの AnyConnect ユーザーインターフェイスの例を示しています。
機能と利点
表 1 に、モバイルプラットフォーム向け AnyConnect セキュアモビリティ クライアントの機能と利点を示します。利用できる機能はプラットフォームによって異なります。特定のオペレーティング システムでサポートされている特定の機能の詳細については、プラットフォームのリリースノートとドキュメントを参照してください。
表 1. 機能と利点
機能 |
メリット |
ソフトウェアアクセスと互換性 |
アプリケーション マーケットプレイスで入手可能:
●
Apple App Store
:Apple iOS 6.0
以降
●
Google Play
:Android 4.0
以降
複数の AnyConnect
イメージが入手可能なため、デバイスに適したイメージを選択することが重要です。特定の要件については、Android
リリースノートを参照してください。
●
Windows
ストア:Windows Phone 8.1 Update 1
以降
●
BlackBerry App World
:BlackBerry 10.3.2
以降
●
Google Chrome OS
:Chrome OS 43
以降(初期プレビュー)
●
Amazon Appstore
:
一部の Kindle
および Fire Phone
デバイス向け
|
最適化されたネットワークアクセス |
●
ネットワークの制約に基づいて、可能な中で最も効率的な方法にトンネリングを自動的に適応させます。
● DTLS
を使用して、VoIP
トラフィックなど、TCP
ベースのアプリケーションアクセスや遅延の影響を受けやすいトラフィックに最適化された接続を提供します。
● TLS
(HTTP over TLS/SSL
)を使用して、ロックダウンされた環境からのネットワーク接続の可用性を確保できるようにします。
●
セキュリティポリシーで IPsec
を使用する必要がある場合に、IPsec IKEv2
を使用して、遅延の影響を受けやすいトラフィックに最適化された接続を提供します(Cisco
適応型セキュリティアプライアンス 8.4
以降が必要)。
● ASA VPN
ロードバランシングとの互換性
|
ネットワークの可視性 |
● Network Visibility Module
からのモバイルの可視性
●
豊富なユーザー、エンドポイント、アプリケーション、ロケーション、および宛先コンテキストを使用したエンドポイントフローのキャプチャ
●
一部の Samsung
モバイルデバイスで利用可能
|
モビリティ機能 |
● IP
アドレスの変更、接続の喪失、またはデバイススタンバイの後に透過的に再開
|
バッテリーにやさしい |
●
デバイスのスリープ動作に対応
|
暗号化 |
● AES-256
および 3DES-168
を含む強力な暗号化をサポート(セキュリティ
ゲートウェイ
デバイスで強力な暗号化ライセンスが有効になっている必要があります)。
● NSA Suite B
アルゴリズム、IKEv2
を使用した ESPv3
、4096
ビットの RSA
キー、Diffie-Hellman
グループ 24
および強化された SHA2
(SHA-256
および SHA-384
)などの次世代暗号化。IPsec IKEv2
接続でのみ使用できます。AnyConnect Apex
ライセンスが必要です。
|
認証オプション |
● RADIUS
● NT LAN Manager
(NTLM
)のパスワード期限切れ機能(MSCHAPv2
)をサポートする RADIUS
● RADIUS
ワンタイムパスワード(OTP
)のサポート(State
属性および Reply-Message
属性)
● RSA SecurID
● Active Directory
または Kerberos
●
デジタル証明書(クレデンシャル展開用の AnyConnect
統合型 Simple Certificate Enrollment Protocol
(SCEP
)と互換性あり)
●
汎用 Lightweight Directory Access Protocol
(LDAP
)のサポート
●
パスワードの有効期限機能とエージングをサポートする LDAP
●
証明書とユーザー名/
パスワードを組み合わせた多因子認証(二重認証)
● iOS
および Android
の SAML
サポート
|
一貫したユーザーエクスペリエンス |
● LAN
と同様の安定したユーザーエクスペリエンスを必要とするリモートアクセスユーザーを、完全トンネルクライアントモードでサポート
|
ポリシーの制御および管理の一元化 |
●
ポリシーを事前に設定またはローカルで設定し、VPN
セキュリティゲートウェイから自動更新することが可能
● AnyConnect
の Universal Resource Indicator
(URI
)ハンドラは、Web
ページまたはアプリケーションに組み込まれた URL
を介して展開を容易にします。
●
証明書の表示と管理をローカルで実行可能
|
高度な IP ネットワーク接続 |
●
管理者が制御するスプリットトンネリングまたはオールトンネリング
ネットワーク
アクセスポリシー
● iOS 8.3
以降のアプリケーションごとの VPN
ポリシー(OS 9.3.2
以降の Cisco ASA 5500-X
および AnyConnect Plus
または Apex
ライセンスが必要)
●
アクセス
コントロール
ポリシー
IP アドレス割り当てメカニズム:
●
静的
●
内部プール
● Dynamic Host Configuration Protocol
(DHCP
)
● RADIUS/LDAP
|
ローカリゼーション |
英語に加えて、以下の言語に翻訳
●
カナダ
フランス語(fr-ca
)
●
チェコ語(cs-cz
)
●
ドイツ語(de-de
)
●
日本語(ja-jp
)
●
韓国語(ko-kr
)
●
中南米スペイン語(es-co
)
●
ポーランド語(pl-pl
)
●
簡体字中国語(zh-cn
)
|
診断 |
●
デバイスごとの統計情報およびロギング情報が利用可能です。
●
ログはデバイスで表示できます。
●
シスコや管理者に分析用として電子メールでログを簡単に送信できます。
|
プラットフォームの互換性
AnyConnect セキュアモビリティ クライアントは、ASA ソフトウェアリリース 8.0(4) 以降を実行するすべての Cisco ASA 5500-X 次世代ファイアウォール製品群および 5500 シリーズ エンタープライズ ファイアウォール エディション モデルと互換性があります。現在の ASA ソフトウェアリリースの使用をお勧めします。
一部の機能には、上記以降の ASA ソフトウェアリリースまたは ASA 5500-X モデルが必要です。
シスコは、特定の機能に限定された高度なセキュアゲートウェイとして機能する、Cisco IOS® Release 15.1(2)T 以降への AnyConnect VPN アクセスをサポートします。その他の Cisco IOS ソフトウェア機能のサポート情報については、http://www.cisco.com/go/fn [英語] を参照してください。
互換性に関するその他の情報については、
http://www.cisco.com/en/US/docs/security/asa/compatibility/asa-vpn-compatibility.html [英語] を参照してください。
ライセンスオプションおよび発注情報
AnyConnect 発注ガイドには、AnyConnect、クライアントレス SSL VPN、およびサードパーティの IKEv2 リモートアクセス VPN の使用に関するライセンスと発注に関する情報が記載されています。プラットフォームと機能を完全にサポートするには、AnyConnect Plus または Apex ライセンスが必要です。既存の Essentials または Premium および Mobile ライセンスをお持ちのお客様は、2016 年 4 月 30 日まで、iOS および Android バージョン(アプリケーションごとの VPN 機能を除く)を使用することができます。他のすべてのモバイルプラットフォームには、Plus または Apex ライセンスが必要です。シスコ以外のヘッドエンド機器への AnyConnect VPN 接続は許可されません。詳細については、http://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/security/anyconnect-og.pdf にある発注ガイドを参照してください。
Cisco Capital
お客様の目標達成を支援するファイナンス
Cisco Capital は、企業が目標を達成して競争力を維持するために、必要なテクノロジを獲得できるよう支援します。企業の資本支出(CapEx)を削減するのに役立ち、成長を加速させます。これにより投資額と投資収益率を最適化できます。Cisco Capital ファイナンス プログラムにより、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、および補完的なサードパーティ製機器を柔軟に購入することができます。支払いが統一されるため、予想外の支払いが発生することもありません。Cisco Capital は 100 か国以上でご利用いただけます。詳細はこちらをご覧ください。
詳細情報
● Cisco AnyConnect セキュアモビリティ クライアント ホームページ:http://www.cisco.com/go/anyconnect
● Cisco AnyConnect ドキュメント:http://www.cisco.com/c/en/us/support/security/anyconnect-secure-mobility-client/tsd-products-support-series-home.html
● Cisco ASA 5500-X 次世代ファイアウォール製品群:http://www.cisco.com/jp/go/asa
● Cisco AnyConnect ライセンス契約書およびプライバシーポリシー:http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/security/vpn_client/anyconnect/anyconnect40/license/end_user/AnyConnect-SEULA-v4-x.html
謝辞
本製品には、OpenSSL ツールキットで使用するために、OpenSSL プロジェクトによって開発されたソフトウェアが含まれています。
本製品には、Eric Young 氏によって作成された暗号化ソフトウェアが含まれています。
本製品には、Tim Hudson 氏によって作成されたソフトウェアが含まれています。
この製品には、libcurl HTTP ライブラリ(Copyright 1996-2006, Daniel Stenberg)が組み込まれています。