ソニーネットワークコミュニケーションズがCisco ACIで構築および運用効率化を実現

インターネットサービスプロバイダの顧客接点を担うネットワーク基盤で、Cisco Nexus 9000A及びACIによる次世代 Software-Defined Networkingを採用

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

ソニーグループの通信事業会社として、So-net や NURO 光などのインターネット回線サービス提供に加え、法人向けシステムや Web インテグレーション、クラウドサービス等、幅広い事業を展開。グループ各社や R&D と連携し、IoT・AI分野においてスマートホーム・ヘルスケア・LPWA といった新規サービスの立ち上げも積極的に行い、さらなる事業領域の拡大と既存事業強化を進めています。

業種: サービスプロバイダー
所在地: 東京都港区
従業員数: 1,867名
ウェブサイト: sonynetwork.co.jp

サマリー

課題

  • ビジネスや事業環境の急激な変化で、顧客接点ネットワークにも柔軟かつ迅速な対応が求められた
  • 少人数での構築および運用を可能にする、自動化や効率化を追求したい

結果

  • 複雑な設計が不要、API ツールによる設定自動化で構築の大幅な効率化を実現
  • 移行後はトラブルもなく安定運用、ヘルススコアによる可視化で問題と成り得る領域を把握
  • ライフサイクルを踏まえ、カスタマーサクセスチームが構築後の運用も継続的に支援

ソニーネットワークコミュニケーションズは So-net や NURO 光など固定・モバイルのインターネット回線サービスを提供するほか、積極的な新規事業展開や既存事業強化を進めています。

ネットワークの構築および運用負荷を軽減したい

今回、同社が取り組んだのは、ISP(Internet Service Provider) 事業における顧客接点基盤の約 10 年ぶりとなるリプレイス。同社の松本泰史氏は、その背景を「経営や事業展開のスピードが速まる中、顧客接点ネットワークにもより迅速な対応が求められます。今回の更改では、事業展開のスピードアップに貢献でき、これまでより少人数での構築および運用が可能な、自動化や効率化を追求しました。」と話します。

同社は複数社に提案を依頼し、入念な検証および比較の結果、Cisco Nexus 9000シリーズと Cisco ACI による、次世代型 SDN ソリューションを採用。松本氏はその理由を「シスコなら既存環境の確実な移行と、データセンターの省スペース化も実現。そしてSDN 化により従来の構築や運用課題が解決できると考えました。コスト面に加えて、これまで当社が長年運用してきたシスコ製品の信頼性と技術的な親和性、さらに、当時検討していたコンテナ化実現への明確なロードマップなどが、決め手となりました。」と述べます。

Cisco ACIの先進の設計思想とAPI連携の活用により、効率的な構築を実行

同社の中村宗幸氏は構築時の印象を「Cisco ACI はレガシーとは異なる思想のため、最初は戸惑いもありました。そのため選定時からシスコのラボ(CPOC)で複数回の検証を実施、移行時にもあらためて思想を深く理解しました。その間、シスコ エンジニアの手厚いサポートで、自学するだけでは理解できない、細かな部分も把握できました。」と語ります。

中村氏は構築時のメリットを「これまでは、エッジまでの接続経路やセキュリティポリシー、帯域なども加味した属人的かつ職人的な技術が必要でした。Cisco ACI ならネットワーク構造がシンプルで作業も自動化され、複雑な設計が必要ありません。また、従来の三層モデルで大規模障害の要因となりがちな、冗長構成でのコアスイッチ間でのループが回避できる、ループフリーにも魅力を感じました。」と語ります。

クラウドネイティブを目指す中、ネットワークはなるべく人手をかけず、シンプルで効率的に安定運用したい。Cisco ACIはまさにそれを実現するソリューションだと感じます。

ISP事業部 ITプラットフォーム部 インフラオペレーション課 課長, 松本 泰史 氏

さらに同社は、API Inspector も活用してネットワーク構築時に必要なパラメータをパターン化、Cisco ACI の API に変換するツールを内製し、大幅な効率化を実現しました。「当社は VLAN 設定が 400 近くあり、手作業で行うと数週間はかかる。それが今回、30 分もかからず完了しました。早くなるだけでなく、品質向上効果も高いです。」(中村氏)

移行後はトラブルもなく安定運用、数日かかる作業が数時間に短縮

2020年6月、移行が無事に完了。物理ファイアウォール、仮想環境とベアメタルサーバ、コンテナを Cisco ACI に収容可能な、ネットワークデザインの最適化が実現しました。

松本氏はその成果を「機器集約とシンプル化による省スペース化、配線工事などのハウジングコスト削減のほか、移行後は大きなシステムトラブルもなく、安定運用できています。メンバーの日々の作業が簡略化、対応も早くなったと感じます。」と語ります。

中村氏は「これまで論理的に別のネットワークを構築したい時、2~3日かかることが課題でした。Cisco ACI であればコア部分のネットワーク設定のみなら数分、周辺機器の設定まで含めても2~3時間で完了できます。自動設定後の反映状況は、ヘルススコアで確認します。従来のログ監視では見逃しがちな不具合が数値で可視化され、早期に気付けます。」と評価。「Cisco ACI は、ネットワークエンジニアではない、クラウドが得意な方にも扱いやすいソリューション」と、今後の展開に期待を寄せます。

構築後は、シスコのカスタマーサクセス(CX)チームが、テクノロジー投資を最大限に活用できるよう、ライフサイクルを踏まえた継続サポートを提供。「定例会で運用のベストプラクティスを紹介いただいたり、相談できることで、安心感も高まります。」(中村氏)「運用に携わるメンバーは入れ替えもあり、把握する人は多い方が安心。CX はチーム内で情報を展開する役割としても機能しています。」(松本氏)

最後に松本氏は、シスコへの期待を「クラウドネイティブを目指す中、ネットワークはなるべく人手をかけず、シンプルで効率的に安定運用したい。Cisco ACIはまさにそれを実現するソリューションだと感じます。シスコにはこれからも、効率化や安定運用を実現するソリューションとサービスの提供に期待しています。」と結びました。

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