データ シート
Cisco Broadband Access Center 4.0
製品概要
Cisco® Broadband Access Center(BAC)は、加入者サービスの自動的なフロースルー プロビジョニングと加入者デバイスの管理を実現する、スケーラブルな分散型のアプリケーションです。Cisco BAC は中央集中型の自動化されたプラットフォームを提供するため、サービス プロバイダーは一般家庭向けのホーム ゲートウェイとその背後にある IP デバイスの制御と設定が可能になります。
Cisco BAC はデバイスを自動的に認識し、適切なサービス クラスを割り当て、デバイス設定ファイルを動的に作成および生成して、加入者をアクティブにします。また、DOCSIS®、PacketCable™、CableHome™、Session Initiation Protocol(SIP)などの複数のテクノロジーをサポートする単一のデバイス管理プラットフォームを提供します。
サービス プロバイダーのインフラストラクチャの規模が急速に拡大し、複雑化しているため、ネットワークやサービスの運用作業を簡素化する管理システムがますます不可欠になっています。Cisco BAC は、サービス プロバイダーのビジネス ポリシーに従って加入者デバイスの設定とプロビジョニングを自動化することで、このニーズに対応しています。Cisco BAC を使用すると、サービス プロバイダーは次のワークフロー モデルのいずれか、または両方を実装できます。
- 事前プロビジョニング:デバイスが加入者に割り当てられ、プロビジョニング アプリケーションに事前に記録されます。加入者がデバイスを接続すると、Cisco BAC は適切なサービス レベルを自動的に割り当て、デバイスを有効にします。
- 自動プロビジョニング:加入者が自分自身でサービスに登録すると、加入者のデバイスがキャプチャされ、プロビジョニング アプリケーションに記録されます。Cisco BAC がデバイスを設定しサービスを有効にする前に、加入者はサービスに登録する必要があります。
Cisco BAC は、デバイスにティアード サービスをプロビジョニングするための高速かつ安全でスケーラブルなシステムです。次の点を重視した設計となっています。
- 信頼性:Cisco BAC は高い信頼性とアベイラビリティを提供し、自律型のヘッドエンド、それぞれが独自のデータ キャッシング リポジトリを搭載した複数の分散型 Device Provisioning Engine(DPE)、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)サーバ、および Time-of-Day(ToD)サーバをサポートします。中央のサーバが停止したり、通信の問題が発生したりしても、Cisco BAC は既存の登録加入者に対して引き続きサービスを提供します。
- スケーラビリティとパフォーマンス:Cisco BAC は、分散型環境で数千万のデバイスをサポートできます。Cisco BAC は複数の分散型デバイス管理およびキャッシング エンジンを使用して、デバイスの要求の処理を調整します。1 つの DPE で最大 100 万台のデバイスをサポートできます。これらの DPE をまとめてグループ化することで、冗長性とロード シェアリングを提供できます。Cisco BAC には、サービスの要求や変更を管理する Regional Distribution Unit(RDU)と呼ばれる中心的なコンポーネントがあります。RDU サーバ 1 台と適切な数の DPE グループを組み合わせることで、最大 3500 万ものデバイスをサポートでき、一日あたり数十万台の新規デバイスの増加に持続的に対応できます。
- 既存システムとの統合:Cisco BAC は、Java プロビジョニング API を使用することで、課金システム、Operation Support System(OSS; オペレーション サポート システム)、その他の顧客管理システムなど、既存のサービス プロバイダー システムと統合できます。イベント通知登録手順を使用すると、システム内の特定のイベントについて、関連するアプリケーションに通知することもできます。
- 拡張可能なテクノロジーのサポート:Cisco BAC は、高速データ プロビジョニング用の DOCSIS ケーブル モデムとセットトップ ボックス、Media Termination Adapter(MTA)の PacketCable 音声プロビジョニング、DOCSIS ケーブル モデム、CableHome デバイス、SIP ATA、および SIP 音声ゲートウェイをサポートします。非 DOCSIS ケーブル モデムなど、その他の Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)ベースのデバイスをサポートするために、機能を拡張することもできます。
主な機能と利点
表 1 に、Cisco BAC の機能と利点を示します。
表 1 Cisco Broadband Access Center の機能と利点
製品仕様
Cisco Broadband Access Center 4.0 は、ブロードバンド デバイスにサービスをプロビジョニングするために分散アーキテクチャを使用します。図 1 に、Cisco BAC 4.0 ソリューションのコンポーネントを示します。次のようなコンポーネントがあります。
- プロビジョニング API:フロースルー プロビジョニング インターフェイス。ワークフロー アプリケーションや課金システムなど、サービス プロバイダーのクライアント プログラムと Cisco BAC システムの統合に使用します。統合は Java クライアント ライブラリを使用して行われます。サービス プロバイダーのクライアント プログラムはこのライブラリを使用して、ティアード サービスの選択やネットワーク上のデバイスの有効化を行います。クライアント ライブラリにより、統合コードを開発する必要性が低減され、Web ベースのユーザ インターフェイスとの統合が容易になります。
- RDU:Cisco BAC システムのプライマリ サーバ。次の機能を実行します。
- すべての設定の生成を管理
- 信頼できるデータベースを維持
- すべての API 要求が通過する中心点となる
- プロビジョニング API により、外部クライアント、OSS、およびその他のプロビジョニング機能をサポート
- DPE:Cisco DPE サーバ。デバイス設定を管理し、TFTP サーバおよび ToD サーバも搭載しています。Cisco DPE は次のものを管理します。
- デバイス設定、ファイル処理の最終ステップ
- 組み込み TFTP サーバによる設定ファイルの通信
- 組み込み ToD サーバ
- Cisco CNS Network Registrar® との統合
- キャッシュ デバイスの設定とプロビジョニング情報
- Cisco CNS Network Registrar:プロトコル サーバを含むソフトウェア製品。ネットワーク ポリシーおよびサービス ポリシーに基づいて、IP アドレス、設定パラメータ、および Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)名をデバイスに提供します。Cisco BAC は、IP アドレスの割り当て、DNS、デバイスの検出、および Cisco DPE サーバ間の負荷分散のために、Cisco CNS Network Registrar DHCP サーバを使用します。
図 1 Cisco BAC のアーキテクチャ
※ 画像をクリックすると、大きく表示されます。
プラットフォームのサポートとシステム要件
Cisco BAC RDU と DPE のコンポーネントは、Sun Solaris 8 および 9 オペレーティング システム、SPARC でサポートされています。Cisco BAC RDU の一般的な推奨構成は、1 GHz、2 GB の RAM、および 18 GB のハード ドライブを搭載した、Sun V440 クラスのワークステーションです。これにより、最大 500 万のデバイスをサポートできます。DPE のサイズ設定は、管理するデバイスの数によって異なります。Cisco Network Registrar には、1 GB の RAM と 5 GB のハード ドライブを搭載した Sun V210 ワークステーションが必要です。
関連情報
詳細については、http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/netmgt/bac/index.html を参照してください。