データ シートCisco 4451-X および Cisco 2900/3900 シリーズ サービス統合型ルータ向け Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールCisco® SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch® サービス モジュールは、Cisco 4451-X および Cisco 3900/2900 シリーズ サービス統合型ルータ(ISR)内部にギガビット イーサネット(GE)ポートを統合することにより、企業の総所有コスト(TCO)を削減できます。この統合により、ネットワーク管理者は、シスコの管理ツールまたはルータのコマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して単一のデバイスとして管理でき、LAN や WAN 上で必要な管理を行えます。そのため、ネットワークが簡素化され、メンテナンス契約のコストが削減されるほか、スタッフのトレーニングが不要になり、ソフトウェアの検証作業が簡素化されます。また、アベイラビリティも向上し、ブランチ オフィスと本社で一貫したユーザ エクスペリエンスを確立できます。製品概要Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch モジュールは、Cisco 2900/3900 シリーズおよび Cisco 4451-X ISR 向けの Cisco ISR 拡張サービス モジュールのフォーム ファクタを採用したエンタープライズ クラスのスイッチ製品です。これらの Cisco EtherSwitch サービス モジュール(図 1)は、Cisco Catalyst® 3560-X シリーズと同じフィーチャ セットに業界最先端のレイヤ 2 およびレイヤ 3 スイッチング機能を統合することで、ルータの機能を大幅に強化します。 新しい Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールは、Cisco Catalyst 3560-X シリーズ スイッチの強化機能を活用し、Cisco TrustSec® や Media Access Control Security(MACsec)などの革新的な機能で、高い拡張性とエネルギー効率、強力なセキュリティ、運用の簡素化を実現します。また、これらのサービス モジュールを使用することで、シスコが業界をリードして取り組んできた、IEEE 802.3at Power over Ethernet Plus(PoE+)設定やポート単位の PoE 電力監視が可能になります。これらの機能は、ブランチ オフィスが次世代の要件に合わせて拡張する能力を強化しながら、電力効率の高いネットワーク運用という IT チームにとって重要な目標の達成にも役立ちます。さらに、Cisco Enhanced EtherSwitch サービス モジュールは、ローカル ラインレートでのスイッチングとルーティングだけでなく、サービス モジュール間の直接通信もサポートします。この直接通信には、LAN トラフィックを WAN リソースから分離する、第 2 世代サービス統合型ルータ(ISR G2)のマルチギガビット ファブリック(MGF)が使用されます。 Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールは、Catalyst 3560-X スイッチと同じフィーチャ セットをサポートしているので、本社とブランチ オフィスの設定を統一し、ネットワーク全体に一貫したエクスペリエンスを提供できます。 Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールのソフトウェアCisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールには、IP Base と IP Services のフィーチャ セットに加え、新しい LAN Base のフィーチャ セットも付属しています。次に示す 3 つのフィーチャ セットはすべての Cisco SM-X EtherSwitch モジュールで使用できます。
LAN Base フィーチャ セットには、最大 255 VLAN までの包括的なレイヤ 2 機能が含まれます。IP Base フィーチャ セットは、すべての LAN Base 機能に加え、1K VLAN で基本エンタープライズ サービスを提供します。また、ルータ経由でのアクセスと MACsec もサポートします。IP Services フィーチャ セットは、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)、Protocol Independent Multicast(PIM)、OSPFv3 や EIGRPv6 のような IPv6 ルーティングなどの先進的なレイヤ 3 機能を含む完全なエンタープライズ サービスを提供します。これらのソフトウェア フィーチャ セットはいずれも、高度なセキュリティ機能、QoS 機能、管理機能をサポートします。 Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールは、「使用権」方式のライセンス アップグレードに対応しています。詳細については、 機能と利点アーキテクチャの機能と利点Cisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールを使用すると、最大限のアベイラビリティと高性能を実現できると同時に、アップグレードやシステムの拡張が容易になります。モジュールには、独自のプロセッサ、スイッチング エンジン、およびフラッシュ メモリが搭載されており、これらはホスト リソースに依存することなく動作します。このため、同時スイッチングと同時ルーティングで最大限のパフォーマンスが保証されるだけでなく、PoE+ およびセキュリティ機能を組み込むことができ、管理性も向上します。また、Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールでは、ルータの Cisco IOS ソフトウェア イメージを使用せずに独自の Cisco IOS® ソフトウェアが実行されるため、アップグレードが容易なうえ、Cisco Catalyst 3560-X シリーズ スイッチで一般的に使用されているソフトウェアと機能を引き続き使用できます。表 1 に、このアーキテクチャの主な機能と利点を示します。 Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールを Cisco 2900/3900 シリーズまたは Cisco 4451-X サービス統合型ルータに搭載すると、セキュアなネットワーキングと包括的な IP コミュニケーションの完全な統合型ソリューションが提供されます。統合型スイッチを含む単一プラットフォームから、IP フォン、ワイヤレス アクセス ポイント、IP ビデオ カメラをネットワークに接続し、IEEE 802.3af または IEEE 802.3at PoE+ を使用してデバイスに電力を供給できます。オプションの Cisco Unified Communications Manager Express を追加すると、ルータで IP フォンの呼処理を行うこともできます。 Cisco Enhanced EtherSwitch サービス モジュール経由でユーザがネットワークにアクセスしようとすると、IEEE 802.1x および多数の Cisco 802.1x 拡張機能を使用してエンド デバイスのクレデンシャルが検証され、ユーザを適切な VLAN または Cisco TrustSec グループ内に配置します。エンドユーザのデータが、スイッチ モジュールとその他のネットワーク エンティティの間や建物間を移動する場合は、MACsec を使用してレイヤ 2 でこのトラフィックを暗号化できます。 表 1 Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールで対応できるお客様のニーズ
高度な PoE のサポートPoE に対応しているので、PoE 対応デバイスの電源を屋内 AC コンセントから個別に引く必要はありません。PoE を使わずに IP フォンやワイヤレス LAN(WLAN)を導入した場合に必要となる電源ケーブルや配線コストを省くことができます。 PoE が導入されてから 10 年以上経ちますが、この技術は今も進歩を続けています。新たに開発されるアプリケーションの電力要件は高まり続けています。 IEEE 802.3at Power over EthernetCisco Enhanced EtherSwitch サービス モジュールは、802.3af PoE に加え、PoE+(IEEE 802.3at 規格)にも対応し、各ポートで最大 30 W の電力を供給できます。そのため、Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールを使用すると、Cisco IP Phone、Cisco Aironet® ワイヤレス LAN アクセス ポイント、または任意の IEEE 802.3af 準拠エンド デバイスの導入に必要な TCO を抑えることが可能です。 また、PoE+ 対応ポートは、PoE+ 30 W のほか、既存の POE や ePoE ソリューションへの給電も可能です。 表 2 に、PoE の総出力電力を示します。Cisco 2900、3900、または 4451-X ルータのモデルによって、使用可能な PoE 電力は 200 〜 1,014 W の範囲で異なります。その他の PoE 機能は次のとおりです。
Power over Ethernet を使用するには、PoE バージョンのルータ電源が必要になります(表 3 参照)。Cisco 2900、3900、4451-X ルータは、複数の PoE 給電モードをサポートします。
表 2 出力電力
表 3 電源モデル
安全なネットワーキングセキュリティ機能はネットワークの至る所に組み込まれている必要があるため、ルータと Cisco EtherSwitch デバイスは、ネットワーク保護戦略で重要な役割を担っています。豊富なセキュリティ機能を持つ Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールは、安全なネットワークの構築に不可欠な要素といえます。このモジュールは、ACL、認証、ポートレベルのセキュリティ、802.1x および Cisco TrustSec のセキュリティを使用した ID ベースのネットワーク サービス、MACsec によるスイッチ間の暗号化など、接続およびアクセス コントロールに必要な包括的なセキュリティ機能をサポートしています。 この包括的な機能によって、外部からの攻撃を防ぐだけでなく、現在のビジネス環境で最も懸念される「中間者(man-in-the-middle)」攻撃からネットワークを守ることもできます。表 4 に、Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールの主なセキュリティ機能と利点を示します。 表 4 Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールのセキュリティ機能
まとめCisco SM-X レイヤ 2/3 EtherSwitch サービス モジュールは、Cisco TrustSec セキュリティと MACsec を導入することで、高度な制御とセキュリティを実現します。Cisco TrustSec セキュリティは、高い拡張性と高度なユーザ認証を提供し、MACsec はスイッチ間トラフィックの自動暗号化を可能にします。Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールはまた、IEEE 802.3at PoE+ に対応しているため、PoE 電力レベルが強化され、これまでより広範なネットワーク機器にスイッチから給電できます。 Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールを使用すると、高度なスイッチング機能を犠牲にすることなく、運用コストを最小限に抑え、ネットワーク インフラストラクチャの投資回収率(ROI)を最大化できます。また、大企業のブランチ オフィスや中小規模企業でも、生産性向上に役立つサービスを導入しやすくなります。 製品仕様表 5 に、Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールの仕様を示します。ギガビット イーサネット ポートはすべて 10/100/1000 Mbps に対応しています。 表 5 製品仕様
表 6 に、各プラットフォームでサポートされる Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールの数を示します。モジュール間のトラフィックは、ルータの MGF スイッチによって切り替えられます。各モジュールには、MGF への 1 Gbps/秒のリンクがあります。 異なるモジュールを組み合わせて搭載できます。次の表に示す数には、オンボードのイーサネット ポートや、高速 WAN インターフェイス カード(HWIC)、拡張 HWIC(EHWIC)、またはネットワーク インターフェイス モジュール(NIM)で将来的に使用可能になるイーサネット ポートは含まれていません。 表 6 モジュールのサポート
ソフトウェア サポート表 7 に、Cisco SM-X EtherSwitch のサポートに最低限必要なソフトウェアと既定のソフトウェア ライセンスを示します。Cisco SM-X EtherSwitch サービス モジュールはすべてのテクノロジー パッケージでサポートされています。 表 7 Cisco IOS ソフトウェア リリース モジュールのサポート
物理仕様および環境条件表 8 に製品仕様を示します。 表 8 モジュールの仕様
適合認定、安全性、EMC、テレコミュニケーション、およびネットワーク設定Cisco EtherSwitch サービス モジュールを Cisco 2900/3900 シリーズまたは Cisco 4451-X ISR に搭載しても、ルータ自体の規格(規制認定、安全性、EMC、テレコミュニケーション、またはネットワーク設定)は変更されません。これらのルータの詳細については、次のサイトを参照してください。
発注情報表 9 に、Cisco EtherSwitch サービス モジュールの発注情報を示します。シスコ製品の購入方法については、「購入案内」を参照してください。 表 9 発注情報
シスコおよびパートナーのブランチ オフィス向けサービスシスコおよび認定パートナーが提供するサービスは、ブランチ オフィスのエクスペリエンスを変革し、ボーダレス ネットワークによってビジネスの刷新および成長を加速させます。シスコおよびパートナーは、複製可能で最適化されたわかりやすいブランチ オフィス ネットワークの構築に向けて、さまざまなテクノロジーに関する幅広い専門知識を提供します。計画および設計サービスでは、テクノロジーとビジネス目標との整合性を図り、展開の正確性、速度、および効率性を向上させることができます。テクニカル サービスは、運用効率の向上、費用の削減、およびリスクの緩和に貢献します。最適化サービスは、パフォーマンスの継続的な改善、およびお客様のチームが新しいテクノロジーを使いこなすための支援を目的としています。 関連情報本書は、Cisco EtherSwitch サービス モジュールに関する情報のみを掲載しています。このモジュールの詳細については、最寄りのシスコ代理店にお問い合わせください。 ソフトウェア機能の詳細については、Cisco Catalyst 3560-X の Web ページ Cisco 2900/3900 シリーズおよび Cisco 4451-X サービス統合型ルータの詳細については、 |
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