データ シートCisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカード製品概要Cisco® ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードは、サービス プロバイダー環境に特化した最新世代のキャリア イーサネット ラインカードです。このラインカードを使用することにより、経済的でスケーラビリティと可用性に優れたラインレートのイーサネットおよび IP/Multiprotocol Label Switching(IP/MPLS; IP/マルチプロトコル ラベル スイッチング)エッジ サービスを実現できます。Cisco ASR 9000 シリーズ ラインカード、およびその他の Cisco ASR 9000 シリーズ プラットフォーム コンポーネントを使用することで、スケーラブルなキャリア イーサネットおよび IP/MPLS ネットワークの基盤となり、企業、家庭、モバイル環境での便利なサービス提供をサポートします(図 1)。 機能と利点各 Cisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードは、Hierarchical Quality Of Service(HQoS; 階層型 QoS)に加え、レイヤ 2 とレイヤ 3 両方のサービスおよび機能を同時にサポートするので、1 つのラインカードをレイヤ 2 とレイヤ 3 のアプリケーションの多様な組み合わせに適用できます。これにより、導入コスト(CapEx)と運用コスト(OpEx)が軽減され、新しいサービスの開発や導入にかかる期間も短縮できます。また、最大 512,000 キュー、32,000 インターフェイス、130 万ルート、100 万 MAC アドレス、36,000 VPN という、これまでの標準を大きく越えるサービス密度を実現できるので、ネットワーク資産を最大限に活用しながら、予測可能な管理トランスポート サービスを提供できます。 Cisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードは、Route Switch Processor(RSP; ルート スイッチ プロセッサ)の Stratum-3 サブシステムにアクセスするための同期回路と専用のバックプレーン タイミング トレース機能を備えており、トランスポート クラスのネットワーク タイミングの実現が可能な標準ベースのライン インターフェイス機能を提供します。これにより、モバイル バックホールや Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重)移行といったネットワークの同期化サービスおよびアプリケーションをサポートできるようになります。シスコは、リアルタイム メディアが次世代サービスの中心になるとの認識に立ち、Cisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードへのメディアモニタリング技術の統合を進めてきました。このマルチメディア テクノロジーを使用すると、標準ベースのリアルタイム モニタリング情報および統計情報を使用してビデオ/音声フローをリアルタイムで収集できるため、現在のメディアリッチ型サービスを予防的に保守および管理できます。 IP と Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)ネットワーキングの統合による利点を生かすため、G.709 と Advanced Forward Error Correction(FEC; 前方誤り訂正)機能も備えています。G.709 によって、DWDM 伝送システムを把握できるようになり、トランスミッションレイヤと DWDM の不具合をすぐに検出し、回復できます。トラフィックが失われてリンク障害が発生する前に、信号低下が検出されたときに G.709 を予防的に保護するように構成することもできます。Advanced FEC は、トランスミッションレイヤのパフォーマンスを強化し、再生成やトランスポンダに費用をかけることなく、拡張システムのパフォーマンスを改善します。 表 1 に Cisco ASR 9000 シリーズ ラインカードの機能と利点を示します。スケールのサポートは、ご使用のソフトウェアおよびハードウェアによって異なります。 表 1 Cisco ASR 9000 シリーズ ラインカードの機能と利点
ラインカードのタイプCisco ASR 9000 シリーズ ラインカードには、Low Queue、Medium Queue、および High Queue の 3 つのスケールタイプがあります。各ラインカード タイプは、同一の機能とパフォーマンスを備えています。同じシステム内にラインカード タイプを混在させることができます。表 2 に、ラインカード タイプの主な相違点を示します。実際のスケールのサポートは、ご使用のハードウェアおよびソフトウェアによって異なります。 表 2 ラインカードのタイプ
ラインカードの機能ライセンスラインカードには、オプションの機能ライセンスが使用できます。たとえば、レイヤ 3 VPN、G.709 および FEC、合法的傍受、ビデオ モニタリングを可能にするライセンスがあります。L3VPN ラインカード ライセンスを使用すると、ラインカード単位で、システムの VPN Route and Forwarding(VRF; VPN ルーティングおよび転送)インスタンスへのアクセスが可能になります。表 3 に、3 種類の L3VPN ライセンスの VRF スケールと、ラインカードの適合性を示します。 表 3 L3VPN 機能ライセンス
アドバンスド光ラインカード(A9K-ADV-OPTIC-LIC)ライセンスでは、ラインカード単位で G.709 と FEC を使用できます。このライセンスは、製品番号 A9K-2T20GE-L、A9K-2T20GE-B、A9K-2T20GE-E、A9K-8T-L、A9K-8T-B、A9K-8T-E、A9K-16T/8-B のラインカードで利用できます。 合法的傍受ライセンスでは、法執行機関が Cisco ASR 9000 を経由するトラフィックを傍受することが許可されます。このライセンスは、任意のラインカードで使用され、ラインカード単位で購入されます。 ビデオ モニタリング(A9K-ADV-VIDEO-LIC)ライセンスはシステム ライセンスです。システム内のすべてのイーサネット ラインカードのインライン ビデオフロー モニタリングが可能になります。 製品仕様表 4 に、製品仕様を示します。スケールのサポートは、ご使用のソフトウェアおよびハードウェアによって異なります。 表 4 製品仕様
プラグイン可能なインターフェイスCisco ASR 9000 イーサネット ラインカードは、広範なプラグイン可能インターフェイスをサポートしています。すべてが記されたリストは、Cisco ASR 9000 トランシーバ モジュール データシートを参照してください。 システム要件Cisco ASR 9000 シリーズ ラインカードは、10 スロット シャーシと 6 スロット シャーシのいずれにも搭載できます。Cisco ASR 9000 シリーズは、アクセスおよびアグリゲーション ネットワークにおいて優れた拡張性、サービスの柔軟性、およびハイ アベイラビリティを提供します。革新的な自己回復機能を備えた分散オペレーティング システムである Cisco IOS XR ソフトウェアを採用し、常時稼働したままシステム容量を Tbps まで拡張できる設計になっています。 Cisco ASR 9000 シリーズ キャリア イーサネット アプリケーションには、L2VPN および L3VPN、IPTV、Content Delivery Network(CDN)、およびモバイル バックホール転送ネットワークなどのビジネス サービスが含まれます。サポートされる機能には、イーサネット サービス、L2VPN、IPv4、IPv6、および L3VPN、レイヤ 2 およびレイヤ 3 マルチキャスト、IP over DWDM(IPoDWDM)、Synchronous Ethernet(SyncE; 同期イーサネット)、EOAM、MPLS OA&M、レイヤ 2 およびレイヤ 3 ACL、HQoS、MPLS TE-FRR、MC-LAG、Integrated Routing and Bridging(IRB)、Nonstop Forwarding(NSF; ノンストップ フォワーディング)、および Nonstop Routing(NSR; ノンストップ ルーティング)があります。 Cisco ASR 9000 シリーズには、Cisco ASR 9000 シリーズの Multiservice Edge(MSE)および Ethernet MSE(E-MSE)機能を促進する、Shared Port Adaptor(SPA; 共有ポート アダプタ)の包括的なポートフォリオもあります。Cisco ASR 9000 シリーズ MSE および E-MSE 機能によって、企業は強力な SLA 適用を備えた高性能のビジネス VPN サービスを提供できます。この機能は、細やかで高スケールのビジネス VPN E-MSE サービス用に設計された High-Queue(-E)クラスのイーサネット ラインカードを補完します。このようなサービスは通常、Virtual Route Forwarding(VRF)インターフェイスの数、IPv4 および IPv6 ルート スケーリング、Bidirectional Forwarding Detection(BFD; 双方向フォワーディング検出)セッションおよび Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)Non-Stop Routing(NSR; ノンストップ ルーティング)インターフェイスのインスタンスなど、複数の面でのスケールを同時に拡大することが必要です。複数の面での高いスケールを必要とする Cisco ASR 9000 シリーズ システム構成には、拡大されたシステム スケールをサポートするために、8 GB メモリを搭載した Cisco ASR 9000 シリーズ ルート スイッチ プロセッサが必要です。 表 5 は、必要な最小ソフトウェア リリースを示しています。 表 5 最小限必要なソフトウェア リリース
発注情報表 6 に、Cisco ASR 9000 シリーズ イーサネット ラインカードの発注情報を示します。 表 6 発注情報
ソフトウェアのダウンロードCisco IOS ソフトウェアは、Cisco Software Center からダウンロードできます。 Cisco ASR 9000 シリーズに関するシスコのサービスシスコは、ライフサイクル サービス アプローチを通じて包括的なサポートを提供することにより、サービス プロバイダーのお客様が IP Next-Generation Network(IP NGN)を効果的に導入、運用、最適化できるように支援します。Cisco ASR 9000 ルータ向けのシスコのサービスは、実績ある手段により、確実なサービス展開を保証し、十分な ROI(Return on Investment; 投資回収率)、適切な運用効率、最適なパフォーマンス、および高可用性を実現します。これらのサービスは、Cisco ASR 9000 シリーズの導入および実装後のサポート向けに特別に開発されたもので、ベストプラクティスや、優れたツール、プロセス、ラボ環境が含まれています。シスコのサービス担当チームは、お客様固有の要求に対応し、お客様の収益源である既存のサービスを損なうことなく、新しいネットワーク サービスを迅速に市場投入できるようにします。 関連情報シスコのサービスの詳細については、シスコの代理店にお問い合わせください。または、http://www.cisco.com/go/spservices/ [英語] をご覧ください。 |
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