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Cisco® ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(RSP 880)は、Cisco ASR 9010 ルータ、ASR 9006 ルータ、および ASR 9904 ルータ用のシステムプロセッサです。RSP880-LT は、ASR 9010、ASR 9006、ASR 9904、ASR 9910 ルータ、および ASR9906 ルータ用のシステムプロセッサです。このプロセッサは高密度 100 ギガビット イーサネット ラインカードをサポートし、Cisco ASR 9000 シリーズの第 2 ラインカードファミリとの後方互換性を提供します(図 1 および図 2)。Cisco ASR 9000 RSP 880 システムアーキテクチャは、昨今の有線、データセンター相互接続(DCI)、および無線アクセスネットワーク(RAN)の集約型アプリケーションで必要とされるプログラム可能な導入の最新モデル、ならびにレイヤ 2 とレイヤ 3 サービスのコンバージェンスに対応した設定となっています。
ASR 9000 RSP 880 を導入すると、Cisco IOS® XR ソフトウェアが持つ実績のある堅牢なキャリアクラスの機能をキャリアイーサネットのエッジで利用できます。このオペレーティングシステムは、ソフトウェアプロセスの真のモジュラ性をサポートします。また、このソフトウェアにより、保護された個別のメモリ内で各プロセスを実行できます。このプロセスには、各ルーティングプロトコルが含まれるほか、コントロールプレーン、データプレーン、および管理プレーンといった複数のインスタンスをサポートしています。このソフトウェアは分散ルート処理もサポートします。
Cisco ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880
Cisco ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT
ASR 9000 RSP 880 は、現在および今後のビデオ、クラウド、およびモバイルのサービスに必要な優れたスケーラビリティ、パフォーマンス、および高速コンバージェンスを実現できるように設計されています。これらの機能は、優れた拡張性、サービス柔軟性、および高可用性を備えています。
· 統合スイッチ ファブリック アーキテクチャ:
◦ 分散スイッチアーキテクチャ
◦ 低遅延かつノンブロッキングなマルチステージ アーキテクチャ
◦ サービスインテリジェンスおよびトラフィックの優先順位付け
· 優れたネットワークタイミング機能(以下をサポート):
◦ 一元管理型 Building Integrated Timing Supply(BITS)
◦ IEEE 1588-2008 で定義されている Precision Time Protocol(PTP)(専用の 10 Mbps または
100 Mbps イーサネットポートを使用)
◦ 双方向の Time-of-Day(ToD)(10 MHz および 1 pps のインターフェイスを使用)
ASR 9000 RSP 880 には次の 2 つのバリエーションがあります。
1. RSP880:サービスエッジ向けに最適化されたモデルおよびパケット転送向けに最適化されたモデル。
2. RSP880-LT:サービスエッジ向けに最適化されたモデルおよびパケット転送向けに最適化されたモデル。
サービスエッジ向けに最適化されたモデルでは、大規模で包括的なサービスの展開に不可欠な大容量のメモリを利用できます。両方のバリエーションのルートスイッチプロセッサで、サービス向けに最適化されたラインカードと転送向けに最適化されたラインカードがサポートされています。異なるラインカードを同じシャーシで混在させることができ、柔軟に設計することができます。
ASR 9000 RSP 880 の機能と利点を表 1 に示します。
表 1. ASR 9000 RSP 880 の機能と利点
機能 |
利点 |
拡張性に優れたファブリック |
·
高密度の 1/10/100 Gbps
ポートをサポートするように設計
·
システムに組み込まれた拡張性により、投資保護を実現
|
ファブリックの容量 |
· 880 GB
非冗長(AS9904
、ASR9010
、および ASR9006
)
· 440 GB
冗長(ASR9904
、ASR9010
、および ASR9006
)
· ASR9910
および ASR9906
上の RSP
ごとに 230 Gbps
|
分散型のフォワーディング プレーン アーキテクチャ |
ラインカードごとに独立したパケットフォワーディングにより、パフォーマンスと拡張性を強化 |
メモリレスのスイッチファブリック |
透過的でノンブロッキングな低遅延パケット フォワーディングを実現 |
仮想出力キューイングとパケット出力調停機能 |
·
トラフィック(ユニキャストおよびマルチキャスト)の優先順位付けに基づくサービスインテリジェンスを提供
·
効率的な輻輳管理メカニズムを提供し、ヘッドオブライン
ブロッキングの問題を回避
|
中央集中型のアービター |
効率的なクレジットメカニズムを使用し、パケット損失が発生しない透過的なスイッチオーバーを実現 |
IEEE 1588 のサポート |
パケットネットワークで効率的かつ確実なタイミングサービスを提供 |
2 つの独立したクロックソースの接続:BITS および同期供給ユニット(SSU)の DTI |
冗長化された中央集中型ネットワークの同期化をサポート |
ソリッドステートドライブ(SSD) |
RSP880 は 2 つの 32 GB SSD、RSP880-LT は 2 つの 128 GB SSD を搭載し、コアダンプの保存を可能にして、システムの平均修復時間(MTTR)を短縮 |
eUSB(embedded Universal Series Bus) |
ソフトウェアイメージの保存とアップグレードのためにオンボード ユニバーサル シリアル バス(USB)フラッシュメモリデバイスへのアクセスを提供 |
前面パネルの外部 USB 2.0 ポート |
USB フラッシュメモリデバイスを使用したソフトウェアイメージの迅速なロードおよびリカバリ |
前面パネルの LED |
ルートスイッチプロセッサのステータス(アクティブまたはスタンバイ)、電源管理、SSD のアクティビティを視覚的に提示 |
管理ポート |
システムコンソールへの容易なアクセスを実現 |
プロセッサ |
RSP880 は 8コア(1.9 GHz)、RSP880-LT は 4 コア(2.4 GHz) |
ASR 9000 RSP 880 で使用可能なすべてのハードウェアを表 2 に示します。
表 2. Cisco ASR 9000 RSP 880 のハードウェア
製品番号 |
製品の説明 |
A9K-RSP880-TR |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(パケット転送用)16 G |
A9K-RSP880-SE |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(サービスエッジ用) 32 G |
A9K-RSP880-LT-TR |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(パケット転送用)16 G |
A9K-RSP880-LT-SE |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(サービスエッジ用) 32 G |
ASR 9000 RSP 880 および RSP 880-LT の技術仕様を表 3 に示します。
表 3. Cisco ASR 9000 RSP 880 および RSP880-LT のハードウェアの技術仕様
技術仕様 |
内部メモリ |
· RSP880-LT
を搭載した最大 7
枚の Cisco ASR 9000
スイッチファブリックカードを制御
· ASR 9000 RSP 880
(パケット転送用)16 G
(製品番号:A9K-RSP880-TR
、A9K-RSP880-LT-TR
):16 GB
のエラー訂正コード(ECC
)保護 DRAM
· ASR 9000 RSP 880
(サービスエッジ用)32 G
(製品番号:A9K-RSP880-SE
、A9K-RSP880-LT-SE
):32 GB
の ECC
保護 DRAM
·
ソリッドステートディスク:RSP 880
は 32 GB SSD X 2
、RSP880-LT
は 128 GB SSD X 2
· 8 GB eUSB
(組み込み USB
)
· USB 2.0
タイプ A
レセプタクル
|
タイミングシステム |
·
タイミング:2
つの独立したクロックソースの接続
· IEEE 1588
のサポート:銅線 10/100 Mbps RJ-45
イーサネットポート
|
GPS |
· ToD
(RS-422
および RS-232
)
· 1 pps RS-422
または 1.0/2.3 50
オーム RF
コネクタ
· 10 MHz
入出力 1.0/2.3 50
オーム RF
コネクタ
|
管理 |
· 100/1000 BASE-T
(RJ-45
)LAN
管理ポート X 2
·
コンソール
ポート X 1
·
補助ポート X 1
|
アラーム |
·
アラーム出力:クリティカルアラーム(CR
)、メジャーアラーム(MJ
)、およびマイナーアラーム(MN
)
|
LED |
·
オレンジ色のアラーム遮断(ACO
)およびランプテスト
·
システム同期アラーム(SYNC
)
· GPS
·
ファブリックカード障害インジケータ
· SSD
|
Cisco ASR 9000 シリーズのアグリゲーション サービス ルータは、アクセスおよびアグリゲーションネットワークにおいて優れた拡張性、サービスの柔軟性、および高可用性を提供します。このシリーズには、Cisco IOS XR ソフトウェアが搭載されています。このソフトウェアは、革新的な自己修復機能を備えた分散型のオペレーティングシステムであり、連続稼働を実現します。Cisco IOS XR ソフトウェアはソフトウェア メンテナンス アップデート(SMU)をサポートしており、現行サービスを中断することなくバグを修正できるだけでなく、機能のマイナーリリースも可能です。また、Field-Programmable Device(FPD)のアップグレードもサポートしており、システムの稼働中に Field-Programmable Gate Array(FPGA)や ROM モニタ(ROMmon)などを更新できます。
Cisco ASR 9000 シリーズ キャリア イーサネット アプリケーションには、レイヤ 2 VPN(L2VPN)と 3 VPN(L3VPN)、インターネット プロトコル テレビ(IPTV)、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、モバイルバックホール伝送ネットワークなどのビジネスサービスが含まれています。サポートされている機能には、イーサネットサービス、L2VPN、IPv4/IPv6 および L3VPN、レイヤ 2 およびレイヤ 3 でのマルチキャスト、IP over Dense Wavelength-Division Multiplexing(IPoDWDM)、SyncE、イ―ネットの運用、管理、保全(EOAM)、およびマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)OAM、レイヤ 2 およびレイヤ 3 のアクセスコントロールリスト(ACL)、Hierarchical Quality of Service(H-QoS)、MPLS Traffic Engineering Fast Reroute(MPLS TE-FRR)、Multichassis Link Aggregation(MC-LAG)、Integrated Routing and Bridging(IRB)、Cisco Nonstop Forwarding(NSF)および Nonstop Routing(NSR)、Point-to-Multipoint Traffic Engineering(P2MP-TE)、
合法的傍受、Smart Call Home(SCH)、Multi Gigabit Service Control Platform(MGSCP)などがあります。
Cisco ASR 9000 シリーズの Multiservice Edge(MSE)および Ethernet MSE(E-MSE)の機能を利用すると、
強力なビジネス VPN サービスをサービスレベル契約(SLA)に基づいて提供できます。こういったサービスを提供するには、通常、さまざまな面で同時に規模を拡大する必要があります。たとえば、Virtual Route Forwarding(VRF)インターフェイスの数、IPv4 および IPv6 のルートの拡張、Bidirectional Forwarding Detection(BFD)セッション、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)の Cisco NSR インターフェイスのインスタンスなどです。さまざまな面で大規模な拡張を要する Cisco ASR 9000 シリーズのシステム構成には、システム規模の拡大に対応するために、サービスエッジ向けに最適化されたモデルのルートスイッチプロセッサが必要です。
タイミング同期は、従来の回線のネットワークの不可欠な要素なので、次世代のイーサネットベースのアーキテクチャで同等の機能が重要な要件となっています。Cisco ASR 9000 シリーズのシャーシには、標準に準拠した高精度時間プロトコルバージョン 2(PTPv2)、GPS、DTI、および BITS 接続をルートスイッチプロセッサで利用でき、ラインカードは SyncE にネイティブで対応しているので、モバイル事業者は、タイミングと周波数の同期についての豊富なオプションを利用できます。さらに、Cisco ASR 9000 ルートスイッチプロセッサは、中央集中型のクロック機能を ASR 9000 システム全体に供給し、ラインカードと相互的にタイミング配信とタイミング回復を実行します。
Cisco ASR 9010、ASR 9006、ASR 9904 シャーシ、ASR 9910(RSP880-LT のみ)、および ASR 9906(RSP880-LT のみ)をサポート(そのため、スペア部品が共通)する Cisco ASR 9000 RSP 880 および RSP880-LT の詳細を表 4 に示します。Cisco ASR 9000 シリーズのシステムは、高水準のパフォーマンスと信頼性を実現するという共通の目的で設計されています。これらは電源と熱のイノベーションが同じという特徴があり、ルートプロセッサ、ラインカード、電源入力モジュール(PEM)、および電源を共有して、ネットワーク計画の柔軟性を最大限に高めます。
表 4. 製品仕様
ASR 9000 シリーズ ルータスイッチプロセッサ向けのシスコサービス
シスコは、ライフサイクル サービス アプローチを通じて包括的なサポートを提供することにより、Cisco Prime™ Evolved Programmable Networks を効果的に導入、運用、最適化できるように支援します。Cisco ASR 9000 ルータ向けのシスコ サービスは、実績ある手段により、確実なサービス展開を保証し、十分な投資回収率(ROI)、適切な運用効率、最適なパフォーマンス、および高可用性を実現します。これらのサービスは、Cisco ASR 9000 シリーズの導入およびその後のサポート向けに特別に開発されており、ベスト プラクティスや優れたツール、プロセス、およびラボ環境が含まれています。シスコサービスチームは、お客様固有の要求に対応し、お客様の収益源である既存のサービスを損なうことなく、新しいネットワークサービスを迅速に市場投入できるようにサポートします。
シスコサービスの詳細については、最寄りのシスコアカウント担当者にお問い合わせになるか、https://www.cisco.com/jp/go/spservices を参照してください。
Cisco ASR 9000 RSP 880 および RSP 880-LT の発注情報を表 5 に示します。
表 5. 構成情報
製品の説明 |
サポート対象のソフトウェアリリース |
部品番号 |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(パケット転送用) |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 5.3.0 以降 |
A9K-RSP880-TR |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(パケット転送用)、スペア |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 5.3.0 以降 |
A9K-RSP880-TR = |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(サービスエッジ用) |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 5.3.0 以降 |
A9K-RSP880-SE |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880(サービスエッジ用)、スペア |
Cisco IOS-XR ソフトウェアリリース 5.3.0 以降 |
A9K-RSP880-SE = |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(パケット転送用) |
Cisco IOS-XR ソフトウェアリリース 6.2.2 以降 |
A9K-RSP880-LT-TR |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(パケット転送用)、スペア |
Cisco IOS-XR ソフトウェアリリース 6.2.2 以降 |
A9K-RSP880-LT-TR= |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(サービスエッジ用) |
Cisco IOS-XR ソフトウェアリリース 6.2.2 以降 |
A9K-RSP880-LT-SE |
ASR 9000 ルートスイッチプロセッサ 880-LT(サービスエッジ用)、スペア |
Cisco IOS-XR ソフトウェアリリース 6.2.2 以降 |
A9K-RSP880-LT-SE= |
ASR9906 は IOS XR 6.4.1 以降で計画されています。
シスコ製品の購入方法については、購入案内のページ および表 5 を参照してください。
シスコの企業の社会的責任(CSR)レポートの「環境保全」セクションでは、製品、ソリューション、運用・拡張運用、サプライチェーンに対する、シスコの環境保全ポリシーとイニシアチブを掲載しています。
次の表に、環境保全に関する主要なトピック(CSR レポートの「環境保全」セクションに記載)への参照リンクを示します。
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目的達成に役立つ柔軟な支払いソリューション
Cisco Capital により、目標を達成するための適切なテクノロジーを簡単に取得し、ビジネス変革を実現し、競争力を維持できます。総所有コスト(TCO)の削減、資金の節約、成長の促進に役立ちます。100 ヵ国あまりの国々では、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、および他社製製品を購入するのに、シスコの柔軟な支払いソリューションを利用して、簡単かつ計画的に支払うことができます。詳細はこちらをご覧ください。