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Cisco® ASR 9900 ルートプロセッサ 3(ASR 9900 RP3)は、Cisco ASR 9912 ルータおよび ASR 9922 ルータの次世代システムプロセッサであり、高密度 100 および 400 ギガビット イーサネット ライン カードをサポートし、ラインカードの Cisco ASR 9000 シリーズ第 3 世代ファミリとの下位互換性を提供しています。Cisco ASR 9900 RP3 のシステムアーキテクチャは、
昨今の有線、データセンター相互接続(DCI)、およびモバイル集約型アプリケーションで必要とされる最新のプログラム可能な導入モデル、およびレイヤ 2 とレイヤ 3 サービスの統合に対応できるように設計されています。
ASR 9900 RP3 を導入すると、Cisco IOS® XR ソフトウェアが持つ実績のある堅牢なキャリアクラスの機能をキャリアイーサネットのエッジで利用できます。このルートプロセッサのオペレーティングシステムは、最適なソフトウェア プロセス モジュール方式をサポートしているため、保護された個別のメモリ内で各プロセスを実行できます。このプロセスには、各ルーティングプロトコルが含まれるほか、コントロールプレーン、データプレーン、および管理プレーンといった複数のインスタンスをサポートしています。このソフトウェアは分散ルート処理もサポートします。
Cisco ASR 9900 シリーズ ルートプロセッサ 3:SE
Cisco ASR 9900 シリーズ ルートプロセッサ 3:TR
Cisco ASR 9900 RP3 は、現在および今後のビデオ、クラウド、およびモバイルのサービスに必要な優れた拡張性、パフォーマンス、および高速コンバージェンスを実現できるように設計されています。これらの機能は、優れた拡張性、サービス柔軟性、および高可用性を備えています。
● Cisco ASR 9900 ファブリックカードを使用したスイッチ ファブリック アーキテクチャ:
◦ 分散型スイッチ ファブリック アーキテクチャ
◦ Cisco ASR 9922 ルータおよび ASR 9912 ルータシャーシの拡張性と高可用性を実現するため、最大 7 枚の ASR 9900 スイッチファブリックカードをサポート
◦ 低遅延かつノンブロッキングなマルチステージ アーキテクチャ
◦ サービスインテリジェンスおよびトラフィックの優先順位付け
● 優れたネットワークタイミング機能(以下をサポート):
◦ 時刻(ToD)、10 MHz および 1-PPS インターフェイスを介した Global Positioning System(GPS)
◦ 集中管理型 Building Integrated Timing Supply(BITS)
◦ IEEE 1588-2008 で定義されている高精度時間プロトコル(PTP)(専用の 10 Mbps および 100 Mbps イーサネットポートを使用)
◦ 双方向の Time of Day(ToD)(10 MHz および 1 pps のインターフェイスを使用)
Cisco ASR 9900 ルートプロセッサには、サービスエッジ向けに最適化されたモデルとパケット転送向けに最適化されたモデルがあります。サービスエッジ向けに最適化されたバージョンでは、大規模で包括的なサービスの展開に不可欠な大容量のメモリを利用できます。両方のバージョンのルートプロセッサで、サービス向けに最適化されたラインカードと転送向けに最適化されたラインカードがサポートされています。異なるラインカードを同じシャーシで混在させることができ、柔軟性が高まります。
ASR 9900 RP3 の特長と利点を表 1 に示します。
表 1. XR 6.5.15 以降における ASR 9900 RP3 の特長と利点
機能 |
利点 |
拡張性に優れたファブリック |
● 1/10/25/40/100/400 Gbps
の高いポート密度をサポートするように設計
●
システムに組み込まれた拡張性により、投資保護を実現
|
最大 7 枚のスイッチファブリックカードを制御 |
7 つのファブリック間で同時にトラフィックのロードバランスを提供 |
分散型の転送プレーンアーキテクチャ |
ラインカードごとに独立したパケット転送により、パフォーマンスと拡張性を強化 |
メモリレスのスイッチファブリック |
透過的でノンブロッキングな低遅延パケット転送を実現 |
仮想出力キューイングとパケット出力調停機能 |
●
トラフィック(ユニキャストおよびマルチキャスト)の優先順位付けに基づくサービスインテリジェンスを提供
●
効率的な輻輳管理メカニズムを提供し、ヘッドオブライン
ブロッキングの問題を回避
|
中央集中型のアービター |
効率的なクレジットメカニズムを使用し、パケット損失が発生しない透過的なスイッチオーバーを実現 |
IEEE 1588 のサポート |
パケットネットワークで効率的かつ確実なタイミングサービスを提供 |
2 つの独立したクロックソースの接続:BITS および同期供給ユニット(SSU)の DTI |
冗長化された中央集中型ネットワークの同期化をサポート |
128 GB ソリッドステートドライブ(SSD)X 2 |
コアダンプの格納を可能にし、システムの平均修復時間(MTTR)を短縮 |
eUSB(embedded Universal Series Bus)メモリポート |
ソフトウェアイメージの保存とアップグレードのためにオンボード ユニバーサル シリアル バス(USB)フラッシュメモリデバイスへのアクセスを提供 |
前面パネルの外部 USB 2.0 ポート |
USB フラッシュメモリデバイスを使用したソフトウェアイメージの迅速なロードおよびリカバリ |
前面パネルの LED |
ルートプロセッサのステータス(アクティブまたはスタンバイ)、電源管理、SSD のアクティビティを視覚的に提示 |
管理ポート |
システムコンソールへの容易なアクセスを実現 |
プロセッサ |
8 コア、2 GHz |
ASR 9900 RP3 で使用可能なすべてのハードウェアを表 2 に示します。
表 2. ASR 9900 RP3 ハードウェア
製品番号 |
製品の説明 |
A99-RP3-TR |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(パケット転送用) |
A99-RP3-SE |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(サービスエッジ用) |
ASR 9900 RP3 の技術仕様を表 3 に示します。
表 3. ASR 9900 RP3 ハードウェアの技術仕様
技術仕様 |
内部メモリ |
●
最大 7
枚の Cisco ASR 9900
スイッチファブリックカードを制御
● ASR 9900
ルートプロセッサ 3
(パケット転送用)24GB
(製品番号:A99-RP3-TR
):24GB
のエラー訂正コード(ECC
)保護 DRAM
● ASR 9900
ルートプロセッサ 3
(パケット転送用)16GB
(製品番号:A99-RP3-TR
):16GB
の ECC
保護 DRAM
。24GB
へのフィールドアップグレード可能オプション
● ASR 9900
ルートプロセッサ 3
(サービスエッジ用)40GB
(製品番号:A99-RP3-SE
):40GB
の ECC
保護 DRAM
。
●
ソリッドステートディスク:128GB SSD X 2
● 8GB eUSB
(組み込み USB
)
● USB 2.0
タイプ A
レセプタクル
|
タイミングシステム |
●
タイミング:2
つの独立したクロックソースの接続
● IEEE 1588
のサポート:銅線 10/100 Mbps RJ-45
イーサネットポート
|
GPS |
● ToD
(RS-422
および RS-232
)
● 1 pps RS-422
または 1.0/2.3 50
オーム RF
コネクタ
● 10 MHz
入出力 1.0/2.3 50
オーム RF
コネクタ
|
管理 |
● 100/1000 BASE-T
(RJ-45
)LAN
管理ポート X 2
●
コンソール
ポート X 1
●
補助ポート X 1
|
アラーム |
●
アラーム出力:クリティカルアラーム(CR
)、メジャーアラーム(MJ
)、およびマイナーアラーム(MN
)
|
LED |
●
オレンジ色のアラーム遮断(ACO
)およびランプテスト
●
システム同期アラーム(SYNC
)
● Global Positioning System
(GPS
)
●
ファブリックカード障害インジケータ
● SSD
|
Cisco ASR 9000 シリーズのアグリゲーション サービス ルータは、アクセスおよびアグリゲーション ネットワークにおいて優れた拡張性、サービスの柔軟性、および高可用性を提供します。このシリーズには、Cisco IOS XR ソフトウェアが搭載されています。このソフトウェアは、革新的な自己修復機能を備えた分散型のオペレーティングシステムであり、連続稼働を実現します。Cisco IOS XR ソフトウェアはソフトウェア メンテナンス アップデート(SMU)をサポートしており、現行サービスを中断することなくバグを修正できるだけでなく、機能のマイナーリリースも可能です。また、Field-Programmable Device(FPD)のアップグレードもサポートしており、システムの稼働中に Field-Programmable Gate Array(FPGA)などを更新できます。
Cisco ASR 9000 シリーズのキャリア イーサネット アプリケーションには、レイヤ 2 VPN(L2VPN)とレイヤ 3 VPN(L3VPN)、インターネット プロトコル テレビ(IPTV)、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、モバイルバックホール伝送ネットワークなどのビジネスサービスが含まれています。サポートされている機能には、イーサネットサービス、L2VPN、IPv4/IPv6 および L3VPN、レイヤ 2 およびレイヤ 3 でのマルチキャスト、IP over Dense Wavelength-Division Multiplexing(IPoDWDM)、SyncE、PTP、イーサネット運用管理および保守(EOAM)とマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)の運用管理および保守(OAM)、レイヤ 2 およびレイヤ 3 のアクセスコントロールリスト(ACL)、Hierarchical Quality of Service(H-QoS)、セグメントルーティング(SR)、セグメントルーティング v6(SRv6)、RSVP および SR トラフィック エンジニアリング、TI-LFA および RSVP ベースの FRR、EVPN、マルチシャーシリンク集約(MC-LAG)、Integrated Routing and Bridging(IRB)、Cisco Nonstop Forwarding(NSF)および Nonstop Routing(NSR)、Point-to-Multipoint Traffic Engineering(P2MP-TE)、mLDP、合法的傍受、Smart Call Home(SCH)などがあります。
Cisco ASR 9000 シリーズの Multiservice Edge(MSE)および Ethernet MSE(E-MSE)の機能を利用すると、強力なビジネス VPN サービスをサービスレベル契約(SLA)に基づいて提供できます。こういったサービスを提供するには、通常、さまざまな面で同時に規模を拡大する必要があります。たとえば、Virtual Route Forwarding(VRF)インターフェイスの数、IPv4 および IPv6 のルートの拡張、Bidirectional Forwarding Detection(BFD)セッション、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)の Cisco NSR インターフェイスのインスタンスなどが挙げられます。多方面からの大規模な拡張を要する Cisco ASR 9900 のシステム構成では、システム規模の拡大に対応するため、サービスエッジ(SE)向けに最適化されたルートプロセッサモデルが必要です。
タイミング同期は、従来の回線のネットワークの不可欠な要素なので、次世代のイーサネットベースのアーキテクチャで同等の機能が重要な要件となっています。Cisco ASR 9900 シャーシには、GPS、DTI、および BITS 接続をルートプロセッサで利用でき、ラインカードは SyncE と PTP にネイティブで対応しているので、モバイル事業者は、タイミングと周波数の同期についての豊富なオプションを利用できます。さらに、Cisco ASR 9900 ルートプロセッサは、中央集中型のクロック機能をシステム全体に供給し、ラインカードと相互的にタイミング配信とタイミング回復を実行します。
Cisco ASR 9912 および Cisco ASR 9922 シャーシをサポートする ASR 9900 RP3 の詳細を表 4 に示します(スペア部品は共通)。Cisco ASR 9922 と ASR 9912 システムは、高水準のパフォーマンスと信頼性を実現するという共通の目的で設計されています。これらは電源と熱に関するイノベーションが同じという特徴があり、ルートプロセッサ、ラインカード、電源入力モジュール(PEM)、および電源を共有して、ネットワーク計画の柔軟性を高めます。
表 4. XR 6.5.15 以降の製品仕様
Cisco ASR 9000 シリーズ ルートプロセッサ向けのシスコサービス
シスコは、ライフサイクル サービス アプローチを通じて包括的なサポートを提供することで、Cisco Prime™ Evolved Programmable Networks を効果的に導入、運用、最適化できるように支援します。Cisco ASR 9000 ルータ向けのシスコサービスは、実績ある手段により、確実なサービス展開を保証し、十分な投資回収率(ROI)、適切な運用効率、最適なパフォーマンス、および高可用性を実現します。これらのサービスは、Cisco ASR 9000 シリーズの導入およびその後のサポート向けに特別に開発されており、ベストプラクティスや優れたツール、プロセス、
およびラボ環境が含まれています。シスコサービスチームは、お客様固有の要求に対応し、お客様の収益源である
既存のサービスを損なうことなく、新しいネットワークサービスを迅速に市場投入できるようにサポートします。
シスコサービスの詳細については、最寄りのシスコアカウント担当者にお問い合わせになるか、https://www.cisco.com/jp/go/spservices をご覧ください。
Cisco ASR 9900 ルートプロセッサ 3 の発注情報を表 5 に示します。
表 5. 発注情報
製品の説明 |
サポート対象のソフトウェアリリース |
部品番号 |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(パケット転送用) |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 6.5.15 以降 |
A99-RP3-TR |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(パケット転送用)、スペア |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 6.5.15 以降 |
A99-RP3-TR = |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(サービスエッジ用) |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 6.5.15 以降 |
A99-RP3-SE |
ASR 9900 ルートプロセッサ 3(サービスエッジ用)、スペア |
Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 6.5.15 以降 |
A99-RP3-SE = |
シスコ製品の購入方法については、購入案内のページおよび表 5 を参照してください。
シスコの環境、社会、ガバナンス(ESG)イニシアチブおよびパフォーマンスに関する情報は、シスコの CSR および持続可能性レポートで提供されます。
表 6. 製品持続可能性
持続可能性に関するトピック |
参照先 |
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一般 |
製品の素材に関する法律および規制に関する情報 |
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製品、バッテリ、パッケージを含む電子廃棄物法規制に関する情報 |
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製品の回収および再利用プログラムに関する情報 |
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持続可能性に関するお問い合わせ |
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材料 |
製品パッケージの重量と材料 |
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表 7. 文書の変更履歴
新規トピックまたは改訂されたトピック |
説明 |
日付 |
第 5 世代ラインカードの新しい SKU を追加し、関連する機能と技術仕様をドキュメント全体で更新。 |
製品仕様、ASR 9000 シリーズ RP3 の機能と利点、Cisco ASR 9000 シリーズ RP3 ハードウェアの技術仕様 |
2021 年 4 月 21 日 |