データ シートCisco ASA 5500 シリーズを利用したユニファイド コミュニケーションの展開シスコ ユニファイド コミュニケーションは、固定/モバイル ネットワーク上の音声、ビデオ、データ、およびモバイルのアプリケーションを一つにまとめて、いつでもどこからでも容易にコラボレーションを実現するソリューションです。 概要あらゆる規模のビジネスが、ユニファイド コミュニケーションの利点を得るために IP テレフォニーに移行しつつあります。シスコのユニファイド コミュニケーション製品は、業務の合理化、従業員の生産性向上、ビジネス コミュニケーションの最適化、顧客対応の充実に役立ちます。ユニファイド コミュニケーション ベースのネットワークを攻撃から保護することは、ビジネスの継続性と完全性を維持していく上で非常に重要であるため、シスコはセキュリティ機能をユニファイド コミュニケーション製品に組み込み、Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンスにおいてもセキュリティの充実を図りました。 Cisco ASA 5500 シリーズは、小規模ビジネスやブランチ オフィス、エンタープライズ、データ センター環境に対応した多機能セキュリティ アプライアンス ファミリです。これらのアプライアンスは、ユニファイド コミュニケーション向けに音声およびビデオの最先端のセキュリティ サービスを提供し、堅牢なファイアウォール、機能充実の IP Security(IPsec)および Secure Sockets Layer(SSL)VPN、侵入防御、コンテンツ セキュリティ機能を備えています。また、これらのプラットフォームでは、ユニファイド コミュニケーションの展開にあたり、30,000 台までの電話機を保護でき、また、幅広いユニファイド コミュニケーション プロトコルのアプリケーション インスペクションが可能です。このプロトコルとは、Skinny Client Control Protocol(SCCP)、Session Initiation Protocol(SIP)、H.323、Media Gateway Control Protocol(MGCP)、Computer Telephony Interface Quick Buffer Encoding(CTIQBE)、Real-Time Transport Protocol(RTP)、Real-Time Transport Control Protocol(RTCP) などです。 Cisco ASA 5500 シリーズのユニファイド コミュニケーション機能Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンスは、音声やビデオなどリアルタイムのユニファイド コミュニケーション アプリケーションを安全に保護するように設計されています。このアプライアンスは、ユニファイド コミュニケーションの展開における重要な要素(ネットワーク インフラストラクチャ、呼制御プラットフォーム、IP エンドポイント、ユニファイド コミュニケーション アプリケーション)をすべて保護します。ユニファイド コミュニケーション システムに組み込まれたセキュリティ機能を補完するさらなるセキュリティ機能を提供し、またレイヤ保護機能も備えています。以下の特徴があります。
アクセス コントロールアクセス コントロールは、システム内のリソースおよびサービスに対して認証されたアクセスのみを許可する基本的なセキュリティ機能です。ユニファイド コミュニケーションでは、攻撃からの防御の第一線として、Cisco Unified Communications Manager およびその他のアプリケーションサーバに対してネットワーク レイヤのアクセス コントロールを提供するということと深い関係があります。Cisco Unified Communications Manager サーバへのアクセスを制限することは、攻撃者がシステムの脆弱性を探ったり、不正なネットワーク チャネルを通じてアクセスを試みる危険を大幅に減らします。 Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンスは、音声およびビデオが認識可能であり、最新のユニファイド コミュニケーションで使用されるプロトコル(SIP、SCCP、H.323、MGCP)を検査し、ポリシーを適用することができます。アクセス コントロール リスト(ACL)などの従来のネットワーク アクセス コントロールのメカニズムでは、これらの複雑なプロトコルを、多くの企業が求めているようにきめ細かくかつ動的に処理することはできません。 従来のデータ アプリケーションとは異なり、ユニファイド コミュニケーション プロトコルは、シグナリング コントロール チャネル内でポート情報を交換することによって通信方法を動的にネゴシエーションします。ACL のような静的アクセス コントロールのメカニズムでは、オープンするポートを追跡できず、その結果、脆弱なアクセス コントロールを適用せざるを得ず、効果的なアクセス ポリシーの実装能力が制限されてしまいます。 Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティアプライアンスは、開くべき認証済みの接続を動的に追跡でき、セッションが終了するとすぐにこの接続を閉じることができます。このようなレベルの制御能力が、音声プロトコル認識に対応した Network Address Translation(NAT)などのその他のインテリジェントなサービスと結び付き、Cisco ASA 5500 シリーズのアプライアンスは、近年のユニファイド コミュニケーション プロトコルの要件に適さない従来のプラットフォームと一線を画す製品になっています。 脅威の防御Cisco ASA 5500 シリーズは、システムの完全性およびアベイラビリティに脅威を与える一般的な攻撃からシスコ ユニファイド コミュニケーションのアプリケーションを保護します。このような攻撃には、通話の盗聴、ユーザのなりすまし、通話料金詐欺、DoS 攻撃などがあります。これらの攻撃のほとんど(特に DoS)は、不正な形式のプロトコル パケットを送出してユニファイド コミュニケーションの呼制御システムおよびアプリケーションを攻撃することから始まります。Cisco ASA 5500 シリーズは、重要なユニファイド コミュニケーション サーバに向かうトラフィックのプロトコル適合性および準拠性のチェックを実行します。たとえば、アプライアンスを流れていくメディアが本当に音声メディア(RTP)であるのかを確認し、また、攻撃者が呼制御システムを破壊させるような不正な音声信号を送信するのを防御します。シグナリングとメディアが標準 RFC に準拠しているかをチェックする機能を提供することで、Cisco ASA 5500 シリーズは重要システムを最前線で効果的に防御する役割を果たします。 プロトコルの適合性のチェック機能に加え、Cisco ASA 5500シリーズ アプライアンスの多機能セキュリティ サービスは、侵入防御サービスを提供するように拡張することができます。Cisco ASA 5500 シリーズAdvanced Inspection and Prevention Security Services Module(AIP SSM)は、ハードウェアを使用した侵入防御システム(IPS)機能を内向きのトラフィックに適用して、ユニファイド コミュニケーションの呼制御サーバおよびアプリケーション サーバに対する既知の攻撃を停止させます。Cisco Unified Communications Manager および Cisco Unified Communications Manager Express における Product Security Incident Response Team(PSIRT)の脆弱性を保護するユニファイド コミュニケーションの一連の IPS シグニチャが用意されているため、IT 管理者はユニファイド コミュニケーション サーバにただちにパッチを適用しなくても、即座に保護を有効にすることができます。プロトコルの適合性と侵入防御を組み合わせることによって、一般的なユニファイド コミュニケーションへの脅威に対するネットワーク レイヤの防御は堅牢になります。 ネットワーク セキュリティ ポリシーの適用ユニファイド コミュニケーションの展開では、通常、企業のセキュリティ部門が設定したセキュリティ ポリシーの要件を適用する必要があります。Cisco ASA 5500 シリーズの洗練されたユニファイド コミュニケーション セキュリティ機能を使用すれば、企業はユニファイド コミュニケーションのトラフィックに対してきめ細かいアプリケーション レイヤ ポリシーを適用して、セキュリティ コンプライアンスの要件を満たすことができます。たとえば、特定の発信者またはドメインからのコールを許可または拒否したり、特定のブラック リストやホワイト リストを適用できます。ネットワーク ポリシーをエンドポイントやアプリケーションに拡張して、たとえば呼制御サーバに登録された電話機からのコールだけを許可したり、SIP を介したインスタント メッセージングなどのアプリケーションを拒否することが可能です。 音声およびビデオ暗号化サービスコンプライアンスまたはセキュリティ ポリシー上の理由から、企業では音声およびビデオのトラフィックを機密扱いとすることが求められる場合があります。エンドツーエンドの暗号化はときに、ネットワーク セキュリティ アプライアンスからメディアやシグナリングのトラフィックを「見えない」状態にしてしまい、アクセス コントロールや脅威防御などのセキュリティ機能を危殆化してしまう可能性があります。このような場合、ファイアウォール機能と暗号化された音声との間の相互運用性が失われ、双方の重大なセキュリティ要件をも満たすことができなくなります。 境界セキュリティ サービス境界セキュリティ サービスには以下のものがあります。
展開時のトポロジ図1 に示すように Cisco ASA 5500 シリーズはネットワーク全体で使用することによって、呼制御システム、エンドポイント、アプリケーション、およびその下にあるインフラストラクチャを攻撃から保護します。以下のようなトポロジがあります。
Cisco ASA 5500 シリーズで利用可能な各種モデルの中から、企業は 1 つのセキュリティ製品ファミリを標準とし、その一方で個々のトポロジまたはロケーションごとに異なるパフォーマンス要件を満たす特定のモデルを配置することができます。 図 1 Cisco ASA 5500 シリーズの展開トポロジ Cisco ASA 5500 シリーズは、ユニファイド コミュニケーション ネットワークの音声およびビデオのセキュリティ機能の包括的スイートです。表 1 に、このスイートの機能と利点を示します。 表 1 機能と利点の概要
発注情報シスコ製品の購入方法の詳細については、「発注方法」および表 2 〜 4 を参照してください。ソフトウェアをダウンロードするには Cisco Software Center にアクセスしてください。Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンスの注文については、お客様のユニファイド コミュニケーションの展開を保護するため、以下の3 つのオプションを用意しています。
表 2 シスコ ユニファイド コミュニケーション プロキシの最大セッション数
表 3 Cisco ASA 5500 シリーズ Unified Communications Edition の発注情報
表 4 Secure Unified Communications バンドルの発注情報
シスコ ユニファイド コミュニケーション サービスシスコ ユニファイド コミュニケーション サービスは、セキュアで復元力のあるシスコ ユニファイド コミュニケーション ソリューションを展開することで、コストの節約と生産性の向上をスピードアップするサービスです。シスコと認定パートナーが提供するサービスはいずれも、固定/モバイル ネットワーク上の音声、ビデオ、データ、およびモバイルのアプリケーションの一本化に関する実証された方法論に基づいています。サービスに対するシスコ独自のライフサイクル アプローチを通して、お客様の真のビジネス優位性確立を加速する、さまざまなテクノロジーを提供します。 関連情報Cisco ASA 5500 シリーズ適応型セキュリティ アプライアンスの詳細については、 http://www.cisco.com/go/asa/ を参照するか、最寄のシスコ代理店にお問い合わせください。 |
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