Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト

 

Cisco Unified Computing System の概要

Cisco Unified Computing System^™（Cisco UCS^®）は、コンピューティング、ネットワーク、ストレージアクセス、仮想化のリソースを 1 つのシステムに統合する次世代のデータセンター プラットフォームであり、総所有コスト（TCO）を削減し、ビジネスの俊敏性を高めることを目的として設計されています。このシステムは、低遅延のロスレス 10/25/40/100 ギガビット イーサネット ユニファイド ネットワーク ファブリックと、エンタープライズクラスの x86 アーキテクチャ サーバを統合します。また、拡張性の高い統合型システムとして、複数タイプのシャーシ、サーバタイプをサポートするプラットフォームであり、システム内のすべてのリソースが一貫した管理ドメインのもとに統合されます（図 1）。

可用性の高い統合されたアーキテクチャの Cisco Unified Computing System

製品の概要

Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトは、Cisco Unified Computing System の中核を成す製品であり、システムのネットワーク接続と管理機能の両方を提供します（図 2）。また、Cisco UCS 6400 シリーズはラインレート、低遅延、ロスレスの 10/25/40/100 ギガビット イーサネット、Fibre Channel over Ethernet（FCoE）およびファイバ チャネル接続機能を提供します。

Cisco UCS 6400 シリーズは、Cisco UCS B シリーズ ブレード サーバ、UCS 5108 B シリーズ ブレード サーバ シャーシ、UCS で管理される C シリーズ ラック サーバ、および UCS S シリーズ ストレージ サーバの管理と通信で中核的な役割を担います。Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトに接続されるすべてのサーバは、単一の高可用な管理ドメインの一部となります。さらに、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトは、ユニファイド ファブリックをサポートしているため、ドメイン内のすべてのサーバに対して LAN および SAN 接続を提供します。

ネットワーキングの観点から見ると、Cisco UCS 6400 シリーズはカットスルー アーキテクチャを使用し、パケット サイズや対応サービスに依存せず、低遅延のラインレート 10/25/40/100 ギガビット イーサネット ポート（6454 では 3.82 Tbps、64108 では 7.42 Tbps、 のスイッチング容量、5108 ブレード シャーシあたりファブリック インターコネクト 6400 シリーズと IOM 2408 間で 200 Gbps の帯域幅）をサポートします。また、シスコの低遅延でロスレスの 10/25/40/100 ギガビット イーサネット ユニファイド ネットワーク ファブリック機能をサポートするため、イーサネット ネットワークの信頼性、効率性と拡張性が向上します。このファブリック インターコネクトは、ロスレス イーサネット ファブリック上でサーバからファブリック インターコネクトまで、複数のトラフィック クラスをサポートします。ネットワーク インターフェイス カード（NIC）、ホスト バス アダプタ（HBA）、ケーブル、およびスイッチを統合可能な FCoE 最適化サーバ設計により、TCO が大幅に削減されます。

Cisco UCS 6454 ファブリック インターコネクト

Cisco UCS 64108 ファブリック インターコネクト

FCoE によるユニファイド ファブリック：I/O 統合

Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトは、LAN と SAN のトラフィックを 1 つのユニファイド ファブリック上に統合するよう設計されています。これにより、ラック内に存在する複数種類のネットワーク、異なる種類のアダプタ カード、スイッチング インフラストラクチャ、およびケーブル配線に伴う導入コスト（CapEx）と運用コスト（OpEx）を削減できます。ユニファイド ポートにより、ファブリック インターコネクトのポートで、Cisco UCS から既存のネイティブ ファイバ チャネル SAN への直接接続をサポートできます。また、FCoE をネイティブ ファイバ チャネルに接続できるため、既存のストレージ システムへの投資を保護しながら、ラック内のケーブル配線を大幅に簡素化することが可能です。

Cisco UCS Manager

Cisco UCS 6400 シリーズは、可用性の高い構成をとることができ、 Cisco UCS Manager をホスト・実行し、すべての Cisco UCS 要素をファブリック インターコネクトで完全に管理できます。Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシとの接続性は、各ブレード シャーシ内の Cisco UCS 2200 および 2408 シリーズ ファブリック エクステンダを通じて維持されます。Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトは、インバンド管理だけでなく、専用の 10/100/1000 Mbps イーサネット管理ポートを通じたアウトオブバンド管理もサポートしています。Cisco UCS Manager は、ファブリック インターコネクト上で動作します。またこのファブリック インターコネクトは、通常、信頼性を高めるためデュアル 10/100/1000 イーサネット クラスタリング ポートで接続された冗長クラスタ化されたアクティブ/パッシブ構成で導入されます。

Cisco UCS 6454 54 ポート ファブリック インターコネクト

Cisco UCS 6454 54 ポート ファブリック インターコネクト（図 3）は、1 ラック ユニット（1RU）の 10/25/40/100 ギガビット イーサネット、FCoE、およびファイバ チャネル スイッチで、最大 3.82 Tbps のスループットと最大 54 個のポートを提供します。このスイッチは、28 個の 10/25 Gbps イーサネット ポート、4 個の 1/10/25 Gbps イーサネット ポート、6 個の 40/100 Gbps イーサネット アップリンク ポートと、10/25 Gbps イーサネット ポートまたは 8/16/32 Gbps ファイバ チャネル ポートをサポートする 16 個のユニファイド ポートを備えています。すべてのイーサーネット ポートは、FCoE をサポートする能力があります。

正面図

背面図

Cisco UCS 6454 (1RU) 54 ポート ファブリック インターコネクト

Cisco UCS 64108 108 ポート ファブリック インターコネクト

Cisco UCS 64108 ファブリック インターコネクト (FI) は 2 RU サイズ スイッチであり、標準的な 19 インチ ラックにマウントできます。64108 は 10/25/40/100 ギガビット イーサネット、FCoE および ファイバ チャネル スイッチで、最大 7.42 Tbps のスループットと最大 108 ポートを提供します。スイッチには 16 個のユニファイド ポート（ポート番号 1 〜 16）があり、10/25 Gbps SFP28 イーサネット ポートまたは 8/16/32 Gbps ファイバ チャネル ポート、72 個の 10/25 Gbps イーサネット SFP28 ポート（ポート番号 17 〜  88）、8 個の 1/10/25 Gbps イーサネット SFP28 ポート（ポート番号 89 〜 96）、および 12 個の 40/100 Gbps イーサネット QSFP28 アップリンク ポート（ポート番号 97 〜 108）をサポートします。すべてのイーサーネット ポートは、FCoE をサポートする能力があります。

この Cisco UCS 64108 ファブリック インターコネクトは、1 個のネットワーク管理ポート、初期構成の設定用に 1 個のコンソール ポート、および構成の保存およびロード用に 1 個の USB ポートを備えています。また FI は、高可用性を保証する 2 個のファブリック インターコネクトを接続するための L1/L2 ポートを含みます。

正面図

背面図

Cisco UCS 64108 (2 RU) 108 ポート ファブリック インターコネクト

表 1 に、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの特性を示します。

表 1.                Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの特性

注：        Nexus 9000 シリーズ スイッチに接続する場合、ブレークアウト ケーブルはポート 97 〜 108 でサポートされます。

機能とメリット

表 2 に、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの機能と利点を示します。

表 2.                機能と利点

製品仕様

トランシーバ

Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトは、Cisco 10/25/40/100 Gbps モジュールを組み合わせることで、さまざまな 10/25/40/100 ギガビット イーサネット接続オプションに対応します。Cisco UCS 6400 シリーズのユニファイド ポート（UP）は、10/25 ギガビット イーサネット接続または 8/16/32 ギガビット ファイバ チャネル モジュールをサポートします。アップリンク ポートは、40/100 ギガビット イーサネット トランシーバおよびケーブルをサポートします。表 3 に、サポートされるトランシーバ オプションの一覧を示します。

表 3.                Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト：サポートされるトランシーバとケーブルのサポート マトリックス

（注）

1. FI 6454 は、ポート 45 〜 48 で 1G 光ファイバをサポートします。FI 64108 は、ポート 89 〜 96 で 1G 光ファイバをサポートします。

2. 特定のファブリック インターコネクトでサポートされているトランシーバ モジュールとケーブルは、そのファブリック インターコネクトと互換性のあるすべての VIC アダプタ、I/O モジュール、または ファブリック エクステンダでサポートされているとは限りません。トランシーバ モジュールの詳細な互換性一覧については、https://www.cisco.com/c/en/us/support/interfaces-modules/transceiver-modules/products-device-support-tables-list.html を参照してください。

3. SFP-10 / 25G-LR-S および SFP-10 / 25G-CSR-S は現在、25G でのみ動作します。（つまり、FI 6454 がサポートするポート 1〜48 および FI 64108 がサポートするポート 1〜96）

4. S クラス トランシーバ（10G や 40G など）は FCoE をサポートしていません。

ケーブル接続

表 4 に、Cisco 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの 10、25、40、および 100 ギガビット イーサネットの配線仕様を示します。

表 4.                10、25、40、および 100 ギガビット イーサネットの配線仕様

パフォーマンス

●      Cisco UCS 6454：3.82 Tbps および 1.2 bpps で動作するレイヤ 2 ハードウェア フォワーディング

●      Cisco UCS 64108：7.42 Tbps および 2.8 bpps で動作するレイヤ 2 ハードウェア フォワーディング

●      MAC アドレス テーブル エントリ：32,000

●      低遅延のカットスルー方式（パケット サイズ、トラフィック パターン、または使用可能な機能に関係なく、予測可能で、トラフィック遅延が一定）

レイヤ 2

●      イーサネット スイッチ モード

●      ファイバ チャネル スイッチ モード

●      レイヤ 2 インターコネクト ポートおよび 3K VLAN

●      IEEE 802.1Q VLAN カプセル化

●      インターコネクトあたりの仮想 SAN（VSAN）のサポート

●      Rapid Per-VLAN Spanning Tree Plus（RPVST+）

●      Internet Group Management Protocol（IGMP）バージョン 1、2、および 3 スヌーピング

●      Link Aggregation Control Protocol（LACP）：IEEE 802.3ad

●      レイヤ 2、3、および 4 の情報に基づいた高度な EtherChannel ハッシュ

●      全ポートでジャンボ フレームをサポート（最大 9216 バイト）

●      ポーズフレーム（IEEE 802.3x）

●      FC/FCoE 低速ドレインの検出およびリカバリ

●      ポート セキュリティ

Quality of Service（QoS）

●      レイヤ 2 IEEE 802.1p（サービス クラス）

●      ポートあたり 16 個のハードウェア キュー（FCoE と 5 個のユーザ定義）

●      Class-of-Service（CoS）ベースの出力キューイング

●      出力ポートベースのスケジューリング：加重ラウンドロビン（WRR）

●      優先度ベース フロー制御（802.1Qbb）

●      拡張伝送選択（802.1Qaz）

ハイ アベイラビリティ

●      ホットスワップ可能で現場交換可能な電源、ファン モジュール、および拡張モジュール

●      1+1 冗長電源

●      N+1 のファン モジュールの冗長性

管理

●      10/100/1000 Mbps 冗長管理ポートまたはコンソール ポートを使用したインターコネクト管理

●      Cisco UCS Manager を介して提供されるすべての管理。管理インターフェイスの詳細については、Cisco UCS Manager のデータ シートを参照してください

低遅延でロスレスな 10/25/40/100 ギガビット イーサネット ユニファイド ネットワーク ファブリック

●      PFC（プライオリティごとのポーズフレームのサポート）

●      Data Center Bridging Exchange（DCBX）プロトコル

●      IEEE 802.1Qaz：帯域幅管理

ユニファイド ポート

●      Cisco UCS 6400 シリーズは、10 および 25 ギガビット イーサネットまたは 8/16/32 Gbps ファイバ チャネルとして設定できます。

業界規格

●      IEEE 802.1p：CoS による優先順位付け

●      IEEE 802.1Q：VLAN タギング

●      IEEE 802.1s：スパニング ツリー プロトコルの複数 VLAN インスタンス

●      IEEE 802.1w：スパニング ツリー プロトコルの高速再構成

●      IEEE 802.3：イーサネット

●      IEEE 802.3ad：LACP

●      IEEE 802.3ae：10 ギガビット イーサネット

●      IEEE 802.3by：25 ギガビット イーサネット

●      IEEE 802.3bg：40 ギガビット イーサネット

●      IEEE 802.3bm：100 ギガビット イーサネット

●      SFP28 サポート

●      QSFP28 サポート

●      リモート モニタリング（RMON）

物理仕様

SFP28 および QSFP28 光ファイバ

Cisco UCS 製品は、10、25、40、および 100 ギガビット イーサネット SFP28 および QSFP28 Twinax 銅ケーブル（短距離用）と SFP28 および QSFP28 光ファイバ（長距離用）をサポートします。SFP28 と QSFP28 には、他の イーサネット接続オプションと比べて、以下のような利点があります。

●      10、25、40、および 100 ギガビット イーサネット フォーム ファクタ

●      低電力消費

●      ホットスワップ可能なデバイス

表 5 に、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの仕様を示します。

表 5.                Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト仕様^****

Cisco UCS 6400 シリーズの物理的仕様および環境条件

表 6 に、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの物理的仕様および環境条件を示します。

表 6.                物理仕様および環境条件

重量

表 7 に、Cisco UCS 6400 シリーズの重量を示します。

表 7.                重量（電源ユニットおよびファン モジュールを含む）

適合規格：安全性および EMC

表 8 に、Cisco UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクトの適合規格を示します。

表 8.                適合規格：安全性および EMC

構成情報

表 9 に、Cisco UCS 6400 ファブリック インターコネクトの構成情報を示します。

表 9.                発注情報

保証情報

保証については、Cisco.com の製品保証のページを参照してください。

シスコの環境保全への取り組み

シスコの企業の社会的責任（CSR）レポートの「環境保全」セクションでは、製品、ソリューション、運用・拡張運用、サプライチェーンに対する、シスコの環境保全ポリシーとイニシアチブを掲載しています。 

次の表に、環境保全に関する主要なトピック（CSR レポートの「環境保全」セクションに記載）への参照リンクを示します。

シスコでは、パッケージデータを情報共有目的でのみ提供しています。これらの情報は最新の法規制を反映していない可能性があります。シスコは、情報が完全、正確、または最新のものであることを表明、保証、または確約しません。これらの情報は予告なしに変更されることがあります。

ユニファイド コンピューティング向けのシスコ サービス

シスコは、業界をリードするパートナー企業とともに、データセンターのリソースを一元的に扱うことで、ユニファイド コンピューティング アーキテクチャへの移行を促進するサービスを提供します。シスコ パートナーの提供するサービスやユニファイド コンピューティング サービスは、データセンター リソースの迅速な展開、継続的な運用作業の簡素化、およびインフラストラクチャの最適化を実現し、ビジネス ニーズへのより適切な対応を可能にします。これらのサービスおよびその他のシスコ サービスの詳細については、http://www.cisco.com/c/ja_jp/products/servers-unified-computing/service-listing.html を参照してください。

シスコが選ばれる理由

Cisco ユニファイド コンピューティング サービスは、シスコがこれまで実現してきた技術革新の延長線上に生まれたシステムです。シスコは長年にわたり、業界標準の技術開発や、ネットワークをプラットフォームとして数々の新技術を投入することで、ビジネス成果に貢献してきました。最近の例としては、IP テレフォニー、LAN スイッチング、ユニファイド コミュニケーション、ユニファイド I/O などがあります。シスコは、Unified Data Center 戦略のユニファイド コンピューティング段階に数年前から取り組んでおり、シスコ自身の持つネットワーキングとストレージ アクセスの専門技術をさらに増強するために、コンピューティングおよび仮想化の分野で豊富な経験を持つ業界各社と提携しています。その結果、Cisco Nexus Cisco Nexus^® ファミリをはじめ、ユニファイド ファブリックやサーバの仮想化の基盤となるテクノロジーが開発されました。Cisco UCS は、この段階の集大成であり、アーキテクチャ、テクノロジー、パートナーシップ、サービスの各分野に大きな進歩をもたらしています。最先端の ASIC、統合管理、標準ベースのコンピューティング コンポーネントにネットワークのインテリジェンスとスケーラビリティを統合するというシステム的なアプローチでコンピューティングに取り組んできたシスコだからこそ、この分野に画期的な技術革新をもたらすことができるのです。

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詳細情報

Cisco UCS の詳細については、https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/servers-unified-computing/index.html  を参照してください。