データ シートCisco MDS 9100 シリーズ ファブリック スイッチ特長
図 1 および 2 に、Cisco MDS 9100 シリーズ ファブリック スイッチを示します。これらのスイッチでは、コスト効果に優れたコンパクトな筐体に、さまざまなインテリジェント機能が組み込まれています。
Cisco MDS 9100 シリーズ - コスト効果に優れたインテリジェント ファブリックの構築Cisco MDS 9100 シリーズによって、ファイバ チャネル ファブリック スイッチの水準を向上させ、小/中規模の SAN およびデータ センター エッジのアプリケーションにシスコのインテリジェント ネットワーキングを導入できるようになります。Cisco MDS 9100 シリーズは、コンパクトな 1 RU シャーシで最適なコスト バランス、パフォーマンス、およびエンタープライズ クラスの機能を発揮します。Cisco MDS 9100 シリーズには 20 ポート構成と 40 ポート構成があり、さまざまなストレージ環境で必要とされるポート密度に合わせて選択できます。クラス最高レベルのスケーラビリティ、アベイラビリティ、セキュリティ、および管理機能を提供する Cisco MDS 9100 シリーズの導入により、TCO を低く抑えながらパフォーマンスの高い SAN を展開できるようになります。豊富なインテリジェント機能がコスト効果に優れた小型のスイッチング プラットフォームに組み込まれており、中小規模のストレージ環境で必要とされるコスト、パフォーマンス、管理性、接続性を提供します。また、Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタおよび Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチとの間には機能的に完全な互換性があり、大規模データ センターのコア/エッジ展開においても、透過的なエンドツーエンドのサービスを配信します。 接続の最適化Cisco MDS 9100 シリーズ スイッチは、スイッチ ポートのパフォーマンスと接続されたデバイスの要件とを一致させ、接続を最適化します。ターゲット最適化ポートは、ハイ パフォーマンスのストレージ デバイス、サーバ、および Inter Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)に必要とされる帯域幅を提供できるように設定されます。ホスト最適化ポートは、クラス最高のポート密度とホスト接続デバイスに最適な帯域幅を提供します。Cisco MDS 9120 モデル スイッチには、16 個のホスト最適化ポートと 4 個のターゲット最適化ポートが装備されています。Cisco MDS 9140 モデル スイッチには、32 個のホスト最適化ポートと 8 個のターゲット最適化ポートが装備されています。また、ホットスワップ可能な Small Form-factor Pluggable(SFP)の LC インターフェイスが搭載されています。個々のポートは、短波長または長波長の SFP のいずれかで設定可能で、それぞれ最大 500 m および 10 km の接続に対応できます。Coarse Wavelength-Division Multiplexing(CWDM; 低密度波長分割多重)SFP を使用すれば、低コストで受動型のオプティカル マルチプレクサ/デマルチプレクサによって、複数のリンクを 1 本の光ファイバ上に集約できます。インターフェイスは、すべて 2 Gbps に対応しています。ターゲット最適化ポートでは、ポートごとに最大 255 のバッファ クレジットがサポートされているため、ライセンスを追加することなく最大限に拡張できます。ホスト最適化ポートでは、ポートあたり 12 のバッファ クレジットがサポートされています。 高度なトラフィック管理による高性能で復元力のあるファブリックの実現Cisco MDS 9100 シリーズには高度なトラフィック管理機能が組み込まれているため、大規模なファブリックを簡単に展開および最適化できます。
主な機能と利点VSAN および VSAN 間ルーティングによるセキュリティと安定性の強化VSAN の使用により、単一の物理 SAN ファブリックまたはスイッチ内にハードウェアベースで分離された環境を複数作成することによって、ストレージ ネットワークの利用効率を高めます。各 VSAN は通常の SAN としてゾーニング可能であり、独自のファブリック サービスが維持されるため、スケーラビリティと復元力が向上します。VSAN を使用すれば、SAN インフラストラクチャのコストをより多くのユーザ間で分担できるほか、トラフィックの完全分離が保証され、VSAN ごとに独立して設定を管理することが可能になります。 Cisco MDS 9100 シリーズは、業界初のファイバ チャネル用ルーティング機能である Inter-VSAN Routing(IVR; VSAN 間ルーティング)をサポートしています。IVR は、異なる VSAN 上の特定のイニシエータとターゲット間でデータ トラフィックの選択的転送を可能にするとともに、各 VSAN 内で制御トラフィックの分離を維持します。IVR によって、データが VSAN の境界を通過でき、制御プレーンの分離も維持されるため、ファブリックの安定性とアベイラビリティが維持されます。 業界で最も高度な診断およびトラブルシューティング ツール 大規模ストレージ ネットワークを管理するには、予防的な診断機能、接続とルートの遅延を確認できるツール、およびトラフィックのキャプチャと分析のためのメカニズムが必要です。Cisco MDS 9000 ファミリは、業界で最も高度な分析およびデバッグ ツールを備えています。Power-On Self Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)とオンライン診断は、予防的なヘルス モニタリング機能を提供します。Cisco MDS 9100 シリーズには、フローの正確なパスとタイミングを詳細に示す FC Traceroute や、ネットワーク トラフィックをインテリジェントにキャプチャするための Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)など、診断機能の実装に必要なハードウェア機能が内蔵されています。トラフィックがキャプチャされると、組み込みのファイバ チャネル アナライザである Cisco Fabric Analyzer で分析できます。ポートおよびフローベースの包括的な統計情報によって、高度なパフォーマンス分析と Service Level Agreement(SLA; サービス レベル契約)アカウンティングが可能です。Cisco MDS 9000 ファミリによって、シスコは組織のストレージ ネットワークのトラブルシューティングと分析を行う最も包括的なツールセットを提供します。 強固なセキュリティを実現する包括的なソリューションストレージ ネットワークでは完璧なセキュリティが要求されるため、Cisco MDS 9100 シリーズは、今日の企業ネットワークでやり取りされる機密性の高いデータを保護するための広範なセキュリティ フレームワークを提供します。Cisco MDS 9100 シリーズは、ゾーンのハードウェア強制、VSAN、および高度なポート セキュリティ機能のための ACL の適用など、ポート レベルでインテリジェントなパケット インスペクションを使用します。 拡張されたゾーニング機能を利用できるため、LUN にアクセスできるホストを特定のものに限定にしたり(LUN ゾーニング)、特定のゾーンについて SCSI の read コマンドを制限したり(読み取り専用ゾーニング)、ブロードキャストを特定のゾーン(ブロードキャスト ゾーン)に限定することができます。VSAN は、同一の物理 SAN に接続されたデバイス間を完全に分離することにより、セキュリティと安定性の強化を実現するために使用されます。さらに、Fibre Channel Security Protocol(FC-SP)は、RADIUS または TACACS+ をサポートするスイッチ/スイッチ間およびホスト/スイッチ間の DH-CHAP 認証を提供し、認証済みのデバイスのみを保護されたストレージ ネットワークにアクセスできるようにすることができます。 この機能性、および管理アクセスとコントロール プレーンのセキュリティが、Cisco MDS 9000 ファミリを、クラス最高のセキュリティを備えたプラットフォームにしています。 アベイラビリティCisco MDS 9100 シリーズは、クラス最高レベルのアベイラビリティを実現するために設計されました。ホットスワップ可能な冗長ファンと冗長電源装置、および障害の発生したスーパーバイザ プロセスを自動的に再開する独特の機能を組み合わせることが、ファブリック スイッチのアベイラビリティを確保するための新しい標準です。業界で最も強固かつ高いパフォーマンスを発揮する ISL によって、ファブリック レベルでハイ アベイラビリティが実現されます。PortChannel 機能を使用すれば、最大 15 の物理リンク(Cisco MDS 9140)を 1 つの論理バンドルに集約可能です。このバンドルは、どの物理リンクに障害が発生しても、リセットされずに維持されます。また、Fabric Shortest Path First(FSPF)方式のマルチパス機能によって、最大 15 の等価パス(Cisco MDS 9140)間でロードバランシングを行い、スイッチに障害が発生した場合は、動的にトラフィックをルート変更できます。Cisco MDS 9100 シリーズは、ファブリック スイッチのアベイラビリティを新しいレベルに引き上げ、TCO を最小限に抑えます。 管理の容易性SAN に期待される機能には、第一に管理機能があります。ユーザのニーズに対応するため、Cisco MDS 9100 シリーズには、Cisco MDS 9000 ファミリ CLI、Cisco Fabric Manager、およびサードパーティ製のストレージ管理ツールとの統合という、3 つの主要な管理モードが用意されています。Cisco MDS 9100 シリーズには、一貫性のある論理的な CLI が装備されています。広く普及している Cisco IOS® CLI の構文に準拠している Cisco MDS 9000 ファミリ CLI は、学習が容易で、また幅広い管理機能を備えています。Cisco MDS 9000 ファミリ CLI は、企業環境の管理者に最適な機能を提供するように設計された、きわめて効率的で直観的なインターフェイスです。Cisco Fabric Manager は、応答性と操作性に優れた Java アプリケーションであり、複数のスイッチやファブリックにわたる管理を簡単に行うことができます。Cisco Fabric Manager を使用すれば、管理者はトポロジ ディスカバリ、ファブリックの設定および検証、プロビジョニング、モニタリング、障害解決といった必須のタスクを実行できます。すべての機能を安全なインターフェイスから利用できるので、任意の場所からのリモート管理が可能です。Cisco Fabric Manager は単独で使用することも、サードパーティ製の管理アプリケーションと連携させて使用することも可能です。シスコでは、サードパーティ製の管理ツールやユーザが開発した管理ツールと統合できるように、API を幅広く用意しています。 仕様パフォーマンスとポートの構成
サポート対象の光インターフェイス、メディア、および伝送距離表 1 に、Cisco MDS 9100 シリーズ スイッチでサポート対象のインターフェイスと伝送距離を示します。 表 1 Cisco MDS 9100 シリーズ スイッチでサポート対象のインターフェイスと伝送距離
セキュリティ
ソフトウェアの最小要件
互換性
ファブリック サービス
診断ツールおよびトラブルシューティング ツール
管理
アベイラビリティ
サービス性
環境仕様
電源および冷却装置
安全性適合規格
EMC 適合規格
発注情報表 2 に、Cisco MDS 9100 マルチレイヤ ファブリック スイッチの発注情報を示します。 表 2 Cisco MDS 9100 マルチレイヤ ファブリック スイッチの発注情報
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||