データシートCisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチCisco® Catalyst® 3850 シリーズは、1 つのプラットフォームに有線とワイヤレスを完全統合した、エンタープライズクラスの次世代スタッカブル イーサネット/マルチギガビット イーサネット アクセスおよびアグリゲーション レイヤ スイッチです。この新しい Cisco Unified Access Data Plane(UADP)の Application-Specific Integrated Circuit(ASIC)は、スイッチを強化し、有線とワイヤレスで統一したポリシーを適用できるほか、アプリケーションを可視化して柔軟性を高め、アプリケーションの最適化を実現します。こうした統合のベースとなっているのが、新たに強化された StackWise-480 テクノロジーの復元力です。Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、IEEE 802.3at 完全準拠の Power over Ethernet Plus(PoE+)、Cisco Universal Power over Ethernet(Cisco UPOE)、モジュラ式の現場交換可能なネットワーク モジュール、RJ45 および光ファイバベースのダウンリンク インターフェイス、冗長ファンおよび電源をサポートしています。10Gbps に達する速度により、Cisco Catalyst 3850 マルチギガビット イーサネット スイッチは既存のケーブル インフラストラクチャで現行および次世代のワイヤレス速度および標準(802.11ac Wave 2 を含む)をサポートします。 製品概要
スイッチの構成すべてのスイッチに、5 種類の電源(350WAC、715WAC、750WAC、1100WAC、440WDC)のいずれかが付属しています。 図 1 〜 3 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチを示します。 図 1. Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチ
図 2. 12 および 24 の 1/10 ギガビット イーサネット SFP+ ポートを搭載した Cisco Catalyst 3850 スイッチ
図 3. 12 および 24 の 1 ギガビット イーサネット SFP ポートを搭載した Cisco Catalyst 3850 スイッチ
表 1 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズの構成を示します。 表 1. Cisco Catalyst 3850 シリーズの構成
*715WAC 電源もご使用できます。但し、UPOE をご利用の場合は、1100WAC になりますので、ご注意ください。 ネットワーク モジュールCisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、アップリンク ポート用にオプションとして 5 つのネットワーク モジュールをサポートしています。デフォルトのスイッチ構成には、ネットワーク モジュールは含まれていません。 スイッチ購入時に、表 2 に示したネットワーク モジュールより柔軟に選択できます。 図 4 は、次のネットワーク モジュールを示しています。
図 4. 4 ギガビット イーサネット ネットワーク モジュール、10 ギガビット イーサネット SFP+ X 2、または 10 ギガビット イーサネット
図 5 は、次のネットワーク モジュールを示しています。
図 5. 40 ギガビット イーサネット QSFP+ X 2 または 10 ギガビット イーサネット SFP+ X 8 のインターフェイスを備えたネットワーク モジュール
注: C3850-NM-4-10G モジュールは、48 ポートのギガビット イーサネット モデルまたは 12 ポート以上の 10 ギガビット イーサネット モデルでのみサポートされています。C3850-NM8x10G および C3850-NM2x40G モジュールは、24 ポートと 48 ポートのマルチギガビット スイッチと 24 ポートの 10G SFP+ スイッチ モデルでサポートされています。C3850-NM-4-1G および C3850-NM-2-10G モジュールは、12 ポートと 24 ポートの SFP+ モデルではサポートされていません。 表 3. ネットワーク モジュールの互換性マトリックス
SFP+ レセプタクルは 10 ギガビット イーサネット モジュールとギガビット イーサネット モジュールの両方をサポートするため、ギガビット イーサネット SFP モジュールへの投資を活用しながら、ビジネス ニーズの変化に応じて、アクセス スイッチに包括的なアップグレードを加えることなく 10 ギガビット イーサネットにアップグレードできます。それに対して、SFP レセプタクルは、表 4 の例に示すようにギガビット イーサネット ポートとしてのみ使用できます。
モジュラ式デュアル冗長電源
Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、デュアル冗長電源をサポートしています。スイッチにはデフォルトで 1 つの電源が付属していますが、スイッチの発注時または後日に、電源を追加で購入することができます。電源を 1 つだけ装着する場合は、常に電源ベイ 1 に装着します。また、このスイッチには、現場交換可能なファンが 3 個付属しています (図 6 を
表 5 に、これらのスイッチで使用可能な各種電源と PoE 電力を示します。
表 5 にリストされている電源に加えて、すべてのスイッチ モデルで構成オプションおよびスペアー(別個に発注可能)として 440 WDC 電源が利用可能です。この DC 電源には PoE 機能が搭載されているので、柔軟性を最大限に高めることができます(DC 電源で使用可能な PoE 電力量については、表 6 を参照してください)。お客様は、使用可能な 2 つの電源スロットで、AC 電源と DC 電源を組み合わせて使用できます。いずれの電源も、すべてのスイッチに装着できます。
Power over Ethernet Plus(PoE+)Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチでは、PoE(IEEE 802.3af)に加え、PoE+(IEEE 802.3at 規格)がサポートされ、各ポートに最大 30 W の電力が供給されます。Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、Cisco IP Phone、Cisco Aironet® ワイヤレス LAN(WLAN)アクセス ポイント、または任意の IEEE 802.3at 対応エンド デバイスが含まれる導入環境に使用することで、総所有コスト(TCO)を抑えることができます。PoE に対応しているので、PoE 対応デバイスの電源を屋内 AC コンセントから個別に引く必要はなく、PoE を使わずに IP Phone や WLAN を導入した場合に必要となる電源ケーブルや配線コストを省くことができます。表 7 は、さまざまな PoE のニーズに応じるために必要な電源の組み合わせを示します。
Cisco Universal Power over Ethernet(UPOE)Cisco Universal Power over Ethernet(表 8) は、次のサービスや利点を提供する画期的なテクノロジーです。
表 8. UPOE の電源要件
Cisco Catalyst Multigigabit Ethernet テクノロジーCisco Multigigabit Ethernet は、新しい Cisco Catalyst イーサネット アクセス スイッチに対するシスコ独自の革新テクノロジーです。802.11ac および新しいワイヤレス アプリケーションの巨大な成長に伴い、ワイヤレス デバイスではますます多くのネットワーク帯域幅が必要とされています。そのため、すべてのケーブル インフラストラクチャで 1 Gbps を超える速度をサポートするテクノロジーが必要になっています。Cisco Multigigabit テクノロジーは、従来のカテゴリ 5e ケーブルまたはそれ以上で 1 〜 10 Gbps の帯域幅速度を達成するためのものです。さらに、一部の Cisco Catalyst スイッチにある Multigigabit ポートは、次世代のワークスペースと IoT(Internet of Things)エコシステムでますます重要になっている UPOE をサポートしています。 Cisco Multigigabit テクノロジーは、多様な速度、ケーブル タイプ、および PoE 電源について多大な利点をもたらします。利点は次の 3 つの分野に分類できます。
詳細については、http://www.cisco.com/c/en/us/solutions/enterprise-networks/catalyst-multigigabit-switching/index.html [英語] を参照してください。 利点有線アクセスとワイヤレス アクセスの統合 Cisco Catalyst 3850 は、単一の Cisco IOS XE ソフトウェアをベースとしたプラットフォームで有線およびワイヤレスのサービスを可能にする、最初のスタッカブル アクセス スイッチング プラットフォームです。これにより、シスコは、有線およびワイヤレス全体にスタック構成時のステートフル スイッチオーバー(SSO)、きめ細かな QoS、セキュリティ、Flexible Netflow(FnF)をシームレスに導入することで高可用性を確保するなど、多数の機能を実現してきました。さらに、有線機能とワイヤレス機能が 1 つの Cisco IOS ソフトウェア イメージにバンドルされているので、ネットワークでの使用前に確認や認証が必要なソフトウェア イメージの数を減らすことができます。1 つのコンソール ポートでコマンドライン インターフェイス(CLI)を管理できるので、有線サービスとワイヤレス サービスの管理時のタッチ ポイントの数も減少します。これにより、ネットワークの複雑さが軽減され、ネットワークの操作が簡素化されて、インフラストラクチャを管理するための TCO が削減されます。 有線とワイヤレスの統合により、ネットワーク全体のワイヤレス帯域幅が改善されるだけでなく、ワイヤレスの導入規模が拡大されます。Cisco Catalyst 3650 は、48 ポートで 40 Gbps のワイヤレス スループット(24 ポートおよび 12 ポート モデルでは 20 Gbps)を実現します。このワイヤレス容量は、スタック内のメンバ数とともに増加します。この機能により、IEEE 802.11n ベースのアクセス ポイントや、IEEE 802.11ac のような将来のワイヤレス規格に基づいて、現在のワイヤレス帯域幅要件にネットワークを対応させることができます。さらに、Cisco Catalyst 3850 はワイヤレス コントローラ機能を分散して、拡張性を向上させます。各 Cisco Catalyst 3850 スイッチ/スタックは、ワイヤレス コントローラとして次の 2 つのモードで動作させることができます(図 7)。
48 ポートのギガビット イーサネット RJ45 スイッチ 1 台あたり 40 Gbps(n 台のスイッチのスタックでは n X 40 Gbps)のワイヤレスを提供するモビリティ エージェントをワイヤリング クローゼットに配置し、モビリティ コントローラで主要ワイヤレス機能の一部を管理すれば、統合アクセスにおけるワイヤレス展開で、クラス最高のワイヤレスの拡張性を提供でき、ワイヤレスのスループットを大幅に向上させることができます。 図 7. モビリティ コントローラ(MC)とモビリティ エージェント(MA)
有線/ワイヤレス統合アクセスの詳細については、次の URL にある Q&A ドキュメントを参照してください。http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/switches/cat3850/prodlit/qa_c67-722110.html 分散インテリジェント サービス Flexible Netflow(FnF)アクセスポイントの Control And Provisioning of Wireless Access Points(CAPWAP)トンネルをスイッチで終端処理することにより、有線トラフィックとワイヤレス トラフィックに完全な可視性がもたらされます。これにより、ユーザとユーザ トラフィック フローを識別することが可能になり、アクセス レイヤで攻撃者を事前に見つけ出して、ネットワークに侵入する前に是正措置を講じることができます。この処理は、有線およびワイヤレス ユーザのスイッチ スタックを出入りする各フローをモニタする FnF によって実現されます。また FnF は、有線およびワイヤレスのトップ トーカーを特定して、適切な帯域幅プロビジョニング ポリシーを適用できます。 QoSCisco Catalyst 3850 スイッチは、有線およびワイヤレスの高度な QoS 機能を備えています。このスイッチは、シスコのモジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(MQC)を使用します。業界最先端の階層型帯域幅管理を使用してワイヤレス帯域幅を管理します。これは、アクセス ポイント レベルから始まり、無線通信レベル、Service Set Identifier(SSID)レベル、およびユーザ レベルまでドリルダウンします。これにより、さまざまな無線間や、各無線内のさまざまな SSID(エンタープライズ、ゲストなど)間で使用可能な帯域幅を割合によって管理し、優先順位付けを行うことができます。さらに、このスイッチでは、特定の SSID 内の接続ユーザ間で帯域幅の均等割り当てを自動的に実行することもできます。この機能によって、ネットワークへの接続中に、特定の SSID 内の全ユーザに使用可能な帯域幅が公平に割り当てられます。UADP ASIC では、階層型帯域幅管理と帯域幅の公平な共有をサポートできるので、ラインレート トラフィックで最適化されたパフォーマンスを実現するためのハードウェアベースの QoS が提供されます。 これらの機能に加え、このスイッチでは Class of Service(CoS)ベースや DiffServ コード ポイント(DSCP)ベースの、有線およびワイヤレス トラフィックのキューイング、ポリシング、シェーピング、マーキングも可能です。これにより、ユーザは有線およびワイヤレス トラフィック全体で使用できる共通のポリシーを作成できます。Cisco Catalyst 3850 スイッチは、Cisco Identity Services Engine(ISE)を使用したネットワーク認証に成功した際に、Cisco ISE からダウンロード可能なポリシー名もサポートしています。 セキュリティCisco Catalyst 3850 は、有線およびワイヤレス ユーザに豊富なセキュリティ機能を提供します。IEEE 802.1x、ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)スヌーピングおよびガード、ダイナミック ARP インスペクション、RA ガード、IP ソース ガード、コントロール プレーン保護(CoPP)、ワイヤレス侵入防御システム(WIPS)などのさまざまな機能によって、不正ユーザや攻撃者からの防御が可能になります。ネットワークにはさまざまな有線およびワイヤレス ユーザが接続しますが、このスイッチはセッション認識型ネットワーキングをサポートしているので、ネットワークに接続された各デバイスが 1 つのセッションとして識別されます。また、独自のアクセス コントロール リスト(ACL)や QoS ポリシーを ISE を使用して定義し、こうした各セッションに対してこれらを適用することで、ネットワーク接続デバイスの制御を強化できます。 復元力Cisco StackWise-480 テクノロジー Cisco StackWise-480 テクノロジーは、優れた実績を持ち業界をリードする高機能なスタック アーキテクチャである StackWise® テクノロジーを基盤として構築されています。StackWise-480 のスタック帯域幅は 480 Gbps です。StackWise-480 は Cisco IOS ソフトウェア SSO を使用して、スタック内の復元力を実現します。スタックは単一のスイッチング ユニットとして動作し、メンバ スイッチの中から選ばれた「アクティブ」スイッチによって管理されます。 アクティブ スイッチは、スタック内のスタンバイ スイッチを自動的に選択します。また、スイッチング、ルーティング、ワイヤレスに関する全情報の作成と更新を行い、この情報をスタンバイ スイッチとの間で常に同期します。アクティブ スイッチに障害が発生した場合は、スタンバイ スイッチがその役割を引き継ぎ、スタックの動作を継続させます。「アクティブ」から「スタンバイ」へのスイッチオーバー時にも、アクセス ポイントは接続されたままになります。 稼働中のスタックで新規メンバを追加したり、既存メンバを取り外したりする場合でも、サービスを中断する必要はありません。StackWise-480 により、最大で 9 台のスイッチから構成される復元力の高い単一統合システムが実現し、単一の IP アドレス、単一の Telnet セッション、単一の CLI(Command Line Interface; コマンドライン インターフェイス)、自動バージョン チェック、自動アップグレード、自動設定などにより、管理を簡素化することができます。StackWise-480 は、Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのローカル スイッチングにも対応しています。 Cisco StackPower テクノロジー Cisco Catalyst 3850 シリーズは、同シリーズに搭載されている Cisco StackPower テクノロジーを使用しています。Cisco StackPower は、スタックの電源をすべてのスイッチ間で共通のリソースとして共有できる画期的な電力相互供給システムです。Cisco StackPower は、スイッチに装備された個々の電源を統合して 1 つの電源プールを作成し、必要とされる場所に電力を配給します。スイッチの背面にある専用コネクタに StackPower ケーブルを差し込み、最大 4 台のスイッチを StackPower スタックとして構成することができます。StackPower ケーブルは、StackWise-480 ケーブルとは異なります (図 8 を参照)。 図 8. StackWise-480 および StackPower コネクタ
StackPower は、電力共有モードまたは冗長モードで導入できます。電力共有モードでは、スタック内のすべての電源の電力が集約され、スタック内のスイッチ間で分配されます。冗長モードでは、スタックの総電力バジェットの計算時に最大電源のワット数が除外されます。この分の電力は予備として確保され、電源の 1 台に障害が発生したときにスイッチや接続デバイスへの電力供給を維持して、ネットワークの運用が中断しないように対処するために使用されます。電源の 1 台に障害が発生した後は、StackPower のモードが電力共有モードに切り替わります。 StackPower を使用すると、スタック内のスイッチに電源を 1 台追加し、スタック メンバに電力の冗長性を提供したり、電力を共有プールに追加したりすることが簡単にできます。冗長電力システムを外付けしたり、スタックの全メンバにデュアル電源を装備したりする必要はありません。StackPower は、LAN Base ライセンス レベル以上で使用可能です。LAN Base 用のケーブルは、別途購入する必要があります。 Open Network Environment の基盤 Cisco Catalyst 3850 の最大の利点は、将来追加される機能やインテリジェンスに対応できるように、プログラム可能な UADP ASIC を備えることで投資保護を実現していることです。新しい ASIC では、製品ライフサイクル全体にわたるソフトウェア アップデートにより、有線およびワイヤレス、Cisco Open Network Environment、SDN(Software-Defined Network)の準備、OnePK SDK に対応する統合 API の基盤がもたらされます。 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのソフトウェア機能およびサービスCisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチでサポートされているソフトウェア サービスには、大きく分けて次の 5 つがあります。
運用の容易さ Cisco Catalyst 3850 では、次の機能を利用して運用コストを削減できます。
Cisco Catalyst Smart Operations Cisco Catalyst Smart Operations は、LAN の導入、設定、およびトラブルシューティングを簡素化する包括的な機能のセットです。この Cisco Catalyst Smart Operations と、適応性が高く常に稼働可能な StackWise-480 や StackPower を併用することで、運用コストを削減しながら、スイッチのゼロ タッチ インストールおよび交換、迅速なアップグレード、およびトラブルシューティングの簡素化を実現できます。Cisco Catalyst Smart Operations は、Smart Install、Auto Smartports、Smart Configuration、Smart Troubleshooting などの機能セットで、次のように運用効率を向上させます。
使いやすい導入機能と制御機能
効率的なスイッチ動作 シスコが設計した Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、最適な省電力機能、EEE(RJ45 ポート)、低電力動作による業界最高水準の電源管理、および消費電力機能を備えています。Cisco Catalyst 3850 のポートは省電力モードに対応しているため、使用していないポートを低消費電力状態に移行させることができます。その他の効率的なスイッチ動作機能には、次のようなものがあります。
環境に関する責任 オフピーク時にアクセス ポイントの無線をオフにすることで、電力消費を削減することができます。統合ワイヤレス LAN コントローラにより、追加のデバイスをネットワークに導入する必要がありません。 ネットワーク管理ツール Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチでは、高度な CLI を使用して詳細な設定を行うことも、Cisco Prime™ Infrastructure を使用して有線およびワイヤレスの統合管理を行うこともできます。Cisco Prime Infrastructure は、ゼロデイおよび継続的なプロビジョニング、継続的なモニタリングとメンテナンス、構成テンプレート、デバイスとユーザの 360 度ビューを提供するほか、FnF コネクタとして機能して、Cisco Prime Assurance Manager モジュールを使用したユーザ トラフィック ビューを表示できます。 Cisco Prime Infrastructure の詳細については、http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/netmgt/prime_infra/index.html を参照してください。 高度なセキュリティ機能Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、次のような高度なセキュリティ機能をサポートしています。
復元力 ボーダレス ネットワークにより、企業のモビリティとビジネス グレードのビデオ サービスが実現します。業界初の統合ネットワーク(有線およびワイヤレス)ロケーション サービスにより、有線デバイスとワイヤレス デバイスの両方で、モバイル資産とそのユーザをトラッキングできるようになります。Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの次のフィーチャ セットによって、真にボーダレスなエクスペリエンスが実現します。
高可用性 Cisco Catalyst 3850 シリーズは、StackWise-480 と StackPower に加え、次のような高可用性機能をサポートしています。
高性能 IP ルーティング Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチに搭載されたシスコ エクスプレス フォワーディング ハードウェア ルーティング アーキテクチャは、高性能 IP ルーティング機能を実現します。
卓越した QoS Cisco Catalyst 3850 シリーズは、通常のネットワーク速度の 10 倍であっても、トラフィック フローを安定させることができるインテリジェントなサービスを備え、ギガビット イーサネットの速度を提供します。業界をリードするクロススタック マーキング、分類、およびスケジュールのメカニズムにより、データ/音声/ビデオのトラフィックをすべてワイヤ スピードで配信する優れたパフォーマンスを実現します。
Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチでサポートされる QoS 機能には、次のようなものがあります。 Flexible Netflow によるアプリケーションの可視化と制御Cisco IOS ソフトウェアの FnF は、柔軟性と拡張性が強化された次世代のフロー可視化テクノロジーです。ネットワーク インフラストラクチャの最適化や、運用コストの削減、キャパシティ プランニングとセキュリティ インシデント検出の改善に役立ちます。Cisco Catalyst 3850 は、有線およびワイヤレス全体で FnF を使用してアプリケーションの可視性を最適化します。このスイッチは、有線およびワイヤレス全体で 48 ポート モデルでは最大 48,000 フロー エントリ、12 ポートと 24 ポート モデルでは最大 24,000 フロー エントリに対応できます。UADP ASIC 搭載の Cisco Catalyst 3850 は有線およびワイヤレス トラフィック全体に、かつてない柔軟性と、レイヤ 2(MAC および VLAN)からレイヤ 4(TCP/UDP)フラグなどに及ぶ包括的な可視性を備えた次世代のフロー テクノロジーを提供します。Cisco Catalyst 3850 スイッチは、有線/ワイヤレスのビデオ トラフィックにおける可視性およびトラブルシューティングの機能を提供するメディアネットに対応しています。メディアネット機能は、将来のソフトウェア アップデートで利用可能になる予定です。 FnF によって収集されたフロー データは、外部コレクタにエクスポートして分析やレポートに使用したり、EEM で追跡したりできます。Cisco Catalyst 3850 では、強力なオンボックスのカスタマイズ可能なイベント相関とポリシー アクションを EEM で実行できます。そのため、事前設定した条件が満たされた場合に、カスタマイズされたイベント アラームやポリシー アクションをトリガーできます。外部装置が不要なため、既存のインフラストラクチャを使用してトラフィック モニタリングを実施でき、大規模な IP ネットワーク上でも経済的にトラフィックを分析できます。 Cisco FNF の詳細については、http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/iosswrel/ps6537/ps6555/ps6601/ps6965/product_data_sheet0900aecd804b590b.html [英語] を参照してください。 高性能の Video over Wireless により、Cisco VideoStream テクノロジーを統合して、WLAN でのビデオ アプリケーション配信を最適化できます。 有線およびワイヤレス IP テレフォニーでは、ユニファイド コミュニケーションのサポートにより、メッセージング、プレゼンス、および会議によるコラボレーションが向上します。また、すべての Cisco Unified Wireless IP Phone をサポートしており、コスト効率に優れたリアルタイム音声サービスを提供します。 導入オプションキャンパス キャンパスへの導入では、Cisco Catalyst 3850 をモビリティ エージェント モードで使用し、WLC 5760、WLC 5508、または WiSM2 でモビリティ コントローラ機能を一元化することで、拡張性とパフォーマンスが向上します。Cisco Catalyst 3850 では、アクセス ポイントへの CAPWAP による終端、ワイヤレス クライアントに対する均一なポリシーの適用、ワイヤレス帯域幅の向上、有線およびワイヤレス機能に対する均一な Cisco IOS ソフトウェア ベースの設定およびモニタが実現します。モビリティ コントローラは、一元化されたモビリティ、RRM、Clean Air の調整を行います。 従来の WLC 5508、WiSM2、および WLC 5760 の中央集中型ワイヤレス導入モードとの下位互換性があるため、お客様は Cisco Catalyst 3850 ベースの統合アクセス アプローチに段階的に移行して、コントローラを既存のアクセス ポイントに対して引き続き使用できます。この移行により、既存のワイヤレス コントローラ インフラストラクチャに対する投資保護が実現します。新しい Cisco Catalyst 3850 の段階的な導入により、ワイヤレスの統合型アクセス モードへの移行をシームレスに行うことができます。図 9 は、キャンパス環境における Cisco Catalyst 3650 を示しています。 図 9. モビリティ コントローラ(MC)とモビリティ エージェント(MA)
ブランチ Cisco Catalyst 3850 は、MC モードでの動作時に、ブランチ環境向けに最適化されます。このモードでは、アクセス ポイントからの CAPWAP トンネルを終端処理してクライアントに接続できるだけでなく、ブランチ内のモビリティを管理できます。そのため、アクセス レイヤ スイッチに加えて、各ブランチのローカル コントローラが不要になります。さらに、有線およびワイヤレス トラフィックを完全に可視化できるので、ブランチ内外の適切な有線およびワイヤレス トラフィックを WAN ルータで優先順位付けできます。図 10 は、ブランチ アクセス環境における Cisco Catalyst 3850 を示しています。 図 10. ブランチ アクセス環境への Cisco Catalyst 3850 の導入
新しい 12 ポートと 24 ポートの SFP+ または SFP ベースの Cisco Catalyst 3850 モデル、および非スタッカブルの 48 ポート SFP+ モデルは、より安全で EMI 感度の高い配置を実現するため、ブランチでファイバ リンクを通じて小型のアクセス スイッチからのトラフィックを集約するために使用できます(図 11)。 図 11. ブランチへの銅線接続と光ファイバ接続を併用した Cisco Catalyst 3850 スタックの導入
Cisco Catalyst 3850 シリーズ仕様表 9 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのパフォーマンス仕様を示します。 表 9. Cisco Catalyst 3850 のパフォーマンス仕様 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの寸法、重量、音響ノイズ、平均故障間隔、および動作環境表 10 に、寸法、重量、音響ノイズ、平均故障間隔(MTBF)、および動作環境を示します。重量には、アップリンク FRU は含まれず、 付属のシャーシ アセンブリ(ファン付き)、電源 1 個、空き電源スロット 1 個が含まれます。 表 10. 寸法、重量、音響ノイズ、MTBF、および環境条件 Cisco Catalyst 3850 シリーズ用のコネクタ最新のシスコのトランシーバ モジュールの互換性情報については、http://www.cisco.com/c/en/us/support/interfaces-modules/transceiver-modules/products-device-support-tables-list.html [英語] を参照してください。 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの管理および規格対応状況表 12 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチがサポートする管理機能と規格を示します。 表 12. Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの管理および規格対応状況
電源仕様表 13 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの電源仕様を種類別に示します。 表 13. Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの電源仕様 スタンドアロンの Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの消費電力表 14 に、スタンドアロンの Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの消費電力を示します。これは、入力電圧 115 VAC(60 Hz、PoE 負荷なし)で、IMIX ディストリビューション ストリーム トラフィックを使用した、米国電子通信産業ソリューション連合(ATIS)のテストに基づいています。次の数値は、各テスト シナリオで可能な最大消費電力です。 表 14. スタンドアロンの Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの消費電力(単位:W)
安全規格と適合規格表 15 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズの安全規格と適合規格に関する情報を示します。 表 15. Cisco Catalyst 3850 シリーズの安全規格と適合規格に関する情報 シスコの制限付きライフタイム ハードウェア保証(拡張版)Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチには、E-LLW が付属します。この保証は、対応可能な場合に翌営業日の交換ハードウェア発送に応じ、90 日間の TAC によるサポート(1 日 8 時間、週 5 日間)を提供します。 シスコのソフトウェアに適用される保証を含む正式な保証条件は、ご購入のシスコ製品に付属する『Cisco Information Packet』に記載されています。製品の使用前に、個々の製品に付属する保証条件をよくお読みください。 シスコは、保証の唯一の救済手段として購入代金を払い戻す権利を留保します。 保証条項の詳細については、http://www.cisco.com/go/warranty [英語] を参照してください。表 16 に、E-LLW に関する情報を示します。 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのライセンスCisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの全製品で、次の 3 つのフィーチャ セットを使用できます。 LAN Base フィーチャ セットは、最大 255 VLAN までの包括的なレイヤ 2 機能を含む、高度なインテリジェント サービスを提供します。IP Base フィーチャ セットは、すべての LAN Base 機能に加え、1K VLAN で基本エンタープライズ サービスを提供します。また、IP Base は、ワイヤレス コントローラ機能(モビリティ エージェントおよびモビリティ コントローラ ロール、モビリティ コントローラ ロールに必要な追加のアクセス ポイントのライセンス)、ルーテッド アクセス、Smart Operations、FnF などもサポートします。IP Services フィーチャ セットは、EIGRP、OSPF、BGP、PIM、および IPv6 ルーティング(OSPFv3、EIGRPv6 など)といった先進的なレイヤ 3 機能を含む完全なエンタープライズ サービスを提供します。どのソフトウェア フィーチャ セットも、高度なセキュリティ機能や MQC ベースの QoS 機能をサポートしています。 LAN Base フィーチャ セット搭載の Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチは、LAN Base の他の Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのみにスタックできます。これは、IP Base と IP Services でも同様です。LAN Base のスイッチを IP Base や IP Services のフィーチャ セットと混在させてスタックを構成することはできません。 12 ポートと 24 ポートの SFP+ および SFP ベースのモデル、また 48 ポートの SFP+ モデルは、IP Base または IP Services ライセンスがある場合にのみ発注できます。そのため、LAN Base モデルとスタックするには、CLI から LAN Base モードで設定する必要があります。 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのソフトウェア フィーチャ セットは、Cisco IOS ソフトウェアのコマンドライン インターフェイス経由で、使用(RTU)ベースのソフトウェア アップグレード プロセスを使用して透過的にアップグレードできます。ソフトウェア アクティベーションにより、Cisco IOS ソフトウェア フィーチャ セットが有効になります。Cisco IOS ソフトウェアは、ライセンスの種類に基づいて、該当するフィーチャ セットを有効にします。別のフィーチャ セットを有効にするために、ライセンスの種類を変更またはアップグレードすることもできます。 Cisco Catalyst 3850 用のアクセス ポイント ライセンス Cisco Catalyst 3850 をモビリティ コントローラ モードで動作させるには、アクセス ポイント ライセンスが必要です。Cisco Catalyst 3850 をモビリティ エージェント モードで動作させる場合は、アクセス ポイント ライセンスは必要ありません。この機能は、IP Base フィーチャ セットに組み込まれています。モビリティ コントローラとして機能するデバイスは、このほかにも WLC 5760、WLC 5508、および WiSM2 ワイヤレス コントローラがあります。アクセス ポイント ライセンスは、2 台の 3850 スイッチ間、もしくは 3850 と 5760 コントローラ間(またはその逆)のみで移行可能です。 Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチのソフトウェア ポリシーCisco Catalyst LAN Base および IP Base ソフトウェア フィーチャ セットをお持ちのお客様には、公開仕様、リリース ノート、および業界標準に対するソフトウェアの適合性を維持するために、メンテナンス アップデートとバグ修正が提供されます。これはシスコまたはシスコの販売代理店から製品を購入したエンド ユーザが製品を継続的に所有または使用している期間、または製品の販売終了日から 1 年以内のどちらか短い方の期間提供されます。IP Services ソフトウェア イメージのライセンスをお持ちのお客様がアップデート プログラムをダウンロードするには、Cisco SMARTnet® サービスなどのサービス サポート契約が必要です。このポリシーは、以前のあらゆる保証条件またはソフトウェア使用条件に優先します。また、予告なく変更される場合があります。 シスコとパートナーが提供する次世代 Cisco Catalyst 固定構成スイッチ向けサービスシスコおよびパートナー各社が提供するカスタマイズされたサービスを利用することで、ボーダレス ネットワーク アーキテクチャにおける革新的かつセキュアなインテリジェント エッジを実現できます。お客様のビジネス目標を理解することから始まる調査プロセスを通じて、次世代 Cisco Catalyst 固定構成スイッチをお客様のアーキテクチャに統合し、ネットワーク サービスをそのプラットフォームに組み込む作業を一貫して支援します。知識と先進の手法を共有することにより、お客様が新しいテクノロジーを効果的に導入、吸収、管理、および拡張できるように各段階でサポートいたします。お客様のビジネス ニーズを満たし、高品質のネットワーク パフォーマンスを維持しながら運用コストを抑えるように考案された一連の柔軟なサポート サービスからお選びいただけます (表 17 を参照)。 表 17. Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチに利用できるテクニカル サービス 1 シスコ オペレーティング システムのアップデートには、ライセンス対象の機能セット内のメンテナンス リリース、マイナー アップデート、およびメジャー アップデートが含まれます。 2 アドバンス ハードウェア リプレースメントは、さまざまなサービス レベルの組み合わせとして提供されます。たとえば、8 X 5 X NBD は、週 5 日間(対象地域内の一般的な営業日)、一般的な 8 時間の営業時間に、翌営業日の配送を予定して発送が開始されることを意味します。NBD が利用できない場合は、同日発送が提供されます。適用される制限事項の詳細については、該当するサービスの説明を参照してください。 発注情報表 18 に、Cisco Catalyst 3850 シリーズの発注情報を示します。ご発注の際は、下記のシスコの購入案内ページ http://www.cisco.com/web/JP/ordering/index.html を参照してください。 表 18. Cisco Catalyst 3850 シリーズの発注情報 *715WAC 電源もご使用できます。
光ファイバの互換性に関する情報Cisco Catalyst 3850 シリーズは、さまざまな光ファイバをサポートしています。サポートされるオプティカル モジュールの一覧は定期的に更新されていますので、最新の QSFP+、SFP+、および SFP の互換性情報については、http://www.cisco.com/cisco/web/portal/support/docs_listing.html?cid=278426759&locale=ja_JP&itag=prod_comp_infos_list を参照してください。 シスコ キャピタル目標達成を支援する融資 シスコ キャピタルは、お客様が目標の達成と競争力の維持に必要なテクノロジーを導入できるよう支援します。お客様の CapEx を削減し、 成長を加速させ、 投資金額と ROI を最適化します。シスコ キャピタル ファイナンス プログラムにより、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、および補完的なサードパーティ製機器を柔軟に購入することができます。支払いが統一されるため、予想外の支払いが発生することもありません。シスコ キャピタルは 100 ヵ国以上でサービスを利用できます。詳細を見る。 1 その他の情報は出荷時に提供されます。 2 StackWise および StackPower テクノロジーは、48 ポートの SFP+ スイッチ モデルではサポートされていません。 3 オプションのアップリンク モジュールは、48 ポートの 10G SFP+ スイッチ モデルではサポートされていません。 4 48 ポートの RJ45 モデルと 12 ポート(またはそれ以上)の 10 ギガビット対応モデルとのみ互換性があります。 5 Cisco Catalyst 3850 マルチギガビットおよび 24 ポートの SFP+ スイッチ モデルとのみ互換性があります。 6 48 ポートの 10G SFP+ スイッチ モデルでは、前面から背面および背面から前面の構成になっている専用電源のみがサポートされます。 その他の情報は出荷時に提供されます。 7 ネットワーク モジュールは、48 ポートの 10 G SFP+ スイッチ モデル(2 つの固定 40 ギガビット イーサネット QSFP+ アップリンク付き)ではサポートされていません。 8 48 ポートの 10G SFP+ スイッチ モデルでは、前面から背面および背面から前面の構成になっている専用電源のみがサポートされます。 その他の情報は出荷時に提供されます。 9 StackWise および StackPower テクノロジーは、48 ポートの SFP+ スイッチ モデルではサポートされていません。 10 XPS-2200 のスター構成では、最大 9 台のスイッチがサポートされています。 11 48 ポートの SFP+ モデルについてのその他の情報は出荷時に提供されます。 |