データシートCisco Catalyst Switch Module 3110 for IBM BladeCenterCisco Catalyst® Switch Module 3110 は、ブレード サーバ環境向けの次世代ネットワーキング ソリューションです。市場をリードするシスコのハードウェアと Cisco IOS® ソフトウェアを基盤とする Cisco Catalyst Switch Module 3110(図 1)は、ブレード サーバ ベースのアプリケーション インフラストラクチャに対する厳しい要求を満たすために特別に設計された、独自のテクノロジーを搭載しています。スイッチの設計では特に、接続のスケーラビリティ、パフォーマンス、復元力を高めると同時に、サーバ インフラストラクチャの複雑さを緩和して TCO(総所有コスト)を削減するという継続的な取り組みをサポートします。 図 1 Cisco Catalyst Switch Module 3110 for IBM BladeCenter 構成Cisco Catalyst Switch Module 3110 for IBM BladeCenter には、2 つの構成と SKU があります。既存のネットワーク ファブリックとの接続に、一方の構成ではギガビット イーサネット アップリンクを使用し、もう一方の構成ではギガビット イーサネットと 10 ギガビット イーサネットのアップリンクを使用します。 構成 1:Cisco Catalyst Switch Module 3110G for IBM BladeCenter
構成 2:Cisco Catalyst Switch Module 3110X for IBM BladeCenter
仮想ブレード スイッチ テクノロジーCisco Catalyst Switch Module 3110 には、シスコ独自のテクノロジー「Virtual Blade Switch(VBS; 仮想ブレード スイッチ)」が採用されています。これは、同じラック内で相互接続された物理スイッチをまとめて 1 つの論理スイッチとして扱う、スイッチ仮想化テクノロジーです(図 2)。この技術革新を基盤として、スイッチのパフォーマンスと復元力が強化されると同時に運用と管理が簡素化されています。 VBS テクノロジーの利点のいくつかを次に示します。
図 2 ラック内のスイッチは 1 つの論理スイッチとして扱われる VBS アーキテクチャの主な利点は、多層的な仮想化によってインフラストラクチャの複雑さを軽減することです。VBS は単一のノードと見なされるので、レイヤ 2 とレイヤ 3 のトポロジが簡素化されます。VBS を複数の物理スイッチではなく単一の論理スイッチとして扱って管理することができます。同じ理由から、リンクを共有でき、利用率が高まって、実際に必要なリンク数が削減されるため、全体的なリンク数も削減されます。運用の簡素化として自動化を利用できるようになり、実質的なスイッチの数を減らすことができます。VBS により、新しいブレードのプロビジョニングを自動化でき、真の即時アクティブ運用が実現します。同様に、VBS は Cisco IOS EEM(Embedded Event Manager)、Cisco GOLD(Generic Online Diagnostics)、Cisco VFrame DC(Data Center)といった自動化ツールを備えており、全体的な管理作業を簡素化できます。 Cisco Catalyst Switch Module 3110 は、VBS を採用することで、ひときわ優れたパフォーマンスをブレード サーバ環境にもたらします。VBS によるラックからのアップストリームは最大 80 Gbps で、要求の厳しいデータセンターでの利用にも対応できます。さらに、VBS アーキテクチャでは、各ブレード サーバからの 2 つのアクティブ リンクが有効です。主な目的はハイアベイラビリティの実現ですが、この機能により、通常の(障害が発生していない)運用中もサーバとの接続で使用可能な帯域幅が倍増します。また、VBS はサーバ間トラフィックの高速な通路になります。現在増えつつある Web 2.0 アプリケーションでは多くのサーバ間通信が行われるため、これは特に重要です。 アプリケーションのアベイラビリティが最重要課題であることから、Cisco Catalyst Switch Module 3110 は多層的な復元力を発揮できるように設計されています。VBS では、サーバとの冗長アクティブ ダウンリンクをサポートしています。これにより、パスが冗長化され、アクティブおよびパッシブのフェイルオーバーに伴うすべてのアクセス遅延をなくすことができます。また、VBS は冗長アップリンクもサポートしています。これにより、リンクの復元力が高まります。VBS では、アップストリーム リンクを複数のスイッチにマッピングすることで、上流のスイッチが故障しても影響を回避できます。VBS は単一ノードとして動作するので、レイヤ 2 とレイヤ 3 のトポロジがシンプルになり、本質的に安定性が高まります。各種のリンク仮想化メカニズムにより、リンク障害が 1 つ発生してもサービスの中断を招くトポロジの変更は必ずしも発生しなくなるため、さらに保護が強化されます。ハードウェア レベルでは、VBS は活性挿抜(Online Insertion and Removal; OIR)に完全に対応しています。これにより、スイッチ モジュールの追加や取り外しを行う際にファブリックを停止する必要はなく、他のスイッチ モジュールにも影響は及びません。 Cisco Catalyst Switch Module 3110 は、業界をリードする他の Cisco Catalyst スイッチ製品と同じ方法で運用できます。共通の Cisco IOS ソフトウェア コマンドライン インターフェイス(CLI)、一貫した MIB、および CiscoWorks ソリューションなどの管理ツールを使用します。このため、追加のトレーニング コストは不要です。また、運用担当者は複数の管理ドメインを扱う必要がないので、運用効率が高まります。さらに、他の Cisco Catalyst 製品と一体的に運用できるため、QoS などのエンドツーエンドのネットワーク サービスをネットワーク全域に一貫して確実に実装できます。 VBS は、ライフタイム全体で TCO を削減できるように設計されています。まず、スイッチおよびリンク レベルの仮想化により、インフラストラクチャ コストが削減されます。VBS ではギガビット イーサネット スイッチ モジュールと 10 ギガビット イーサネット スイッチ モジュールを併用できるので、お客様は業務上の必要に応じて時間をかけて移行できます。また、VBS では運用コストが削減されます。一貫した Cisco IOS ソフトウェア インターフェイスを使用することで、運用プロセスが簡素化され、運用コストの削減につながります。自動化と統合ツールセットにより、効率が向上して短時間での解決が可能になり、運用コストをさらに削減できます。 多くの企業が、スイッチング要件を満たすためにシスコを選んでいます。Cisco Catalyst Switch Module 3110 もその理由を示す一つの製品です。従来からの Cisco Catalyst に技術革新が加えられた Cisco Catalyst Switch Module 3110 は、今日のブレード サーバ環境特有の要求に応えます。 Cisco Catalyst Switch Module 3110 ソフトウェアCisco Catalyst Switch Module 3110 には、IP Base イメージが付属しています。IP Base フィーチャ セットには、高度な QoS、レート制限、各種セキュリティ機能、アクセス コントロール リスト(ACL)、基本的なスタティック ルーティングと RIP(Routing Information Protocol)によるルーティング機能などが含まれています。 IP Base イメージは、IP Services または Advanced IP Services イメージのいずれかへのアップグレードが可能です。IP Services フィーチャ セットには、より豊富なエンタープライズクラスのフィーチャ セットとして、EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)、BGP(Border Gateway Protocol)、PIM(Protocol Independent Multicast)などの高度なハードウェアベースの IP ユニキャストおよびマルチキャスト ルーティングが含まれています。Advanced IP Services フィーチャ セットには IPv6 ルーティングが含まれています。 ソフトウェア フィーチャ セットは、Cisco IOS ソフトウェアのアクティべーション機能によって透過的にアップグレードできます。つまり、アクティベーション機能によって承認されることで、特定の Cisco IOS ソフトウェア フィーチャ セットが有効化する仕組みになっています。スイッチに電源が投入されると、Cisco IOS ソフトウェアはスイッチ内にあるライセンス ファイルという特殊なファイルを検査します。そして、そのファイルに登録されているライセンスのタイプに基づいて、Cisco IOS ソフトウェアが適切なフィーチャ セットを有効にします。ライセンスのタイプを変更したりアップグレードしたときには、別のフィーチャ セットが有効になります。 機能と利点表 1 に、Cisco Catalyst Switch Module 3110 の機能と利点をまとめます。 表 1 機能と利点
製品仕様表 2 に Catalyst Switch Module 3110 のハードウェア仕様、表 3 に管理と標準のサポート、表 4 に安全性および適合規格を示します。 表 2 ハードウェアの仕様
表 3 管理および規格のサポート
表 4 安全性および適合規格
発注情報表 5 に、Cisco Catalyst Switch Module 3110 の発注情報を示します。 表 5 発注情報
サービスおよびサポートシスコは TCO の削減に取り組んでいます。テクニカル サポート サービスを通じて、シスコ製品の効率的な運用とハイアベイラビリティの維持、最新のシステム ソフトウェアの活用を支援します。表 6 に、シスコから直接、あるいは販売代理店を通じてご利用いただけるサービスとサポートを示します。 表 6 サービスとサポート
関連情報シスコ製品の詳細については、http://www.cisco.com/ を参照するか、次の番号までお問い合わせください。
IBM BladeCenter の詳細については、http://www.ibm.com/ を参照してください。 |
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