製品概要
Cisco® Cloud Services Platform(CSP)2100 は、データセンターのネットワーク機能仮想化(NFV)を実現する、ターンキー方式のオープンな x86 Linux カーネル ベース仮想マシン(KVM)ソフトウェア/ハードウェア プラットフォームです。このプラットフォームにより、シンプルな組み込みのネイティブ Web ユーザ インターフェイス(WebUI:図 1)、コマンドライン インターフェイス(CLI)、Representational State Transfer(REST)API を通じて、シスコまたはサードパーティのネットワーク仮想サービスをすばやく導入できます。また、Cisco Network Services Orchestrator(NSO)や OpenDaylight(ODL)などのソフトウェアにより、標準化された NetConf インターフェイスを使用することもできます。任意の、またはすべての管理インターフェイスを使用可能です。Cloud Services Platform 2100 は、現在、ネットワーク機器(図 2)として提供されています。1 つの SKU に、ソフトウェアとハードウェアの両方が含まれます。Cloud Services Platform 2100 のアプライアンス 1 台だけでも開始できます(図 3)。
概要
過去 10 年間、ほとんどのアプリケーションは仮想化されてきました。同じ事はネットワーク サービスにも生じています。こうした仮想化の傾向は一般に「NFV」と呼ばれます。これは、ネットワーク サービスを専用のハードウェア アプライアンスではなく、x86 コンピューティング リソースを使用した仮想環境への導入を可能にし、より柔軟な導入と管理を実現します。これまでのテクノロジー変革と同様に、こうしたことはすぐには起こりません。しなしながら、Cloud Services Platform 2100 を導入することにより、このトレンドを促進できます。しかしもう一方で、組織は混在した仮想ネットワーク サービスと物理ネットワーク サービスを管理することになります。
現在の課題
ネットワーク チームに、ネットワーク仮想サービスを迅速かつ容易に導入できる能力がありますか。また、DevOps チームやサーバ チームに合ったペースで、これらのサービスをわずか数分で導入できますか?今日の多くのデータセンターでは、ネットワーク サービスは専用アプライアンスで実行されています。このアプローチでは、特定のベンダーに依存することとなり、あまり柔軟性が発揮されません。新しいハードウェアを導入する場合、数週間から数か月待つ場合もあります。
今日のデータセンターが仮想ネットワーク サービスを導入するには、次のような課題があります。
● ネットワーク チームが、サーバ チームに合わせて仮想ネットワーク サービスを数分で導入できるか。
● VMware ESXi 製品とサポートのコスト
● OpenStack の複雑さ:多くの組織にとって依然として複雑すぎる
● OpenStack の要件:開始にあたり、ホストを 5 つから 8 つに絞る必要がある
● VMware vCenter Server およびコンピューティング リソースへのアクセスが(ほぼ)皆無
● 仮想サービスを管理するツール セットの不足
● Linux/OS の専門知識の不足
● 専用のハードウェア アプライアンスに精通する必要性
● ハードウェア パフォーマンスに対するニーズ(ただし、ほとんどの使用例でギャップはすぐに解消)
ソリューション
このソリューションでは、ソフトウェアの俊敏性とハードウェアのパフォーマンスに寄与するネットワーク仮想サービスを提供することで、時間とコストの両方を削減できます。それが、Cisco の Cloud Services Platform 2100 です。Cloud Services Platform 2100 では、KVM ハイパーバイザに基づいた任意のネットワーク仮想サービスを実行でき、ネットワーク チームによる管理を実現します。ネットワーク エッジからサーバ ファームまたは Point of Presence(PoP)まで、Cloud Services Platform 2100 ではさまざまなサービスを仮想化できます。複数の仮想サービスを 1 つのノードでホスティングしたり、再利用により機器のライフサイクルを延長したりすることで、リソースの使用を最適化します。新しい仮想サービスを迅速に導入できることで、ユーザやアプリケーションのサポートが向上します。
Cisco Cloud Services Platform 2100 は ETSI フレームワークのどの部分に適合するか。
Cloud Services Platform 2100 は、NFV インフラストラクチャ(NFVI)と仮想インフラストラクチャ マネージャ(VIM)から構成されます。ノースバウンド REST API と NetConf インターフェイスを利用して、管理とオーケストレーションを行うことが可能です(図 4)。
Cisco Cloud Services Platform 2100 とは何か。
Cloud Services Platform 2100 は、KVM ベースのあらゆるネットワーク仮想サービスのホストと管理を行えるように設計された x86 ソフトウェア/ハードウェア プラットフォームです(図5)。使いやすい GUI、CLI、REST API や NetConf インターフェイスを介して、ユーザに迅速な仮想マシンの作成、変更、更新、シャットダウンの機能を提供することで、基本的なライフサイクル管理を実現します。
なぜ Cisco Cloud Services Platform 2100 なのか?
Cloud Services Platform 2100 を使用することで、専用のネットワーク サービス アプライアンスを、俊敏で柔軟性の高いソフトウェアで置き換えて、ハードウェアと同等のパフォーマンスを実現します(図 6)。
主な機能
表 1 に、Cloud Services Platform 2100 の主な機能の概要を示します。
表 1. 主な機能
機能 |
利点 |
GUI |
● インターフェイスはすぐに使用でき、シンプルで直観的です。
● ここでは、GUIから基本的なライフサイクル管理をすぐに実行できます
● シスコまたはサードパーティのネットワーク仮想サービスを迅速にプロビジョニング・管理できます。
● CLIも利用可能です。
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REST API と NetConf |
● ネットワーク プロビジョニングを自動化することで、DevOpsやサーバ チームのペースに合わせて導入できます。
● 複数のノースバウンド管理およびオーケストレーション ツールをサポートします。
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クラスタリング |
● 任意の数のノードに対して、リソースをプールします。
● オンデマンドでのスケーリングが可能です。
● リソース管理を自動化します。
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オープン |
● プラットフォーム上で、シスコまたはサードパーティの仮想サービスを実行します。
● .iso、.ova、.qcow2のあらゆる Linux KVMイメージをサポートします。
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PCI Express(PCIe)パススルーと シングルルート I/O 仮想化(SR-IOV) |
● スループットが大幅に向上します。
● 遅延を削減します。
● データ ストリームの分離を強化します。
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ネットワーキング |
● 1 Gbps銅線。
● 10 Gbps拡張版着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP+)。
● ポート チャネリング
● オンデバイス サービス チェーン向けの内部ネットワーキング。
● 物理ポートを通じた外部ネットワーキング。
● MacVTap。
● PCIeパススルー。
● SR-IOV。
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Data Plane Development Kit(DPDK) |
● x86プラットフォームでのパケット処理を高速化し、多数のネットワーク I/O処理を必要とするサービスのパフォーマンスを向上させます。
● Cisco Cloud Services Router(CSR)1000V、Cisco Virtual Mobile Packet Corソフトウェア、Cisco IOS® XRv 9000 Router(仮想ルータ)などの複数のシスコ仮想ネットワーク サービスで DPDKが使用されています。
● また、DPDKを使用するサードパーティのサービスも、プラットフォーム上で実行できます。
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どの仮想サービスが実行できますか?
Cloud Services Platform 2100 は、ターンキー方式の使いやすい GUI ベース プラットフォームで、データセンターのネットワーク仮想サービスを実現します。アプライアンスとして提供されるため、必要に応じて仮想化サービスを迅速かつ簡単に導入できます。現在、Linux KVM をサポートするサービスが導入することができ、次のようなシスコのサービスがこれに含まれます。
● Cisco Cloud Services Router(CSR)1000V 仮想ルータ
● Cisco IOS XRv 9000 ルータ
● Cisco Virtual Adaptive Security Appliance(ASAv)
● Cisco Prime™ Data Center Network Manager(DCNM)
● Cisco Virtual Network Analysis Module(vNAM)
● Cisco UCS® Director(UCSD)
● Cisco Unified Computing System™(Cisco UCS)ベアメタル エージェント(BMA)
● Cisco Nexus® 1000V スイッチ環境向け Cisco Virtual Security Gateway(VSG)
● Cisco Nexus 1000V スイッチ環境向け Cisco Virtual Supervisor Module(VSM)
また、Cloud Services Platform 2100 では、アプリケーション ファイアウォール、アプリケーション配信コントローラ、付加価値モビリティ サービスなどのサード パーティ ベンダーのサービスもサポートされています。
Cisco Cloud Services Platform 2100 はどこで使用できますか?
Cloud Services Platform 2100 は、WAN のエッジや DMZ で使用できます。プール環境でルータ、モニタリング ツール、WAN アクセラレーション ツール、ファイアウォールを制御します。データセンターのコアでは、ロード バランシングやサーバ ファームに対するファイアウォールなどのノースサウス サービスを提供できます。サーバ ファームでは、ファイアウォールやモニタリング サービスなどのイーストウェストサービスを提供します(図 7)。
製品仕様
表 2 に、Cloud Services Platform 2100 の仕様の概要を示します。
表 2. 製品仕様
システム要件
表 3 に、Cloud Services Platform 2100 のシステム要件を示します。
表 3. システム要件
項目 |
要件 |
ネットワーク仮想サービス |
KVM ハイパーバイザ上でイメージの実行が可能(.iso、.ova、.qcow、.qcow2 の KVM イメージをサポート) |
プラットフォーム ソフトウェア |
Cloud Services Platform 2100 システム ソフトウェア 1.0.0 以降 |
発注情報
購入方法については、シスコの「購入案内」のページを参照してください。ソフトウェアは Cisco Software Center からダウンロードできます。表 4 に発注情報を示します。
表 4. 発注情報
製品番号 |
製品説明 |
CSP-2100 |
Cloud Services Platform(CSP)2100 |
サービスとサポート
シスコは、データセンターへの Cloud Services Platform 2100 ソリューションの導入と最適化を成功させるために、各種サービスを用意しています。シスコの革新的なサービスは、運用効率の向上とデータセンター ネットワークの改善を目的として、スタッフ、プロセス、ツール、パートナーをそれぞれに組み合わせて提供されます。シスコ アドバンスド サービスは、アーキテクチャ主導型のアプローチによってデータセンター インフラストラクチャをビジネスの目的に合致させ、長期にわたる価値を提供します。Cisco SMARTnet™ サービスを利用すると、シスコのネットワーク専門家や高い実績を持つリソースにいつでも直接アクセスでき、ミッション クリティカルな問題を解決できます。シスコのサービスは、ネットワーク ライフサイクル全体にわたって最大限に投資を保護し、ネットワーク運用の最適化、移行のサポート、IT 能力の強化を実現します。詳細については、http://www.cisco.com/go/services/jp を参照してください。
目標の達成を支援するシスコ キャピタル ファイナンス プログラム
Cisco Capital® ファイナンスは、目標を達成して競争力を維持するために必要なテクノロジーのご購入をお手伝いします。Cisco Capital ファイナンスは、設備投資(CapEx)の削減、貴社の成長の促進、および投資金額と投資回収率(ROI)の最適化に役立ちます。Ciaco Capital ファイナンス プログラムにより、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、および補完的なサードパーティ製機器を柔軟に導入できます。支払いが統一されるため、予想外の支払いが発生することもありません。Cisco Capital ファイナンスは、世界 100 ヵ国以上でご利用いただけます。詳細はこちら
関連情報
Cisco Cloud Services Platform 2100 の詳細については、http://www.cisco.com/go/csp/jp を参照ください。
Cisco Network Services Orchestrator の詳細については、http://www.cisco.com/go/nso/jp を参照ください。