データ シートCisco RSVP AgentCisco® RSVP Agent は、Cisco IOS® ソフトウェアの機能です。Cisco Unified Communications Manager が導入されている環境に、ネットワークを使用したコール アドミッション制御と Quality of Service を提供します。Cisco RSVP Agent を使用すると、ネットワークの変化への動的な適応と、複雑なネットワーク トポロジへの対応が可能となり、データ、音声、およびビデオのユニファイド ネットワークを設計できます。音声と IP コミュニケーションの製品およびアプリケーションで構成されるシスコ ユニファイド コミュニケーション システムは、より効果的なコミュニケーションを促進し、ビジネス プロセスの合理化、適切なリソースの迅速な活用、売上と純利益の拡大に役立ちます。Cisco Unified Communications ポートフォリオは、シスコ ビジネス コミュニケーション ソリューションの重要な一部です。このソリューションは、あらゆる規模の組織に対応する統合ソリューションであり、ネットワーク インフラストラクチャ、セキュリティ、ネットワーク管理の各製品、ワイヤレス接続、ライフサイクル サービス アプローチのほか、柔軟な導入およびアウトソース管理オプション、エンドユーザおよびパートナー向け融資パッケージ、サードパーティ製通信アプリケーションなどで構成されています。 Cisco RSVP Agent は、コール アドミッション制御(CAC)と Quality Of Service(QoS)を提供します。CAC を使用すると、帯域幅とポリシーの考慮事項に基づいて、ネットワーク上でコールの受け入れまたは拒否が行われます。また、IETF 標準ベースのシグナリング プロトコルで、IP ネットワーク リソース予約用の Resource Reservation Protocol(RSVP; リソース予約プロトコル)によって、Cisco RSVP Agent が受け入れたコール用に WAN 上の帯域幅が確保および予約されます。その結果、メッシュ型および多層型ネットワークにおけるコールに、優れた QoS と信頼性を特色とするユーザ エクスペリエンスが実現します。 Cisco RSVP Agent は、Cisco 2800、2900、3800、および 3900 シリーズ サービス統合型ルータでサポートされます。コールのセットアップは、IP フォン、IP ビデオフォンまたはゲートウェイ、および Cisco Unified Communications Manager の間で開始されます。Cisco Unified Communications Manager が、アプリケーション(音声またはビデオ)および Multilevel Precedence and Preemption(MLPP)などのパラメータに基づいてコールを分類し、アクセス ルータ上の Cisco RSVP Agent に信号を送ります。ルータ上には、アプリケーションごととインターフェイスごとに帯域幅プールがあらかじめ設定されています。Cisco RSVP Agent は、Cisco Unified Communications Manager による分類を基に、適切な帯域幅プール範囲内で WAN を経由して、受信側の Cisco RSVP Agent へのコールを確立しようと試みます。RSVP 帯域幅が確保されている場合は、Cisco RSVP Agent は Cisco Unified Communications Manager に信号を返します。そして、Cisco Unified Communications Manager が IP フォン、IP ビデオフォン、またはゲートウェイに信号を送り、コールが続行されます。Cisco RSVP Agent は、Cisco Unified Communications Manager からの指示に基づいて、メディア パケットに Differentiated Service Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)マーキングを適用できます。DSCP パケット マーキングが適用されると、RSVP で確保されたメディア ストリームをルータのプライオリティ キューに格納できます。RSVP 帯域幅を確保できない場合は、Cisco RSVP Agent はポリシーを管理する Cisco Unified Communications Manager に信号を返します。Cisco Unified Communications Manager の指示に従って Cisco RSVP Agent が適用した低プライオリティの DSCP パケット マーキングについては、コールの続行の許可または禁止が決定されます。コール中の転送といった、メディア ストリームの変更処理には、ミッドコール ポリシーを適用することができます。 Cisco RSVP Agent を使用したネットワーク設計では、音声コールとビデオ コールを 1 つのユニファイド ネットワークの一部として、データとともに処理できます。このため、メッシュ設計、多層型設計、ダイナミックなリンク変更への適応、および冗長リンクのサポートが可能です。このような単一の設計によって、インフラストラクチャと管理にかかるコストを削減できます。また、CAC の管理と確保および QoS の適用はネットワーク コンポーネントとして実装されているため、エンドユーザ デバイスに依存する必要はありません。Cisco RSVP Agent は、コール シグナリング プロトコルとは別に機能するため、SIP、SCCP、H.323、および MGCP をすべてサポートします。 主な機能と利点
RSVP の使用によって提供される Cisco IOS の QoSCisco IOS® ソフトウェアは、2 つの基本的な QoS アーキテクチャ、DiffServ と Integrated Service(IntServ; 統合型サービス)をサポートしています。これらのアプローチは相互に補完し合う性質があり、この連携によって堅牢な QoS 展開が可能になります。 DiffServ モデルでは、パケットの「クラス」をパケットに直接マーキングできます。このマーキングによって、「ホップ単位の動作」が識別され、エンドツーエンドのトラフィック パス上の各デバイスに適用されます。QoS 動作は、個別のトラフィック フローではなく、パケットのクラスに対して適用されます。これとは対照的に、IntServ モデルでは、特殊な QoS 処理を必要とするパケット フローを識別するために、シグナリング プロトコルが必要です。 IntServ アーキテクチャ モデルは、遅延やジッタに影響されやすい音声、ビデオ、マルチメディア会議、視覚化、仮想現実などのリアルタイム アプリケーションのニーズに対応するよう開発されています。IntServ は、ネットワーク リソースを明示的に管理し、特定のユーザ パケット ストリーム(フロー)に QoS を提供することによって、リアルタイム アプリケーションで要求されるエンドツーエンド QoS を提供します。QoS を確立して維持するための基本コンポーネントとして、「リソース予約」および「アドミッション制御」メカニズムが使用されます。IntServ は RSVP を使用して、ネットワークのエンドツーエンド パス上に存在するデバイスに、アプリケーション トラフィックの QoS ニーズを明示的にシグナリングします。これによって、メディア パス全体を通じて必要な帯域幅が予約されます。予約を完了したことが確認でき次第、発信側のアプリケーションは送信を開始できます。 RSVP による QoS シグナリングは、次のような理由から、音声とビデオのニーズに適しています。
ハイブリッド型の IntServ over DiffServ 実装では、RSVP を使用してメディア パスでのアドミッションを提供できます。アドミッション後、DiffServ マーキングが適用され、メディア パケットがプライオリティ キューに格納されます。こうして、保証されたサービスが確実に配信されます。 また、ネットワーク設計で IntServ および DiffServ アーキテクチャを組み合わせて、それぞれの利点を活用することもできます。コアの帯域幅が豊富な場合は、ネットワーク エッジに RSVP を使用する IntServ アーキテクチャを実装し、これらの RSVP 予約を DiffServ コア経由で転送できます。この場合は、ネットワーク コアで予約をサポートできる帯域幅が不足するリスクがわずかにありますが、ネットワーク コアで予約状態を維持する必要性は低くなります。 RSVP は IETF での標準化が積極的に進められており、シスコでは、スケーラビリティ、ルーティング変更への迅速な対応、DiffServ および MPLS ネットワークでの RSVP 予約の集約といった領域で、Cisco IOS ソフトウェアの大幅な機能拡張を続けています。Cisco IOS ソフトウェアは、ほぼすべてのシスコ ソフトウェア フォワーディング プラットフォームで RSVP をサポートしています。 Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco Unified Communications Manager の要件
パフォーマンス表 1 Cisco RSVP Agent のセッション キャパシティ
セッション キャパシティは、VAD をオフにした RSVP Agent 専用のルータに基づいています。同時に複数のアプリケーションを実行すると、サポートされるセッション数は減少します。 標準サポート表 2 Cisco RSVP Agent の機能
シスコとパートナーによるブランチ向けサービスシスコとシスコ認定パートナーが提供するサービスは、ボーダレス ネットワークにおけるブランチ エクスペリエンスの変革と、ビジネス革新および成長の促進を実現します。シスコとパートナーは、複製可能で最適化されたわかりやすいブランチ ネットワークの構築に向けて、さまざまなテクノロジーに関する幅広い専門知識を提供します。計画および設計サービスは、テクノロジーとビジネス目標との整合性を図り、導入の正確性、速度、および効率を向上させます。テクニカル サービスは、運用効率の向上、費用の削減、およびリスクの緩和に貢献します。最適化サービスは、パフォーマンスの継続的な改善、およびお客様のチームが新しいテクノロジーを使いこなすための支援を目的としています。詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/services/ を参照してください。 |
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