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Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータ用 Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カード
ブロードバンド サービス プロバイダー間の競争が激化するにつれ、ケーブル事業者は、Hybrid Fiber-Coaxial(HFC)アクセス ネットワークおよびメトロ ネットワーク上で新規および既存のサービスをコスト効率よく配信するという要求に直面しています。重要な技術として IP、DOCSIS®、ギガビット イーサネットが登場し、統合されたインテリジェントなスイッチド ネットワーク インフラストラクチャへの移行が可能になりました。同時に多くのケーブル事業者が、レイヤ 2 メトロ ネットワーク ソリューションとしてイーサネット プロトコルを採用するようになっています。イーサネットベースの技術によって、ケーブル事業者は商用サービスのプロバイダーへと転換することに成功しました。事業者はギガビット イーサネットを単方向システムで使用し、ビジネス カスタマー向けに Video on Demand(VoD; ビデオ オン デマンド)サービスやブロードキャスト デジタル ビデオ サービスを提供できます。エッジ スイッチおよびルータに直接組み込まれた光ファイバを使用し、双方向イーサネット ファシリティ上のセキュアな Virtual Private Network(VPN; 仮想私設網)でケーブル モデム トラフィックやビジネス データを伝送できます。
ケーブル事業者は、電話会社や衛星放送事業者に挑戦するという独特な立場にあります。ギガビット イーサネットを利用すれば、従来のネットワーク技術のトラフィック エンジニアリングや長距離伝送を、リーズナブルなコストで実現できます。ケーブル事業者は、展開が容易な新しいギガビット イーサネット技術を HFC ケーブル上に組み合わせることで、競合するソリューションよりもパフォーマンスが高いだけでなく、機器の多様性や代替ルーティングという点でも優れた、独自の新しい HFC ネットワークを使用しながら最新のニーズに対応できます。
ケーブル事業者によるギガビット イーサネット技術の展開を可能にするとともに、モジュラ性や密度への増大するニーズに対応するために、シスコシステムズでは、Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータ用の Cisco® ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードを提供しています。このライン カード(図 1)は、最大 1 Gbps(全二重モード)で動作可能な IEEE 802.3z 準拠のイーサネット インターフェイスを備えています。このカードに使用されている Small Form-Factor Pluggable(SFP)GBIC(ギガビット イーサネット コンバータ)モジュールは、さまざまなタイプのギガビット イーサネット インターフェイス(SX、LX/LH、および ZX)に対応します。これらのインターフェイスは、いつでも変更やアップグレードが可能です。
図 1 Cisco uBR10012 用 Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カード
この新しいライン カードの利点は次のとおりです。
- 高度なモジュラ性を備え、さまざまな展開方法に柔軟に対応します。
- Cisco uBR10012 のギガビット イーサネット密度を 2 倍にし、スロットの利用効率を最大限に高めるとともに、ポート単位でのシステム コストを抑えます。
- モジュラ式のギガビット イーサネット光ファイバをサポートし、柔軟性のある展開を可能にします。
- 標準ベースのギガビット イーサネット実装をサポートし、互換性と相互運用性を実現しています。
これらの利点について、表 1 に詳しく説明します。
表 1 Cisco uBR10012 用 Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードの機能と利点
ハードウェア機能
- 1 Gbps、全二重モードで動作するシングルポート ギガビット イーサネット ライン カード
- ジャンボ フレーム(最大 9180 バイト)のサポート
- Online Insertion and Removal(OIR; ホットスワップ)のサポート
- Cisco uBR10012 のインターフェイス カード スロット 3 および 4 にそれぞれ 1 つずつ搭載した、Cisco uBR10012 シリーズ ハーフハイト ライン カード キャリア(製品番号 ESR-HH-CARRIER)で使用可能
- ホットスワップ可能な SFP 光ファイバ モジュール(SFP トランシーバ)。Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードでは、シスコ製の SFP モジュールのみ使用可能です。
- 16 MB の受信パケット メモリ
- プロセッサ ローカル メモリおよびパケット メモリの Error-Correcting Code(ECC; エラー訂正コード)保護
- サポートする SFP トランシーバ:
-
- 1000BASE-SX(SFP-GE-S)マルチモード、IEEE 802.3z 仕様に準拠
- 1000BASE-LX/LH(SFP-GE-L)、IEEE 802.3z 仕様に準拠
- 1000BASE-ZX(GLC-ZX-SM)、IEEE 802.3z 仕様に準拠
- 256 対のパケットおよびバイト パフォーマンス カウンタ(受信フレームの送信元アドレスに基づく)
- 256 対のパケットおよびバイト パフォーマンス カウンタ(送信フレームの宛先アドレスに基づく)
イーサネット機能
- 全二重動作による MAC(メディア アクセス制御)
- 受信フレームに関するハードウェア アドレス フィルタリング(最大 4096 アドレス エントリ)
- 802.3x 標準ベースのフロー制御
- イーサネット カプセル化フォーマット:
-
- Ethernet V2
- 802.2 Service Advertising Protocol(SAP)
- 802.2 Subnetwork Access Protocol(SNAP)
ソフトウェア機能
- 自動ネゴシエーション
- 64 ビット カウンタ
- 802.1Q VLAN(仮想 LAN)
- Hot Standby Router Protocol(HSRP)
表 2 に、SFP トランシーバの仕様を示します。
表 2 ギガビット イーサネット SFP トランシーバの仕様
モード調整パッチ コード(製品番号 CAB-GELX-625 または同等品)が必要です。一般のパッチ コードを MMF(マルチモード光ファイバ)、1000BASE-LX/LH SFP、および短いリンク距離(数十メートル)で使用すると、トランシーバ飽和を引き起こし、BER(ビット エラー レート)が上昇する可能性があります。また、長距離 SFP を直径 62.5 ミクロンの MMF と併用するときは、リンクの送信側と受信側の両方で、SFP と MMF ケーブルの間にモード調整パッチ コードを取り付ける必要があります。リンク距離が 300 m(984 フィート)を超える場合には、モード調整パッチ コードが必要です。
1000BASE-ZX SFP は、分散シフト型 SMF(シングルモード光ファイバ)または低減衰 SMF を使用することで、最大 100 km の到達距離を実現できます。この距離は、ファイバ品質、スプライス数、およびコネクタ数によって異なります。
環境条件
- 保管温度:-40 ~ 70°C(-38 ~ 150°F)
- 動作温度(公称):5 ~ 40°C(41 ~ 104°F)
- 動作温度(短時間):-5 ~ 55°C(23 ~ 131°F)
- 保管相対湿度:5 ~ 95% RH(相対湿度)
- 動作湿度(公称):5 ~ 85% RH
- 動作湿度(短時間):5 ~ 90% RH
- 動作高度:-60 ~ 4,000 m
物理仕様
- 高さ:19.8 cm(7.8 インチ)
- 幅:3.3 cm(1.3 インチ)
- 奥行:27.9 cm(11 インチ)
- 重量:0.9 kg(2 ポンド)
LED
- リンク ステータス(グリーン、各ポートに 1 つ)
- 送信アクティビティ(グリーン、各ポートに 1 つ)
- 受信アクティビティ(グリーン、各ポートに 1 つ)
- 障害(イエロー、各ポートに 1 つ)
ネットワーク管理
- ネットワーク管理の手段:
-
- Telnet(CLI [コマンドライン インターフェイス])
- コンソール ポート(CLI)
- SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)
- MIB-II
- RFC 1213
- RFC 1573
ハーフハイト ライン カードのパワー バジェット
SFP トランシーバの仕様
- 1000BASE-SX(SFP-GE-S)トランシーバ
-
- 波長:850 nm
- パワー バジェット:7.5 dB
- 送信電力:-9.5 ~ 0 dBm
- 受信電力:-17 ~ 0 dBm
- コネクタ:LC
- 1000BASE-LX/LH(SFP-GE-L)トランシーバ
-
- 波長:1310 nm
- パワー バジェット:7.5 dB(MMF)、8 dB(SMF)
- 送信電力:-11.5 ~ -3 dBm(MMF)、-11 ~ -3 dBm(SMF)
- 受信電力:-19 ~ -3 dBm(MMF および SMF)
- コネクタ:LC
- 1000BASE-ZX(GLC-ZX-SM)トランシーバ
-
- パワー バジェット:23 dB
- 送信電力:0 ~ 4.77 dBm
- 受信電力:-23 ~ 0 dBm
- コネクタ:LC
製品の適合規格の認定
- UL60950/CAN/CSA-C22.2 No. 60950-00、第 3 版、2000 年 12 月 1 日付、IEC 60950 より緩やかと考えられる暫定変更なし
- EN60950、Amendment(修正条項)1 ~ 4 付き、LVD 指令に対する CE Marking 用
- IEC 60950、第 3 版、Amendment 1 ~ 4 付き(すべての国/グループ別暫定変更を含む)
- AS/NZS 60950:2000
- AS/NZS 3260-1993 Amendment 1 ~ 4 付き
- ACA TS001-1997
レーザーの安全性
- 21 CRF 1040、Subchapter J:
-
製品の適合規格
Electromagnetic Emissions Certification(EMC)
- AS/NZ 3548:1995(Amd I + II を含む)Class B
- EN55022:1998 Class B
- CISPR 22:1997
- EN55022:1994(Amd I + II を含む)
- 47 CFR Part 15:2000(FCC)Class B
- VCCI V-3/01.4 Class 2
- CNS-13438:1997 Class B
- GR1089:1997(Rev1: 1999)
耐性
- EN300386:2000-TNE EMC requirements、product family standard、high priority of service、headend and distribution hub locations
- EN50082-1:1992/1997
- EN50082-2:1995-Generic Immunity Standard、Heavy Industrial
- CISPR24:1997
- EN55024:1998-Generic ITE Immunity Standard
- EN61000-4-2:1995+AMD I + II-ESD、Level 4、8-kV contact、15-kV air
- IEC-1000-4-3:1995+AMD 1-Radiated Immunity、10V/m
- IEC-1000-4-4:1995-Electrical Fast Transients、Level 4、4 kV/B
- IEC-1000-4-5:1995+AMD 1-DC Surge Class 3、AC Surge Class 4
- EN61000-4-6:1996+AMD 1-RF Conducted Immunity、10V rms
- EN61000-4-11:1995-Voltage Dips and Sags
- ETS300 132-2:1996+corregendum、Dec. 1996
- GR1089:1997(Rev1: 1999)
Network Equipment Building Systems(NEBS)
- Level 3 準拠
- Bellcore SR-3580 Criteria Levels、November 1995
- GR1089-Core:Electromagnetic Compatibility and Electrical Safety、December 1997
- GR63-Core:Physical Protection Requirements、October 1995
- SBC 機器の要件:TP76200 MP および TP76400 MP
- Verizon 機器の要件:SIT.NEBS.TE.NPI.2000.004 Rev.
製品のシステム要件および互換性
ハードウェア要件
- シャーシ - Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードは、Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータでサポートされます。
- Performance Routing Engine(PRE)- このライン カードは、Cisco uBR10012 Performance Routing Engine 2 でサポートされます。
- ライン カード - このライン カードは、Cisco uBR10012 に搭載した Cisco Broadband Processing Engine でサポートされます。
- キャリア - Cisco uBR10012 との互換性を確保するため、Cisco uBR10012 ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードには、キャリア(製品番号 ESR-HH-CARRIER)が必要です。キャリアについての詳細は、同コンポーネントのデータ シートを参照してください。
ソフトウェア要件
- 初期 Cisco IOS ソフトウェア リリース - Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードは、Cisco IOS® ソフトウェア Release 12.3(13)BC 以降を使用する Cisco uBR10012 でサポートされます。
発注情報
表 3 に Cisco uBR10012 ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードの製品番号を示します。
表 3 Cisco uBR10012 用 Cisco ギガビット イーサネット ハーフハイト ライン カードの製品番号
Cisco uBR10012 ハーフハイト ライン カードには、いずれもキャリア(製品番号 ESR-HH-CARRIER)が必要です。1 つのキャリアに 2 つのハーフハイト ライン カードを取り付けるので、キャリアのハーフハイト ライン カード スロットが余る場合は、出荷時にブランク フィラー(製品番号 ESR-HH-COVER)が付属します。
スペアのキャリアまたはハーフハイト ライン カードを発注される場合は、構成済みのシステムに空のスロットができないよう、十分なブランク フィラーもご発注ください。
サービスおよびサポート
シスコシステムズでは、お客様に幅広いサービスおよびサポート オプションを提供しています。サービスについての詳細は、以下の URL を参照してください。
関連情報
Cisco uBR10012 についての詳細は、http://www.cisco.com/jp/product/hs/cable/ubr10012/ をご覧ください。