Wireless Broadband Alliance と OpenRoaming
Q.
シスコが OpenRoaming
を WBA
に移行しているのはなぜですか?
A. OpenRoaming
はシスコが開発したグローバル Wi-Fi
ローミングフェデレーションです。ローミングパートナーで構成されている信頼できるネットワークにおいて、Wi-Fi
へのシームレスでセキュアな接続を実現します。これは、Wi-Fi Alliance
の Wi-Fi CERTIFIED Passpoint
や Wireless Broadband Alliance
の Wireless Roaming Intermediary Exchange (WRiX)
などの一連の業界標準に基づいています。
この仕組みを開発したのはシスコですが、オープンスタンダードを維持し、誰もが利用できるようにすることが、OpenRoaming
を普及させるうえで重要であることをシスコは理解しています。世間では、Wi-Fi
ローミング標準を世界規模で維持することに重点を置く中立的な組織が OpenRoaming
を管理するのが一番だと考えられているからです。
Q. OpenRoaming
での WBA
の役割は何ですか?
A. 2010
年以来 WBA
は加盟企業/
組織と協力して、シームレスかつセキュアに機能するために必要なすべての要素を Wi-Fi
ローミングに組み込むうえで不可欠な標準を開発し、発展させてきました。今後、WBA
は、オープン
プラットフォームを提供し、シームレスで安全な自動 Wi-Fi
ローミングとワイヤレス
エコシステム全体の相互運用性のための新しい標準と運用を開発および維持することにより、OpenRoaming
の開発、推進、運用を管理します。
Q. OpenRoaming
がシスコから移管された後、WBA
はどのような企業/
組織と協力しますか?
A. Wi-Fi
および Wi-Fi
ローミングの需要の高まりによって創出される機会を認識している通信事業者とサービスプロバイダー、ベンダー、ハブプロバイダー、都市、企業、施設などですが、他にも考えられます。
OpenRoaming について
アクセスプロバイダーにとってのメリット
● ゲストによる Wi-Fi オンボーディングプロセスをシンプルにし自動化することにより、Wi-Fi 接続率が大幅に向上
● Wi-Fi へのシームレスでセキュアな接続と、Wi-Fi と LTE/5G 間のシームレスなローミングの提供により、施設でのユーザー体験が向上
● 顧客データの把握と、価値の高い実用的な分析の取得
● ロイヤルティ統合など Cisco Spaces の分析機能の活用により、顧客エンゲージメントが向上
ID プロバイダーにとってのメリット(クラウド)
● シームレスな Wi-Fi オンボーディング体験を実現することで、より優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し、プラットフォームのスティッキネスが改善
● フットプリントをエンタープライズ領域にまで拡張可能
● パス選択、ハンドオフ、マルチパスなどのイノベーションを推進
サービスプロバイダーにとってのメリット
● セルラーから Wi-Fi にトラフィックをオフロード
● ネットワークフットプリントを屋内に拡張し、顧客ためにカバレッジを拡大
● 顧客動向に関するデータの収集と分析
エンドユーザーにとってのメリット
● よりシームレスでセキュアな Wi-Fi 体験
● あらゆる場所でのデータカバレッジと常時接続
● 質の高い無料のワイヤレスアクセス
● パーソナライズされたエンゲージメント
Q. OpenRoaming
とは何ですか?
A. OpenRoaming
は、セキュアでシームレスな Wi-Fi
アクセスを実現します。そのために Wireless Broadband Alliance
に加盟している ID
プロバイダーとアクセスプロバイダーのフェデレーションを活用し、セルラーと Wi-Fi
間のローミングをシームレスかつセキュアに提供することにより、常時接続の社会で誰もが直面する最も一般的な課題のいくつかを解決に導きます。たとえば、キャプティブポータルによる煩わしい Wi-Fi
オンボーディングプロセス、未知の信頼できないネットワークに接続することによるセキュリティ上の問題、ワイヤレス接続が利用できない場合や消費者が接続しないことを選択した場合にユーザー動向に関する貴重なインサイトが失われるという問題が解決されます。
Q. OpenRoaming
の最新情報を教えてください。
A.
エンドユーザーにとってのメリットは、OpenRoaming
によって常時接続が実現することです。ユーザーはセキュア、シームレスかつ自動的に屋内 Wi-Fi
ネットワークに接続されます。
ワイヤレスネットワークに関しては、Cisco Spaces
ウィザードによって構成プロセスが自動化され、ネットワークに参加できるユーザーや、ゲストが参加できるアクセスレベルを管理者が細かく制御できるというメリットがあります。
ID
プロバイダーは、質の高い無料の Wi-Fi
アクセスというメリットをユーザーに提供できるようになってい
ます。
Wireless Broadband Alliance
は、ホットスポットの標準技術として OpenRoaming
を位置付け標準化を図っているため、世界中のユーザーとネットワークは今後この新しいテクノロジーを利用できるようになります。
Q.
アクセスプロバイダーとして参加するにはどうすればよいですか?
A. Cisco Spaces
のお客様の場合、OpenRoaming
はすでにライセンスに含まれています。必要なのは Cisco Spaces
ウィザードを使用して設定することだけです。
Q. ID
プロバイダーとして参加するにはどうすればよいですか?
A.
現時点では、シスコは ID
プロバイダーを慎重に選定しています。ID
プロバイダーとして OpenRoaming
に参加することをご希望の場合、シスコの担当者または Wireless Broadband Alliance
にお問い合わせください。
Q. Cisco Spaces
の顧客ではない場合、Cisco Spaces
を購入する必要がありますか?
A. Cisco Spaces
と OpenRoaming
は、60
日間の無料トライアルをお試しいただけます。Cisco Spaces SEE
パッケージをご購入いただけるほか、Cisco DNA Advantage
パッケージの一部としてもご提供しています。
Q. OpenRoaming
を有効にするにはシスコのワイヤレスネットワークが必要ですか?
A.
はい。ただし、Wireless Broadband Alliance
の標準化の一環として、他のベンダーが OpenRoaming
をサポートするようになる可能性があります。
Q. OpenRoaming
はどの標準を使用していますか?
A. OpenRoaming
は、Passpoint
および Hotspot 2.0
標準に基づいて構築されており、RADIUS
、Extensible Authentication Protocol
(EAP
:拡張可能認証プロトコル)、OAuth v2
など多くの認証標準を活用してい
ます。
Q.
誰でも参加できますか?
A.
すべてのユーザーは、自分の ID
を検証するシンプルなアプリを使用して OpenRoaming
ネットワークに参加できます。また、サービスプロバイダーまたはデバイスメーカーによって自動的にオンボーディングされる場合もあります。たとえば Samsung
ユーザーの場合、Samsung
デバイス(Android 10
以降)を使用して自動的に参加できます。
Q. OpenRoaming
はどの程度安全ですか?
A. OpenRoaming
は、RadSec
、EAP-Transport Layer Security
(EAP-TLS
)、EAP-Tunneled TLS
(EAP-TTLS
)、EAP-Authentication and Key Agreement
(AKA
)などの安全な認証プロトコルを活用しています。すべての認証トラフィックは TLS
で暗号化されます。OpenRoaming
ネットワークは安全なネットワークであり、WPA2
エンタープライズまたは WPA3
無線暗号化を利用しているため(WPA
は Wi-Fi Protected Access
の略)、現在のオープン
ワイヤレス
ゲスト
ネットワークとは違ってエンタープライズグレードの保護が提供されます。
Q.
フェデレーションにはどのような企業/
組織が参加していますか?
A. Cannery Wharf
や Fira de Barcelona
のような世界最大級の施設や、Samsung
、Boingo Wireless
のような ID
プロバイダーなど、多くの企業/
組織が参加しています。
Q.
スマートフォン用アプリはありますか?
A.
はい。アプリは OpenRoaming
という名前で、Apple App Store
と Google Play
ストアで入手できます。Google ID
または Apple ID
で OpenRoaming
に参加できます。
Q.
自社のロイヤルティ会員を OpenRoaming
に登録して、会員が自社の施設で優遇されるようにすることはできますか?
A.
はい。シスコはお客様のロイヤルティアプリへの簡単な統合を可能にする SDK
を開発しました。ロイヤルティユーザーはお客様の施設内の Wi-Fi
ネットワークに自動的に接続されるため、お客様はロイヤルティユーザーを検出し、Cisco Spaces
から実用的なインサイトを得てユーザーと交流し、さらに有意義な体験を提供することができます。
Q.
アクセスプロバイダー(ワイヤレスネットワーク)は、自社のワイヤレスネットワークに接続するユーザーを制御できますか?
A. OpenRoaming
を有効にするネットワークでは、どの種類の ID
や ID
プロバイダーを許可するかを判定するためのポリシーを設定できます。
Q. OpenRoaming
では個人のプライバシーは尊重されますか?
A.
はい。OpenRoaming
は、厳格なプライバシーコントロールを使用して運用できるように設計されており、エンドユーザーは、ワイヤレスネットワークと情報を共有する場合、どの情報を共有するかを選択できます。
Q.
ワイヤレスネットワークの最小要件は何ですか?
A.
● AireOS 8.3 以降を実行する Cisco AireOS ベースの WLC と Cisco Spaces SEE
● IOS-XE 16.12 以降を実行する Cisco Catalyst 9800 WLC と Cisco Spaces SEE
● Cisco Meraki と Cisco Spaces SEE