Cisco DNA Spaces ソリューション概要

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Updated: 2022 年 9 月 5 日

偏向のない言語

この製品のドキュメントセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このドキュメントセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブ ランゲージの取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。

翻訳について

このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。

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Cisco DNA Spaces を利用すると、業界を問わず、既存のワイヤレス投資を活かして大きな成果が得られます。

概要

Cisco DNA Spaces を使用すると物理空間の死角がなくなり、人(訪問者、従業員)と物(資産、センサー)の動きや位置を的確に把握できます。このプラットフォームは、Cisco® Aironet®Cisco Catalyst®Meraki® のワイヤレスアクセスポイントすべてに対応しています。施設内で起きていることを確認し、インサイトに基づいて対策が打てるようになります。統合機能やパートナーアプリケーションを利用してプラットフォームの機能を拡張することも可能です。

Cisco DNA Spaces を使用すると、シスコのワイヤレステクノロジーへの投資から得られる価値がさらに大きくなります。同じく重要なのは、こうして得られた価値が、組織の重要な業務やビジネス上の成果に直結するということです。Cisco DNA Spaces を使用すれば、社内スペースで人や物がどのように動いているかを把握できます。

メリット

      簡素化:単一の統合プラットフォームで、場所に関する情報を把握するための複数の製品やアプリにアクセスできるほか、データを正規化して有意義なインサイトを入手できる

      クラウドファースト、優れた拡張性:クラウドファーストの Software-as-a-ServiceSaaS)アプローチにより、コネクタを介して迅速かつ拡張性に優れた展開を実現

      総所有コスト(TCO)を低く抑えられるオープンな統合エコシステム:Cisco DNA Spaces の屋内 IoT サービスを利用すれば、TCO を低く抑えて複数のアプリケーションやユースケースを大規模に提供可能

      標準化:シスコのワイヤレス製品すべて(AironetCatalystMeraki)との互換性および相互運用性

      堅牢なプライバシーとセキュリティ:一般データ保護規則(GDPR)の共有プライバシーモデルに基づいてデータプライバシーを制御

      サポート:24 時間 365 日のモニタリングおよびサービスレベル契約(SLA)でエンドツーエンドの信頼性を実現

      ロータッチ:サービスを有効化する際、基盤となるネットワーク インフラストラクチャのアップグレードは不要

ハイブリッドワーク向けのスマートワークスペース

充実したマップにより優れた従業員体験を実現

Cisco Smart Workspaces を導入すると、平面のフロアマップの代わりに直感的に操作できる動的な 3D マップを利用できるようになります。Webex ボードなどのさまざまなデジタルサイネージで使用できるこの高機能なマップで状況を認識し、空いている会議室やデスクを簡単に見つけられるほか、自分にとって重要な情報を確認することができます。

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図 1.                     

動的なインタラクティブ 3D マップで状況把握が可能

安全性と心身の健康

特定の建物、フロア、会議室の混雑状況や最新の環境情報(屋内の空気の質、揮発性有機化合物、温度、湿度、
騒音レベルなど)をリアルタイムに確認できるので、従業員が安全性と心身の健康を最優先できるようになります。IT チームと施設管理チームは、人数制限を設定し、しきい値を超えた場合にリアルタイムで通知を受け取ることで、過密を避け、建物のメンテナンスを効率的にスケジュールすることができます。

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図 2.                     

混雑状況や空気の質に関するリアルタイムアラートで安全性と心身の健康を支援

従業員の生産性

Cisco Smart Workspaces を導入すれば、会議室やデスクの空き状況をリアルタイムで可視化できます。温度、湿度、騒音などの主要な環境パラメータを確認することも可能です。デジタルサイネージのボタンをタッチするだけで、目的の会議室を到着まで仮押さえすることができます。

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図 3.                     

会議室やデスクの空き状況をリアルタイムで可視化し、従業員の体験を向上

信頼される職場環境

Cisco DNA Spaces にはさまざまな組み込みアプリがあるので、安全で信頼される職場環境を維持しやすく、従業員のオフィス勤務を再開する際に安全ガイドラインを遵守するのに役立ちます。

Right Now

現在、施設にいる訪問者に関するリアルタイムのメトリックを表示します。これらのメトリックを使って密度のしきい値に関するルールを設定することで、その場所を使用できる人数の上限を指定できます。密度のルールは、面積あたりの密度またはデバイス数として設定できます。ルールを適用する建物、フロア、ゾーンを指定することも可能です。密度ルールのしきい値を超えた場合は、Cisco Webex TeamsSMS、電子メール、API トリガーのいずれかに安全に関するアラートを送信できます。

Right Now app displaying number of active visitors by location

図 4.                     

場所ごとに、現在の訪問者数を表示する Right Now アプリ

Configure density rules for specific locations, buildings, floors, and zones

図 5.                     

特定の場所、建物、フロア、ゾーンの密度ルールを設定

Meraki ビデオのカメラメトリック

Meraki ビデオカメラから得られたデータを使用して、物理的なスペース内での人の行動に関するインサイトを取得します。特定の期間におけるスペースへの入場数とスペース内の人数を分析できます。このアプリでは、行動を場所と時間で区分して確認できます。また、カメラメトリックアプリを有効化すると、Right Now アプリを介し、カメラのデータを使った現時点の密度についてのレポートがリアルタイムで作成されるようになります。

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図 6.                     

モニタリングしている入り口から施設内に入ってきた人の数を表示

プロキシミティレポート

ウイルスへの曝露または感染が報告された場合、その個人がどこにいたかを把握できます。建物、ゾーン、フロアなど、その個人が行った場所をトレースできます。また、同時刻に同じスペースにいたユーザーを把握することも可能です。レポートには、影響を受けるスペース、ユーザー、滞在時間のサマリーが提示されます。接近度と滞在時間に基づいて、レポートでリスクレベルを分類することも可能です。このレポートにより、影響を受ける建物やフロアに消毒作業を集中できるため、時間、リソース、コストの削減に役立つという有益な成果が得られます。プロキシミティレポートは、既存のネットワークで活用でき、モバイルアプリやハードウェアを追加で導入する必要はありません。

If a person self-reports exposure, a proximity report can be generated that includes information on recently visited buildings and floors, and the amount of time spent there

図 7.                     

ウイルスへの曝露が自己申告されると、その人物が最近訪れた建物やフロアとそこで過ごした時間に関する情報を含むプロキシミティレポートが生成

ビジネスに役立つ情報

分析とインサイトを活かし、重要なビジネス上の意思決定を後押しします。

場所の階層表示

場所の階層表示機能を使用すると、ビジネス上の分類に基づいて場所をグループ化して管理できます。この機能は、既存の IT バックボーン(ワイヤレスアクセスポイント)をビジネス的なコンテキストや用語に変換し、すべての場所を一元管理できるビューを作成します。地域、州、ブランド、店舗の種類、ゾーンなどで場所をグループ化できます。

Search locations through location hierarchy

図 8.                     

場所の階層表示機能で場所を検索

行動メトリック

1 つまたは複数の施設における訪問者の行動を調査します。一連のメトリックを使用して、月ごとの行動傾向の変化、その後の訪問で滞在時間がどう変わるか、外部イベントによる訪問への影響などを把握できます。メトリックには、訪問時間、訪問頻度、訪問分布、影響分析などがあります。

施設のパフォーマンスのベンチマークや比較を行い、有益なコンテキストを入手します。

影響分析

イベント、キャンペーン、レイアウト変更がその場所で人が取る行動に与える影響を測定します。

分析のメトリックは、コロナ禍、キャンペーン、プロモーション、オフィス勤務再開などのイベントによって、施設を訪問する人の活動が期待どおりに増減したかを推測するうえで役立ちます。たとえば職場のリソースマネージャは、拠点における従業員の滞在時間が適切かどうかを評価する必要があります。影響分析機能を使用すると、特定の場所に絞り込んで訪問回数と滞在時間を確認できます。

Impact Analysis for the San Jose campus

図 9.                     

サンノゼの拠点の影響分析。オフィス勤務再開期間の滞在時間と訪問回数を、以前と比較して表示

ロケーション分析

訪問者数、訪問回数、滞在時間など、顧客の行動パターンを可視化します。場所や期間など、さまざまなビジネス条件でフィルタリングできます。訪問時間と訪問頻度のメトリックについては、業界および組織のベンチマークを表示することもできます。

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図 10.                   

ロケーション分析で 1 年間の時間枠で日々の訪問者数と内訳(再訪問者と新規訪問者)を表示

検出と位置特定(高度)

この機能により、オンサイトでデバイスを確認/特定できます。Cisco DNA Spaces は、デバイスロケーション履歴へのアクセス機能と、リアルタイムデータおよび履歴データの両方にアクセスするための API を備えています。

Example of detect and locate on the dashboard

図 11.                   

ダッシュボードでの検出と位置特定の例

非接触型エクスペリエンス

質を損なうことなく、安全かつ状況に応じたカスタマーエクスペリエンスを提供します。

キャプティブポータル

Wi-Fi を利用する顧客にとって、キャプティブポータルは企業との最初の接点となります。Wi-Fi に接続した顧客とやり取りし、関連情報を提供して収益化を促進できるチャンスであり、顧客情報を取得できる可能性もあります。キャプティブポータルには複数の認証メカニズム(電話番号、電子メール、ソーシャルメディア情報、利用規約への同意など)が用意されており、最適なものを選択できます。また、ビジネスルール(誰が、何を、いつ、どこで、など)に基づいて対象を絞ったエクスペリエンスを提供できます。たとえば、再訪問者を名前で認識し、カスタマイズオファーを提供することが可能です(限定割引を提供する、訪問 5 回目でボーナス ロイヤルティ ポイントを付与する、など)。

Leverage a COVID-19 captive portal template from a list of sample templates

図 12.                   

サンプルテンプレートのリストにある新型コロナウイルス関連のキャプティブポータル テンプレートを活用

ロケーションペルソナ

Cisco DNA Spaces を使用すると、その場所で取った行動に基づいてユーザーをプロファイリングし、セグメント化できます。ユーザーの主要なセグメントとペルソナを特定するとともに、その場所での行動の詳細を把握できます。把握した情報を使い、ペルソナに基づいてターゲットを絞った対応ができます。ロケーションペルソナのタイプは、業種によって異なります。再訪問者、複数施設の訪問者、優良会員、滞在時間が長い訪問者、シーズンチケット所有者などのロケーションペルソナがあります。

Create personas for weekday and weekend lunch visitors

図 13.                   

平日と週末のランチ客のペルソナを作成

エンゲージメント

Cisco DNA Spaces のエンゲージメント機能を使用すると、適切な時に適切な場所で適切なチャネルを活用できます。訪問者の行動に基づいて、状況に応じたマルチチャネル エンゲージメントをトリガーします。マルチチャネル エンゲージメント機能には、SMS、電子メール、アプリのプッシュ通知などがあります。

訪問者の存在を API トリガーと WebEx Teams の通知を介してリアルタイムでスタッフに通知し、差別化されたエクスペリエンスを提供できるようにします。

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図 14.                   

エンゲージメント機能からの通知

屋内 IoT サービス

Catalyst Wi-Fi 6 アクセスポイントと 9000 スイッチを使った Cisco DNA Spaces 屋内 IoT サービスを使うと、IoT のユースケースを、TCO を極めて低く抑えたうえで迅速かつ大規模に提供できるようになります。サービスとして提供され、複数のエンドデバイスの注文からオンボーディング、構成、管理まで、エンドツーエンドのプロセス全体を管理できます。統合サポートモデルでは、エンドデバイスからパートナーアプリケーションまでをエンドツーエンドで可視化します。

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図 15.                   

Cisco DNA Spaces は、複数のデバイスとアプリケーションを利用できるオープンな統合プラットフォーム
Zigbee センサーは近日提供予定)

屋内 IoT サービスには次のようなメリットがあり、大きな成果が得られます。

      オーバーレイネットワークやオンプレミスサーバーが不要になる

      ゲートウェイ対応の Wi-Fi 6 インフラストラクチャを最大限に活用

      TCO を削減し、マルチベンダー、マルチテクノロジー環境をシンプルに管理

      IoT 展開を迅速かつ効率よくスケールアウト

      複数のタイプの IoT テクノロジーに対応

      資産管理、会議室検索、環境モニタリングなど、業界別ユースケースに対応する幅広い検証済みエンドデバイスを取り揃えた IoT デバイスのマーケットプレイスにアクセス

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図 16.                   

幅広いエンドデバイスを活用し、一般的なユースケースを大規模に推進

アクセスポイント ゲートウェイ

クラウド管理の Cisco Bluetooth Low EnergyBLE)ゲートウェイを Cisco Catalyst 9100 Wi-Fi 6 アクセスポイントに導入します。この新しいアーキテクチャを使用すると、オーバーレイネットワークが不要となるほか、BLE エンドデバイスをパートナーアプリケーションから分離できます。

Wi-Fi 6 access point gateways enable BLE end devices such as BLE beacons and asset tags

図 17.                   

Wi-Fi 6 アクセスポイント ゲートウェイにより、BLE ビーコンやアセットタグなどの BLE エンドデバイスが使用可能に

デバイスインベントリ

一元化されたクラウドダッシュボードでデバイスインベントリを管理し、センサー、タグ、ビーコンを有効化できます。アクセスポイントビーコン、サードパーティの BLE デバイス、アクティブ RFIDCisco Meraki ビデオ、Cisco Webex® に対応しています。

デバイス管理

エンドデバイスを構成、プロビジョニング、展開します。ネイティブ管理とパートナーとの統合により、AP ビーコンとサードパーティ BLE ビーコンを管理します。ワークフローベースの構成ツールにより、サポートされているビーコンにユーザー定義の基準に基づいて自動的に構成を適用できます。

Group devices intuitively and apply configurations to these groups

図 18.                   

デバイスを直感的にグループ化して構成を適用

デバイスのモニタリングとパフォーマンス

クラウドダッシュボードに、デバイスのバッテリーレベル、最後に検知したタイムスタンプ、ファームウェアのバージョンが表示されます。これにより、アクセスポイント ゲートウェイのステータスとビーコンの全体的な状態をモニタリングします。デバイスのパフォーマンスを評価することで、デバイスの動作が期待どおりであることを確認しやすくなります。

Monitoring and Performance dashboard for end devices and gateways

図 19.                   

エンドデバイスとゲートウェイのモニタリングとパフォーマンスを表示するダッシュボード

各業界に成果をもたらすパートナーおよび統合機能

Cisco DNA Spaces では、さまざまな専用アプリケーション、パートナー、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)を活用して、業界固有のユースケースを実現できます。ソリューションは検証済みで、エンドツーエンドのサポートモデルと統合されています。パートナーの側は、新規のお客様へのオンボーディングが簡単になります。お客様の側は、パートナーアプリケーションを使用することで、データとプライバシーを包括的にコントロールできます。パートナーアプリケーションのほかに、IoT デバイスマーケットプレイスも利用できます。こちらは特定のユースケースに適した検証済みデバイスを探せるワンストップショップです。

パートナーアプリケーション センター

アプリケーションセンターでは、すぐに有効化できるパートナーアプリケーションが見つかります。医療現場における資産管理や乳児見守りなど、さまざまな業界固有のユースケースを実現できるアプリケーションが揃っています。パートナーアプリケーションは Cisco DNA Spaces と統合されているため、短時間で展開できます。ワイヤレスを接続すれば、数分でパートナーアプリケーションを有効化できます。

App Center with industry-specific partner applications

図 20.                   

業界に特化したパートナーアプリケーションを揃えたアプリケーションセンター

loT デバイスマーケットプレイス

loT デバイスマーケットプレイス(IDM)の特長は、パートナーベンダーのデバイスとセンサーの大規模なエコシステムである点です。テクノロジー、フォームファクタ、価格、ユースケースに応じ、エンドデバイスを柔軟に選択できます。詳細情報、ユースケース、各エンドデバイスに適したパートナーアプリケーションを表示できるほか、見積依頼も出せます。デバイスベンダーは検証済みで、Cisco DNA Spaces のエンドツーエンドのサポートフレームワークと統合されています。loT デバイスマーケットプレイスで注文したエンドデバイスは、Cisco DNA Spaces で有効化して管理できます。

IDM の詳細については、次のサイトを参照してください。
https://dnaspaces.io/devicemarketplace/home

The IoT Device Marketplace features a variety of supported end devices that you can discover and order

図 21.                   

IoT デバイスマーケットプレイスにはさまざまなサポート対象のエンドデバイスが用意されており、検索して注文可能

次世代型のワイヤレスオンボーディング

物理的な空間をデジタル化してビジネス上の成果を挙げるには、多くの場合、ワイヤレスを接続以外にも活用する必要があります。ただ、こうしたユースケースを展開する場合、さまざまなワイヤレスオンボーディングの課題に直面することになります。具体的には、以下のような課題です。

ワイヤレスオンボーディングの課題

    MAC ランダム化:エンドユーザーのプライバシーを保護するため、多くの場合 MAC ランダム化が実装されています。

    ゲストの Wi-Fi への接続率が低く、顧客インサイトが限定的:ゲストはオンボーディングプロセスで複数のステップを求められ、Wi-Fi ネットワークの信頼性を確信できないこともあります。そうなると、Wi-Fi 接続率が低下し、限定的な分析用データしか得られません。

    キャリアの屋内カバレッジの制限:キャリアの屋内カバレッジには制限があるせいで、カスタマーエクスペリエンスにマイナスの影響が生じる場合があります。

    収益化の機会:企業は、Wi-Fi への投資を収益化するための新たな手段を探したいと考えています。

    ロイヤルティ カスタマー エンゲージメント:既存の得意客のためにも、顧客獲得のためにも、差別化したエクスペリエンスを提供することが企業の課題となっています。

    オンボーディング管理:企業は、複数の場所でオンボーディング エクスペリエンスを効率よく管理する必要があります。

MAC ランダム化の影響

MAC のランダム化では、MAC アドレスを介したユーザーの追跡を防ぐため、ローテーション MAC アドレスを生成します。デバイスは Wi-Fi ネットワークごとに別の MAC アドレスを使用でき、それによってユーザーの追跡が制限され、プライバシー要件を満たしています。MAC ランダム化は最新のソフトウェアリリースの一環として実装されており、多くの消費者が導入するものと予想されます。

MAC ランダム化が行われると、ネットワークはさまざまな形で影響を受けます。

    オンボーディング:MAC ベースのオンボーディングで再認証が必要となります。そうしないと、リピーターが新規ユーザーに分類されてしまいます。

    分析:分析で把握される再訪問回数と訪問者数が信頼できないものになります。過去のデータが正しい頻度や訪問回数を示していない可能性があります。

    トラブルシューティング:トラブルシューティングの際、過去の MAC アドレスを使用できなくなります。

    MAC ベースのアプリ:プロキシミティレポートなど、あらゆる MAC ベースのアプリが影響を受けます。

Cisco DNA Spaces MAC ランダム化への対処

シスコは、プライバシーは基本的人権であると考え、MAC ランダム化をユーザーのプライバシー保護のための適切な方法として採用しています。MAC アドレスの使用に関連する多くの問題については、OpenRoaming を使用することで解決の糸口が見つかります。OpenRoaming は、シスコが最初にリリースしたもので、現在では Wireless Broadband AllianceWBA)の標準に取り入れられています。プライバシーに配慮した一意の識別子を使用してユーザー認証を行い、ユーザーの ID を保護します。ユーザーポリシーの適用に使用できる一意の ID は、ID プロバイダー(デバイスメーカー、キャリア、ロイヤルティプログラム、クラウド ID など)で構成された 1 つのフェデレーションを利用して提供します。この方法なら、MAC アドレスよりも安全であり、プライバシーも保護できます。今後、Cisco DNA Spaces では、MAC アドレスの代わりにプライバシーに配慮した他のパラメータを使用するソリューションを提供する予定です。代替となるオンボーディング ソリューションを、以下でご紹介します。

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図 22.                   

1 つのフェデレーションを構成してエコシステムを拡張および統合する OpenRoamingWBA 標準)

Cisco DNA Spaces は、次の主要なバリュードライバーを通じて次世代のオンボーディングを実現します。

    シームレスで安全な Wi-Fi オンボーディング エクスペリエンス

    顧客獲得と顧客ロイヤルティ エクスペリエンス

    キャリアの屋内カバレッジの強化

    Wi-Fi 接続率を高めて Wi-Fi を収益化に活用

シームレスで安全な Wi-Fi オンボーディング エクスペリエンス

OpenRoaming を使用して訪問者をシームレスかつ安全にオンボーディングし、Wi-Fi 接続率を高めて、場所に関するより強力なインサイトを生成します。

仕組み

1.     施設の IT マネージャが、Cisco DNA Spaces を介してワイヤレスネットワークの OpenRoaming を有効化します。

2.     顧客は、OpenRoaming モバイルアプリをインストールし、Google ID または Apple ID でサインインします。顧客がまだモバイルアプリを持っていない場合、アプリをダウンロードするための QR コードか Web リンクを送信することもできます。

3.     顧客が通信エリア内に入ると、OpenRoaming SSID にシームレスかつ安全に接続されます。

OpenRoaming mobile app

図 23.                   

OpenRoaming モバイルアプリ

顧客獲得と顧客ロイヤルティ エクスペリエンス

OpenRoaming Cisco DNA Spaces ソフトウェア開発キット(SDK)を活用して、ロイヤルティプログラムの新規会員を獲得します。また、コンテキストと場所に応じて差別化したエクスペリエンスを提供します。

仕組み

1.     通信エリア内に入った顧客には、ロイヤルティアプリを通じて OpenRoaming によるシームレスなオンボーディングに関する通知が送信されます。顧客は、OpenRoaming SSID への接続オファーに同意します。

2.     顧客は、OpenRoaming SSID にシームレスに接続されます。また、次回以降訪問すると、関連するコンテキストに応じたエンゲージメンが送信されます。

キャリアの屋内カバレッジの強化

セルラーと Wi-Fi 間の自動ハンドオフにより、コスト削減を実現しつつ、信頼できる屋内カバレッジを提供します。

仕組み

1.     通信エリア内に入った顧客(ATT T-Mobile のユーザーなどのサービスプロバイダーのユーザー)は、キャリアの LTE に接続されたままにはならず、OpenRoaming SSID にシームレスに接続されます。

2.     分散アンテナシステム(DAS)の導入よりはるかに安いコストで優れた屋内カバレッジを実現できます。また、顧客の行動に関するインサイトも入手できます。

Wi-Fi による収益化

サービスプロバイダーのオフロードにより Wi-Fi 投資を収益源に変えます。また、スポンサー、イベント、その他のテナントを通じてキャプティブポータルを収益化します。

仕組み

1.     通信エリア内に入った顧客は、キャリアの LTE に接続されたままにはならず、OpenRoaming SSID にシームレスに接続されます。

2.     施設の IT マネージャは、Cisco DNA Spaces パートナー(BoingoGoogle Orion など)を通じてサービスプロバイダーから収益を得られるようになります。

業界別のユースケース

表 1.                     Cisco DNA Spaces の業界別の主な導入例

業界

ユースケース

小売

  オンボーディングにより顧客とロイヤルティプログラムの会員を獲得し、顧客基盤を拡大
  場所とペルソナに基づいて差別化したエクスペリエンスを提供
  店内の買い物客の行動を把握
  ピークの時間帯の把握、パフォーマンスのベンチマーク、イベントの影響の測定
  エンタープライズシステムとの統合、外部システムのデータを利用できるようにして成果を促進

サービス業

  施設内のゲストや訪問者の行動を把握
  ロイヤルティサインアップ、共同ブランディングのマーケティング エンゲージメント(クレジットカードのサインアップなど)、優良会員の差別化の実現
  ブランドとゲストの行動タイプに応じてゲストエクスペリエンスを差別化
  飲食店、会議場などでの新しい収益化の道を模索
  エンタープライズシステムとの統合、外部システムのデータを利用できるようにして成果を促進

ワークスペース

  会議室の空室状況や使用状況を可視化し、会議室を仮押さえ
  建物、フロア、会議室の混雑状況と空気の質をリアルタイムで把握
  場所と行動に基づいて、状況に応じた通知を従業員に配信
  実用的なインサイトを活用し、スペースの使用状況と占有率を最適化。エネルギー、飲食などとの関連付け
  職場への訪問者とゲストを Wi-Fi にオンボーディング
  エンタープライズシステム(ビル管理システム [BMS] 、人事管理システム [HRMS] HVAC など)との統合、 外部システムのデータを利用できるようにして成果を促進

医療

  資産の追跡と管理:重要な資産を見つけ、コストを削減して時間を節約

        冷蔵庫、冷凍庫、施設スペースの環境条件をモニタリングし、医薬品の腐敗を防止

  スタッフの安全と乳幼児や患者の保護のために非常ボタンを設置
  対応できる患者数の拡大
  手指衛生コンプライアンスのモニタリングとレポートを自動化
  エンタープライズシステムとの統合、外部システムのデータを利用できるようにして成果を促進

製造業

  パフォーマンスと満足度に影響を与える従業員の行動を把握
  実用的なインサイトを活用してスペースの使用状況を最適化
  資産の追跡と管理を実行
  スタッフの安全のために非常ボタンを設置
  訪問者を Wi-Fi にオンボーディング
  場所と行動に基づいて、状況に応じた通知を従業員に配信

教育

  学生、ゲスト、教職員向けのスマート キャプティブポータルを構築
  出席者追跡を活用して出席点の評価を自動化

        学生の行動とキャンパスで費やした時間についてのインサイトを入手

  出席傾向を分析し、キャンパスエンゲージメントを改善すべき領域を特定

        場所と行動に基づいて、キャンパス内の現在地のコンテキストに応じたエンゲージメントをトリガー

  出席者追跡を自動化

お客様からの評価

Intu Properties 社は、人々の滞在時間を伸ばすこと、そして再訪頻度を上げることの 2 つを基本原則として掲げています。Cisco DNA Spaces を使用して当社がそれを実現できれば、同社はより多くの収益を上げられるようになります。なぜなら、来場者が増えるほか、ぶらぶらする時間が長くなれば人はお金をたくさん使うようになるからです。また当社も、データやソフトウェアをさらに活用して Cisco DNA Spaces やその他の製品セットを取り入れるようにしていけば、社会的な意義を保って生き残っていけるでしょう」

Martin Young

Block Solutions 社、コマーシャルおよびエンタープライズビジネス責任者

「以前は各クラブがそれぞれ独自のワイヤレスアクセスを用意し、ポータルを設置する必要がありました。ですがシスコのソリューションを導入したおかげで、さまざまなタイプの会場で各種イベントを設営しやすくなりました。サッカーだけでなく、ナショナルアリーナでのホッケーの試合、オートバイレースなどのアトラクション向けにもポータルを設置することができ、実績もあります。特定のイベントに合わせてエクスペリエンスをカスタマイズできるため、会場の価値が大幅に上がりました」

Thomas Torjusen

ノルウェー プロサッカーリーグ、メディア責任者兼最高デジタル責任者

「当大学のサッカースタジアムでは、Cisco DNA Spaces を非常に便利に利用しています。サッカースタジアムには多くの人が訪れますが、誰がどのくらいの頻度で訪問しているか、ネットワークの使用量はどのくらいかといったことを把握できます。こうして訪問者について把握し、別のスポーツイベントについても関心を持ってもらえるようにするのです」

Shai Silberman

サンノゼ州立大学、ネットワーク サービス ディレクター

詳細資料

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