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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
世界各地で、気候とエネルギーに関する問題が発生しています。それにより、エネルギー消費を削減し、環境とビジネスへの継続的な影響を効果的に管理する長期戦略への投資を増やそうとする企業の取り組みが加速しています。また、近年のエネルギー供給の混乱とエネルギー市場の脆弱さを受け、企業は重圧にさらされています。さらに、ステークホルダー、消費者、従業員、規制当局からも、よりサステナブルな未来に向けた動きが求められるようになっています。
シスコがスポンサーとなって実施された IDC 社の最近の調査[1] によると、こうした圧力に対応すべく、組織は、事業運営のさまざまな側面について、透明性を確保し、環境、社会、ガバナンス(ESG)レポートでサステナビリティへの影響とパフォーマンスを開示しています。このレベルでの事業運営の透明性を確保するために、人工知能(AI)、情報分析、自動化などさまざまなテクノロジーへの投資が促進されています。
サステナビリティ目標を達成するためには、強固なテクノロジー戦略が必要です。Accenture 社によると、ネットゼロへの移行促進から、よりサステナブルなバリューチェーンの構築まで、テクノロジーはサステナビリティの実現に必要不可欠なものだとのことです。[2]
IDC 社の最近のホワイトペーパー[3] によると、世界各地の調査対象企業のほぼ 3 分の 2(62%)が、サステナビリティ目標を達成するには IT テクノロジーへの投資が不可欠であると考えているとのことです。また、同じホワイトペーパー[4] によると、地域も業界もさまざまな調査対象企業の 22% が、2022 年には、サステナビリティの実現に向けた取り組みを企業全体で進めるにあたり、IT 部門が重要な役割を担ったと回答しています。このように、サステナビリティの課題への対処に、企業がテクノロジーを活用することの重要性が実証されています。
組織のサステナビリティ戦略を成功させるには、部門横断的な連携が不可欠です。CIO と IT リーダーは、最高サステナビリティ責任者(CSO)、環境リーダー、経営幹部、その他の関係者をサポートするという重要な役割を担います。CIO と IT リーダーは、テクノロジーソリューションを実現するうえで戦略的な立場にあります。こうしたソリューションは、現在のエネルギー消費とコストを削減しながら、部門横断的なプロセスを変革し、将来的には、環境上、サステナビリティがさらに高いジネス成果を達成するのに役立ちます。
IDC 社の調査によると、多くの企業では、サステナビリティの捉え方が、純粋なリスクとコンプライアンスへの対応から、ビジネス価値を高める手段へと変わりつつあります。1 そうした企業では、イノベーション、業務効率化、競争上の差別化を促進すべく、サステナビリティを事業運営に組み込もうとしています。
事業運営への組み込みの動きは、業界を超えて広範囲に及んでいます。
● 電力会社は、再生可能エネルギーを活用し、送電網の二酸化炭素排出量を削減すべく、積極的に革新を図っています。
● 金融サービス機関は、持続可能な投資プログラムに投資しています。
● 運輸業界は、電気自動車(EV)や EV フリートの生産を進め、EV 充電システムの本格展開を図っています。また、鉄道や公共交通機関のインフラの電化が広がっています。
● 製造業や小売業のような多くの業界では、循環型経済の原則の導入を進め、持続可能な施設を増やしています。また、廃棄物、エネルギー、水の消費を削減し、再生可能エネルギーの取り入れを進めています。
● 医療業界や教育業界は、よりサステナブルな建物に投資しています。また、遠隔診療や遠隔教育を可能にしており、これにより移動が減少し、二酸化炭素排出量の削減につながっています。
シスコも、お客様とともにサステナビリティ実現に向けて取り組んでいます。ここからは、よりサステナブルな未来への道を歩み始めたばかりの CIO と IT リーダー向けに、ベストプラクティスをいくつかご紹介します。
知識を得る
● 組織が設定しているサステナビリティ目標やコミットメントを学びます。
● 温室効果ガス(GHG)排出量の 3 つのスコープの理解を促進します。[5]
◦ 自社の排出量を 3 つのスコープにどう分類するか。
◦ 各スコープの排出量を削減するうえで IT を活用できる領域はどこか。
◦ どのようなギャップが存在するか。
● 変化の激しいステークホルダーの要求と規制の状況について理解を深めます。
◦ 注意すべき業界固有の規制は何か。
◦ どのような地域別の規制があるか。
◦ どのようなレポート要件があるか。
◦ 組織の GHG 排出量は 3 つのスコープへ分類されること。
● アップグレード、エネルギー転換など、サステナビリティ実現のための施策を推進するために利用できる、各地域における公的助成金を探します。
◦ 米国では、最近成立したインフレ抑制法[6] により、気候危機という実在する脅威に立ち向かい、世界のクリーンエネルギー経済を前進させるための多様な財政支援を提供しています。また超党派によるインフラ投資雇用法[7] にも、送電網の刷新、全国的な EV 充電器ネットワークの構築、電池のサプライチェーンの強化、新しいクリーンエネルギーと排出量削減技術のために、数十億ドルの投資が盛り込まれています。
◦ EU では、欧州委員会が最近、重要な研究およびイノベーションのための Horizon Europe[8] プログラムに資金を投じました。より広範な EU の資金援助計画の一環であるこのプログラムは、EU の気候目標の達成、エネルギーレジリエンスの向上、コアデジタルテクノロジーの開発に貢献するものです。
◦ オーストラリアも歴史的な新法案を制定しました。この法案には、2030 年までに排出量を 2005 年比で 43% 削減すべく、多額の資金援助が盛り込まれています。[9]
● より成熟したサステナビリティ戦略を持つ同業他社や業界リーダーから学びます。
◦ テクノロジー運用から切り離せない部分として、どのようにサステナビリティに取り組んでいるか。
◦ イノベーションの手段として、どのようにサステナビリティを活用しているか。
◦ サステナビリティ関連のデータと情報をビジネス戦略と事業に組み込むために、どのようなプロセスを導入しているか。
可視化する
● 多くの組織では、エネルギー消費、スペースの使用状況、建物や環境に関するデータが可視化されていません。読者の皆様のチームは、組織の現状を変えるきっかけを作ることができます。
● 既存のデータソースを特定し、どのようなギャップがあるかを判断します。たとえば、各事業部門におけるエネルギー消費量の基準値を設定することを皆様のチームが支援することはできるでしょうか。サステナビリティのパフォーマンスを IT とオペレーションの両面で可視化できる適切なデータを利用できない場合は、データを利用できるようにするのに役立つエネルギー管理テクノロジーソリューションやベンダーの利用を検討します。
● 可視化したら、データを集約し、組織が改善に取り組むとした分野におけるサステナビリティのパフォーマンスの「基準」を設定します。そして、会社の目標に対する進捗状況を測定するメトリックを作成します。
● 一例として、サステナビリティの実現に取り組むイタリアの多国籍電力会社である Enel Group 社の事例を紹介します。同社は最近、シスコとの提携のもと、デジタルソリューションの共同イノベーションを行い、エネルギーの脱炭素化、デジタル化、分散化を進めました。送電網の運用状況をリアルタイムで可視化したほか、循環性を考慮して設計した、IT とオペレーショナル テクノロジー(OT)のネットワーク統合を実現しています。その結果、電力を節約できただけでなく、同社の再生可能エネルギーの受け入れ容量も数ギガワット増加しました。
組織が直面しているサステナビリティ関連の最大の課題の 1 つは、サステナビリティのパフォーマンスを測定しモニタリングするためのデータを利用できないことです。資産のパフォーマンスのモニタリングと管理が可能になれば、エネルギー使用の効率化を図り、エネルギーコストを削減してプラスのビジネス成果を上げながら、サステナビリティ目標を達成できます(IDC 社のホワイトペーパー)。[10]
社内関係者と調整する
● サステナビリティ推進者(CSO や環境リーダー、経営幹部などの主要な関係者)と緊密に連携し、社内のあらゆる部門にサステナビリティを組み込みます。
● IT 部門も取り組みに参画するようにします。持続可能なテクノロジー戦略を成功させるには、戦略策定の初期の段階で IT 部門もサステナビリティについての話し合いに参画させなければなりません。また、IT 部門が組織の長期的なサステナビリティ目標に沿った計画を策定できるようにする必要もあります(IDC 社のホワイトペーパー)。[11]
● 各事業部門と部門の枠を超えて連携し、企業のサステナビリティ戦略を推進します。組織がエネルギー最適化などのサステナビリティ目標を達成するには、IT 部門と OT 部門の緊密な調整と連携が不可欠です。IT 部門と OT 部門の連携と協力は、運用効率、生産性、サイバーセキュリティなど、他の重要なビジネス成果を得る後押しになるという点でもベストプラクティスです。
● 組織のリーダー層と協力し、サステナビリティに関する重要課題の評価を実施します。組織全体でビジネスに特に重要な影響を及ぼすサステナビリティの課題を特定します。この評価結果から、目標に対するパフォーマンスを評価するためにはどの目標値の進捗を測定する必要があるかを把握することもできます(IDC 社のホワイトペーパー)。[12] また、IDC 社のサステナビリティ成熟度評価を受ければ、サステナビリティの実現に向けた取り組みの有効性を評価し、ベストプラクティスを学べます。[13]
● サステナビリティ目標を設定した後も、サステナビリティに関する会社のミッションを担うあらゆるチームに関わり続けてもらう必要があります。各部門のリーダーは、コーポレートメッセージを浸透させ、配下のチームが責任を持ってサステナビリティ目標を達成できるよう支援することができます(IDC 社のホワイトペーパー)。[14] サステナビリティ目標の達成を加速させるように、組織全体で絶えず戦略の見直しと再調整を行います。
重要課題の評価が完了したら、大切なのは、社内関係者と緊密に連携して、短期、中期、長期のロードマップを作成することです。また、IT 部門が、サステナビリティの実現に向けた取り組みをどう始められるかの計画を立てた上で、組織のオペレーションもサイロ化された状況を脱して持続可能な形になるようサポートすることも大切です。
計画を実行しよう!
基準の設定から設定された目標を達成するまでのサステナビリティ実現の取り組みにおいて、皆様のチームが特に影響を与えられる主な分野は、IT と OT の 2 つです。責任を持って取り組むべき内容は、IT によるエネルギー消費を削減することだけではありません。オペレーションが、組織の全体的なサステナビリティ目標を達成できるようサポートすることも求められます。IDC 社のホワイトペーパー[15] によると、サステナビリティのパイオニアと考えられている組織の 78% は、サステナビリティを成功させるには IT への投資が不可欠であると考えています。そうした組織では、変革を後押しするツールやテクノロジーへの投資を進めています。
IDC 社が最近公開したホワイトペーパー[16] によると、特に製造業などのエネルギー集約型産業では、エネルギーに特化したユースケースに対応できるエネルギー管理ソリューションへのニーズが高まっています。これを受けて、スマート施設やスマートビルディング、スマート照明、スマートメーター、データセンターの最新化などの分野への IT 投資が増加する可能性があります。
● 計画を実行する:IT 部門のための IT
◦ まずは身近なところからはじめましょう。所有するインフラストラクチャとシステムの最新化を促進します。新世代のハードウェアとソフトウェアを活用すれば、長期的にはレガシーシステムよりも排出量とコストを削減できるようになるはずです。
◦ リアルタイムのエネルギー管理プラットフォームを活用して、IT 部門のエネルギー消費と排出量を可視化します。
◦ サステナビリティに関するレポートを作成するための統合プラットフォームを社内外で開発します。Deloitte 社[17] によると、サステナビリティに関するデータ管理システムを構築するには、CIO が、サステナビリティ関連のデータの収集、集約、分析、レポート作成を自動化しパートナーと連携するための新しいプロセスを策定する必要があるとのことです。
◦ 持続可能で循環型の IT 調達戦略を導入し、サステナビリティの実現に向けた取り組みを促進するベンダープログラムに参加します。IDC 社のホワイトペーパー[18] によると、調査対象の組織の 40% が、最も重視するベンダーの能力として IT のエネルギー効率向上についての専門知識を挙げています。
◦ IT 環境を最適化して適切な規模に調整できるよう、as-a-Service モデルを検討します。
◦ データセンターのサステナビリティ向上に重点的に取り組みます。たとえばシスコの IT チームは、シスコのサステナビリティ目標や取り組みに沿って、それをサポートすべく、5 項目からなるフレームワークを策定しました。このフレームワークをシスコのデータセンター統合プログラムに適用し、2016 年から 2022 年にかけて、データセンターを 26 から 16 へと 38% 削減しました(3 つのコロケーション施設を含む)。また、データセンターの電力容量を 29.3 MW から 17.6 MW へと 40% 削減しています。詳細については、シスコのデータセンターに関するホワイトペーパーをご参照ください。
◦ 自身の業務におけるクラウド環境の使用方法を評価します。
シスコでは、製品の再利用とリサイクルのための返却を促進するための循環型プログラムを実施しています。また、包括的なサービスと修理を提供しているほか、Cisco® Refresh では再生した中古機器(認定再生品)の販売も行っています。
シスコは、2025 年度までにシスコの新製品と梱包の 100% に循環型設計の原則を導入するという目標を掲げています。また、Country Digital Acceleration(CDA)や Cisco Green Pay など、お客様のサステナビリティプログラムを促進するためのさまざまな資金援助オプションも提供しています。
● 計画を実行する:OT 部門のための IT
◦ 各 OT 部門と緊密に連携して、サステナビリティ目標を達成するための重点分野とユースケースを特定します。IT 部門と OT 部門の連携は、オペレーションを可視化してサステナビリティ ソリューションの導入を後押しするうえで重要です。
◦ OT 部門のサステナビリティに関するユースケースとソリューションを導入できるようにします。たとえば運輸業界の多くの組織は、近い将来、EV フリートと EV 充電インフラの導入を進めることを計画しています。また製造業などの多くのエネルギー集約型産業では、エネルギー効率の向上と、エネルギー消費、水使用量、廃棄物の削減に重点的に取り組んでいます。
◦ IT 部門は、再生可能エネルギーの導入、スマートビルディング、IoT ソリューション、リモートオペレーションなど、組織、顧客、市民に利益をもたらす次世代テクノロジーの推進と拡大の支援に重点的に取り組むとよいでしょう。
◦ オペレーションに特化したパートナーエコシステムに投資して、サステナビリティへの取り組みを加速させます。主要なオペレーションパートナーとしては、スマートビルディングと EV 充電インフラを手掛ける Schneider Electric 社[19] と Honeywell 社、水の消費量の可視化と漏水検出を手掛ける Rockwell Automation 社などがあります。シスコはこうしたパートナーと戦略的アライアンスを締結し、インパクトの大きいサステナビリティ ソリューションをサポートしています。
シスコは、電力、製造、運輸、小売、医療、政府機関、金融サービスなどの各業界向けに、それらの業界におけるサステナビリティのユースケースを、ポートフォリオ エクスプローラで紹介しています。
紹介しているユースケースの例として、EV 充電インフラ、エネルギー資源の分配、配電自動化、高度計測インフラストラクチャ(AMI)、遠隔監視制御・情報取得(SCADA)システムの最新化、漏水検出、持続可能な製造施設ソリューション、スマートビルディングおよびスマート施設などがあります。
サステナビリティ戦略を策定し、サステナビリティのパイオニア[20] を目指す中で、イノベーションを起こし、ビジネスバリューを創出し、目標を見直す機会を探し続けます。Gartner 社の新しい調査レポートで説明されているとおり、IT リーダーは、ステークホルダーや規制当局からの圧力に単に対応するだけでなく、それらを機会と捉え、変化を積極的に推進して、新製品とビジネスモデルのイノベーションや導入などの新たな成長機会を見出していかなければなりません。[21]
つながりとコラボレーションが重視される世の中にあっては、いわゆる「従来型のオフィススペース」ではオフィスの潜在的な力を十分に発揮できません。未来のワークプレイスのあり方としてスマートビルディングが急速に台頭しつつあり、オフィスでの働き方や人との関わり方に革命をもたらしています。こうしたオフィスは、ゼロから建設して構築する場合もあれば、既存のオフィスを見直して構築する場合もあります。いずれにしても、これらのオフィスは、サステナビリティを推し進め、エネルギー効率を最適化し、生産性を高め、従業員のエクスペリエンス全体を改善する最新のテクノロジーとシステムを備えています。
シスコは最近、ニューヨーク市のオフィス Penn1 とアトランタのオフィスを刷新しました。どちらもハイブリッドワークに向けた、サステナビリティを実現することを念頭にした設計となっています。これらのオフィスは、持続可能な建物の原則、シスコのコラボレーション テクノロジー、ハイブリッドワークの原則を組み合わせることで、直感的で魅力的なワークスペースとなっています。シスコの会長兼 CEO である Chuck Robbins は、「出社しなければならないから来る場所ではなく、自然に人が集まる場所にしたいと考えています」と述べています。
Penn1 とアトランタのオフィスの刷新でビジョンとして掲げたのは、創造的なハイブリッドワークプレイスを備えた持続可能なスマートビルディングを設計することでした。従業員が安全快適に働けることを何よりも重視するとともに、テクノロジーを活用して建物のエネルギー効率を可能な限り高めたワークプレイスを目指したのです。この目標の達成のため、テクノロジーを、水道、ガス、電気に次ぐ第 4 のユーティリティとして、あらゆるところに組み込むことでオフィススペースの見直しを行いました。
シスコのオフィス改装では、次のような大きな効果が得られました。
● エネルギー消費とコストの削減を実現
● ユーザー体験の向上
● 安全性および適合規格
● 効率的なオフィススペースの利用
● 自動化と最適化
Cisco Spaces は、スマートビルディングにおけるエネルギー消費の削減とスペースの使用率の向上に役立つインサイトを提供します。
Cisco Catalyst™ 9000 スイッチ、アクセスポイント、90W Power over Ethernet(PoE)テクノロジーなど、最先端のテクノロジーを前面に打ち出したフレームワークと、Cisco Spaces、Webex コラボレーションツール、Meraki® カメラ、Igor 社、Molex 社、Mecho 社の PoE 照明、シェード、センサー、コントロールを組み合わせることにより、コラボレーションを促進し優れたユーザー体験を提供する並ぶもののないワークスペースを構築しました。
サステナビリティを最優先事項として掲げるシスコは、LEED 認証[22](Penn1 でゴールド、アトランタでプラチナ)を取得したほか、シスコのショーケースとなっている複数のオフィスビルで WELL 認証[23] の取得を目指してい
ます。
Penn1 では、総エネルギー消費量を用いて計測した 2019 年 4 月時点の従来のモデルに比べ、2022 年 4 月の時点で、エネルギー消費量が 39% 削減されました。これを実現できたのは、スマートビルディングへの改装を行い、動的なスペースの使用状況と PoE 設計をオフィスシステムにつなげたおかげです。また、Penn1 のオフィスでは、HVAC、照明、窓のシェードの使用率を取得して、それらにデータを提供し、指令を出すために OT ネットワークを使用しています。アトランタのオフィスの場合、エネルギー消費の最適化に役立つ情報が、接続されたコンポーネントとデータセットから常時提供されるようになっています。
このような仕組みで、サステナビリティ、生産性、従業員の安全性や快適性の向上を実現して、一般的なオフィス環境とは一線を画す環境を実現しています。
シスコのパーパスは、すべての人のためにインクルーシブな未来を実現することです。住みよい地球を維持することに全力を注ぐこともその一環です。シスコでは、持続可能で、インクルーシブで、レジリエンスを備えた、ますますデジタル化する社会を実現するために、規模とイノベーションを活かしたさまざまな取り組みを行っています。たとえば、私たちは、シスコの事業やサプライチェーン、シスコ製品全体で排出量を削減したり、再生可能エネルギーの調達割合を増やし続けたり、またお客様やコミュニティが環境に与える影響を減らし、変化する世界に適応できるように支援したりしています。さらに、ハイブリッドワークを大切にし、サステナビリティと循環型経済の原則をビジネス全体に組み込んで、水不足、廃棄物、汚染、種の多様性といった問題への取り組みに貢献しています。シスコは、2040 年までにバリューチェーン全体で GHG 排出量ネットゼロを達成するという目標を掲げています。シスコのネットゼロ目標は、Science Based Targets イニシアティブ(SBTi)の新しいネットゼロ基準(気候科学に沿った企業のネットゼロ目標設定のための世界初のフレームワーク)に沿ったものであり、承認を受けています。
シスコは、イノベーションとパーパスが交差する独自の立ち位置にあるため、組織が掲げるサステナビリティ目標を念頭に置いてイノベーションを推進できます。シスコは、IT のソリューションによって、データセンターの効率化、スマートビルディング、業界別のコネクテッド エクスペリエンスを実現できるようにしています。その方法は、組織がリアルタイムでエネルギーを可視化してインサイトを得られるようにすることで、エネルギーとリソースの効率を高めてエネルギー消費を最適化できるように後押しすることです。また、シスコのソリューションは、テクノロジーの導入から製品の廃棄までを通して GHG の排出量を削減することを目的とした各種プログラムを通して、あらゆる産業で、再生可能エネルギーの利用と電化を大規模に実現し、持続可能なライフサイクル管理を導入するのに役立ちます。
シスコは、製造、電力、運輸、金融サービス、医療、教育、小売など、さまざまな業界の CIO や CSO とパートナー関係にあり、現在利用可能なソリューションの導入を支援しているほか、サステナビリティ ソリューションの展開を促進するための CDA の資金援助プログラムのイノベーションと活用を共同で進めています。
「ネットゼロ達成の裏付けとなる科学、そして実現に向けた取り組みはどちらも複雑であり、進化し続けています。ですが、ネットゼロを達成しなければならない理由はシンプルです。私たちの未来は、それにかかっているからです」
Mary de Wysocki
シスコの最高サステナビリティ責任者
気候変動対策とエネルギー危機に取り組むにあたって何より重要なのは時間です。2040 年や 2050 年といった長期的なネットゼロ目標を掲げている場合でも、今この瞬間からイノベーションを始めることが大切です。テクノロジーは、企業によるサステナビリティ変革を支援する役割を担います。IT リーダーにとっては、IT とオペレーションの両方に使えて組織のネットゼロ達成を後押しできる堅牢なプラットフォームを実現するためにネットワークを再構築する機会となります。
CIO が取るべき重要なアクションは、CSO や環境リーダー、OT および事業部門のリーダーなど、組織内の主要な関係者とできるだけ早く連携を取り始めることです。また、短期、中期、長期的なサステナビリティ目標を達成できるよう、ソリューションに優先順位を付けることも重要です。デジタル技術は、システムおよびプロセスの最適化と、ネットゼロライフサイクルのあらゆる段階における価値創出に寄与します。
デジタル化とネットゼロに向けて進む世界では、ネットワークが重要な実現要因となります。ネットゼロ実現の進捗状況について把握し、モニタリングし、測定し、レポートを作成するために必要となるデータの量により、高度なネットワークに求められる要件はさらに増えます。これは、データを確実に収集、分析、保護し、自動化を可能にするために必要なことです。
シスコはお客様のパートナーとして、この極めて重要な課題に取り組んでいます。シスコのサステナビリティ目標、テクノロジー、ソリューションの詳細については、以下をご参照ください。人々のニーズとサステナブルな未来の間をつなぐ架け橋となります。
● IDC 社のサステナビリティ成熟度評価[24]