このドキュメントでは、Cisco(R) RF Switch を使用した N+1 冗長性について説明しています。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
多くのケーブル事業者では投資を最大限に有効化するため、ファイバ ノード内の付加的なバックアップ電源装置、天然ガスと電池でバックアップされた無停電電源装置(UPS)、ノード内の付加的なファイバ トランスミッタなどの形で、光ファイバ ネットワークに冗長性を提供することが選択されています。また、光ファイバの障害に備えて、各ノードにダーク ファイバを割り当てる場合もあります。
先に説明したように、ハードウェアは、屋外プラントで最初にカバーされるべきものです。実際に伝送媒体上を送信される Upstream(US; アップストリーム)信号と Downstream(DS; ダウンストリーム)信号についてはどうでしょうか。US に関してシスコでは、Advanced Spectrum Management 技術を実装することによって、モデムをオンラインの状態に保ち、送信を最適化しています。これらの技術の一部は、S カードに装着されるオンボードのスペクトル アナライザ ドーター カードによって提供される高度な「look before you leap」機能を備えた周波数ホッピングです。また、Cisco では、変調プロファイル変更とチャネル幅変更も組み込んでいます。これらの機能すべてにより、モデムがスペクトルのクリーンな部分に常にあるようになり、より強固な変調プロファイルを使用できます。また、チャネル幅を変更することにより、スループットとアベイラビリティの面で常にサービスを最適化することができます。DS 周波数に関しては、64 または 256 QAM のいずれかを選択できます。これらの変調方式の堅牢性は QPSK または 16-QAM の US に比べてはるかに劣りますが、DS スペクトルは US スペクトルよりも予測と制御がはるかに容易です。
ヘッドエンドにおけるハードウェアのアベイラビリティは、次に注目すべき論点です。1 つの AC 電源または DC 電源で障害が発生した場合は、冗長電源装置を使用して発電機バックアップが使用される場合があります。
ハードウェア面でのその他の障害ポイントとなる可能性があるのは、Cable Modem Termination System(CMTS)の電源供給です。uBR10K 電源では、バックアップおよびロードバランス/共有のアルゴリズムが使用されます。これは N:1 と呼ばれることもあり、ロード バランシングを備えた 1 対 N のバックアップを意味します。この場合は 1:1 であるため、2 つの Power Entry Module(PEM)を使用する場合は、1 つの PEM をすべての負荷に使用する場合よりも、トータルの DC 電力が若干多くなります。次の情報を表示するには、sh cont clock-reference コマンドを発行します。
ubr10k#sh cont clock-reference | inc Power Entry Power Entry Module 0 Power: 510w Power Entry Module 0 Voltage: 51v Power Entry Module 1 Power: 561w Power Entry Module 1 Voltage: 51v
Cisco では、CMTS ラインカードのアベイラビリティに焦点をあて、CMTS が高アベイラビリティを維持しながら相互に通信を行うためのプロトコルを開発しています。このプロトコルは Hot Standby Connection-to-Connection Protocol(HCCP)と呼ばれるものです。 このプロトコルでは、保護デバイスと稼働デバイス間にハートビートが提供され、インターフェイスやデバイスが MAC テーブルや設定などに同期されます。また、Cisco では、シャーシ レベルではなく MAC ドメイン レベルで高アベイラビリティを維持するために、RF Switch を開発しました。MAC ドメインは、1 つの DS とそれに関連付けられたすべての US で構成される RF サブネットと考えることもできます。
Cisco では数年間にわたり uBR7200 シリーズ シャーシで 1+1 冗長性を提供していますが、シャーシ全体が保護シャーシとしてアイドル状態になる必要があります。1+1 を行う利点は RF Switch を必要としないことですが、スケーラビリティに劣ります。RF Switch を使用すると、インターフェイス レベルで冗長性を維持することができ、N+1 のアベイラビリティが実現します。これはロード バランシングまたはロード シェアリングのない 1 対 N のバックアップを意味します。シャーシ全体をアイドル状態にする必要がないので、1 つのアイドル/プロテクト カードまたはインターフェイスのみを使用して、他の多くのインターフェイスを保護できます。uBR100012 は、他の 7 枚のカードを保護する 1 枚のカードとして設定できます。これは、7+1 のアベイラビリティが実現するだけでなく、PacketCable の要件も満たしているので、経済性に優れています。
これらのポイントがカバーされた後は、見方によって WAN 側または LAN 側とも呼ばれる、バックホール側の冗長性が確保されているかどうかを確認する必要があります。Hot Standby Router Protocol(HSRP;ホットスタンバイルータプロトコル)は長年にわたり使用されてきましたが、ルータ間の冗長パスにより、このシングルポイント障害に必要なレベルの可用性を実現できます。これらの機能の長所は VoIP と優れた競争力であり、安定性とアベイラビリティに優れたサービスを顧客に提供します。
uBR10K ソリューション
最初にハートビートを介してシャーシ間で HCCP が発生します。uBR10K ソリューションでは 1 つのシャーシにすべての機能が搭載されているので、ハートビートは重要性を持たない場合もあります。HCCP では、内部通信とインターフェイスの変更に成功すると、適切なリレーに切り替えるために、RF Switch にコマンドを送り続けます。
uBR7200 ソリューション
最初にハートビートを介してシャーシ間で HCCP が発生します。その後、プロテクト 7200 からアップコンバータ(UPx)にコマンドが送信されて、周波数が変更されます。UPx が ACK を送信します。プロテクト 7200 がコマンドを送信して稼働中の UPx を無効にし、ACK を受信するまで待機します。その後、プロテクト 7200 がコマンドを送信してプロテクト UPx モジュールを有効にし、ACK を受信するまで待機します。この動作がすべて完了した場合、または稼働中の UPx モジュールから ACK が送信されない場合、モジュールは適切なリレーに切り替えるために、スイッチにコマンドを送り続けます。
HCCP に関連するハートビート メカニズムには、2 つのタイプがあります。これらは、次のとおりです。
稼働中のモジュールとプロテクト モジュールの間の helloACK:プロテクト LC がグループ内で稼働している各 LC に hello メッセージを送信し、応答として helloACK が返されるまで待機します。hello および helloACK の送信周波数は、プロテクト LC の CLI を使用して設定できます。なお、7200 での hello 時間の最小値は 0.6 秒ですが、uBR10K での最小値は 1.6 秒です。
同期パルス メカニズム:これは HCCP データプレーンのハートビート メカニズムであり、周波数は設定できません。同期パルスは、稼働中の各 LC から対応するプロテクト LC に送信されます。この同期パルスは 1 秒に 1 回送信されます。同期パルスが 3 回送信されなかった場合、そのピアはダウンしているものと見なされます。Cisco では、例外ハンドラで 500 ミリ秒以内に動作中のクラッシュを検出するために、高速な障害検出メカニズムを現在開発中です。この機能はリリース 12.2(15)BC で導入される予定です。VXR では両方のメカニズムで障害を検出できますが、uBR10K は完全に内部 HCCP であるため、関連するのは 2 番目のメカニズムだけです。
Cisco では、将来のスケーラビリティと複雑性を考慮し、RF Switch として動作するラインカードや内部配線に対するものとして、外部 RF Switch を位置付けています。外部スイッチは、複数のシナリオ、異なる密度、およびレガシー装置でスタックして使用できます。
3 ラック ユニット(3RU)パッケージのスイッチの背面には 252 個のコネクタがあります。1RU は 1.75 インチです。VCom HD4040 アップコンバータは 2RU です。
バックプレーンが何らかの方法で内部スイッチ用に設定されている場合は、将来的にラインカードの密度を変更することが難しくなります。一般に、ラインカードの密度が高すぎる場合は、1 つの US または DS とカードに固有の障害によって影響を受ける US ポートの数が多くなります。スイッチと冗長性が最初から必要な理由はここにあります。密度が高くなるほど、1 つのイベントによって影響を受ける顧客の数は多くなります。純粋な DS カードまたは純粋な US カードが販売された場合はどうなるでしょうか。将来的には、ラインカード間で US ポートと DS ポートを対応させることが可能になると考えられます。この外部設計により、将来に渡って投資が保護されます。
内部スイッチを使用してシャーシ間の冗長性を実現することはできません。4 つの 7200 uBR を 1 つの uBR でバックアップしている場合、支出を抑えるには、外部 RF Switch が必要になります。ただし、同じシャーシ内にある別のラインカードを使用してラインカードをバックアップする場合は除きます。その場合、唯一の問題は、シャーシ全体がダウンしたときに、バックアップがなくなることです。
外部スイッチを使用すると、アクティブなコンポーネントが少なくなるため(少なくとも、配線的にではなく電子的には)アベイラビリティが向上します。スイッチはシャーシ内では完全にパッシブな設計なので、アクティブなモジュールが取り外されても、通常の動作モードは稼働中になります。リレーは完全にパッシブな動作パスを持つプロテクト パス上でのみ検出されるため、実際の動作モードに影響を与えることなくスイッチをテストするために切り替えることができます。したがって、スイッチ上で電源障害が発生したり、スイッチ モジュールが引き抜かれたり、スイッチの障害が発生しても、通常の動作モードには影響しません。唯一の欠点は、最高 DS 周波数の 860MHz において 6 ~ 8 dB の挿入損失が発生することです。
また、この外部設計により、配線のマイグレーションとラインカードの交換が可能になります。2x8 カードを 5x20 カードにアップグレードしたい場合には、ラインカードを強制的に保護モードにフェールオーバーさせることができます。ラインカードは、都合のよいときに新しい高密度の 5x20 カードに交換でき、将来のドメインに配線できます。その後、プロテクト モードになっていた 2 つのドメインは、5x20 カード上の対応するインターフェイスおよびドメインに切り替えられます。ただし、5x20 カードに内蔵のアップコンバータとコネクタ コマンドがあるといった、その他の問題に対処する必要があります。
前面パネルには LED、AC または DC 用の電源コード、イーサネット コネクタ、RS-232 コネクタ、および AC、DC、またはオフを指定する電源スイッチがあります。また、各スイッチにはケーブル取り外し工具が同梱されています。使用する前に必ずラバー ブーツを取り外してください。取り外しにかかるトルクは工具の後ろのねじをドライバで時計方向に回すことによって調整できます。
次の図は、RF Switch の前面を示しています。
この 3x10 RF Switch には、10 枚の US モジュール(青色)と 3 枚の DS モジュール(灰色)が設置されています。左下の部分はモジュール N と呼ばれ、空になります。前面のモジュールには右上から順に 1 ~ 13 の番号が割り当てられ、それぞれポート A ~ M に対応します。アップストリーム モジュール 1 により、背面のスロット 1 ~ 8 およびプロテクト 1 および 2 におけるポート A のすべてのリレーが制御されます。モジュール 2 は左側にあり、スロット 1 ~ 8 およびプロテクト 1 および 2 におけるポート H のすべてのリレーが制御されます。
これらのモジュールはホットスワップに対応していますが、カードを引き抜くことは非常に困難です。モジュールは非常に固く取り付けられており、引き抜くためには 2 つのねじを緩める必要があります。引き抜くときには、ねじ回しで隙間を作り、左右に動かす必要があります。
背面パネルには、CMTS、Protect、および Cable Plant と書かれたラベルがあります。CMTS 側は動作中の入力用です。Cable Plant 側には、ケーブル プラントに電力を供給するすべての出力系統が含まれています。
次の図は、RF Switch の背面を示しています。
8 つの入力系統には、左から右に番号が付けられています。中央には 2 つのプロテクトがあり、右側には 8 つの出力系統があります。
次の図は、RF Switch の番号体系を示しています。
注:ポートNは使用されません。
出力(紫色)はケーブル プラントを表します。出力 1 は一番右側にあり、入力 1 は一番左側にあります。同様に、ポートも左右対称になっています。ポート N は使用されていないことに注意してください。配線を行う際には、矛盾がないように注意してください。
次の図は、14 ポート ヘッダーと MCX コネクタ付きの特殊 Belden 小型同軸ケーブルが接続された RF Switch の背面を示しています。
MCX コネクタはスイッチに直接接続できますが、接続が緩くなったり、放射が発生したり、接触不良を起こしたりする可能性があります。シスコでは、このような問題を解決するためにヘッダーを開発しました。
このヘッダーは MCX コネクタと噛み合うように設計されていて、各スイッチには取り外し用の特殊な工具が同梱されています。ヘッダーには 2 つのガイド ピンがあり、決まった方向にしか取り付けできません。上側には、ヘッダーの上部であることを示すために、わずかな傾斜が付いています。ヘッダーをスイッチに取り付けるには 2 つの皿ねじを使用します。また、各 RF Switch にはケーブル管理ブラケットも同梱されています。
ヒント:スイッチにヘッダーを取り付け、MCXコネクタをヘッダーに挿入することもできます。こうすると取り付けがさらに簡単になります。すべてのコネクタを取り付けるまで、ヘッダーをスイッチに固定しないでください。
次の図は、RF Switch のブロック図です。
コンバイナ コンポーネントはスイッチ シャーシ内にありますが、リレーは取り外し可能な個々のモジュール内に存在します。各リレーは、動作中のパスではなくプロテクト パスでのみ 75 Ωの負荷で終端されます。
スイッチとのセットアップ シリアル通信には、HyperTerminal または TeraTerm、コンソール/ロールオーバー ケーブル、Cisco 9 ピン/RJ-45 アダプタ、およびボー レート 9600 を使用してコンソール接続を行います。
コマンド set ip addr ip add subnet mask を発行して IP アドレスとマスクを設定します。この作業を行うと、Telnet 接続が可能になり、Telnet パスワードの設定もできます。次に、コマンドset prot 4/8を発行して、保護スキームを4+1または8+1に設定します。デフォルトは8+1で、protect 1は8つの入力スロットすべてをカバーします。4+1 モードでは、プロテクト 1 がスロット 5 ~ 8 をカバーし、プロテクト 2 がスロット 1 ~ 4 をカバーします。
SNMP コミュニティ ストリングは private で、変更可能ですが、uBR10K ではサポートされません。
次に重要な設定項目はスイッチ グループで、ここでは 16 進数のビットマップが必要です。RF Switch ビットマップの長さは合計で 32 ビット(8 個の 16 進文字)あり、次のように計算されます。Excel の計算機能を使用できます。
グループ 1 は、スロット 1 の RF Switch ヘッダーの左側に 4 つの US ケーブルが接続され、同じヘッダーの左側に 1 つ DS ケーブルが接続されているとします。使用されるポートは ABCDF です。スイッチングに関係する各ポートについては、対応するビットは 1 に設定されています。ポートがスイッチングに関与していない場合は、そのポートのビットは 0 に設定されています。
グループ 1 は次のように表されます。
注:ビット14から32は、「注意しない」(X)です。
グループ 2 は、ヘッダーの右側にケーブルが接続されおり、ビットマップは次のように表されます。
スイッチ グループのセットアップは必須であり、これを行わないと、スイッチではどのポートやリレーを切り替えればよいかが判断できません。ビットマップを設定するときは、10 進形式で数値を入力できます。16 進形式で入力する場合は、ソフトウェアが 16 進数であることを認識できるように、16 進コードの前に 0x 付ける必要があります。コマンド set group Group2 0x55100000 を発行してビットマップを割り当てます。グループ 2 は、アルファベットから始まる必要がある英数字の単語文字列です。
ヒント:上の2つのビットマップは、推奨されるリファレンスデザインの一部です。4+1 モードは完全に異なるので、ビットマップ カリキュレータを使用することを推奨いたします。4+1 保護方式を使用する場合は、4 つの HCCP グループが存在します。HCCP グループ 1 および 2 はプロテクト 2 カードに存在し、HCCP グループ 3 および 4 はプロテクト 1 カードに存在します。なお、プロテクト 1 ではスイッチのスロット 5 ~ 8 がカバーされますが、uBR 設定ではそれらのスロットはスロット 1 ~ 4 と呼ばれます。
MAC ドメインではなく個々のポートをスイッチングする場合は、現在実行されている保護方式を確認し、下記の表を使用してどのグループ番号を使用するかを確認する必要があります。スイッチは 4+1 モードで動作していると仮定します。uBR10K の場合、コマンドは次のようになります。
hccp 1 channel-switch 1 ds rfswitch-module 1.10.84.3 26 1 hccp 1 channel-switch 1 us rfswitch-module 1.10.84.3 10 1
最初の行は、スイッチの IP アドレスとモジュール 26 を示しており、プロテクト カード 2 が 4+1 方式でポート G をバックアップしていることを示しています。次の行は、モジュール 10 を示しており、プロテクト カード 2 がポート C をバックアップしていることを示しています。これらはすべて、スイッチのスロット 1 に存在しています。
次の表は、両方のモードと、各番号に対応するポートを示しています。
8+1 モード | 4+1 モード |
---|---|
A(1) H(2) | A(1,2) H(3,4) |
B(3) I(4) | B(5,6) I(7,8) |
C(5) J(6) | C(9,10) J(11,12) |
D(7) K(8) | D(13,14) K(15,16) |
E(9) L(10) | E(17,18) L(19,20) |
F(11) M(12) | F(21,22) M(23,24) |
G(13) N(14) | G(25,26) N(27,28) |
新しいファームウェアを使用すると、シャーシ内で使用するアップストリーム カードとダウンストリーム カードの任意の組み合わせを設定できます。これは、新しい CLI コマンド set slot config USslots DSslots を使用することによって達成されます。
USslotsおよびDSslotsパラメータは、モジュールがそのタイプのカードに対して有効/構成されているかどうかを表す16ビットの16進整数ビットマスクで、右側のビットはモジュール1を表します。自動設定については、新しいビットマップ計算ツールををを参照してください。
たとえば、シャーシ内で 4 枚のラインカードを使用し、モジュール 1 ~ 2 にアップストリーム カードを配置し、モジュール 3 ~ 4 にダウンストリーム カードを配置する場合は、set slot config 0x0003 0X000c というコマンドを発行します。
スロットの設定は、アプリケーション ファームウェアとは別に不揮発性メモリに保存されます。そのため、将来アプリケーション ファームウェアをアップグレードすることになっても、スロットの設定を再プログラムする必要はなく、1 つのアプリケーション コード配布ですべての RF Switch 設定に対応できます。
通常、この設定は工場で製造時に行われますが、フィールドで必要に応じて変更することができ、将来必要になる可能性のあるあらゆる数と組み合わせのカードを使用できます。
次に設定例を示します。
10 upstream/3 downstream/1 empty (current configuration): upstream bitmask = 0000 0011 1111 1111 = 0x03ff dnstream bitmask = 0001 1100 0000 0000 = 0x1c00 SET SLOT CONFIG 0x03ff 0x1c00 12 upstream/2 downstream (new configuration): upstream bitmask = 0000 1111 1111 1111 = 0x0fff dnstream bitmask = 0011 0000 0000 0000 = 0x3000 SET SLOT CONFIG 0x0fff 0x3000
Cisco では、週に 1 回(少なくとも 1 か月に 1 回)リレーをテストすることを推奨しています。スイッチにコンソール接続か Telnet 接続を行い、コマンド test module を発行します。RF Switch でパスワードが設定されている場合は、test コマンドを使用するために password password name コマンドを発行します。これにより、すべてのリレーが一度にテストされ、通常の動作モードに戻ります。このtestコマンドは、保護モードでは使用しないでください。このtestコマンドは、保護モードでは使用しないでください。
ヒント:スイッチにあるリレーは、アップコンバータやいずれのモデムにも影響を与えることなく切り替えることができます。この機能は、ライン カードや対応するアップコンバータを実際に切り替えることなくリレーをテストする場合に重要になります。スイッチ上でリレーが有効になっていて、フェールオーバーが発生した場合は、状態が切り替えられるだけでなく、適切な状態に移行します。
コマンド switch 13 1 を発行して、スイッチのスロット 1 のポート G をテストします。.ビットマップ全体をテストするには、switch group name 1 コマンドを使用します。リレーを無効にして通常の動作モードに戻るには、switch group name 0(または idle)コマンドを発行します。
また、CMTS から(hccp g switch m コマンドを発行して)HCCP グループの CLI フェールオーバー テストを実行し、プロテクト カードとプロテクト パスをテストする必要もあります。このタイプのフェールオーバーには 4 ~ 6 秒かかり、ごく一部のモデムがオフラインになる可能性があります。したがって、このテストはオフピーク時にのみ行い、頻繁に実行するべきではありません。上のテストを行うと、システム全体のアベイラビリティが向上します。
次の手順に従ってください。
スロット 0 のフラッシュ ディスクを使用して uBR に新しいイメージをロードします。
uBR で次のコマンドを設定します。
tftp-server disk0: rfsw330-bf-1935022g alias rfsw330-bf-1935022g tftp-server disk0: rfsw330-fl-1935030h alias rfsw330-fl-1935030h
スイッチにコンソール接続し、set tftp-host {ip-addr} コマンドを発行します。TFTP 転送には、uBR の IP アドレスを使用します。
copy tftp:rfsw330-bf-1935022g bf:コマンドを発行して、ブートフラッシュをロードし、copy tftp:rfsw330-fl-1935030h fl:フラッシュをロードします。
新しいコードを実行するためにリブートまたはリロードを行います。PASS SYSTEM および Save Config を入力して新しい nvmem フィールドを更新します。すべての設定を有効にするために、再びリブートを行います。
警告:スイッチのIPアドレスなど、リロード後に設定の一部をリセットする必要がある場合があります。リロード後にスイッチの設定を再確認してください。バージョン 3.5 にアップグレードすると、スイッチにデフォルト ゲートウェイ アドレスを追加できるようになり、サブネット全体に渡るスイッチのアップグレードがリモートで行えるようになります。唯一の制限は、UNIX 端末からロードする場合に、新しいイメージ名を小文字にする必要があることです。この新しいイメージでは DHCP クライアント オプションとシャーシ/モジュール構成の設定も追加されています。
このリリースでは DHCP クライアントが完全にサポートされています。ユーザが CLI から固定 IP を設定していない限り、DHCP 動作はデフォルトで有効になっています。このリリースでは、DHCP 動作をサポートするためのコマンドが追加または強化されています。
RF Switch はブート時に DHCP が有効になっているかどうかを確認します。これは CLI を使用してさまざまな方法で行われます。DHCP を有効にするには、次のいずれかのコマンドを使用できます。
set ip address dhcp
set ip address ip adress subnet mask
no set ip address
!--- To set the default, since DHCP is now the default.
3.00 よりも前のバージョンとは異なり、RF Switch では固定 IP アドレス 10.0.0.1 は使用されません。
有効になっている場合、RF Switch は DHCP クライアントをインストールし、リースを要求するために DHCP サーバを探します。デフォルトでは、クライアントは0xffffffff(無限リース)のリース時間を要求しますが、これはset dhcp lease leasetime_secsコマンドを発行することで変更できます。実際のリース時間はサーバから付与されるので、このコマンドは主にデバッグやテストのみに使用し、通常の運用には使用しないことを推奨いたします。
サーバが見つかると、クライアントからは IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ アドレスの設定、および TFTP サーバの場所が要求されます。ゲートウェイ アドレスはオプション 3(ルータ オプション)から取得されます。 TFTP サーバのアドレスはさまざまな方法で指定できます。クライアントは、next-server オプション(siaddr)、オプション 66(TFTP サーバ名)、およびオプション 150(TFTP サーバ アドレス)を確認します。 これら 3 つのオプションがすべて存在しない場合、TFTP サーバのアドレスはデフォルトで DHCP サーバのアドレスに設定されます。サーバからリースが付与されると、DHCP クライアントでは更新用に提供されたリース時間を記録して、ブート プロセスに進み、他のネットワーク アプリケーション(Telnet と SNMP)および CLI をインストールします。
サーバが 20 ~ 30 秒以内に見つからなかった場合、DHCP クライアントはサスペンドされ、CLI が起動します。DHCP クライアントは、サーバが見つかるまで約 5 秒おきにサーバとの通信をバックグラウンドで試み、CLI を介して固定 IP が割り当てられない場合は、システムがリブートします。
ユーザは CLI を使用して、サーバ経由で受信したネットワーク設定を変更することができ、これらの設定には固定値を割り当てます。すべての set xxx コマンド パラメータは不揮発性メモリに保存され、リブート後も保持されて使用されます。現在のネットワーク設定は DHCP または CLI に由来している可能性があるため、いくつかの変更と新しいコマンドが実装されています。既存の show config コマンドは、すべての不揮発性メモリ パラメータの設定を表示するように変更されています。これらの設定は現時点で必ずしも有効になっているとは限りません。
現在使用されているネットワーク パラメータを取得するために、新しいコマンド show ip が追加されました。このコマンドでは、ネットワーク設定だけでなく、現在の IP モード(固定か DHCP か)、DHCP クライアントのステータス、および(有効な IP が存在する場合にのみ起動される)Telnet および SNMP アプリケーションのステータスも表示されます。
また情報提供用に show dhcp コマンドも追加されています。このコマンドにより、DHCP サーバから取得した値、さらにリース時間のステータスも表示されます。時間の値は HH:MM:SS の形式で表示され、現在のシステム時刻との相対値で表示されます(システム時刻も表示されます)。
設定可能なネットワーク パラメータに割り当てられた固定値はただちに有効になり、特別な操作を行わなくても現在の設定に上書きされます。したがって、一部のパラメータは動的に変更されますが、その他のパラメータは固定されています。たとえば、DHCP を使用して IP アドレスを取得すると同時に、CLI を使用して設定した TFTP サーバの設定を保持することができます。唯一の例外は、固定 IP の使用から DHCP に切り替えるときです。DHCP サーバはブート時に必要な場合にのみインストールされるので、固定 IP から DHCP に切り替える場合は、システムをリブートして DHCP を有効にする必要があります。
対応するモジュールの LED が緑色から黄色に変わります。そのレイアウトは背面と反対になっています。つまり、スイッチのスロット 1 のヘッダーの左側にあるスイッチグループが 8+1 モードでフェールオーバーした場合は、リレーが切り替えられたことを示すために、右側にあるプロテクト 1 の LED が緑色から黄色に変わります。
下の写真は、LED の色の違いを示しているだけであり、特定のフェールオーバーを示しているわけではありません。
LED #1 の緑色/黄色は、動作中/プロテクト 1 を示します。
LED #2 の緑色/黄色は、動作中/プロテクト 2 を示します。
LED #3 のオフ/黄色は、チャネル 1 に問題があることを示します。
LED #4 のオフ/黄色は、チャネル 2 に問題があることを示します。
次に、モジュールの図を示します。
下の写真は、イーサネット コントローラのインジケータを示しています。
一般に問題である考えられるポイントは、コスト、すべてのコンポーネントの利用効率、挿入損失、物理レイアウト、小さいコネクタとケーブル、コンポーネントのアベイラビリティとサポートなどです。
動作中モードでの挿入損失が 6 dB に達する場合は、問題となる可能性があります。スイッチがプロテクト モードに切り替わると、さらに挿入損失(約 1 ~ 2 dB)があります。これは、DS に使用している周波数に依存します。US の挿入損失は、約 4.5 dB です。
このソリューションで使用されている小型の MCX コネクタと小型の同軸ケーブルが業界に受け入れられるまでには、まだ時間がかかる可能性があります。AOL Time Warner 社では、この形式のケーブルを 10,000 フィート購入して、ヘッドエンドの US ケーブルを再配線することに決定しました。また、Charter 社でも現在このケーブルを使用しています。これらの企業がこのケーブルを使い始めれば、これらの企業や他の企業でこの小型コネクタが使用されるようになるのは時間の問題と思われます。現在、VCom の新しいアップコンバータでは MCX コネクタが使用されています。
このケーブル キットは WhiteSands Engineering 社によって Cisco 向けに製造されています。Cisco では、推奨される設計を満たすために、最小様式のケーブル キットをストックする必要があります。特殊なケーブルを注文する場合は、WhiteSands 社に直接お問い合せください。コネクタ化に必要な工具は CablePrep 社または WhiteSands 社から入手できます。
RF スイッチの部品番号は、大文字と小文字が区別されます。このスイッチを注文するには、uBR-RFSW と入力する必要があります。
次のような状況を考えてみましょう。
5x20 ライン カードが故障し、プロテクト ライン カードが機能を引き継ぎます。故障したライン カードを取り外すと、以前は相手側のライン カードへの接続されていて現在は終端されていない引き抜かれたケーブルの末端にプロテクト ライン カードからの DS 信号が戻されます。
これによりインピーダンスの不一致が発生し、元の信号より約 7 dB 低い反射エネルギーが発生します。これは、共通ポートが終端されていない場合、スイッチ シャーシ内のスプリッタで保持される絶縁性が約 7 dB だけであるためです。影響を受ける周波数は、引き抜かれたケーブルの物理的な長さに関係します。
この情報は、最大 3 dB 変化する DS レベルの潜在的な危険を緩和するのに役立ちます。
75 Ωのターミネータで DS ケーブルを終端します。特殊な MCX ターミネータが必要になる可能性があります。
別の状況では、uBR10K コンソールから RF Switch への Telnet アクセスによって、入力時にエントリが重複して作成される場合があります。回避策は、ローカル エコーを無効にすることです。たとえば、CLI から telnet ip address /noecho を発行します。control break を押して終了するか、control ] を押して Telnet コマンド モードに入り、quit または send break と入力する必要があります。切断するもう 1 つの方法は、Control+shift+6+x を押し、uBR コマンド ラインから disc 1 と入力することです。標準的なブレーク シーケンスについては、『パスワード回復中の標準的なブレーク キー シーケンスの組み合せ』を参照してください。
次のような状況を考えてみましょう。
uBR のプロテクト US ケーブルを使用して、対応する動作中側の信号強度をテストできます。たとえば、8+1 モードでスイッチが稼働していて、uBR のスロット 8/0 に動作中ブレードがあり、スロット 8/1 にプロテクト ブレードがあり、動作中ブレードはスイッチのスイッチ 1 に配線されています。カード 8/0 の US0 で US パワー レベルをテストするには、Telnet またはコンソール接続でスイッチにアクセスし、switch 1 1 コマンドを発行します。これにより、スイッチのポート A としても知られる、モジュール 1 のスイッチのスロット 1 からのリレーが有効になります。保護ブレードのUS0のケーブルを取り外し、スペクトルアナライザに接続します。これにより、動作中の US0 へ実際に流れる US 信号をテストできます。
トラブルシューティングを行うには、次のコマンドを使用します。
show version
rfswitch>sh ver Controller firmware: RomMon: 1935033 V1.10 Bootflash: 1935022E V2.20 Flash: 1935030F V3.50 Slot Model Type SerialNo HwVer SwVer Config 999 193-5001 10BaseT 1043 E 3.50 1 193-5002 upstream 1095107 F 1.30 upstream 2 193-5002 upstream 1095154 F 1.30 upstream 3 193-5002 upstream 1095156 F 1.30 upstream 4 193-5002 upstream 1095111 F 1.30 upstream 5 193-5002 upstream 1095192 F 1.30 upstream 6 193-5002 upstream 1095078 F 1.30 upstream 7 193-5002 upstream 1095105 F 1.30 upstream 8 193-5002 upstream 1095161 F 1.30 upstream 9 193-5002 upstream 1095184 F 1.30 upstream 10 193-5002 upstream 1095113 F 1.30 upstream 11 193-5003 dnstream 1095361 J 1.30 dnstream 12 193-5003 dnstream 1095420 J 1.30 dnstream 13 193-5003 dnstream 1095417 J 1.30 dnstream
show module all
rfswitch>show module all Module Presence Admin Fault 1 online 0 ok 2 online 0 ok 3 online 0 ok 4 online 0 ok 5 online 0 ok 6 online 0 ok 7 online 0 ok 8 online 0 ok 9 online 0 ok 10 online 0 ok 11 online 0 ok 12 online 0 ok 13 online 0 ok
show config
rfswitch>show config IP addr: 10.10.3.3 Subnet mask: 255.255.255.0 MAC addr: 00-03-8F-01-04-13 Gateway IP: 10.10.3.170 TFTP host IP: 172.18.73.165 DHCP lease time: infinite TELNET inactivity timeout: 600 secs Password: xxxx SNMP Community: private SNMP Traps: Enabled SNMP Trap Interval: 300 sec(s) SNMP Trap Hosts: 1 172.18.73.165 Card Protect Mode: 8+1 Protect Mode Reset: Disabled Slot Config: 0x03ff 0x1c00 (13 cards) Watchdog Timeout: 20 sec(s) Group definitions: 5 ALL 0xffffffff GRP1 0xaa200000 GRP2 0x55100000 GRP3 0x00c80000 GRP4 0x00c00000
次のリストは、RF Switch の仕様を示しています。
入力電力 AC:100 ~ 240 Vac、50/60 Hz、動作範囲:90 ~ 254 Vac
DC 電力:3 つのターミナル ブロック -48/-60 Vdc、範囲:-40.5 ~ -72 Vdc、200 mVpp リプル/ノイズ
温度範囲:0 ~ +40°C、動作温度範囲:-5 ~ +55°C
ユニット コントロール 10BaseT SNMP イーサネットおよび RS-232 バス:9-ピン オス D
RF コネクタ:MCX、インピーダンス:75 Ω
最大 RF 入力電力:+15 dBm(63.75 dBmV)
スイッチ タイプ:電気機械、動作中パスの場合は吸収性あり、プロテクト パスの場合は吸収性なし
DS 周波数範囲:54 ~ 860 MHz
最大 DS 挿入損失:動作中から出力へ 5.5 dB、プロテクトから出力へ 8.0 dB
DS 挿入損失の平面度:動作中から出力へ +1.1 dB、プロテクトから出力へ +2.1 dB
DS 出力反射損失:15.5 dB 以上
DS 絶縁性:動作中から動作中へ 60 dB 以上、プロテクト モードのとき動作中から対応するプロテクトへ 20 dB 以上、動作中モードのとき動作中からプロテクトへ 60 dB 以上
アップストリーム周波数範囲:5 ~ 70 MHz
最大アップストリーム挿入損失:入力から動作中へ 4.1 dB、入力からプロテクトへ 5.2 dB
US 挿入損失の平面度:入力から動作中へ +0.4 dB、入力からプロテクトへ +0.6 dB
US 入力反射損失:16 dB 以上
US 絶縁性:動作中から動作中へ 60 dB 以上、プロテクト モードのとき動作中から対応するプロテクトへ 20 dB 以上、動作中モードのとき動作中からプロテクトへ 60 dB 以上
物理フォーム ファクタ:19 x 15.5 x 5.25(482mm x 394mm x 133mm)、重量:36 lbs(16.3 kg)