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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
ギガビットネットワークインターフェイスがインストールされ、インラインモードで展開されているCisco Intrusion Prevention System(IPS)プラットフォームには、ジャンボイーサネットフレームの処理に関するサービス拒否(DoS)の脆弱性が存在します。この脆弱性により、プラットフォームの動作を回復するために電源の再投入を必要とするカーネルパニックが発生する可能性があります。無差別モードのみで導入されているプラットフォーム、またはギガビットネットワークインターフェイスを含まないプラットフォームには、脆弱性はありません。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対しては回避策があります。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20080618-ips で公開されています。
該当製品
脆弱性のある製品
次のCisco IPSバージョンが影響を受けます。
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5.1(8)E2より前のCisco Intrusion Prevention System(IPS)バージョン5.x
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Cisco Intrusion Prevention System(IPS;侵入防御システム)バージョン6.x、6.0(5)E2より前
次のCisco IPSプラットフォームは、ギガビットネットワークインターフェイスが搭載されて出荷されており、インラインモードで展開されている場合に脆弱性が存在します。
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4235
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4240
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4250
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4250SX *
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4250TX
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4250XL *
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4255
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4260
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4270
* 4250SXおよび4250XLモデルには、通常はリモート管理とモニタリングに使用されるギガビットネットワークインターフェイスが搭載されています。ギガビットネットワークインターフェイスがインラインモードで使用するように設定されている場合、そのプラットフォームには脆弱性が存在します。
Cisco IPSプラットフォームで実行されているソフトウェアのバージョンを確認するには、コンソールまたはセキュアシェル(SSH)を使用してプラットフォームにログインし、show versionコマンドを発行します。
sensor# show version Application Partition: Cisco Intrusion Prevention System, Version 6.0(4a)E1
Cisco IPSプラットフォームでインターフェイスがインラインモードに設定されているかどうかを確認するには、コンソールまたはSSHを使用してプラットフォームにログインし、show interfacesコマンドを発行します。コマンド出力のInline Mode文で、ペアになっているインターフェイスを探します。
sensor# show interfaces ... MAC statistics from interface GigabitEthernet0/1 Interface function = Sensing interface Description = Media Type = TX Missed Packet Percentage = 0 Inline Mode = Paired with interface GigabitEthernet0/0 ... MAC statistics from interface GigabitEthernet0/0 Interface function = Sensing interface Description = Media Type = TX Missed Packet Percentage = 0 Inline Mode = Paired with interface GigabitEthernet0/1
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
次のCisco IPSプラットフォームには脆弱性はありません。
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4210
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4215
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SSM-AIP10
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SSM-AIP20
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SSM-AIP40
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AIM-IPS
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NM-CIDS(汎用)
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IDSM2
Cisco IPSバージョン6.1(1)には脆弱性はありません。Intrusion Prevention System(IPS;侵入防御システム)機能を搭載したCisco IOSには脆弱性はありません。他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
一部のCisco IPSプラットフォームには、ジャンボイーサネットフレームの処理にサービス拒否の脆弱性が存在します。インラインモードで配備された脆弱なCisco IPSプラットフォームのギガビットネットワークインターフェイスで特定の一連のジャンボイーサネットフレームが受信されると、カーネルパニックが発生し、プラットフォームが完全に障害されて、ネットワークのサービス妨害(DoS)状態が発生する場合があります。無差別モードのみで導入されているCisco IPSプラットフォーム、またはギガビットネットワークインターフェイスを含まないCisco IPSプラットフォームには、脆弱性はありません。
ジャンボイーサネットのサポートは通常、サーバ間通信のパフォーマンスを向上させるためにデータセンター環境に導入され、シスコのルータおよびスイッチのデフォルト設定ではありません。ジャンボイーサネットフレームのサポートは、この機能を必要とする各デバイスで有効にする必要があります。この脆弱性を不正利用するには、攻撃者はインラインモードで配備された脆弱なCisco IPSプラットフォームにジャンボイーサネットフレームを挿入できる必要があります。
システム障害時にバイパスモードを使用してトラフィックを通過させるように設定されている場合、4260および4270プラットフォームを除くすべてのCisco IPSプラットフォームでトラフィックの転送が失敗します。Cisco IPS 4260および4270プラットフォームにはハードウェアバイパス機能があり、カーネルパニックや停電の際にネットワークトラフィックを渡すことができます。ハードウェアバイパス機能が使用されている場合は、デフォルトでトラフィックが通過します。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCso64762(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2008-2060が割り当てられています。
回避策
この脆弱性を回避するには、脆弱性のあるCisco IPSプラットフォームに直接接続されたルータおよびスイッチで、ジャンボイーサネットサポートを無効にします。この回避策は、特定の環境でパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。修正済みソフトウェアにアップグレードすることを推奨します。
Ciscoスイッチでのジャンボフレームの設定の詳細については、次のリンクを参照してください。
修正済みソフトウェア
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリも参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
この脆弱性は、2008年6月20日までにダウンロード可能になるCisco IPSバージョン5.1(8)E2および6.0(5)E2で修正されています。
修正済みソフトウェアのCisco IPSバージョン5.1(8)E2は、次のリンクから入手できます。
http://www.cisco.com/pcgi-bin/tablebuild.pl/ips5?psrtdcat20e2
修正済みソフトウェアのCisco IPSバージョン6.0(5)E2は、次のリンクで入手できます。
http://www.cisco.com/pcgi-bin/tablebuild.pl/ips6?psrtdcat20e2
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
この脆弱性は、BreakingPoint Systems社のHD Moore氏によってシスコに報告されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 |
2008年6月18日 |
初回公開リリース |
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