日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Unified Communications Managerには、不正なSession Initiation Protocol(SIP)メッセージの処理によって引き起こされる可能性のあるメモリリークの脆弱性が存在します。この脆弱性が不正利用されると、音声サービスの中断が引き起こされる可能性があります。シスコはこの脆弱性に対処するため、サポート対象のCisco Unified Communications Managerバージョンの無償ソフトウェアアップデートをリリースしました。このSIPの脆弱性に対しては回避策があります。
このアドバイザリは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20110928-cucm で公開されています。
注: 2011年9月28日のCisco IOSソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開には10件のCisco Security Advisoryが含まれています。9件のアドバイザリはCisco IOSソフトウェアの脆弱性に対処するもので、1件はCisco Unified Communications Managerの脆弱性に対処するものです。各アドバイザリには、このアドバイザリで説明されている脆弱性を修正したCisco IOSソフトウェアリリースと、2011年9月のバンドル公開のすべての脆弱性を修正したCisco IOSソフトウェアリリースが記載されています。
個々の公開リンクは、次のリンクの「Cisco Event Response: Semiannual Cisco IOS Software Security Advisory Bundled Publication」に掲載されています。
http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/Cisco_ERP_sep11.html
Cisco IOSソフトウェアは、このアドバイザリに記載されているSIPの脆弱性の影響を受けます。Cisco IOSソフトウェアに影響を与える脆弱性に関しては、別途Cisco Security Advisory(https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20110928-sip)が公開されています。
該当製品
脆弱性のある製品
次の製品は、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けます。
- Cisco Unified Communications Manager 6.x
- Cisco Unified Communications Manager 7.x
- Cisco Unified Communications Manager 8.x
注: Cisco Unified Communications Managerバージョン6.1は、2011年9月3日にソフトウェアメンテナンスが終了しています。Cisco Unified Communications Manager 6.xバージョンをご使用のお客様は、サポートされているCisco Unified Communications Managerのバージョンへのアップグレードに関してシスコサポートチームにお問い合わせください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
Cisco Unified Communications Managerは、Cisco IP Telephonyソリューションのコール処理コンポーネントであり、企業のテレフォニー機能を、IP電話、メディア処理デバイス、VoIPゲートウェイ、マルチメディアアプリケーションなどのパケットテレフォニーネットワークデバイスに拡張します。
SIPのメモリリークの脆弱性
Cisco Unified Communications Managerには、SIPメッセージの処理に関連する脆弱性が存在します。Cisco Unified Communications Managerが不正なSIPメッセージを処理すると、セッション制御バッファ(SCB)がリークしたり、該当デバイスのリロードが引き起こされたりする可能性があります。この脆弱性が不正利用されると、重要なプロセスが失敗し、音声サービスが中断される可能性があります。すべてのSIPポート(TCPポート5060および5061、UDPポート5060および5061)が影響を受けます。
このSIPの脆弱性は、Cisco Bug ID CSCtl86047(登録ユーザ専用)として文書化され、CVE IDとしてCVE-2011-2072が割り当てられています。この脆弱性は、Cisco Unified Communications Managerバージョン8.6(1)、8.5(1)su2、および7.1(5b)su4で修正されています。[この修正を含む6.xバージョンのソフトウェアサービスアップデートはありません。]
注:この脆弱性は、Cisco IOSソフトウェアにも影響します。対応するCisco Bug IDはCSCto88686です。詳細については、別の『Cisco Security Advisory for the Cisco IOS Software』を参照してください。
回避策
環境内でSIPを必要としないお客様には、回避策があります。Cisco Unified Communication Managerバージョン6.1(4)、7.1(2)、および8.0(1)では、SIP処理を無効にする機能が導入されています。SIP処理はデフォルトで有効になっています。SIP処理を無効にするには、次の手順に従います。
- ステップ1:Cisco Unified CM Administration Webインターフェイスにログインします。
- ステップ2:システム>サービスパラメータに移動し、適切なCisco Unified Communications ManagerサーバとCisco CallManagerサービスを選択します。
- ステップ3:SIP Interoperability EnabledパラメータをFalseに変更して、Saveをクリックします。
注:SIP処理の変更を有効にするには、Cisco CallManagerサービスを再起動する必要があります。サービスを再起動する方法については、ドキュメント「athttp://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cucm/admin/7_1_2/ccmcfg/b03dpi.html#wp1075124」の「Restarting the Cisco CallManager Service」セクションを参照してください。
スクリーニングデバイスにフィルタリングを実装し、Cisco Unified Communications ManagerサーバへのSIPアクセスを必要とするネットワークからのみTCPポート5060および5061、UDPポート5060および5061へのアクセスを許可することで、これらの脆弱性を緩和できます。
ネットワーク内のCiscoデバイスに適用可能な他の対応策は、次の場所にある付属ドキュメント『Cisco Applied Mitigation Bulletin: Identifying and Mitigating Exploitation of the Multiple Vulnerabilities in Cisco Voice Products』で参照できます。https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoAppliedMitigationBulletin/cisco-amb-20110928-voice
修正済みソフトウェア
アップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt と後続のアドバイザリも参照して、問題の解決状況と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。表の「推奨リリース」列に記載されているリリース、またはそれよりも新しいリリースにアップグレードすることを推奨します。
いずれの場合も、アップグレードする機器に十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新しいリリースで引き続き適切にサポートされていることの確認を十分に行ってください。情報に不明な点がある場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)または契約を結んでいるメンテナンス プロバイダーにお問い合せください。
また、Cisco IOS Software Checkerは、https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/selectIOSVersion.xのCisco Security(SIO)ポータルでも入手できます。特定のバージョンのCisco IOSソフトウェアに影響を与えるセキュリティアドバイザリを確認するための機能がいくつかあります。
Cisco Unified Communication Managerバージョン |
推奨リリース |
7.x |
7.1(5b)su4 |
8.x* |
8.5(1)su2、8.6(1) |
*上記の表に記載されている推奨リリースは、このアドバイザリの公開時に入手可能な最新のCisco Unified Communications Managerバージョンです。6.1および8.0のソフトウェアアップデートは、CSCtl86047では使用できません。これらのバージョンをご使用のお客様は、サポートされているリリースへのアップグレードに関してシスコサポートチームにお問い合わせください。
Cisco Unified Communications Managerソフトウェアは、次のリンク先からダウンロードできます。https://sec.cloudapps.cisco.com/support/downloads/go/Redirect.x?mdfid=268439621
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
この脆弱性は、お客様のサービスリクエストに対する社内テストおよびトラブルシューティング中に発見されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.1 | 2012年7月17日 | 更新されたメタタグ |
改訂 1.0 |
2011年9月28日 |
初回公開リリース |
利用規約
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