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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、該当デバイスが特定の不正なIKEv2パケットを処理する方法に起因します。攻撃者は、影響を受けるデバイスに不正なIKEv2パケットを送信して処理させることで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。このエクスプロイトにより、攻撃者は該当システムのリロードを引き起こして、DoS 状態を発生させることができます。
Cisco IOSソフトウェアおよびCisco IOS XEソフトウェアデバイスでは、Internet Security Association and Key Management Protocol(ISAKMP)が有効になっている場合にIKEv2が自動的に有効になりますが、この脆弱性は不正なIKEv2パケットを送信した場合にのみ引き起こされます。
この脆弱性の原因となり得るものは IKEv2 パケットに限られます。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性を軽減する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20140326-ikev2
注: 2014年3月26日のCisco IOSソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開には6件のCisco Security Advisoryが含まれています。すべてのアドバイザリは、Cisco IOSソフトウェアの脆弱性に対処しています。各Cisco IOSソフトウェアセキュリティアドバイザリには、このアドバイザリで説明されている脆弱性を修正したCisco IOSソフトウェアリリースと、2014年3月のバンドル公開のすべてのCisco IOSソフトウェアの脆弱性を修正したCisco IOSソフトウェアリリースが記載されています。
個々の公開リンクは、次のリンクにある『Cisco Event Response: Semiannual Cisco IOS Software Security Advisory Bundled Publication』に掲載されています。
http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/Cisco_ERP_mar14.html
該当製品
脆弱性のある製品
デバイスでは、脆弱性が存在する IKEv2 固有の機能を設定する必要はありません。
IKEv2 は、次に示すさまざまな VPN タイプを含む、多くの機能で使用されます。
- LAN 間 VPN
- リモート アクセス VPN(SSL VPN を除く)
- Dynamic Multipoint VPN(DMVPN)
- FlexVPN
次の例では、デバイスはIPバージョン4(IPv4)またはIPバージョン6(IPv6)を使用して、UDPポート500およびUDPポート4500でIKEパケットを処理しています。
router# show udp
Proto Remote Port Local Port In Out Stat TTY OutputIF
17 --listen-- 192.168.130.21 500 0 0 1001011 0
17(v6) --listen-- UNKNOWN 500 0 0 1020011 0
17 --listen-- 192.168.130.21 4500 0 0 1001011 0
17(v6) --listen-- UNKNOWN 4500 0 0 1020011 0
!--- Output truncated
router#
シスコ製品で稼働している Cisco IOS ソフトウェア リリースを確認するには、デバイスにログインして show version コマンドを使って、システム バナーを表示します。"Internetwork Operating System Software"、"Cisco IOS Software" あるいはこれらに類似するシステム バナーによってデバイスで Cisco IOS ソフトウェアが稼働していることを確認できます。 その後ろにイメージ名が括弧の間に表示され、続いて "Version" と Cisco IOS ソフトウエア リリース名が表示されます。他のシスコ デバイスでは、show version コマンドが存在しなかったり、別の出力が表示されたりします。
次の例は、Cisco IOS ソフトウェア リリースが 15.2(4)M5、インストールされたイメージ名が C3900-UNIVERSALK9-M であるシスコ製品を示しています。
Router> show version
Cisco IOS Software, C3900 Software (C3900-UNIVERSALK9-M), 15.2(4)M5, RELEASE SOFTWARE (fc2)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2013 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Fri 13-Sep-13 16:44 by prod_rel_team!--- output truncated
Cisco IOSソフトウェアのリリース命名規則の追加情報は、『White Paper: Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』で確認できます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco ASA 5500シリーズ適応型セキュリティアプライアンスはこの脆弱性の影響を受けません。
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
Cisco IOS ソフトウェアおよび Cisco IOS XE ソフトウェアでは、IPv4 および IPv6 通信用 IKEv2 をサポートします。IKEv2 通信は次の UDP ポートを使用できます。
- UDP ポート 500
- UDP ポート 4500、ネットワーク アドレス変換(NAT)トラバーサル(NAT-T)
この脆弱性は、該当デバイスが特定の不正なIKEv2パケットを処理する方法に起因します。攻撃者は、影響を受けるデバイスに不正なIKEv2パケットを送信して処理させることで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。このエクスプロイトにより、攻撃者は該当システムのリロードを引き起こして、DoS 状態を発生させることができます。
Cisco IOSソフトウェアおよびCisco IOS XEソフトウェアでは、ISAKMPが有効になるとIKEv2が自動的に有効になりますが、この脆弱性は不正なIKEv2パケットを送信することによってのみ引き起こされます。
この脆弱性の原因となり得るものは IKEv2 パケットに限られます。
この不正利用により、Cisco IOSソフトウェアのリロードが引き起こされ、DoS状態が発生する可能性があります。
本脆弱性をエクスプロイトは、リストに掲載された UDP ポートのいずれかにおいて、IPv4 と IPv6 のどちらかを使用して起きる可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCui88426(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2014-2108が割り当てられています
回避策
修正済みソフトウェア
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
2014年2月、シスコは2005年から2010年の間に製造されたメモリコンポーネントに関する業界全体の問題の詳細を発表しました。これらのコンポーネントを使用するシスコ製品の大半で、フィールドでの故障率が予想レベルを下回っていますが、デバイスのリロードや電源の再投入によって、コンポーネントの障害が発生する可能性があります。この問題に関連する既知のセキュリティ上の影響はありませんが、影響を受ける製品のサブセットでは、ソフトウェアアップグレードプロセス中にメモリコンポーネントの障害が発生する可能性があります。アップグレードを決定する前に、関連情報と製品固有のField Notice(www.cisco.com/go/memory)を確認することを推奨します。各Field Noticeは、ソフトウェアのアップグレード中にメモリコンポーネントの障害が発生する可能性があるかどうかを示します。
Cisco IOS ソフトウェア
Cisco IOS Software Checkerは、Cisco IOSソフトウェアの脆弱性による影響を最も迅速に判断する方法です。 このツールを使用すると、特定のCisco IOSソフトウェアリリースに影響を与えるシスコセキュリティアドバイザリをすばやく特定できます。 ドロップダウンメニューからリリースを選択するか、ローカルシステムからファイルをアップロードすることで、検索を開始できます。このツールでは、show versionコマンドの出力を解析することもできます。結果は、過去に公開されたすべてのシスコセキュリティアドバイザリ、特定の資料、または2014年3月のバンドル資料のすべてのアドバイザリを検索してカスタマイズできます。
また、次のCisco IOSソフトウェアの表を使用して、問題の発生の有無を確認することもできます。 各行はCisco IOSソフトウェアリリースに対応しています。特定のリリースに脆弱性が存在する場合、その修正を含む最も古いリリースが2列目に表示されます。3列目には、このCisco IOSソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開のすべての脆弱性を修正する最初のリリースを記載しています。
展開して修正済みソフトウェアの詳細情報を表示
Cisco IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェア リリースへの Cisco IOS XE ソフトウェア リリースのマッピングについては、「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、および「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。Cisco IOS XE ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) | 2014年3月のCisco IOSソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドル公開に含まれるすべてのアドバイザリに対する最初の修正リリース |
---|---|---|
2.1.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
2.2.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
2.3.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
2.4.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
2.5.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
2.6.x | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.1.xS | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.1.xSG | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.2.xS | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 |
3.2xSE | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.2.xSG | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.2.xXO | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.2.xSQ | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.3.xS | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 |
3.3.xSE | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.3.xSG | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 |
3.3.xXO | 脆弱性あり、3.6.0Eに移行(2014年5月提供予定) | 脆弱性あり、3.6.0Eに移行(2014年5月提供予定) |
3.3.xSQ | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
3.4.xS | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 |
3.4.xSG | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 |
3.5.xS | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 | 脆弱性あり、3.5.2Eに移行してください。 |
3.5.xE | 3.5.2E | 3.5.2E |
3.6.xS | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.7.5S以降に移行してください。 |
3.6.xE | 脆弱性なし | 3.6.0E(2014年5月提供開始) |
3.7.xS | 3.7.5S | 3.7.5S |
3.8.xS | 脆弱性あり。3.10.1S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.10.2S以降に移行してください。 |
3.9.xS | 脆弱性あり。3.10.1S以降に移行してください。 | 脆弱性あり。3.10.2S以降に移行してください。 |
3.10.xS | 3.10.1S | 3.10.2S |
3.11.xS | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Cisco IOS XR ソフトウェア
Cisco IOS XRソフトウェアは、このアドバイザリで説明されている脆弱性の影響を受けません。推奨事項
不正利用事例と公式発表
この脆弱性は、シスコの社内セキュリティテストで発見されたものです。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 | 2014年3月26日 | 初回公開リリース |
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