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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、IPv4 ヘルパー アドレスに転送される UDP ブロードキャスト パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、該当デバイスに複数の UDP ブロードキャスト パケットを送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトは攻撃者により影響を受けたデバイス上でバッファリークを引き起こすことを可能にし、最終的に DoS 状態になり回復のために手動介入が必要となる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20180418-iosxr
該当製品
脆弱性のある製品
Cisco IOS XR ソフトウェアは、デフォルトでは IPv4 ヘルパー アドレスは有効化されていません。
DHCP リレー プロファイルのヘルパー アドレスと DHCPv6 リレー サービス構成は影響を受けません。
デバイスに IPv4 ペルパー アドレスが設定されているかを確認する方法
この脆弱性は、該当デバイスの少なくとも 1 つのインターフェイスに IPv4 ヘルパー アドレスが設定されている場合にのみ、不正利用が可能です。
以下に、show running-config | include ipv4 helper-address の出力例を示します:
RP/0/RSP0/CPU0:Router# show running-config | include ipv4 helper-address
Building configuration...
ipv4 helper-address vrf default 192.0.2.1
Cisco IOS XR ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco IOS XR ソフトウェア リリースとそれを実行しているデバイスの名前は、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを使用することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS XR ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco IOS XR Software 」などのテキストが表示されます。デバイスで現在実行しているシステム イメージ ファイルの場所と名前は、「System image file is」の横に表示されます。ハードウェア製品の名前はシステム イメージ ファイル名の次の行に表示されます。
次に、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 5.3.4 が実行されているデバイスでの show version コマンドの出力例を示します。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9001#show version Wed Jan 24 01:32:32.751 EST Cisco IOS XR Software, Version 5.3.4[Default] Copyright (c) 2017 by Cisco Systems, Inc. ROM: System Bootstrap, Version 2.04(20140227:092320) [ASR9K ROMMON], ASR9001 uptime is 6 hours, 17 minutes System image file is "bootflash:disk0/asr9k-os-mbi-5.3.4.sp4-1.0.0/0x100000/mbiasr9k-rp.vm" cisco ASR9K Series (P4040) processor with 8388608K bytes of memory. P4040 processor at 1500MHz, Revision 2.0 ASR-9001 Chassis 2 Management Ethernet 8 TenGigE 20 GigabitEthernet 8 DWDM controller(s) 8 WANPHY controller(s) 44 GigabitEthernet/IEEE 802.3 interface(s) 219k bytes of non-volatile configuration memory. 2880M bytes of hard disk. 3932144k bytes of disk0: (Sector size 512 bytes). Configuration register on node 0/RSP0/CPU0 is 0x2102
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
アクティブ RP のすべての利用可能 な SPP バッファの消費によりデバイスはルーティング プロトコル パケットを含むコントロール プレーン トラフィックがドロップし始めます。この問題が発生している間、デバイスに送信されるトラフィックと、ルーティング プロトコルから学習された情報に応じて、パス スルー トラフィックがドロップされ、DoS 状態が発生する可能性があります。動作を復旧するには、デバイスを手動でリロードする必要があります。
アクティブ RP の SPP バッファ使用率は、show spp buffers location CLI コマンドを使用してモニタすることができます。アクティブな RP は、show redundancy CLI コマンドで特定できます。
次の例は 0/RSP0/CPU0 デバイスがアクティブ RP ロールにおける show redundancy CLI コマンドの出力を示したものです:
RP/0/RSP0/CPU0:Router#show redundancy Redundancy information for node 0/RSP0/CPU0: ========================================== Node 0/RSP0/CPU0 is in ACTIVE role . . .
次の例は影響を受けたデバイス上で show spp buffer location 0/RSP0/CPU0 CLI コマンドの出力を示したものです:
RP/0/RSP0/CPU0:Router#show spp buffer location 0/RSP0/CPU0 SPP Buffer Analysis PID Buffers 0 15065 225413 41108 Total Buffers in use: 49138 Owned by clients/spp (of which plugins): 41108/8030 (0) . . .
Owned by clients バッファの継続的な増加は、バッファリークを示している可能性があります。
空きバッファの数は PID 0 と関連付けられるバッファの数から Owned by SPP バッファの数を引くことによって計算することができます。空きバッファ数が 8192 以下に減った場合、該当デバイスではコントロール プレーン パケットのドロップが開始されている可能性があります。前の例では、PID 0 と関連付けられるバッファの数は 15065 であり、 Owned by SPP バッファの数は 8030 あるため、空きバッファの数は 15065 - 8030 = 7035 です。セキュリティ侵害の痕跡
これらのメッセージが実際の不正利用を示すものかどうか最終的に確認するには、サポート担当者までお問い合わせください。RP/0/RSP0/CPU0:Feb 23 17:25:11.697 : netio[340]: %PKT_INFRA-spp-4-PKT_ALLOC_FAIL : Failed to allocate 1 packets for sending
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この脆弱性は、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 6.3.2 以降で修正されています。
この脆弱性に対処する Cisco アグリゲーション サービス ルータ(ASR) 9000 シリーズ用のソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)も提供されています。
IOS XR リリース | SMU ID | ASR 9000 SMU 名 |
5.3.4 | AA14136 |
asr9k-px-5.3.4.CSCvi35625.tar 1 |
6.1.4 | AA14137 |
asr9k-px-6.1.4.CSCvi35625.tar |
6.2.3 | AA14138 |
asr9k-px-6.2.3.CSCvi35625.tar |
1 注:Cisco IOS XRソフトウェアリリース5.3.4では、部分的な修正「asr9k-px-5.3.4.CSCvh49341.tar」を含むSMUが短期間利用可能でした。追加テストの後で、これは不完全な修正であることが確認されました。Cisco はこの SMU をインストールしたことがある顧客に対して、それをアンインストールし、表に記載されている完全な修正を含む新しい SMU をインストールすることを推奨します。
ASR 9000 シリーズ ルータ以外の Cisco IOS XR プラットフォームを使用しているか、または SMU が前の表にリストされていない Cisco IOS XR ソフトウェア リリースを実行しているお客様は、 IOS XR ソフトウェアをアップグレードするか、またはアップグレードオプションを評価するためにサポート ケースをオープンするように勧められます。
Cisco IOS XR ソフトウェアは Cisco.com の Software Center から、Downloads Home > Products > Routers > Service Provider Edge Routers または Service Provider Core Routers から適切な製品を選択し、IOS XR Software を選択することにより、ダウンロードすることができます。
Cisco ASR 9000 シリーズ ルータの SMU は Cisco.com の Software Center にある、Downloads Home > Products > Routers > Service Provider Edge Routers > ASR 9000 Series Aggregation Services Routers > ASR 9xxx Router > Software on Chassis > IOS XR Software Maintenance Upgrades (SMU) からダウンロードすることができます。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2018 年 4 月 18 日 |
利用規約
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