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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Mobility Express ソフトウェアを実行している Cisco Aironet 1800、2800、および 3800 へのセキュア シェル(SSH)アクセスにおけるデフォルト ユーザ アカウントの割り当てと管理の脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が該当のアクセス ポイントで権限を昇格させることができる可能性があります。
管理者が、デフォルト設定または SSH ユーザ名作成ウィザードを使用せずに、コントローラに直接ユーザ アカウントを追加した場合、該当ソフトウェアを実行している Cisco Mobility Express コントローラは、アクセス ポイントのデフォルトの SSH ユーザ アカウント(Mobility Express コントローラ向けとして作成されていたもの)を、最初の SSH ユーザ アカウントとして設定します。このユーザ アカウントは Mobility Express コントローラの読み取り専用権限を持ちますが、関連付けられているアクセス ポイントの管理者権限を持つことができる可能性があります。該当コントローラの有効なユーザ クレデンシャルを持つ攻撃者は、デフォルトの SSH ユーザ アカウントを使用して、SSH 経由で該当アクセス ポイントの認証を取得することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この不正利用に成功すると、攻撃者は管理者権限で該当アクセス ポイントにログインし、任意の管理アクションを実行できる場合があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20180502-aironet-ssh
該当製品
脆弱性のある製品
本脆弱性は、以下のシスコ製品に影響します。
- Cisco Mobility Express ソフトウェア リリース 8.2.121.0 ~ 8.5.105.0 を実行している Aironet 1800 シリーズ アクセス ポイント
- Cisco Mobility Express ソフトウェア リリース 8.3.102.0 ~ 8.5.105.0 を実行している Aironet 2800 シリーズ アクセス ポイント
- Cisco Mobility Express ソフトウェア リリース 8.3.102.0 ~ 8.5.105.0 を実行している Aironet 3800 シリーズ アクセス ポイント
ソフトウェア リリースの判別
Cisco Mobility Express コントローラおよび関連付けられているアクセス ポイントで実行されている Cisco Mobility Express ソフトウェア リリースは、管理者がコントローラの Web インターフェイスまたはアクセス ポイントの CLI を使用して確認できます。
コントローラの Web インターフェイスを使用する場合は、次を実行します。
- ブラウザを使用して、 Web インターフェイスにログインします。
- [管理(Management)] > [ソフトウェアアップデート(Software Update)] を選択します。
- ページ上部に表示されるリリース番号を参照します。
アクセス ポイントの CLI を使用する場合は、Telnet または SSH を使用してアクセス ポイントにログインし、show version コマンドを実行してその出力を参照します。次に、Cisco Mobility Express Software Release 8.3.111.0 を実行する Cisco Aironet 1852i アクセス ポイントでのコマンド出力例を示します。
AP# show version cisco AIR-AP1852I-UXK9 ARMv7 Processor rev 0 (v71) with 997184/525160K bytes of memory. Processor board ID RFDP2BCR021 AP Running Image : 8.3.111.0 Primary Boot Image : 8.3.111.0 Backup Boot Image : 8.1.106.33 AP Image type : MOBILITY EXPRESS IMAGE AP Configuration : MOBILITY EXPRESS CAPABLE .
.
.
ユーザ アカウントおよび権限の割り当て
Cisco Mobility Express 構成のユーザ アカウントを表示し、アクセス ポイントが脆弱かどうかを確認するには、管理者が Cisco Mobility Express コントローラにログインし、CLI で show mgmtuser コマンドを実行してその出力を確認します。
- 出力にリストされている最初のユーザ アカウントが admin で、そのアカウントが読み取り/書き込み権限を持っている場合、そのアクセス ポイントは脆弱ではありません。
- 出力にリストされている最初のユーザ アカウントが読み取り専用権限を持っているか、またはロビー アンバサダー管理者(lobby-admin)アカウントの場合、そのアクセス ポイントは脆弱です。
次に、脆弱ではない設定の場合のコマンド出力例を示します。
(wlc)> show mgmtuser
User Name Permissions Description Password Strength Telnet Capable
----------- ------------ --------------- ------------------ ----------
admin read-write Strong Yes
test read-write Strong Yes
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、Cisco Lightweight アクセス ポイント(AP)ソフトウェアまたは Cisco IOS ソフトウェアを実行する Cisco Aironet アクセス ポイントには影響を与えないことを確認済みです。また、この脆弱性がどの Cisco ワイヤレス コントローラ モデルまたは Cisco ワイヤレス LAN コントローラ モデルにも影響を与えないことを確認済みです。
回避策
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
カスタマーは、このセクションの表に沿って、適切なリリースへのアップグレードをおこなってください。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。これらも考慮した上、完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
- cisco-sa-20180502-aironet-ssh:Cisco Aironet 1800、2800、および3800シリーズアクセスポイントのセキュアシェル(SSH)における特権昇格の脆弱性
- cisco-sa-20180502-ap-ptp:Cisco Aironet 1810、1830、および1850シリーズアクセスポイントのポイントツーポイントトンネリングプロトコルにおけるDoS脆弱性
- cisco-sa-20180502-wlc-ip:CiscoワイヤレスLANコントローラのIPフラグメントリアセンブリにおけるDoS脆弱性
- cisco-sa-20180502-wlc-mfdos:CiscoワイヤレスLANコントローラ802.11管理フレームのDoS脆弱性
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェアのメジャー リリースを示します。中央の列が示すのは、本アドバイザリに記載された脆弱性によるメジャー リリースへの影響の有無、また、本脆弱性に対する修正を含む最初のマイナー リリースです。右の列は、メジャー リリースがこのコレクションのアドバイザリに記載した何らかの脆弱性に該当するかどうか、また、これらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示します。
Cisco Mobility Express Software Major Release | この脆弱性に対する最初の修正リリース | First Fixed Release for All Vulnerabilities Described in the Collection of Advisories |
---|---|---|
Prior to 8.0 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
8.0 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
8.1 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
8.2 | 8.5.110.0 1 | 8.5.120.0 |
8.3 | 8.5.110.0 2 | 8.5.120.0 |
8.4 | 8.5.110.0 | 8.5.120.0 |
8.5 | 8.5.110.0 | 8.5.120.0 |
8.6 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
8.7 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
1.この脆弱性は、リリース8.2.121.0 ~ 8.5.105.0を実行しているCisco Aironet 1800シリーズアクセスポイントにのみ影響を与えます。Cisco Aironet 2800 および 3800 シリーズ アクセス ポイントは、リリース 8.2.x を実行している場合、脆弱ではありません。
2.この脆弱性は、リリース8.3.102.0 ~ 8.5.105.0を実行しているCisco Aironet 2800および3800シリーズアクセスポイントにのみ影響を与えます。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2018 年 5 月 2 日 |
利用規約
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