Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Small Business スイッチ ソフトウェアの脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者に該当システムのユーザ認証メカニズムをバイパスされる可能性があります。
この脆弱性が存在する理由は、該当ソフトウェアにより、特定の状況でシステムの管理者への通知が行われずに特権ユーザのアカウントが有効になることにあります。攻撃者は、このアカウントを使用して該当デバイスにログインし、完全な管理者権限でコマンドを実行することで、この脆弱性を悪用する可能性があります。
シスコでは、本脆弱性に対処するソフトウェア アップデートをリリースしていません。このアドバイザリは、修正済みソフトウェアが入手可能になった時点でソフトウェアに関する情報を修正してアップデートされます。この脆弱性に対処するための回避策は 1 つあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20181107-sbsw-privacc
該当製品
脆弱性のある製品
レベル 15 に設定されたアクセス権限のあるユーザ アカウントがデバイスで設定されていない場合、この脆弱性は、任意のソフトウェア リリースを実行する次の Cisco Small Business 製品ファミリに影響を与えます。
- Cisco Small Business 200 シリーズ スマート スイッチ
- Cisco Small Business 300 シリーズ マネージド スイッチ
- Cisco Small Business 500 シリーズ スタッカブル マネージド スイッチ
- Cisco 250 シリーズ スマート スイッチ
- Cisco 350 シリーズ マネージド スイッチ
- Cisco 350X シリーズ スタッカブル マネージド スイッチ
- Cisco 550X シリーズ スタッカブル マネージド スイッチ
Cisco Small Business スイッチ ソフトウェア リリースの確認
デバイスで実行されている Cisco Small Business スイッチ ソフトウェア リリースを確認するには、CLI プロンプトで show version コマンドを使用します。たとえば、デバイスがソフトウェア バージョン 1.4.9.4 を実行している場合、コマンドの出力は次のようになります。
Switch# show version SW version 1.4.9.04 (date 20-Jul-2018 time 17:14:12)
デバイスの設定に権限レベル 15 のユーザ アカウントが存在するかどうかの確認
デバイスの設定に権限レベル 15 のユーザ アカウントが存在するかどうかを確認するには、CLI プロンプトで show running-config | include privilege 15 コマンドを使用します。出力が空の場合、デバイスにレベル15のアクセス権限を持つユーザアカウントが設定されていないことを示します。該当するソフトウェアリリースを実行している場合、そのデバイスは脆弱になります。
以下は、show running-config の出力例です。 | include privilege 15 コマンドの出力例を示します。
Switch# show running-config | include privilege 15 Switch#
以下は、show running-config の出力例です。 | include privilege 15 コマンドの出力例を示します。このデバイスは、脆弱ではありません。
Switch# show running-config | include privilege 15 username <user-ID> password encrypted <encrypted-password> privilege 15
注:ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっては、コマンドのパイプ(「|」)をサポートしていない場合があります。その場合は、show running-config コマンドをパイプなしで使用し、必要な設定行をスキャンしてください。
詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Cisco 200E シリーズ スマート スイッチ
- Cisco 220 シリーズ スマート スイッチ
また、この脆弱性が Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XE ソフトウェア、Cisco NX-OS ソフトウェアを実行するデバイスに影響を与えないことも確認しました。
詳細
Cisco Small Business スイッチは通常、スモール オフィス/ホーム オフィス(SOHO)ネットワーク環境内に展開されます。脆弱であるとされるデバイスのデフォルト設定には、初回ログイン時に使用され、システムから削除できないデフォルトの特権ユーザ アカウントが含まれます。管理者は、他のユーザ アカウントのアクセス権限をレベル 15 に設定することにより、このアカウントを無効にできます。ただし、ユーザが設定した権限レベル 15 のアカウントをデバイスの設定から削除すると、該当ソフトウェア リリースにより、システムの管理者に通知されることなく、デフォルトの特権ユーザ アカウントが再度有効化されます。こうした状況では、攻撃者がこのアカウントを使用して該当デバイスにログインし、完全な管理者権限でコマンドを実行できます。
注:デフォルトのユーザアカウントはソフトウェア内部のデータ構造で定義され、該当デバイスの実行コンフィギュレーションにもスタートアップコンフィギュレーションにも表示されません。
回避策
回避策としては、アクセス権限をレベル 15 に設定した 1 つ以上のユーザ アカウントをデバイスの設定に追加します。次に、ユーザ ID として admin を使用してアクセス権限をレベル 15 に設定し、<strong_password> の部分をユーザが選択した複雑なパスワードに置き換えてパスワードを定義することでアカウントを設定する方法の例を示します。このユーザ アカウントを追加すると、デフォルトの特権アカウントが無効になります。
Switch# configure terminal Switch(config)# username admin privilege 15 password <strong_password>
これで、show running-config | include privilege 15 によって次の出力が生成されます。
Switch# show running-config | include privilege 15 username admin password encrypted <encrypted-password> privilege 15
修正済みソフトウェア
シスコでは、本脆弱性に対処するソフトウェア アップデートをリリースしていません。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。ほとんどの場合
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処するソフトウェア アップデートを提供していません。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | 「脆弱性を含んでいないことが確認された製品」を更新 | 脆弱性が存在する製品 | Interim | 2019年1月16日 |
1.1 | 「デバイスの設定に権限レベル 15 のユーザ アカウントが存在するかどうかの確認」へのパイプについての注意事項を追加 | 脆弱性が存在する製品 | Interim | 2018-November-12 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Interim | 2018 年 11 月 7 日 |
利用規約
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