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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Catalyst 4500 シリーズ スイッチの Cisco IOS XE ソフトウェアでは、簡易仮想スイッチング システム(VSS)に含まれる脆弱性により、認証されていない隣接する攻撃者がスイッチをリロードさせる危険性があります。
この脆弱性は、簡易仮想スイッチング システムで使用される Cisco Discovery Protocol(CDP)パケットの処理時の不完全なエラー処理に起因します。細工された CDP パケットが攻撃者から送信されると、脆弱性をエクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトされた場合はデバイスがリロードされ、その結果サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190327-evss
このアドバイザリは、2019 年 3 月 27 日に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。このバンドルには、19 件の脆弱性に関して 17 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: March 2019 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行していて、かつ CDP が有効になっている Cisco Catalyst 4500/4500X シリーズ スイッチに影響を及ぼします。
脆弱性が存在するソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
スイッチの脆弱性は、次の 2 つの異なる設定で発現します。
- Cisco Catalyst 4500/4500X シリーズ デバイスで、CDP アプリケーション TLV によって CDP が有効になっている。
- 管理者が、簡易仮想スイッチングを使用して、スイッチの設定をスタンドアロン モードから仮想スイッチ モードに変換している。
CDP が有効になっているかどうかの確認
デバイスで Cisco Discovery Protocol の使用が有効になっているかどうかを確認するには、デバイス CLI で show cdp コマンドを使用します。このコマンドでは、グローバルな Cisco Discovery Protocol 情報が出力されます。プロトコルが無効になっている場合はその旨が示されます。次に、有効時と無効時の両方の例を示します。
Switch#show cdp Global CDP information: Sending CDP packets every 60 seconds Sending a holdtime value of 180 seconds Sending CDPv2 advertisements is enabled Switch# Switch#show cdp % CDP is not enabled Switch#
CDP アプリケーション TLV が有効になっているかどうかの確認
デフォルトでは、CDP アプリケーション TLV 処理が有効になっています。CDP アプリケーション TLV が無効になっているかどうかを確認するには、show running-config | include no cdp tlv app CLI コマンドを使用します。出力が空の場合は、CDP アプリケーション TLV の処理が有効になっています。出力が返される場合は、次の例に示すように、どのインターフェイスで CDP アプリケーション TLV 処理が無効になっているかが示されます。
Switch#show running-config | include no cdp tlv app no cdp tlv app no cdp tlv app no cdp tlv app Switch#
管理者が簡易仮想スイッチングを使用してスタンドアロン モードから仮想スイッチ モードに変換しているかどうかの確認
管理者がデバイスで switch convert mode easy-virtual-switch EXEC コマンドを発行すると、VSS として動作するためのスイッチの設定が開始されます。設定が完了すると、スイッチがリロードされます。このプロセスの一部として、スイッチがリロードされるまでに UDP ポート 5500 が開かれています。その際にリモートで脆弱性をエクスプロイトされる可能性があります。システムが VSS としてリロードされると、隣接する攻撃ベクトルのみがエクスプロイト可能になります。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco IOS XE ソフトウェア リリースは、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを実行し、表示されるシステム バナーを参照することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS XE ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco IOS Software」、「Cisco IOS XE Software」などのテキストが表示されます。
次に、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 16.2.1 が実行されていて、インストールされているイメージ名が CAT3K_CAA-UNIVERSALK9-M であるデバイスでのコマンドの出力例を示します。
ios-xe-device# show version
Cisco IOS Software, Catalyst L3 Switch Software (CAT3K_CAA-UNIVERSALK9-M), Version Denali 16.2.1, RELEASE SOFTWARE (fc1)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2016 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Sun 27-Mar-16 21:47 by mcpre
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Cisco IOS XE ソフトウェア リリースの命名と番号付けの規則に関する詳細は、『Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XR ソフトウェア、および Cisco NX-OS ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
セキュリティ侵害の痕跡
クラッシュが発生し、該当するトレースバックが生成される場合は、サポート部門に連絡してケースを作成し、脆弱性がエクスプロイトされているかご確認ください。IOSD-EXT-SIGNAL: Segmentation fault(11), Process = vss bringup
回避策
CDP アプリケーションのタイプ、長さ、値(TLV)の無効化
デフォルトでは、CDP アプリケーション TLV が有効になっています。CDP アプリケーション TLV を無効にすると、この脆弱性は軽減されます。デバイスでの CDP アプリケーション TLV の使用をグローバルに無効化するには、グローバル コンフィギュレーション CLI で no cdp tlv app コマンドを使用します。デバイスの特定のインターフェイスでの CDP アプリケーション TLV の使用を無効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション CLI で no cdp tlv app コマンドを使用します。
CDP アプリケーション TLV を無効にする前にそれらがデバイスで使用されているかどうかを確認するには、show cdp tlv app コマンドを使用します。コマンドが出力を返す場合は、CDP アプリケーション TLV をグローバルに無効にしないことをお勧めします。
CDP の無効化
CDP が必要ない場合、管理者はデバイスによる Cisco Discovery Protocol の使用を無効にすることができます。デバイスでのプロトコルの使用をグローバルに無効にするには、グローバル コンフィギュレーション CLI で no cdp run コマンドを使用します。デバイスの特定のインターフェイスでのプロトコルの使用を無効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション CLI で no cdp enable コマンドを使用します。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断するため、シスコは Cisco IOS Software Checker ツールを提供しています。このツールを使用すると、特定のソフトウェア リリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン リストからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコセキュリティアドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.comのCisco IOS Software Checkerを使用するか、以下のフィールドにCisco IOSまたはIOS XEソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2、3.13.8Sなど)を入力します。
デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアのチェックには、結果は、高セキュリティへの影響の評価 (サー) または重大な脆弱性にのみが含まれています。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com の Cisco IOS ソフトウェア チェッカーを使用して、[Impact Rating] ドロップダウン リストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
注:Cisco IOS XEソフトウェアリリース16.9.1以降では、アップグレードにはスマートライセンスが必要です。Cisco IOS XE をリリース 16.9.1 以降にアップグレードする予定がある場合は、スマート ライセンス要件を検討することをお勧めします。追加情報については、Smart Licensingのドキュメントを参照してください。不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 3 月 27 日 |
利用規約
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