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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS ソフトウェアのネットワーク アドレス変換 64(NAT64)機能に含まれる脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者がインターフェイス キューのウェッジ状態またはデバイスのリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、デバイスを介して送信される特定の IPv4 パケット ストリームの不適切な処理に起因します。攻撃者は、デバイスを介して特定の IPv4 パケット ストリームを送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。エクスプロイトにより、攻撃者がインターフェイス キューのウェッジ状態またはデバイスのリロードを引き起こし、その結果サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190327-nat64
このアドバイザリは、2019 年 3 月 27 日に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。このバンドルには、19 件の脆弱性に関して 17 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: March 2019 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、該当する Cisco IOS ソフトウェアのリリースを実行し、NAT64(ステートレスまたはステートフル)、変換によるアドレスとポートのマッピング(MAP-T)、またはカプセル化によるアドレスとポートのマッピング(MAP-E)のいずれかが設定されたデバイスに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco IOS ソフトウェア リリースの詳細については、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
NAT64 設定の確認管理者は、CLI で show running-config | include nat64 enable|nat64 map-t|nat64 map-e コマンドを使用することにより、NAT64(ステートレスまたはステートフル)、MAP-T、または MAP-Eのいずれかが設定されたデバイスを識別できます。コマンドの出力結果に nat64 が含まれている場合、デバイスに脆弱性が存在します。次の例は、NAT64 が有効になっているデバイスでのコマンドの出力を示しています。
Router#show running-config | include nat64 enable|nat64 map-t|nat64 map-e nat64 enable nat64 enable nat64 prefix stateless 2001:DB9:0:1::/96 nat64 route 192.1.1.0/24 GigabitEthernet0/1 Router#
Cisco IOS ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco IOS ソフトウェア リリースは、管理者がデバイスにログインして、CLI で show version コマンドを使用し、表示されるシステム バナーを参照することにより確認できます。デバイスが Cisco IOS ソフトウェアを実行している場合、システム バナーに「Cisco Internetwork Operating System Software」や「Cisco IOS Software」などのテキストが表示されます。バナーにはインストールされたイメージ名もカッコ内に表示され、その後ろに、Cisco IOS ソフトウェアのリリース番号とリリース名が表示されます。一部のシスコ デバイスでは、show version コマンドをサポートしていなかったり、別の出力が表示されたりします。
次に、Cisco IOS ソフトウェア リリース 15.5(2)T1 が実行されていて、インストールされているイメージ名が C2951-UNIVERSALK9-M であるデバイスでのコマンド出力例を示します。
Router> show version
Cisco IOS Software, C2951 Software (C2951-UNIVERSALK9-M), Version 15.5(2)T1, RELEASE SOFTWARE (fc1)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2015 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Mon 22-Jun-15 09:32 by prod_rel_team
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Cisco IOS ソフトウェア リリースの命名と番号付けの規則に関する詳細は、『Cisco IOS and NX-OS Software Reference Guide』を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco IOS XE ソフトウェア、Cisco IOS XR ソフトウェア、Cisco NX-OS ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
キュー ウェッジの詳細や Cisco IOS ソフトウェアでブロックされたインターフェイスを特定するために使用できる検出方法については、このアドバイザリの「回避策」セクションを参照してください。シスコのセキュリティ ブログに記載されている「Cisco IOS Queue Wedges Explained」も参照してください。
エクスプロイトされた場合でも、エクスプロイト トラフィックの送信元を特定でき、かつこのトラフィックが脆弱なデバイスに継続して到達しないようにブロックできる場合、管理者がインターフェイスから CLI コンフィギュレーション コマンド hold-queue <number> in を入力することで、ルータがリロードされるまでの保持キューを増やせます。この例を、次に示します。
Router#conf t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Router(config)#inte gigabitEthernet 1 Router(config-if)#hold Router(config-if)#hold-queue 350 in Router(config-if)#end Router#
セキュリティ侵害の痕跡
Router#show interface | include Input queue: Input queue: 76/75/180/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
この脆弱性におけるキー ウェッジのエクスプロイトは、次の方法で識別できます。
組み込みイベント マネージャ
脆弱性のある Cisco IOS デバイス上で、Tool Command Language(TCL)に基づく組み込みイベント マネージャ(EEM)ポリシーを利用すると、この脆弱性によって引き起こされたインターフェイス キュー ウェッジを識別して、検出することができます。このポリシーによって、管理者は Cisco IOS デバイスのインターフェイスをモニタできるほか、インターフェイス入力キューがいっぱいになると、それを検出できます。Cisco IOS EEM がこの脆弱性によるエクスプロイトの可能性を検出すると、それに反応してポリシーがネットワーク管理者にアラートを送信します。それを受けて管理者は、入力キューをクリアするためにデバイスのアップグレード、適切な移行、またはリロードどの手段を行うか判断できます。
Tclスクリプトは、Cisco Beyond: Embedded Event Manager(EEM)Scripting Community(https://supportforums.cisco.com/docs/DOC-19337)からダウンロードできます。
詳細については、シスコのセキュリティ ブログに記載されている「Cisco IOS Queue Wedges Explained」を参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco IOS Software Checker ツールを提供しています。このツールにより、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン リストからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコセキュリティアドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.comのCisco IOS Software Checkerを使用するか、次のフィールドにCisco IOSソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2)を入力します。
デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアのチェックには、結果は、高セキュリティへの影響の評価 (サー) または重大な脆弱性にのみが含まれています。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com の Cisco IOS ソフトウェア チェッカーを使用して、[Impact Rating] ドロップダウン リストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 3 月 27 日 |
利用規約
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