High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XE ソフトウェアの統合脅威防御(UTD)で脆弱性が確認されました。認証されていないリモートからの攻撃者によって、標的デバイスにおいてリロードが引き起こされる危険性があります。
この脆弱性は、UTD 機能による IPv6 パケットの不適切な検証に起因します。UTD が設定されている標的デバイスを通して IPv6 トラフィックを送信することで、エクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はデバイスのリロードを引き起こし、その結果サービス妨害(DoS)状態に陥る危険性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190925-utd
このアドバイザリは、2019 年 9 月 25 日に公開された Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ資料の一部です。この資料には、13 件の脆弱性に関する 12 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが記載されています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: September 2019 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
デバイスのインターフェイスで IPv6 アドレスを持つ UTD が有効になっており、またCisco UTD の Snort IPS 機能、Cisco UTD の URL ベースのフィルタリング機能の一方または両方が有効になっている場合、この脆弱性は Cisco IOS XE ソフトウェアに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco IOS XE ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
UTD が有効になっているインターフェイスの確認
UTD が有効になっているインターフェイスを確認するには、管理者がデバイスにログインして、show platform software utd interfaces CLI コマンドを実行します。コマンドの実行結果では、UTD が有効になっているインターフェイスのリストが返されるか、または UTD によって保護されているインターフェイスがないことが示されます。以下は、インターフェイス GigabitEthernet1 で UTD が有効になっているデバイスの出力例です。
Router#show platform software utd interfaces
UTD interfaces
GigabitEthernet1
Router#
show platform software utd interfaces コマンドの出力でエラーが返された場合、または UTD によって保護されているインターフェイスがないことが示された場合、そのデバイスはこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けません。デバイスが脆弱性の影響を受ける場合、管理者は UTD 対応の各インターフェイスに対して、IPv6 が有効になっているかどうかを確認する必要があります。
IPv6 が有効かどうかの確認
管理者は、CLI で show ipv6 interface brief コマンドを使用して、IPv6 アドレスを割り当てたインターフェイスを特定できます。以下は、IPv6 が有効になっているデバイスでコマンドを実行した場合の出力例です。
デバイスで実行されているソフトウェア リリースで IPv6 がサポートされていない場合、show ipv6 interface brief コマンドを使用するとエラー メッセージが生成されます。デバイスで IPv6 が有効になっていない場合に、show ipv6 interface brief コマンドを使しても、IPv6 アドレスを使用するインターフェイスは表示されません。どちらのシナリオのデバイスも、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けません。UTD 対応のインターフェイスのいずれかで IPv6 が有効になっている場合、管理者は UTD 機能(Snort IPS または URL ベースのフィルタリングのいずれか)が有効になっているかどうかを確認する必要があります。Router#show ipv6 interface brief
. . GigabitEthernet1 [Up/Up] fe80::212:daff:fe62:c150 2001:DB8::1
Snort IPS または URL ベースのフィルタリング設定が有効になっているかどうかの確認
Snort IPS または URL ベースのフィルタリング機能がデバイスで有効になっているかどうかを確認するには、管理者がデバイスにログインして、show utd engine standard status CLI コマンドを実行します。
UTD ID/IPS とURL フィルタリングがともに無効であると返される場合、または出力が返されない場合、Snort IPS や URL ベースのフィルタリング機能が無効のデバイスであるため、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けません。UTD がデバイスで稼働中のソフトウェア リリースによってサポートされない場合、show utd engine standard status コマンドを実行するとエラー メッセージが返され、そのデバイスはこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けません。
次の例に示すような実行結果が返される場合、Snort IPS 機能と URL ベースのフィルタリング機能の一方または両方が設定されたデバイスです。そのような場合、デバイスはこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けます。
Router-IOSXE#show utd engine standard status
Engine version : 1.0.11_SV2983_XE_16_3
Profile : URLF-Low
System memory :
Usage : 8.90 %
Status : Green
Number of engines : 1
Engine Running CFT flows Health Reason
=======================================================
Engine(#1): Yes 0 Green None
=======================================================
Overall system status: Green
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XR ソフトウェア、および Cisco NX-OS ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断するため、シスコは Cisco IOS Software Checker ツールを提供しています。このツールを使用すると、特定のソフトウェア リリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン リストからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコセキュリティアドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.comのCisco IOS Software Checkerを使用するか、以下のフィールドにCisco IOSまたはIOS XEソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2、3.13.8Sなど)を入力します。
デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアのチェックには、結果は、高セキュリティへの影響の評価 (サー) または重大な脆弱性にのみが含まれています。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com の Cisco IOS ソフトウェア チェッカーを使用して、[Impact Rating] ドロップダウン リストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 9 月 25 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。