High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XR ソフトウェアの Intermediate System to Intermediate System(IS-IS)ルーティングプロトコル機能の実装の脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が IS-IS プロセスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、IS-IS プロセスによる特定のオブジェクト識別子(OID)に対する Simple Network Management Protocol(SNMP)要求の不適切な処理に起因します。攻撃者は、該当デバイスに巧妙に細工された SNMP 要求を送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は IS-IS プロセスで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20200122-ios-xr-dos
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、6.6.3、7.0.2、7.1.1、または 7.2.1 より前の Cisco IOS XR ソフトウェアリリースを実行中で、IS-IS ルーティングプロトコルと SNMP バージョン 1、2c、または 3 の両方で設定されているシスコ デバイスに影響します。
シスコでは、この脆弱性が Cisco IOS XR 32 ビット ソフトウェアと Cisco IOS XR 64 ビット ソフトウェアの両方に影響を与えることを確認しました。
デバイスの設定に脆弱性があるかどうかの確認
デバイスが IS-IS ルーティング向けに設定されているかどうかを判断するため、管理者は、CLI で show running-config router isis EXEC コマンドを使用できます。デバイスが IS-IS ルーティング用に設定されている場合、このコマンドは出力を返します。次の例は、IS-IS ルーティング用に設定されたデバイスでの show running-config router isis コマンド の部分的な出力を示しています。
#show running-config router isis
router isis {isp}
is-type level-2-only
...
デバイスが SNMP 用に設定されているかどうかを判断するには、管理者は CLI で show running-config snmp EXEC コマンドを使用できます。デバイスが SNMP 用に設定されている場合、このコマンドは出力を返します。次の例は、SNMP 用に設定されたデバイスでの show running-config snmp コマンドの部分的な出力を示しています。デバイスが脆弱になるには、SNMP の 1 つのバージョンのみを設定する必要があります。この脆弱性は SNMP クエリを介してトリガーされますが、設定は読み取り用または書き込み用にできます。
SNMPv1
#show running-config snmp
snmp-server community {public ro}
...
SNMPv2
#show running-config snmp
snmp-server group {SNMP_GROUP1} v2c
...
SNMPv3
#show running-config snmp
snmp-server view {SNMP_VIEW1 1.3.6.1.2.1.1.5 included}
snmp-server group {SNMP_GROUP1} v3 {auth read SNMP_VIEW1}
...
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
- Cisco IOS XR7-LNT ソフトウェア
- Cisco NX-OS ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、管理者は次の緩和策のいずれかを実行することを選択できます。
SNMPの無効化:この脆弱性は、特別なMIB OID範囲のSNMPクエリーを実行することによって不正利用されます。SNMP が無効になっている場合、この脆弱性は悪用されません。デバイスで SNMP が有効になっている場合にこの脆弱性を緩和するには、Cisco TAC に連絡して OID のサポートを受けてください。
アクセスコントロールリストの設定:管理者は、SNMPコミュニティにアクセスコントロールリスト(ACL)を設定して着信SNMP要求をフィルタリングし、信頼できるSNMPクライアントによってのみSNMPクエリが実行されるようにすることもできます。ACL の設定については、『Cisco IOS デバイスの強化に関するシスコガイド』を参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この脆弱性は、Cisco IOS XR ソフトウェア リリース 6.6.3 で修正されています。シスコは、Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 7.0.2、7.1.1、および 7.2.1 のこの脆弱性も修正する予定です。
次の表に示すように、適切な SMU をインストールすることをお勧めします。他のプラットフォームおよびリリースに SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
IOS XR リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
4.3.2 | XR12000 | c12k-4.3.2.CSCvr62342 |
5.2.5 |
NCS6K |
ncs6k-5.2.5.CSCvr62342 |
6.1.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.1.2 CSCvr62342 |
6.1.3 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.1.3.CSCvr62342 |
6.1.3 |
NCS5K |
ncs5k-6.1.3.CSCvr62342 |
6.1.3 |
NCS5500 |
ncs5500-6.1.3.CSCvr62342 |
6.1.4 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.1.4.CSCvr6234 |
6.1.4 |
CRS-PX |
hfr-px-6.1.4.CSCvr62342 |
6.1.4 |
NCS5500 |
ncs5500-6.1.4.CSCvr62342 |
6.1.4 |
NCS5K |
ncs5k-6.1.4.CSCvr62342 |
6.1.4 |
XRV9K |
xrv9k-6.1.4.CSCvr62342 |
6.2.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.2.2 CSCvr62342 |
6.2.2 |
NCS6K |
ncs6k-6.2.2.CSCvr62342 |
6.2.25 |
NCS5K |
ncs5k-6.2.25.CSCvr62342 |
6.2.25 |
NCS6K |
ncs6k-6.2.25.CSCvr62342 |
6.2.3 |
NCS5K |
ncs5k-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
CRS-PX |
hfr-px-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
NCS5500 |
ncs5500-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
XRV9K |
xrv9k-6.2.3.CSCvr62342 |
6.2.3 |
NCS6K |
ncs6k-6.2.3.CSCvr62342 |
6.3.15 |
NCS5500 |
ncs5500-6.3.15.CSCvr62342 |
6.3.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.3.2.CSCvr62342 |
6.3.2 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.3.2.CSCvr62342 |
6.3.3 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.3.3.CSCvr62342 |
6.3.3 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.3.3.CSCvr62342 |
6.3.3 |
NCS5K |
ncs5k-6.3.3.CSCvr62342 |
6.3.3 |
NCS540 |
ncs540-6.3.3.CSCvr62342 |
6.3.3 |
NCS5500 |
ncs5500-6.3.3.CSCvr62342 |
6.3.3 | NCS6K | ncs6k-6.3.3.CSCvr62342 |
6.4.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.4.2.CSCvr62342 |
6.4.2 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.4.2.CSCvr62342 |
6.4.2 |
CRS-PX |
hfr-px-6.4.2.CSCvr62342 |
6.4.2 |
NCS5K |
ncs5k-6.4.2.CSCvr62342 |
6.4.2 |
NCS6K |
ncs6k-6.4.2.CSCvr62342 |
6.4.2 |
XRV9K |
xrv9k-6.4.2.CSCvr62342 |
6.5.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.5.2.CSCvr62342 |
6.5.2 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.5.2.CSCvr62342 |
6.5.2 |
NCS5K |
ncs5k-6.5.2.CSCvr62342 |
6.5.2 |
NCS5500 |
ncs5500-6.5.2.CSCvr62342 |
6.5.3 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.5.3.CSCvr62342 |
6.5.3 |
NCS5500 |
ncs5500-6.5.3.CSCvr62342 |
6.5.3 |
NCS540 |
ncs540-6.5.3.CSCvr62342 |
6.5.3 |
NCS5K |
ncs5k-6.5.3.CSCvr62342 |
6.5.3 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.5.3.CSCvr62342 |
6.5.3 |
XRV9K |
xrv9k-6.5.3.CSCvr62342 |
6.6.1 |
NCS5500 |
ncs5500-6.6.1.CSCvr62342 |
6.6.2 |
ASR9K-PX |
asr9k-px-6.6.2.CSCvr62342 |
6.6.2 |
ASR9K-X64 |
asr9k-x64-6.6.2.CSCvr62342 |
6.6.2 |
XRV9K |
xrv9k-6.6.2.CSCvr62342 |
6.6.25 |
NCS5500 |
ncs5500-6.6.25.CSCvr62342 |
6.6.25 |
NCS540 |
ncs540-6.6.25.CSCvr62342 |
6.6.25 | NCS560 |
ncs560-6.6.25.CSCvr62342 |
Cisco.com の Software Center からソフトウェアをダウンロードするには、次の手順を実行します。
- [すべてを参照(Browse All)] をクリックします。
- [IOSおよびNX-OSソフトウェア(IOS and NX-OS Software)] > [IOS XR] > [IOS XRソフトウェア(IOS XR Software)] > [オプティカルネットワーキング(Optical Networking)] または [ルータ(Routers)] を選択します。
- 製品セレクタの右ペインから特定の製品およびモデルを選択します。
- 製品ページの左ペインからリリースを選択します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | 最新の SMU を追加するため、「修正済みリリース」の表を更新 | 修正済みリリース | Final | 2020 年 2 月 19 日 |
1.1 | ドキュメント全体で、半角ダッシュをハイフンに変更。コンテンツの変更なし。 | 件名、概要、および脆弱性のある製品 | Final | 2020 年 2 月 04 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 1 月 22 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。