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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IP 電話に実装された Cisco Discovery Protocol で脆弱性が確認されました。認証されていない隣接する攻撃者が、ルート権限でリモートからコードを実行、あるいは該当 IP 電話のリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Discovery Protocol のメッセージを処理するときにチェックが行われないことに起因します。細工された Cisco Discovery Protocol パケットが標的となる IP フォンに送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はルート権限でリモートからコードを実行したり、該当 IP フォンのリロードを引き起こしたりできるようになります。その結果、サービス妨害(DoS)状態に陥る可能性があります。
注:Cisco Discovery Protocolはレイヤ2プロトコルです。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスと同じブロードキャストドメイン内に存在する(レイヤ 2 と隣接関係にある)必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20200205-voip-phones-rce-dos
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、次の Cisco IP 電話で Cisco Discovery Protocol が有効になっていて1 、かつ脆弱性のあるファームウェアリリースを実行している場合です。
- IP Conference Phone 7832
- IP Conference Phone 7832 マルチプラットフォーム ファームウェア
- IP Conference Phone 8832
- IP Conference Phone 8832 マルチプラットフォーム ファームウェア
- IP Phone 6821、6841、6851、6861、6871 マルチプラットフォーム ファームウェア
- IP Phone 7811、7821、7841、7861 デスクトップフォン
- IP Phone 7811、7821、7841、7861 デスクトップフォン(マルチプラットフォーム ファームウェア搭載)
- IP Phone 8811、8841、8851、8861、8845、8865 デスクトップフォン
- IP Phone 8811、8841、8851、8861、8845、8865 デスクトップフォン(マルチプラットフォーム ファームウェア搭載)
- Unified IP Conference Phone 8831
- サードパーティコール制御向け Unified IP Conference Phone 8831
- Wireless IP Phone 8821、8821-EX
脆弱性が存在するソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- ATA 190 アナログ電話アダプタ
- ATA 191 Analog Telephone Adapter
- ATA 192 マルチプラットフォーム アナログ電話アダプタ
- IP DECT 6825 マルチプラットフォーム ファームウェア
- SPA112 2 ポート電話アダプタ
- SPA122 ルータ内蔵 ATA
- SPA2102 ルータ内蔵電話アダプタ
- SPA232D Multi-Line DECT ATA
- Small Business SPA300 シリーズ IP フォン
- Small Business SPA500 シシリーズ IP フォン
- SPA3102 ルータ内蔵音声ゲートウェイ
- SPA8000 8 ポート IP テレフォニーゲートウェイ
- SPA8800 IP テレフォニーゲートウェイ(4 FXS ポートと 4 FXO ポートを内蔵)
- Unified IP Phone 6901
- Unified IP Phone 7942
- Unified IP Phone 7945
- Unified IP Phone 7962
- Unified IP Phone 7965
- Unified IP Phone 7975
- Unified SIP Phone 3905
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示すように、該当する修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco IP Phone モデル |
Cisco Bug ID |
First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|---|
IP Conference Phone 7832 |
CSCvr96069 | 12.7(1) |
IP Conference Phone 7832 マルチプラットフォーム ファームウェア |
CSCvr96060 |
11.3(1)SR1 |
IP Conference Phone 8832 | CSCvr96071 | 12.7(1) |
IP Conference Phone 8832 マルチプラットフォーム ファームウェア | CSCvr96064 | 11.3(1)SR1 |
IP Phone 6821、6841、6851、6861、6871 マルチプラットフォーム ファームウェア | CSCvr96065、 CSCvr96067 |
11.3(1)SR1 |
IP Phone 7811、7821、7841、7861 デスクトップフォン | CSCvr96739 | 12.7(1) |
IP Phone 7811、7821、7841、7861 デスクトップフォン(マルチプラットフォーム ファームウェア搭載) | CSCvr96063 |
11.3(1)SR1 |
IP Phone 8811、8841、8851、8861、8845、8865 デスクトップフォン | CSCvr96066、 CSCvr96069 | 12.7(1) |
IP Phone 8811、8841、8851、8861、8845、8865 デスクトップフォン(マルチプラットフォーム ファームウェア搭載) | CSCvr96058、 0.CSCvr96059 |
11.3(1)SR1 |
Unified IP Conference Phone 8831 | CSCvr96738 | 10.3(1)SR6(2020 年 3 月リリース予定) |
サードパーティコール制御向け Unified IP Conference Phone 8831 | CSCvr96057 | 現時点では、使用可能な修正済みファームウェアはありません。 |
Wireless IP Phone 8821 および 8821-EX | CSCvr96070 |
11.0(5)SR2 |
Cisco.com の Software Center から Cisco IP 電話のファームウェアをダウンロードするには、次の手順を実行します。
- [すべてを参照(Browse All)] をクリックします。
- [コラボレーション エンドポイント(Collaboration Endpoints)] > [IP フォン(IP Phones)] を選択します。
- 製品セレクタの右ペインから特定の製品を選択します。
- 製品ページの左ペインからリリースを選択します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、この脆弱性の公表を確認しています。このアドバイザリで説明されている脆弱性の悪用に関する情報は Cisco PSIRT に寄せられていません。
出典
シスコは、この脆弱性を発見し報告してくださった Armis 社のリサーチ担当 VP、Ben Seri 氏に謝意を表します。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.4 | 脆弱性が存在しない製品として、Cisco ATA 190 アナログ電話アダプタを追加。 | 脆弱性が存在しない製品 | Final | 2020 年 2 月 25 日 |
1.3 | 脆弱性が存在しないことが確認されたデバイスとして、Cisco Unified SIP Phone 3905 および Cisco Unified IP Phone 6901 を追加。 | 脆弱性が存在しない製品 | Final | 2020 年 2 月 20 日 |
1.2 | Cisco ATA191 および ATA 192 製品は脆弱性が存在しないことを追記。7900 シリーズの内、脆弱性が存在しないことが確認されたモデルを記載。 | 脆弱性が存在しない製品 | Final | 2020 年 2 月 14 日 |
1.1 | Cisco Unified IP Phone 7900 シリーズには脆弱性が存在しないことを追記。 | 脆弱性が存在しない製品 | Final | 2020 年 2 月 11 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 2 月 5 日 |
利用規約
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