High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XE ソフトウェアの Web UI における脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が、影響を受けるデバイスの基盤となるオペレーティングシステムでルート権限を使用して、任意のコマンドを実行する可能性があります。
この脆弱性は、入力のサニタイズが不適切であることに起因します。攻撃者は、影響を受けるデバイスの Web UI に巧妙に細工されたファイルをアップロードして、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は該当デバイス上でルート権限を使用して、任意のコマンドを注入して実行する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-web-cmdinj3-44st5CcA
このアドバイザリは、2020 年 6 月 3 日に公開された 25 件の脆弱性に関する 23 件のシスコ セキュリティ アドバイザリを含む Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリの全リストとそのリンクについては、『シスコイベントレスポンス: Cisco IOSおよびIOS XEソフトウェアに関するセキュリティアドバイザリ公開資料(半年刊、2020年6月)』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
HTTP サーバ機能が有効になっている場合、この脆弱性は、Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行しているシスコ デバイスに影響を及ぼします。
注:HTTPサーバ機能のデフォルトの状態はリリースによって異なります。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
HTTP サーバ設定の確認
HTTP サーバ機能がデバイスで有効かどうかを確認するには、管理者がデバイスにログインして CLI で show running-config | include ip http server|secure|active コマンドを使用して、グローバル コンフィギュレーションに ip http server コマンドまたは ip http secure-server コマンドがあるかどうかを確認します。どちらかのコマンドが含まれ、設定されている場合は、HTTP サーバ機能が有効です。
以下に、show running-config | include ip http server|secure|active コマンドの出力を示しています。
Router# show running-config | include ip http server|secure|active
ip http server
ip http secure-server
注:デバイス設定にどちらかのコマンドまたは両方のコマンドが含まれている場合は、Web UI機能が有効になっています。
ip http server コマンドが存在し、設定に ip http active-session-modules none も含まれている場合、脆弱性が HTTP 経由でエクスプロイトされることはありません。
Ip http secure-server コマンドが存在し、設定に ip http secure-active-session-modules none が含まれている場合、脆弱性が HTTPS 経由でエクスプロイトされることはありません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
- Wireless LAN Controller ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
ただし、HTTP サーバ機能を無効にすると、この脆弱性に対する攻撃ベクトルが排除されるため、影響を受けるデバイスのアップグレードが可能になるまでの適切な軽減策となる可能性があります。管理者は、グローバル コンフィギュレーション モードで no ip http server または no ip http secure-server コマンドを使用して、HTTP サーバ機能を無効にすることができます。ip http serverおよび ip http secure-server の両方が使用されている場合、HTTP サーバ機能を無効にするには両方のコマンドが必要です。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定のソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、15.1(4)M2や3.13.8SなどのCisco IOSまたはIOS XEソフトウェアリリースを入力して、そのリリースがCisco Security Advisoryの影響を受けるかどうかを判断する場合にも、次のフォームを使用できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 6 月 3 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。