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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Catalyst 3650、Cisco Catalyst 3850、Cisco Catalyst 9300、および Cisco Catalyst 9300L シリーズ スイッチで動作する Cisco IOS XE ソフトウェアの高速リロード機能にある複数の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、基盤となるオペレーティングシステムで任意のコードを実行したり、悪意のあるソフトウェアイメージをインストールして起動したり、該当デバイスで署名されていないバイナリを実行したりする可能性があります。
これらの脆弱性は、システムブートルーチンによって実行されるチェックが不適切なことに起因します。これらの脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者にはデバイスの CLI への特権アクセスが必要です。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は基盤となるオペレーティングシステムで任意のコードを実行するか、または署名されていないコードを実行して、セキュアブートプロセスのイメージ検証チェック部分をバイパスする可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-fast-Zqr6DD5
このアドバイザリは、2021 年 3 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: March 2021 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は、Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行している Cisco Catalyst 3650、Cisco Catalyst 3850、CiscoCatalyst 9300、および Cisco Catalyst 9300L シリーズ スイッチに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、これらの脆弱性が次のシスコ製品に影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
これらの脆弱性の詳細については、次のとおりです。
CVE-2021-1375:Cisco IOS XEソフトウェアの高速リロードにおける任意のコード実行の脆弱性
Cisco Catalyst 3650、Cisco Catalyst 3850、Cisco Catalyst 9300、および Cisco Catalyst 9300L シリーズ スイッチで実行される Cisco IOS XE ソフトウェアの高速リロード機能の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、システムの起動時に署名されていないコードを実行する可能性があります。
この脆弱性は、デバイスの起動時に実行される構成ファイルに渡されるパラメータの不正確な検証に起因します。攻撃者は、デバイスに保存されている構成ファイルを改ざんすることで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は起動時に署名されていないコードを実行し、該当デバイスのセキュアブートプロセスのソフトウェアイメージ検証チェック部分をバイパスする可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvr71885
CVE ID:CVE-2021-1375
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:6.7
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
CVE-2021-1376:Cisco IOS XEソフトウェアの高速リロードにおける任意のコード実行の脆弱性
Cisco Catalyst 3650、Cisco Catalyst 3850、Cisco Catalyst 9300、および Cisco Catalyst 9300L シリーズ スイッチで実行される Cisco IOS XE ソフトウェアの高速リロード機能の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、該当デバイスの基盤となるオペレーティングシステムで任意のコードを実行する可能性があります。
この脆弱性は、初期の高速リロードブートプロセス中にブート構成ファイルの検証を管理するコード領域のチェックが不適切であることに起因します。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者にはデバイスの CLI への特権アクセスが必要です。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は基盤となるオペレーティングシステムで任意のコマンドを実行する可能性があります。
バグID:CSCvu85472
CVE ID:CVE-2021-1376
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:5.1
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:L/I:H/A:N
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定のソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次の形式を使用して、Cisco IOS または IOS XE ソフトウェアリリース(15.1(4)M2 や 3.13.8S など)を入力することで、そのリリースがシスコ セキュリティ アドバイザリの影響を受けているかどうかを判断できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
これらの脆弱性は、内部セキュリティテストの実施中に、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の X.B.、およびシスコの Victor Kamensky によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 影響を受ける製品として Catalyst 3650 スイッチが追加されました。 | 概要、脆弱性のある製品、詳細 | Final | 2021-MAR-31 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 3 月 24 日 |
利用規約
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