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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco NX-OS ソフトウェアのネットワークスタックにおける脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、該当デバイス宛ての特定の IPv6 パケットを処理する際に、ソフトウェアが不適切にリソースを解放するために発生します。攻撃者は、細工された複数の IPv6 パケットを該当デバイスに送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。エクスプロイトが成功すると、ネットワークスタックで使用可能なバッファが使い果たされて、コントロール プレーン プロトコルと管理プレーンプロトコルの動作が損なわれ、DoS 状態に陥ることがあります。該当デバイスの通常動作を復元するには、手動による介入が必要です。
この脆弱性の影響の詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」のセクションを参照してください。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-nxos-ipv6-netstack-edXPGV7K
このアドバイザリは、2021 年 2 月に公開された Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: February 2021 Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、脆弱性が存在する Cisco NX-OS ソフトウェアリリースを実行していて、少なくとも 1 つのインターフェイスに IPv6 アドレスまたは ipv6 forward が設定されている次のシスコ製品です。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ(CSCvu11961)
- Nexus 5500 プラットフォームスイッチ(CSCvu11961)
- Nexus 5600 プラットフォームスイッチ(CSCvu11961)
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ(CSCvu11961)
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ(CSCvu11961)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ(CSCvu11961)
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト(CSCvu77380)
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
Cisco NX-OS ソフトウェアの IPv6 のステータスを確認する
デバイスが着信 IPv6 パケットを受け入れるかどうかを判断するには、デバイスの CLI で show ipv6 interface brief vrf all コマンドを使用します。次の例に示すように、少なくとも 1 つのインターフェイスから IPv6 インターフェイスステータスが返される場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受ける可能性があります。
Switch# show ipv6 interface brief vrf all
IPv6 Interface Status for VRF "default"(1)
Interface IPv6 Address/Link-local Address Interface Status
prot/link/admin
Eth1/65 2001:db8:1:f101::1 up/up/up
fe80::23a:7dff:fe95:d071
IPv6 Interface Status for VRF "management"(2)
Interface IPv6 Address/Link-local Address Interface Status
prot/link/admin
注:Cisco NX-OSソフトウェアでは、デフォルトでIPv6アドレスは有効になっていません。Nexus デバイスのインターフェイスには、ipv6 address [...] または ipv6 link-local [...] CLI 設定コマンドを使用して IPv6 アドレスを設定できます。また、ipv6 forward CLI 設定コマンドを使用すると、IPv6 アドレスが設定されていない場合でもインターフェイスで IPv6 パケットを受け入れることができます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
この脆弱性は、netstack として知られる Cisco NX-OS ソフトウェアのネットワークスタックにおいてバッファが適切に解放されないことに起因しています。該当デバイスは、使用可能なバッファを使い果たすと、複数の管理プレーンプロトコルとコントロール プレーン プロトコル(ルーティングプロトコルを含む)の着信パケットの処理を停止します。その結果、該当デバイスでこれらのプロトコルが正常に動作しなくなり、トラフィックに影響を与え、DoS 状態を引き起こすことになる動作障害が発生する可能性があります。影響は、デバイス上の特定のプラットフォームやソフトウェアリリースによって異なる場合があります。通常動作を回復するには、デバイスを手動でリロードする必要があります。
この脆弱性をエクスプロイトするには、IPv6トラフィックを該当デバイス宛てに送信する必要があります。該当デバイスを通過するトラフィックを使用して、この脆弱性をエクスプロイトすることはできません。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性がエクスプロイトされると、該当デバイスで使用可能なネットワーク スタック バッファのすべてが消費され、次のようなエラー メッセージが生成される可能性があります。
2021 Jan 25 16:07:39 nexus %NETSTACK-3-MBUF_FAILED: netstack [27340] m_copyin()がipv6_data_main()で失敗しました… | |||||
2021 Jan 25 16:07:44 nexus %NETSTACK-3-IPV6_API_FAILED: netstack [27340] m_copyin()がipv6_process_pm_data_msg()で失敗しました | |||||
これらのエラーメッセージが表示される原因は複数あります。デバイスでこれらのメッセージが表示されたお客様については、サポート部門に連絡して、メッセージがこの脆弱性のエクスプロイトによるデバイスの侵害を示しているのか判断してもらうことをお勧めします。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定の Cisco NX-OS ソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェア、プラットフォーム、および 1 つ以上のリリースを選択する
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリまたは 1 つ以上の特定のアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次のフォームを使用して、Cisco NX-OS ソフトウェアとプラットフォームを選択、およびリリースを入力することで(例:Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチの 7.0(3)I7(5) 、ACI モードの Cisco NX-OS ソフトウェアの 14.0(1h))、シスコ セキュリティ アドバイザリの対象となるリリースであるかを判断することもできます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] ドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco UCS ソフトウェア
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載されたすべての脆弱性の影響を受けるかどうか、およびどのリリースにそれらの脆弱性に対する修正が含まれているのかを示しています。
UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
Cisco UCS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
4.0 | 4.0(4k) | 4.0(4k) |
4.1 | 4.1(1e) | 4.1(1e) |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェアリリースの決定に際してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco MDS シリーズ スイッチ
Vmware スイッチ向け Cisco Nexus 1000V
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
Cisco UCS ソフトウェアに最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 2 月 24 日 |
利用規約
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