Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco SD-WAN vManageソフトウェアの複数の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が任意のコードを実行したり、機密情報にアクセスしたり、認証されたローカルの攻撃者が権限を昇格させたり、アプリケーションへの不正アクセスを取得したりする可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-sd-wan-vmanage-4TbynnhZ
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、シスコデバイスで脆弱性のある Cisco SD-WAN vManage ソフトウェアリリースを実行している場合です。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、これらの脆弱性が次のシスコ製品に影響を与えないことを確認しました。
- IOS XE SD-WAN ソフトウェア
- SD-WAN cEdge ルータ
- SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア
- SD-WAN vEdge ルータ
- SD-WAN vSmart コントローラソフトウェア
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために別の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。さらに、いずれかの脆弱性の影響を受けるソフトウェアリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
次に示すいくつかの脆弱性は、クラスタ内で動作しているCisco SD-WAN vManageソフトウェアにのみ影響します。お客様は、Cisco SD-WAN vManage Webベース管理インターフェイスのAdministration > Cluster Managementビューをチェックすることで、ソフトウェアがクラスタモードで動作しているかどうかを確認できます。また、クラスタ管理に関する『Cisco SD-WAN Getting Started Guide』の章も参照してください。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2021-1468:Cisco SD-WAN vManageクラスタモードにおける不正なメッセージ処理の脆弱性
Cisco SD-WAN vManageソフトウェアのクラスタモードでの動作におけるメッセージングサービスの脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、脆弱性のあるアプリケーションに不正なメッセージを送信する可能性があります。
この脆弱性は、アプリケーションメッセージングサービスに対するユーザ入力の認証チェックが不適切なことに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された入力をサービスに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は新しい管理レベルのユーザアカウントの作成など、影響を受けるシステム内の特権アクションを呼び出せる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvu28454
CVE ID:CVE-2021-1468
セキュリティ影響評価(SIR):致命的
CVSS ベーススコア:9.8
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
CVE-2021-1505:Cisco SD-WAN vManageクラスタモードにおける権限昇格の脆弱性
バグID:CSCvu28390
CVE ID:CVE-2021-1505
セキュリティ影響評価(SIR):致命的
CVSS ベーススコア:9.1
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:H/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
Cisco SD-WAN vManageソフトウェアのWebベース管理インターフェイスにおけるクラスタモードでの動作に関する脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が許可チェックをバイパスし、アプリケーションを変更して、該当システム内で権限を昇格させる可能性があります。
この脆弱性は、影響を受けるソフトウェアが特定の操作で許可チェックを実行しないことに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された要求を該当システムに送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は認証チェックをバイパスし、該当システム内で昇格された特権を取得できる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
Cisco SD-WAN vManageソフトウェアのAPIの脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が該当システムにDoS状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、該当システムへのAPI要求の不十分な処理に起因します。攻撃者は、大量のAPI要求を該当システムに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当システムに DoS 状態が生じる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvv67264
CVE ID:CVE-2021-1275
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:7.5
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
Cisco SD-WAN vManageソフトウェアのクラスタモードでの運用時のサービスにおける脆弱性により、認証されたリモート攻撃者が該当システム内のサービスに不正アクセスする可能性があります。
この脆弱性は、影響を受けるソフトウェアがサービスアクセスに対して認証チェックを実行しないことに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された要求を該当システムに送信することにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は認証チェックをバイパスし、該当システム内のサービスへの不正アクセスを取得できる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvu28402
CVE ID:CVE-2021-1506
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:7.2
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示す適切な修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。お客様におかれましては、これらも考慮したうえでアップグレード ソリューション全体をご確認ください。
- cisco-sa-sd-wan-vmanage-4TbynnhZ:Cisco SD-WAN vManageソフトウェアの脆弱性
- cisco-sa-sdw-auth-bypass-65aYqcS2:Cisco SD-WAN vManageソフトウェア認証バイパスの脆弱性
- cisco-sa-sdwan-dos-Ckn5cVqW:Cisco SD-WANソフトウェアvDaemonのサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-sdwan-buffover-MWGucjtO:Cisco SD-WAN vEdgeソフトウェアのバッファオーバーフローの脆弱性
Cisco SD-WAN vManage ソフトウェアリリース | このアドバイザリに記載されているすべての不具合に対する最初の修正リリース | アドバイザリ集に記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
18.4 以前 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
19.2 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
20.1 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
20.3 | 20.3.3 | 修正済みリリースに移行。 |
20.4 | 20.4.1 | 20.4.1 |
20.5 | 20.5.1 | 20.5.1 |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2021-1275:この脆弱性は、Cisco TACサポートケースの解決中に発見されました。
CVE-2021-1468およびCVE-2021-1506:これらの脆弱性は、シスコの社内セキュリティテストで発見されました。
CVE-2021-1505およびCVE-2021-1508:これらの脆弱性は、シスコの社内セキュリティテストでAlex Lumsden氏によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 5 月 5 日 |
利用規約
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