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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよびCisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのデータグラムTLS(DTLS)プロトコルの実装における脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が高いCPU使用率を引き起こし、その結果サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、AnyConnect SSL VPN接続の一部としてDTLSトンネルを確立する際に発生する最適でない処理に起因します。攻撃者は、巧妙に細工されたDTLSトラフィックの安定したストリームを該当デバイスに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は該当するVPNヘッドエンドデバイスのリソースを枯渇させる可能性があります。これにより、既存のDTLSトンネルがトラフィックの受け渡しを停止し、新しいDTLSトンネルの確立を阻止して、DoS状態を発生させる可能性があります。
注:攻撃トラフィックが停止すると、デバイスは正常に回復します。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-vpndtls-dos-TunzLEV
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco ASAソフトウェアまたはCisco FTDソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行し、AnyConnect SSL VPN接続用のDTLSトンネルを終端するように設定されているシスコ製品に影響を与えます。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。最も完全で最新の情報については、このアドバイザリの上部にあるバグ ID の詳細セクションを参照してください。
注:SSL VPNはデフォルトで無効になっています。インターフェイスでSSL VPNが有効になっている場合、DTLSはデフォルトで有効になります。
デバイス設定の確認
AnyConnect SSL VPNが有効で、DTLS接続が設定されているかどうかを確認するには、show asp table socket | include DTLSコマンドを使用します。
この機能が設定されていない場合、このコマンドは出力を生成しません。このコマンドで接続が表示される場合は設定されており、脆弱である可能性があります。例:
device# show asp table socket | include DTLS
DTLS 00056858 LISTEN 192.168.1.6:443 0.0.0.0:*
注:Cisco FTDソフトウェアのリモートアクセスVPN機能は、リリース6.2.2からサポートされています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco Firepower Management Center(FMC)ソフトウェアに影響を及ぼさないことを確認しました。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性がエクスプロイトされると、該当するデバイスでソケットと暗号化の障害が表示される可能性があります。これらのカウンタが増加しているかどうかを確認するには、show asp drop | include np-socket-new-conn-failureおよびshow counters | include HANDLE_ALLOC_FAILEDコマンドを使用します。次に例を示します。
device# show asp drop | include np-socket-new-conn-failure Flow drop: NP socket new connection failure (np-socket-new-conn-failure) 160299 device# show counters | include HANDLE_ALLOC_FAILED CRYPTO HANDLE_ALLOC_FAILED 160339
これらのカウンタの値が長期間にわたって急速に増加する場合は、さらに調査するためにCisco Technical Assistance Center(TAC)にお問い合わせください。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、管理者はwebvpnコンフィギュレーションモードでenable <interface> tls-onlyコマンドを使用して、緩和策としてSSL DTLS VPN接続を無効にすることができます。次の例をご覧ください。
device(config-webvpn)# enable outside tls-only
注:DTLSを無効にすると、VPNのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
修正済みリリース
公開時点では、次の表に示すリリース情報は正確でした。最新情報については、このアドバイザリの先頭にあるバグIDの「詳細」セクションを参照してください。
左の列はシスコソフトウェアリリースを示し、右の列はリリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含むリリースを示しています。
ASA ソフトウェア
Cisco ASA ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
9.7 以前1 | 修正済みリリースに移行 |
9.8 | 修正済みリリースに移行。 |
9.91 | 修正済みリリースに移行。 |
9.101 | 修正済みリリースに移行。 |
9.12 | 9.12.4.41(2022年6月) |
9.131 | 修正済みリリースに移行。 |
9.14 | 9.14.4.8(2022年6月) |
9.15 | 修正済みリリースに移行 |
9.16 | 9.16.3.3 |
9.17 | 9.17.1.10(2022年6月) |
FTD ソフトウェア
Cisco FTD ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
6.2.21 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 修正済みリリースに移行。 |
6.3.01 | 修正済みリリースに移行。 |
6.4.0 | 6.4.0.15 (May 2022) |
6.5.01 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6.0 | 6.6.7(2022年6月) |
6.7.0 | 修正済みリリースに移行。 |
7.0.0 | 7.0.2 (May 2022) |
7.1.0 | 7.1.0.3(2022年10月) |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、アドバイザリで説明されている脆弱性に対して概念実証段階のエクスプロイト コードが入手可能であることを認識しています。
このアドバイザリで説明されている脆弱性の悪用に関する情報は Cisco PSIRT に寄せられていません。
出典
この脆弱性を報告していただいたETH Zurich社のFabio Streun氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 該当リリースと修正済みリリースの情報を追加。 | 「脆弱性のある製品」および「修正済みリリース」 | Final | 2022年5月2日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2022 年 4 月 20 日 |
利用規約
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