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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOSおよびIOS XEソフトウェアのIPv6 DHCPバージョン6(DHCPv6)リレーおよびサーバ機能の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、データ境界の検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、巧妙に細工されたDHCPv6メッセージを該当デバイスに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はデバイスを予期せずリロードさせる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ios-dhcpv6-dos-44cMvdDK
このアドバイザリは、2023 年 3 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: March 2023 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS または Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行していて、IPv6 および DHCPv6 のリレーまたはサーバー機能が有効になっているシスコデバイスに影響を及ぼします。Cisco IOS および Cisco IOS XE ソフトウェアでは、IPv6 と DHCPv6 はデフォルトで無効になっています。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
デバイスで IPv6 トラフィックの処理が有効になっているかどうか、またはデバイスで DHCPv6 のリレーまたはサーバー機能が有効になっているかどうかを判断するには、以下の手順を使用します。
IPv6 構成の確認
デバイスが IPv6 トラフィックを処理するには、以下の条件の両方を満たす必要があります。
- IPv6 ユニキャストルーティングがグローバルに有効化されている。
- 少なくとも 1 つのインターフェイスに IPv6 アドレスが構成されている。
IPv6 構成を確認するには、show running-config の CLI コマンドを使用します。次の例は、IPv6 ユニキャストルーティングがグローバルに有効になっていて、インターフェイス GigabitEthernet1 で IPv6 アドレス 2001:DB8:1:40::1/64 が構成されているデバイスの出力を示しています。
router#show running-config
.
.
.ipv6 unicast-routing
.
.
.
interface GigabitEthernet1
.
.
.
ipv6 address 2001:DB8:1:40::1/64
.
.
.
以下のいずれかが当てはまる場合は、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
- ipv6 unicast-routing の構成コマンドを使用して IPv6 トラフィック処理が有効にされていない。
- いずれのインターフェイスも、ipv6 address コマンドを使用して IPv6 アドレスを構成されていない。
DHCPv6 リレー構成の確認
DHCPv6リレー機能が有効になっているかどうかを確認するには、show running-config | include ipv6 dhcp relay の CLI コマンドを使用します。以下の例は、1 つのインターフェイスで DHCPv6 リレー機能が有効になっているデバイスの出力を示しています。
router#show running-config | include ipv6 dhcp relay
ipv6 dhcp relay destination 2001:DB8:2:40::10
このコマンドが空の出力を返す場合、DHCPv6 リレー機能は有効になっていません。
DHCPv6 サーバー構成の確認
以下の条件の両方が満たされる場合、DHCPv6 サーバー機能が有効になっています。
- DHCPv6 アドレスプールがグローバルに構成されている。
- DHCPv6 サーバー機能が少なくとも 1 つのインターフェイスで有効になっており、既存の DHCPv6 プールを指している。
DHCPv6 サーバー機能が有効になっているかどうかを判断するには、show running-config の CLI コマンドを使用します。以下の例は、DHCPv6 プール DHCPv6_POOL がグローバルに構成されており、インターフェイス GigabitEthernet1 で DHCPv6 サーバー機能が有効になっているデバイスの出力を示しています。
router#show running-config
.
.
.ipv6 dhcp pool DHCPv6_POOL
.
.
.
interface GigabitEthernet1
.
.
.
ipv6 dhcp server DHCPv6_POOL
.
.
.
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェア
- Firepower Management Center(FMC)ソフトウェア
- Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェア
- FXOS ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- Meraki 製品
- 次世代侵入防御システム(NGIPS)ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の Cisco Support and Downloads ページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。あるいは、次のフォームを使用して、シスコ セキュリティ アドバイザリに該当するリリースであるかどうかを確認します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- リリース番号(15.9(3)M2、17.3.3 など)を入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | - | Final | 2023 年 3 月 22 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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