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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XE ソフトウェアの Cisco IOx アプリケーション ホスティング サブシステムにおける脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、該当デバイスでの権限を root に昇格できる可能性があります
この脆弱性は、ホストされているアプリケーションの制限が不十分であることが原因です。攻撃者は、Cisco IOx アプリケーションコンテナにログインしてからエスケープすることにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。攻撃者がエクスプロイトに成功すると、ルート権限を用いて、基盤となるオペレーティングシステムに対して任意のコードが実行される危険性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-iox-priv-escalate-Xg8zkyPk
このアドバイザリは、2023 年 3 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: March 2023 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS XE ソフトウェアの脆弱性のあるリリースを実行し、Cisco IOx アプリケーション ホスティング機能が有効になっており、かつホストされたアプリケーションが実行されているシスコ製品に影響を与えます。Cisco IOx アプリケーション ホスティング インフラストラクチャは、デフォルトでは有効になっていません。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
IOx アプリケーション ホスティング構成の確認
Cisco IOS XE ソフトウェアの Cisco IOx アプリケーション ホスティング環境の構成を確認するには、以下の 2 つのオプションのいずれかを使用します。
オプション 1:show iox-service コマンドを使用する
Cisco IOx 機能のステータスを確認するには、以下の例に示すように、特権 EXEC モードで show iox-service コマンドを使用します。
Switch#show iox-service
IOx Infrastructure Summary:
---------------------------
IOx service (CAF) : Running
IOx service (HA) : Not Running
IOx service (IOxman) : Not Ready
IOx service (Sec storage) : Not Running
Libvirtd 5.5.0 : Running
Dockerd 18.03.0 : Running
Sync Status : Disabled
IOx サービス(CAF)が Running ステータスであり、ホストされているアプリケーションに RUNNING ステータスのものがある場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
オプション 2:iox 構成コマンドを使用する
別の方法として、以下の例に示すように、iox 構成コマンドの実行コンフィギュレーションを確認できます。
Switch#show run | include iox
iox
Switch#
前の例に示すように、iox のみを含む行が出力に含まれており、ホストされているアプリケーションに RUNNING ステータスのものがある場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
ホストされているアプリケーションのステータスの確認
ホストされているアプリケーションが実行されているかどうかを確認するには、以下の例に示すように show app-hosting list コマンドを使用します。
#show app-hosting list
App id State
---------------------------------------------------------
app1 RUNNING
app2 DEPLOYED
出力に RUNNING ステータスのアプリケーションが含まれている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
Cisco IOx をサポートする以下のシスコ製品は、この脆弱性の影響を受けないことが確認済みです。
- 800 シリーズ産業用サービス統合型ルータ(ISR)
- Catalyst 9100 アクセスポイントファミリ(COS-AP)
- CGR1000コンピューティングモジュール
- IC3000産業用コンピューティングゲートウェイ
- IR510 WPAN 産業用ルータ
- IOS ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
また、シスコはこの脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。いかの
- IOS XR ソフトウェア
- Meraki 製品
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、緩和策として、Cisco IOx アプリケーション ホスティング環境を使用しないお客様は、no iox 構成コマンドを使用して、デバイスで IOx を永続的に無効化できます。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。あるいは、次のフォームを使用して、シスコ セキュリティ アドバイザリに該当するリリースであるかどうかを確認します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- リリース番号(15.9(3)M2、17.3.3 など)を入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、このアドバイザリで説明されている脆弱性に対して概念実証段階のエクスプロイトコードが入手可能であることを認識しています。
このアドバイザリで説明されている脆弱性の悪用に関する情報は Cisco PSIRT に寄せられていません。
出典
シスコは、この脆弱性を報告してくれた Orange グループの Frederic Provost 氏、Naima Sadoun 氏、Mickael Dorigny 氏、Benoit Malaboeuf 氏、および Orange CERT-CC に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | コンセプト実証情報を更新。 | 不正利用事例と公式発表 | Final | 2023年5月8日 |
1.0 | 初回公開リリース | - | Final | 2023 年 3 月 22 日 |
利用規約
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