High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのダイナミック アクセス ポリシー(DAP)機能の脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が該当デバイスで予期しないリロードを引き起こす可能性があります。攻撃者がこの脆弱性を不正利用するには、該当デバイスのリモートアクセス VPN の有効なログイン情報が必要です。
この脆弱性は、HTTPS POST リクエストのデータの検証が適切に行われないことに起因します。細工された HTTPS POST リクエストが該当デバイスに送信されると、この脆弱性が不正利用される危険性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はデバイスのリロードを引き起こし、その結果サービス妨害(DoS)状態に陥る危険性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asaftd-dap-dos-bhEkP7n
このアドバイザリは、2024 年 10 月に公開された Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: October 2024 Semiannual Cisco ASA, FMC, and FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、次のすべての項目を満たしている、Cisco ASA ソフトウェアまたは Cisco FTD ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行しているシスコ製品に影響を与えます。
- SSL VPN が少なくとも 1 つのインターフェイスで有効になっている
- 少なくとも 1 つのカスタム DAP が設定されている
- HostScan が有効になっている
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
SSL VPN 設定の確認
SSL VPN が有効になっているかどうかを確認するには、show running-config webvpn | include ^ enable コマンドをデバイスの CLI で実行します。次の例は、外部インターフェイスで SSL VPN が有効になっているデバイスの出力を示しています。
firewall# show running-config webvpn | include ^ enable
enable outside
空の出力は、いずれのインターフェイスでも SSL VPN が有効になっておらず、デバイスがこの脆弱性の影響を受けていないことを示します。
DAP 設定の確認
カスタム DAP が設定されているかどうかを確認するには、show running-config dynamic-access-policy-record | exclude DfltAccessPolicy コマンドをデバイスの CLI で実行します。次に、TEST_POLICY という名前のカスタム DAP が設定されているデバイスでの出力例を示します。
firewall# show running-config dynamic-access-policy-record | exclude DfltAccessPolicy
dynamic-access-policy-record TEST_POLICY
空の出力は、カスタム DAP が設定されておらず、デバイスがこの脆弱性の影響を受けていないことを示します。
HostScan 設定の確認
HostScan が有効になっているかどうかを確認するには、show running-config webvpn | include hostscan enable コマンドをデバイスの CLI で実行します。以下は、HostScan が有効になっているデバイスでの出力例です。
firewall# show running-config webvpn | include hostscan enable
hostscan enable
空の出力は、HostScan が有効になっておらず、デバイスがこの脆弱性の影響を受けていないことを示します。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
この脆弱性は、Cisco Secure Firewall Management Center(FMC)ソフトウェア(旧称 Cisco Firepower Management Center ソフトウェア)には影響がないことを確認済みです。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア
お客様が Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアの脆弱性に対するリスクを判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco ASA ソフトウェアの場合は 9.16.2.11、Cisco FTD ソフトウェアの場合は 6.6.7 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
注:Cisco ASA ソフトウェアが実行されている Cisco 3000 シリーズ産業用セキュリティアプライアンス(ISA)については、Cisco ASA ソフトウェアのリリース 9.16.4.67 は見送られ、リリース 9.16.4.70 に置き換えられています。
Cisco FTD デバイスのアップグレード手順については、該当の Cisco FMC アップグレードガイドを参照してください。
関連情報
最適な Cisco ASA、FMC、または FTD ソフトウェアリリースの決定方法については、次の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco ASA の互換性
Cisco Secure Firewall ASA アップグレードガイド
Cisco Secure Firewall Threat Defense 互換性ガイド
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の X.B. による内部セキュリティテストで発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024 年 10 月 23 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。