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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよびCisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのリモートアクセスVPNサービス向けのSAML 2.0シングルサインオン(SSO)の実装における脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が、該当デバイスでVPNセッションを正常に確立できる可能性があります。
この脆弱性は、SAML認証を使用する際の認証ドメインの不適切な分離に起因します。攻撃者は、有効なクレデンシャルを使用して指定された接続プロファイル(トンネルグループ)で正常に認証を行い、Cisco ASAデバイスから返信されたSAML SSOトークンを傍受し、同じSAML SSOトークンを別のトンネルグループに送信して認証を受けることで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者は使用が許可されていない接続プロファイルを使用してリモートアクセスVPNセッションを確立し、アクセスが許可されていない該当デバイスの背後にあるセキュアなネットワークに接続できる危険性があります。不正利用に成功するには、攻撃者は有効なリモートアクセスVPNユーザクレデンシャルを持っている必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asaftd-saml-bypass-KkNvXyKW
このアドバイザリは、2024年5月に公開されたCisco ASA、FMC、およびFTDソフトウェアセキュリティアドバイザリバンドルの一部です。これらのアドバイザリとリンクの一覧については、『シスコイベントレスポンス:Cisco ASA、FMC、およびFTDソフトウェアに関するセキュリティアドバイザリ公開半年刊2024年5月』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の公開時点では、Cisco ASAソフトウェアまたはFTDソフトウェアを実行していて、SAML 2.0 SSOでリモートアクセスVPNを設定しているシスコ製品に影響を与えました。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
リモートアクセスVPN SAML認証設定の決定
認証にSAML 2.0を使用するように設定されているリモートアクセスVPN接続プロファイル(トンネルグループ)の数を確認するには、show running-config tunnel-group | count authentication.*saml CLIコマンドを使用します。コマンドの出力に、2以上の数の一致行が表示された場合、そのデバイスはこの脆弱性の影響を受けます。次の例は、show running-config tunnel-group | count authentication.*samlコマンドを、SAML 2.0 SSO認証を使用するように設定された2つの接続プロファイル(トンネルグループ)を持つデバイスで実行した場合の処理を示します。
device# show running-config tunnel-group | count authentication.*saml
Number of lines which match regexp = 2
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco Firepower Management Center(FMC)ソフトウェアに影響を及ぼさないことを確認しました。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア
お客様が Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアの脆弱性に対するリスクを判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco ASA ソフトウェアの場合は 9.16.2.11、Cisco FTD ソフトウェアの場合は 6.6.7 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
FTD デバイスのアップグレード手順については、『Cisco Firepower Management Center Upgrade Guide』を参照してください。
関連情報
最適な Cisco ASA、FMC、または FTD ソフトウェアリリースの決定方法については、次の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco ASA の互換性
Cisco Secure Firewall ASA アップグレードガイド
Cisco Secure Firewall Threat Defense 互換性ガイド
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024年5月22日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。