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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアの Simple Network Management Protocol(SNMP)機能の脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者がデバイスで予期しないリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、SNMP パケットの入力検証が不十分なことに起因します。攻撃者は、細工された SNMP リクエストを、IPv4 または IPv6 を使用して影響を受けるデバイスに送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者が該当デバイスをリロードできるようになり、その結果サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。この脆弱性は、SNMP のすべてのバージョン(バージョン 1、2c、および 3)に影響を及ぼし、有効な SNMP コミュニティストリングまたは有効な SNMPv3 ユーザーのログイン情報が必要です。
詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」のセクションを参照してください。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asaftd-snmp-dos-7TcnzxTU
このアドバイザリは、2024 年 10 月に公開された Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: October 2024 Semiannual Cisco ASA, FMC, and FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、リモート SNMP 管理が有効になっている Cisco ASA ソフトウェアおよび Cisco FTD ソフトウェアに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
SNMP 設定の確認
デバイスで SNMP が有効になっているかどうかを確認するには、次のいずれかのオプションを使用します。
オプション 1:Cisco ASA または FTD デバイスで CLI を使用する
show running-config snmp-server コマンドを使用します。このオプションは、Cisco ASA ソフトウェアと Cisco FTD ソフトウェアの両方で機能します。
出力に snmp-server エントリが含まれている場合、設定されている SNMP のバージョンに関係なく、システムはこの脆弱性の影響を受けます。次に、SNMPv2 用に SNMP アクセスが設定されているデバイスの出力の例を示します。
ASA# show running-config snmp-server
snmp-server host mgmt 10.10.10.10 community snmpro version 2c
オプション 2:管理対象 Cisco FTD デバイスで Cisco Secure Firewall Management Center ソフトウェア GUI を使用する
Cisco Secure Firewall Management Center(FMC)ソフトウェア(旧称 Firepower Management Center ソフトウェア)によって管理される Cisco FTD デバイスの場合は、次の手順を実行します。
- Cisco FMC ソフトウェアにログインします。
- [デバイス(Devices)] > [プラットフォーム設定(Platform Settings)] を選択します。
- 確認するポリシーオブジェクトを選択します。
- 左側の列で、[SNMP] を選択します。
[SNMPサーバーの有効化(Enable SNMP Servers)] チェックボックスがオンになっていて、[ホスト(Hosts)] タブにエントリがある場合、選択したポリシーが展開されているデバイスが影響を受けます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco FMC ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
SNMP は、アプリケーションレイヤ プロトコルであり、ネットワーク デバイスのモニタリングや管理で、標準化されたフレームワークおよび共通言語として使用されます。SNMP マネージャとエージェント間の通信に必要なメッセージ フォーマットを定義します。
SNMP エージェントは、デバイス パラメータおよびネットワーク データに関する情報のリポジトリである SNMP MIB からデータを収集します。また、SNMP マネージャからの要求に応答して、データの取得または設定も行います。SNMP エージェントには MIB 変数が含まれ、その値は、get 操作または set 操作を使用して、SNMP マネージャが要求または変更できます。
本アドバイザリで説明している脆弱性を不正な目的で利用できるのは、該当システム宛てのトラフィックに限られます。
SNMPv2c またはそれ以前のバージョンを使用してこの脆弱性を不正利用するには、攻撃者は、影響を受けるシステムの SNMP 読み取り専用コミュニティストリングを把握している必要があります。コミュニティ ストリングとは、デバイスの SNMP データへの読み取り専用アクセスおよび読み取り/書き込みアクセスの両方を制限するパスワードです。コミュニティ ストリングには一般的なキーワードを使用せず、他のパスワードと同様に慎重に選択してください。また、定期的にネットワーク セキュリティのポリシーに合わせて変更する必要もあります。たとえば、ネットワーク管理者がロールを変更する場合や退職する際はコミュニティ ストリングを変更する必要があります。
SNMPv3 を使用してこの脆弱性を不正利用するには、攻撃者は、デバイスに設定されている SNMPv3 ユーザーのログイン情報を取得している必要があります。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、デバイスで SNMP が必要ない場合、管理者は SNMP を無効化して攻撃ベクトルを閉じることができます。また、信頼できる SNMP 監視ホストからの SNMP 接続を許可する方法でのみ、攻撃対象領域を減らすことができます。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア
お客様が Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアの脆弱性に対するリスクを判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco ASA ソフトウェアの場合は 9.16.2.11、Cisco FTD ソフトウェアの場合は 6.6.7 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
注:Cisco ASA ソフトウェアが実行されている Cisco 3000 シリーズ産業用セキュリティアプライアンス(ISA)については、Cisco ASA ソフトウェアのリリース 9.16.4.67 は見送られ、リリース 9.16.4.70 に置き換えられています。
Cisco FTD デバイスのアップグレード手順については、該当の Cisco FMC アップグレードガイドを参照してください。
関連情報
最適な Cisco ASA、FMC、または FTD ソフトウェアリリースの決定方法については、次の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco ASA の互換性
Cisco Secure Firewall ASA アップグレードガイド
Cisco Secure Firewall Threat Defense 互換性ガイド
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は、シスコ内部でセキュリティ テストを実施中に、Sanmith Prakash によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024 年 10 月 23 日 |
利用規約
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