ルータの補助(AUX)ポートに接続されているモデムを使用して、Cisco IOS の対話型コマンド プロセッサ(EXEC)のコールを、ルータが受け入れる必要がある場合がよくあります。本書では、このようなシナリオを設定するために必要な設定タスクを示します。
注:このドキュメントでは、AUXポート上のモデムを使用するポイントツーポイントプロトコル(PPP)ベースの接続については説明しません。PPP ベースの接続の詳細については、「AUX ポート上のモデムを使用したダイヤルアウトの設定」を参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このドキュメントでは、図 1 に示すネットワーク設定を使用しています。
図1のネットワーク図
EXEC ダイヤルイン接続用に AUX ポート上のモデムを設定するには、次の手順を実行します。
図 2 に示すように、ルータの AUX ポートからモデムにケーブルを接続します。
次の点に留意してください。
CiscoルータのAUXポートはRJ-45またはDB-25です。AUXポートがRJ-45の場合は、フラットサテン型ロール型RJ-45ケーブル(部品番号CAB-500RJ=)を使用します。また、このロール型ケーブルをモデムの DB-25 ポートに接続するには、「MODEM」と記されている RJ-45 - DB-25 アダプタ(部品番号 CAB-25AS-MMOD)も必要です。
ルータの AUX ポートが DB-25 の場合は、ストレート型の DB-25 メス型 -- DB25 オス型 RS-232 ケーブルを使用してモデムとルータを接続します。
ケーブル接続の詳細については、『モデム-ルータ間接続ガイド』および『RJ-45 コンソールと AUX ポートのケーブル接続ガイド』を参照してください。
show line コマンドを使用して、AUX ポートの非同期インターフェイスを特定します。
ほとんどのルータでは AUX ポートは回線 1 ですが、アクセス サーバでは AUX ポート インターフェイスは TTY 回線の後に続きます。たとえば、ルータに16の非同期/モデム回線がある場合、AUXポートは回線17です。show lineコマンドの出力に基づいてAUXポートを設定します。次の例では、AUX ポートの設定はインターフェイス回線 65 にあることを確認できます。
maui-rtr-10#show line Tty Typ Tx/Rx A Modem Roty AccO AccI Uses Noise Overruns Int * 0 CTY - - - - - 0 0 0/0 - 65 AUX 9600/9600 - - - - - 0 1 0/0 - 66 VTY - - - - - 0 0 0/0 - 67 VTY - - - - - 0 0 0/0 - 68 VTY - - - - - 0 0 0/0 - 69 VTY - - - - - 0 0 0/0 - 70 VTY - - - - - 0 0 0/0 - Line(s) not in async mode -or- with no hardware support 1-64
次のコマンドを使用して、ルータの AUX 回線を設定します。
AUX ポートが回線 65 上にあることはすでに確認済みです。
maui-rtr-10(config)#line 65 maui-rtr-10(config-line)#modem inout !--- Permit incoming and outgoing calls on this modem. maui-rtr-10(config-line)#speed 115200 !--- Line speed to be used to communicate with the modem. !--- Verify that the AUX port supports this speed. !--- Refer to Bitrate Information for supporting information. maui-rtr-10(config-line)#transport input all !--- Allow all protocols to use the line. maui-rtr-10(config-line)#flowcontrol hardware !--- Enable RTS/CTS flow control. maui-rtr-10(config-line)#login !--- Use the password configured on the line to authenticate !--- incoming connections. !--- This password is configured below: maui-rtr-10(config-line)#password cisco !--- The router uses this password (cisco) to authenticate incoming calls. !--- For security purposes, replace "cisco" with a secure password.
オプション設定:ルータにイネーブル シークレット パスワードがない場合は、着信接続がイネーブル モードに入ることができません。着信コールがイネーブル モードに入ることを許可するには、enable secret password コマンドを使用してイネーブル シークレット パスワードを設定します。
適切な初期化文字列を設定するには、モデム上でリバース Telnet 方式を使用します。
リバース Telnet の詳細については、「モデム-ルータ間接続ガイド」または「モデムへのリバース Telnet セッションの確立」を参照してください。
maui-rtr-10#Telnet 172.22.53.145 2065 !--- The IP address 172.22.53.145 is the Ethernet address on the router. !--- 2065 represents 2000+line 65. Refer to the documents mentioned above, !--- if the reverse telnet fails. Trying 172.22.53.145, 2065 ... Open at !--- Modem attention command. OK !--- The modem responds with an OK. If you receive any other message, !--- or no response at all, replace the modem hardware. at&f1s0=1 !--- At followed by the initialization (init) string for this modem. !--- The init string for this US Robotics modem is &f1s0=1. !--- Note: USR modems must also have dip switch 3 and 8 down (DOWN = ON). !--- Dip switch 3 = ON for Result Code Display. !--- Dip switch 8 = ON for AT Command Set Recognition. !--- If you use another modem brand, refer to the Modem-Router !--- Connection Guide for your manufacturer-specific modem init strings. OK !--- The modem responds with an OK. This means that the modem was !--- successfully initialized. at&w !--- &w writes the configuration to memory !--- Without this command the modem will lose its configuration !--- when the modem is power cycled. OK !--- We will now suspend the telnet session. For this, we will enter !--- the escape sequence Ctrl-Shift-6 x (press Control-Shift-6, let go, !--- then press x). maui-rtr-10#disconnect 1 Closing connection to 172.22.53.145 [confirm] !--- The disconnect command terminates the telnet session. maui-rtr-10#
電話回線がアクティブであり、正しく機能していることを確認するには、アナログ電話を使用します。その後、そのアナログ電話回線にモデムを接続します。
モデム接続をテストするには、別のデバイス(PC など)からルータへの EXEC モデム コールを初期化します。
PC 上で HyperTerminal などの端末エミュレーションを使用し、COM ポートの 1 つを介して PC のモデムにアクセスします。COM のポートを介して PC のモデムに接続している場合は、ルータへのダイヤルを開始します。例については、「HyperTerminal でのセッション例」を参照してください。
注:AUXポート回線ではPPPは実行されません。したがって、この接続の場合は、Microsoft Windows Dialup Networking(DUN)を使用してダイヤルできません。
接続が確立されると、ダイヤルイン クライアントにパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。パスワードを正確に入力します。
注:このパスワードは、AUXポート回線で設定されているパスワードと一致している必要があります。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
09-Sep-2005 |
初版 |