このドキュメントでは、モデムを微調整する方法の概略を説明します。個別モデムの設定方法の詳細については、808hi.com にあるモデム ドキュメントのリンク先を参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ここでは、モデム ファームウェアについて説明します。
モデムの問題に対処する場合は、最新のファームウェアですでに解決されている、既知の問題ではないことを必ず確認してください。大部分のモデムでは、新しいモデム ファームウェアをフラッシュ メモリにロードして、ファームウェアをアップグレードできます。ただし、一部の旧式のモデムにはこの機能がなく、モデムまたはチップセットを交換する必要があります。モデム メーカーは、モデム コードの向上に随時取り組んでいます。メーカーでは、このプロセスの一部としてモデムの相互運用性の問題に対処しており、その結果、いずれの問題を解決する場合でも、最新リリースのファームウェアにアップグレードすることが、ベンダーからエンド ユーザに対して推奨されています。Cisco アクセス サーバの内部モデムに組み込まれたファームウェアをアップグレードしてみることもできます。
注:問題が回線にある場合や、クライアントモデムの場合は、アップグレードは役に立ちません。
ソフトウェア ダウンロードの詳細については、この項のリンク先を参照してください。これらのリンク先にアクセスするには、登録ユーザである必要があり、ログインする必要があります。
IOS ソフトウェアとファームウェア製品の互換性テーブルを調べて、この新しいファームウェア用に Cisco IOS® ソフトウェアをアップグレードする必要がないことを確認してください。
クライアント モデムの最新の推奨事項については、ベンダーの Web サイトを確認してください。Cisco IOS ソフトウェア リリースに組み込まれている NextPort Software Port Entity(SPE)と NextPort Firmware/i960 のバージョンを確認するには、NextPort SPE および IOS ソフトウェア バージョン参照テーブルをチェックしてください。
詳細については、次のドキュメントを参照してください。
通常 dBmV(1 mV 信号のデシベル)単位で測定される送信レベルは、最も繊細なパラメータです。レベルを上げると通常は回線のノイズが増えすぎる一方で、レベルを下げれば信号と回線ノイズを区別しにくくなります。ただし、このパラメータによって接続速度およびその他のモデム機能がはっきり制限されることはないため、このパラメータを微調整することを推奨します。最初に Telco 交換機で検出できる最低限度の値を見つけようとする方法がベスト プラクティスです。通常、デフォルト値は -9 または -13 dBmV で範囲は 0(物理専用回線の場合)~ -15 未満です。詳細については、『モデムの送信および受信レベルについて』を参照してください。
新しいモデム テクノロジーが国際的な推奨事項またはプロトコルとして採用されるたびに、モデム ベンダーはプロプライエタリな解決策を取り入れています。このレガシー固有のオプションは、無効にしてください。たとえば、V.8bis トーンは、アクセス サーバがコールに応答するときに回線に送信される最初の信号です。レガシーな Flex 56 Kbps モデムのプロトコルでは V.8bis のサポートを必要としますが、V.90 では V.8bis はオプションであり、V.8 シグナリングのみ必須です。V.8 シグナリングは、スタートアップ シーケンスで V.8bis よりも後にあります。Cisco Microcom モデムでは、レガシー変調 56Kflex Plus をサポートしています。Cisco Micaモデムは、KFlex 1.1と呼ばれるRockwell K56Flex変調の最終バージョンをサポートしています。MicaモデムはV.8bisを使用して、K56FlexとV.90の両方の機能をを発信側モデムにに表示します。V.8bis シグナリングは、非 V.8bis モデムを混乱させることがあり、接続速度が低下したり、即座に切断されたりすることがあります。
一般に、速度が遅いほど、モデムのエラーは生じにくくなります。この規則を外れるまれな例外が存在することがあります。高速にすればリカバリ(リトレイン)のための遅延が増え、低速にすればリトレインが減ることから、トレードオフを必要とする場合がよくあります。
シスコ製モデムの場合は、積極的なモデム能力制限を試行することもできます。詳細については、次のドキュメントを参照してください。
Cisco MICA 6 ポート モジュール用 AT コマンド セットとレジスタの要約(参照先:MICA モデム レジスタ S54)。
NextPort AT コマンドと S レジスタ リファレンス(参照先:NextPort モデム レジスタ S76)
モデムのプロトコルは、複雑化、高速化してきました。大部分のモデムでは、レガシー プロトコルもサポートされています。したがって、最大接続速度が低くなる場合であっても、あまり複雑でないプロトコルを使用することを推奨します。
Cisco Systems 内部モデムの該当するパラメータ(およびその他のパラメータ)を設定するコマンドについての情報は、次のドキュメントに記載されています。
NextPort AT コマンドと S レジスタ リファレンス(NextPort モデムの場合)
Cisco MICA 6 ポート モジュール用 AT コマンド セットとレジスタの要約(MICA および Microcom モデムの場合)
V.34、56K、V.90 12 ポート モジュール用 AT コマンド セットとレジスタの要約(Microcom モデムの場合)
Cisco IOS ソフトウェアでは、モデム管理の操作で説明されているように、モデムの機能制限によってモデムに変更を適用できます。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
29-Jan-2008 |
初版 |