Field Notice: FN74035 - シスコアクセスポイントが利用可能チャネル確認 (CAC) 動作後、要求されている基準を満たした状態でレーダー波を検出しないことがある – ソフトウェアのアップグレードが必須

上記のソフトウェア不具合が、Cisco AireOSソフトウェアリリース 8.3.130.0 以降および Cisco IOS XE ソフトウェアリリース16.12.1以降で見つかりました。

次のシスコ AP 製品が通常通り稼働しており、該当する Cisco AireOS ソフトウェアまたは Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースを実行している場合、Dynamic Frequency Selection（DFS）によるレーダー波の検出が意図したとおりに機能しない可能性があります。

• 6300 組み込みサービス アクセスポイント(AP)
• Aironet 1560 シリーズ屋外用 AP
• Aironet 2800 シリーズの AP
• Aironet 3800 シリーズの AP
• Aironet 4800 シリーズ AP
• Catalyst IW6300 Heavy Duty シリーズ AP

該当するソフトウェアを実行している AP は、意図したとおりに機能しない可能性があります。当該ソフトウェアを実行している AP が 5 GHz 無線で DFS チャネルを使用している場合、最初のチャネル利用確認（CAC: Channel Availability Check）時間（日本の場合はチャネル番号に応じて 60 秒間）経過後の運用中チャネル監視（ISM: In-Service Monitoring）プロセスにおいてレーダー波を正しく検出できなくなる可能性があります。

注：チャネル選択時の最初のCAC動作時には、当該ソフトウェアを実行しているAPはチャネル上に存在するレーダー波を適切に検出し、それに応じて期待通り対応できます。

重要：このField Noticeで説明されている問題の詳細については、この2分間のビデオをご覧ください。

すべての AP は、無線利用に関して規制機関が課す技術基準を遵守する必要があります。DFS に関する技術基準の 1 つとして、5 GHz 帯域の一部で動作する AP が民間および軍事用のレーダー波を検出する必要があります。レーダー波パターンが検出されると、APは無線電波の送信を停止し、これらのレーダー波とのチャネルの重複を回避するためにチャネルを変更する必要があります。

前述のとおりワイヤレス AP は、DFS チャネルを使用する前に 60 秒間の初期 CAC を実行する必要があります。

CAC が正常に完了し、レーダー波が検出されない場合、AP は選択された DFS 周波数（チャネル）を使用して電波の新しい連続的な監視を開始し、動作周波数（チャネル）に現れる可能性があるレーダー波の検出を試みます。

該当するソフトウェアでは、60 秒間の CAC は意図したとおりに動作します。しかしながら、60 秒間の CAC 実施後に開始される連続的な監視動作中は、AP の連続的なレーダー波の検出機能が技術基準に準拠しない場合があります。

2017 年 9 月以降（AireOS 8.3.130.0 以降）に利用可能になったソフトウェアの一部は、特定のデバイスがレーダー波のイベントを意図したとおりに検出する機能に影響を与えています。すべてのお客様に対し、国や地域、使用場所に関係なく、このField Noticeで説明されている解決策または暫定的な回避策を実装するために迅速な措置を講じることを強く推奨いたします。

お客様は、次の両方の条件を満たす場合にのみ、この問題の影響を受けます。

• 該当するソフトウェアを実行しているAPが稼働している。
• お客様の AP は、現在または将来 DFS チャネルで動作している可能性がある。

お客様自身で観測可能な症状はありません。

次の表のガイドラインに基づいて、修正済みソフトウェアリリースにアップグレードするか、AP サービスパック(APSP)パッチを適用します。

注：表に記載されているソフトウェアの推奨事項は、Catalyst AP 上の Cisco Mobility Express および Cisco Embedded Wireless Controller on Catalyst AP にも適用されます。

注：関連するリリースノート文書に記載の適切なアップグレードパスに従ってください。

IOS XE ソフトウェア

AireOS ソフトウェア

Mobility Express ソフトウェア

適切な修正済みソフトウェアリリースおよび APSP のいずれかまたは両方にアップグレードし、まだ修正済みソフトウェアをインストールできない場合のみ、暫定的な回避策を実装することをお勧めします。

Cisco IOS XE ソフトウェアの暫定回避策

グローバルチャネルリストを変更するために、次の手順を実施します。

1. 管理GUIで、Configuration > RRM > 5 GHz Band > DCAの順に選択します。
2. Auto-RF Channel Listで、チェックボックス52 ～ 140のチェックマークを外して、対応するチャネルを無効にします。
   注：この変更は、コントローラ上の他のすべてのAPに影響する可能性があります。

AP が非 DFS チャネルだけで動作するように特定のRFプロファイルの DFS チャネルを無効ににするには、次の手順を使用します。

1. 管理GUIで、Configurationを選択します。Tags & Profilesで、RF/Radioを選択します。
2. 5 GHz RFプロファイルをクリックします。
   注：説明に「pre-configured」という記載のないすべての RF プロファイルが編集可能です。pre-configured という記載のある RF プロファイルを使用している場合は、カスタム RF プロファイルで置き換えます。
3. RRM > DCAの順に選択します。DCAチャネルリストで、チェックボックス52 ～ 140のチェックマークを外してチャネルを無効にします。

RFプロファイルとタグの使用、および個々のAPのチャネルリストのカスタマイズの詳細については、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/controller/9800/17-9/config-guide/b_wl_17_9_cg/m_config_model.html#task_k2c_nps_xfbも参照してください。

Cisco AireOS ソフトウェアの暫定回避策

グローバルチャネルリストを変更するために、次の手順を実施します。

1. 管理GUIで、Wireless > 802.11a > RRM > DCA の順に選択します。
2. DCA チャネルリストで、チャネル 52 ～ 140 を無効にします。
   注：この変更は、コントローラ上の他のすべてのAPに影響する可能性があります。

RF プロファイルを使用して、チャネルが変更される範囲を今回の影響を受ける AP だけに制限するには、次の手順を実行します。

1. 管理 GUI で Wireless をクリックします。左側のメニューで、RF Profilesを選択します。
2. プロファイルをクリックします。
   注：802.11aの無線ポリシーを持つすべてのプロファイルは編集可能です。
3. RRMを選択します。
4. DCA チャネルリストで、チャネル 52 ～ 140 を無効にします。

RFプロファイルとタグの使用、および個々のAPのチャネルリストのカスタマイズの詳細については、https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/controller/8-10/config-guide/b_cg810/radio_resource_management.html#rf-profilesを参照してください。

注：この暫定回避策は、一部の規制ドメインの屋外 AP など、一部の導入シナリオでは使用できない場合があります。この暫定回避策は使用可能なチャネルの数を減らすことになるため、高密度環境 Wi-Fi のシナリオでは推奨されません。

注：シスコ AP 製品の場合、DFSチャネルは 5250 ～ 5350 MHz（チャネル52 ～ 64）および 5470 ～ 5725 MHz（チャネル100 ～ 144）です。

AP 製品 ID (PID) を検索するには、次のいずれかの方法を使用します。

CLI を使う場合：

• Cisco AireOSソフトウェアCLIまたは Cisco IOS XE ソフトウェア CLI で、show ap summaryコマンドを入力します。
• または、AP の CLI で、show inventoryコマンドを入力します。

GUI

• Cisco AireOS ソフトウェアのAdvanced GUIで、Wireless > All APs の順に選択します。
• Cisco Mobility Express の GUI で、Monitoring > Access Points の順に選択します。「モデルの追加」列を参照してください。
• Cisco IOS XE ソフトウェアの（EWC 含む）GUI から、Monitoring > Wireless > AP Statistics の順に選択します。

目視での確認

この問題に関する更なる詳細については、fn74035_questions@cisco.com まで電子メールでお問い合わせください。個別にケースは作成されませんが、回答が可能になった段階で順次回答いたします。