このドキュメントでは、Cisco 7000/7500 ルータの Channel Interface Processor(CIP)および Cisco 7200 ルータの Channel Port Adapter(CPA)での Cisco Systems Network Architecture(CSNA)のサポートについて説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Cisco 7000、7200、および 7500 ルータに基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Cisco 7000/7500 ルータの CIP と Cisco 7200 ルータの CPA での CSNA のサポートにより、システム ネットワーク アーキテクチャ(SNA)ネットワーク ノードへのメイン フレーム接続が可能となります。CIP および CPA は、SNA メイン フレームへの ESCON Channel Adapter(ECA)と Parallel Channel Adapter(PCA)の両方をサポートしています。
CSNA 機能は、高速チャネル接続を利用して、仮想記憶通信アクセス方式(VTAM)への SNA LAN ゲートウェイ機能を提供するように設計されています。
図 1 は、CSNA 機能が SNA ネットワーク ノードとチャネル接続されたメインフレームの間で提供する LAN/WAN 接続オプションを示しています。また、CSNA 機能により、現在設置されている IBM 3172 Interconnect Controller を、CIP が搭載された Cisco 7000/7500 シリーズ ルータか、CPA が搭載された Cisco 7200 シリーズ ルータで置き換えることができます。その際、機能が失われることはありません。実際には、VTAM またはサイト構成への変更を最低限に抑えるか、一切変更することなく、機能が向上します。同様に、CIP を搭載した Cisco 7000/7500 ルータまたは CPA を搭載した Cisco 7200 ルータが IBM 3745 または 3746 を置き換えることができる構成は多数あります。
図 1:LAN/WAN 接続オプション
CSNA 機能はソフトウェア製品であり、ハードウェア機能は追加されません。ただし、この機能には特定のハードウェア要件があります。CSNA 機能は、1 つ以上の CIP が搭載された Cisco 7000/7500 シリーズ ルータか、1 つ以上の CPA が搭載された Cisco 7200 シリーズ ルータのみで動作します。
CSNA 機能を使用すると、ルータは、チャネル接続された SNA メインフレームと、ローカルな LAN に接続された SNA ノード、同期データ論理リンク制御(SDLC)および修飾論理リンク制御(QLLC)で接続されたデバイス、リモートで接続された SNA ノードの間の接続を、リモート ソースルート ブリッジング(RSRB)とデータリンク スイッチング(DLSw+)を通じてサポートします。 同じルータにチャネル接続されたメインフレーム間の接続もサポートされています。
図 2 は、CSNA 機能のアーキテクチャを示しています。この機能は、CIP または CPA 上で動作する CTA ドライバ、移植された Cisco リンク サービス(CLS)、論理リンク制御 2(LLC2)スタック、MAC カプセル化レイヤからなります。CTA ドライバは、チャネル インターフェイス上で VTAM と通信するために必要なチャネル プロトコルとプリミティブを実装します。また、VTAM が、リンク レベルの通信としての LLC2 を通じて SNA ノードをアクティブ化または非アクティブ化できるようにします。CLS モジュールは、CTA ドライバと LLC2 スタック間のインターフェイスを提供します。これは、リンク レベルでの接続の確立とデータ転送のための手順の IEEE 802.2 要素を提供します。LLC2 スタックは、チャネル接続されたホストと通信するすべての SNA ネットワーク ノードに対し、リンク ステーション エンド ポイントを提供します。
ルートスイッチ プロセッサ(RSP)上の LLC2 スタックは、QLLC および SDLC 論理リンク制御(SDLLC)のための LLC2 接続サービスを提供し、ローカル確認応答が設定されている場合は RSRB および DLSw+ を提供します。
MAC カプセル化レイヤは、CIP カードが受け入れることができる LAN メディア タイプの処理を行います。CSNA 機能、トークン リング、イーサネット、および FDDI 用の設定可能なメディア タイプごとに MAC カプセル化レイヤがあります。このレイヤは、CIP に転送されるメイン フレーム宛のすべての LLC2 フレームの MAC ヘッダーを解析します。宛先 MAC アドレスと LLC2 ヘッダーの先頭は、MAC カプセル レイヤによって、フレームが LLC2 プロトコル スタックに渡される前に判定されます。また、MAC カプセル化レイヤは、ルータからネットワークにフレームを転送する前に、すべての LLC2 フレームに対する適切な MAC ヘッダー タイプを作成します。
図 2:CSNA の機能のアーキテクチャ