ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)のポリシー アカウンティング(PA)機能により、入力インターフェイス単位で、コミュニティ リスト、AS 番号、または AS_PATH に基づいてカウンタを割り当てることによって、IP トラフィックを区別してアカウンティングできます。
BGP PA 出力インターフェイス アカウンティングでは、BGP PA を出力インターフェイスでイネーブルにしてインターフェイスの入力トラフィックおよび出力トラフィックの両方の送信元アドレスに基づくアカウンティングを組み込むための複数の拡張機能が導入されています。IP トラフィックを識別するために、コミュニティ リスト、自律システム番号、または自律システム パスなどのパラメータに基づくカウンタが割り当てられます。
BGP PA 機能を使用する前に、ルータのシスコ エクスプレス フォワーディング(CEF)または分散型シスコ エクスプレス フォワーディング(dCEF)をイネーブルにします。
BGP PA 機能は、Cisco IOS リリース 12.0(9)S をサポートする次のプラットフォームで最初にサポートされます。
Cisco 7200、7500、および 12000 シリーズ ルータ
Cisco IOS リリース 12.2(13)T では、さらに多くのプラットフォームでこの機能がサポートされています。プラットフォームは次のとおりです。
1400、1600、1700、2600、3600、7100、7200、7500、AS5300、AS5350、AS5400、AS5800、AS5850、ICS7750、IGX 8400 URM、MGX 8850、uBR7200。
BGP PA 出力インターフェイス アカウンティングは、12.0(22)S に追加され、12.3(4)T の新機能として最初に導入されました。多くのシスコのプラットフォームでこの機能がサポートされています。
注:この機能のプラットフォームサポートに関する最新情報を入手するには、Cisco Feature Navigator II(登録ユーザ専用)にアクセスしてください。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
この機能は、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(9)S ED で最初に使用可能になりました。ポリシーアカウンティング機能を動作させるために、ルータの BGP および CEF/dCEF をイネーブルにする必要があります。
BGP ポリシー アカウンティングを使用して、トラフィックが通過するルートに基づいてトラフィックを計数管理(および課金を適用)できます。たとえば、国内、海外、地表、および衛星を経由したトラフィックを計数管理できます。このように、カスタマー単位ベースですべてのトラフィックを識別し、計数管理できます。
この機能は、コミュニティ リスト、AS 番号、AS_PATH などに従ってルーティング テーブルに入力されるプレフィックスを分類する BGP table-map コマンドを使用します。次の一致基準に基づいて、BGP アカウンティング ポリシーによって各インターフェイスに関連するアカウンティング テーブルのバケット番号(現在 1 〜 64)が設定されます。各バケットはトラフィック分類を表し、入力インターフェイスごとのコミュニティ リスト、AS 番号、または AS_PATH 別に IP トラフィックを計数管理できます。
詳細については、『BGP ポリシー アカウンティング』を参照してください。
注:BGP PAは、異なるピアとの間で送受信されるIPトラフィックを測定および分類します。PA は以前は入力インターフェイスにだけ使用可能でした。
BGP ポリシー アカウンティング出力インターフェイス アカウンティング機能により、BGP PA を出力インターフェイスでイネーブルにし、インターフェイスの入力トラフィックおよび出力トラフィックの両方の送信元アドレスに基づくアカウンティングを組み込むための複数の拡張機能が追加されます。IP トラフィックを識別するために、コミュニティ リスト、自律システム番号、または自律システム パスなどのパラメータに基づくカウンタが割り当てられます。出力インターフェイス アカウンティングは、Cisco IOS リリース 12.0(22)S で追加されました。
ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
アカウンティングにトラフィックを分類するコミュニティ リスト内のコミュニティを指定(または AS_PATH のリストを定義)します。
ip community-list 30 permit 100:190 ip community-list 40 permit 100:198 ip community-list 50 permit 100:197 ip community-list 60 permit 100:296 ip community-list 70 permit 100:201 !
コミュニティ リストに一致するルート マップを定義し、適切なバケット番号を設定します。
route-map set_bucket permit 10 match community 30 set traffic-index 2 ! route-map set_bucket permit 20 match community 40 set traffic-index 3 ! route-map set_bucket permit 30 match community 50 set traffic-index 4 ! route-map set_bucket permit 40 match community 60 set traffic-index 5 ! route-map set_bucket permit 50 match community 70 set traffic-index 6
BGP で table-map コマンドを使用して、BGP から学習したルートで IP ルーティング テーブルが更新されるときにバケット番号を変更します。
router bgp 110 table-map set_bucket network 15.1.1.0 mask 255.255.255.0 neighbor 14.1.1.1 remote-as 100 ! ip classless ip bgp-community new-format
カスタマーに接続された入力インターフェイスでポリシー アカウンティング機能をイネーブルにします。
interface POS7/0 ip address 15.1.1.2 255.255.255.0 no ip directed-broadcast bgp-policy accounting no keepalive crc 32 clock source internal
BGP PA 出力インターフェイス アカウンティングの設定は BGP PA に似ています。前のセクションで説明した最初の 3 ステップはほぼ同じです。唯一の違いは、インターフェイスの PA 機能をイネーブルにするために使用されている bgp-policy accounting コマンドの中だけです。次の例では、BGP PAがPOSインターフェイス7/0で有効になっています。PA基準は、出力トラフィックの送信元アドレスに基づいています
interface POS7/0 ip address 10.15.1.2 255.255.255.0 bgp-policy accounting output source no keepalive crc 32 clock source internal
プレフィックスが割り当てられているバケットおよびコミュニティ(単一または複数)を調べるには、show ip cef および show ip bgp コマンドを使用します。
Router# show ip cef 196.240.5.0 detail 196.240.5.0/24, version 21, cached adjacency to POS7/2 0 packets, 0 bytes, traffic_index 4 via 14.1.1.1, 0 dependencies, recursive next hop 14.1.1.1, POS7/2 via 14.1.1.0/30 valid cached adjacency Router# show ip bgp 196.240.5.0 BGP routing table entry for 196.240.5.0/24, version 2 Paths: (1 available, best #1) Not advertised to any peer 100 14.1.1.1 from 14.1.1.1 (32.32.32.32) Origin IGP, metric 0, localpref 100, valid, external, best Community: 100:197
インターフェイスあたりのトラフィック統計情報を表示するには、show cef interface policy-statistics コマンドを使用します。
LC-Slot7# show cef interface policy-statistics : POS7/0 is up (if_number 8) Bucket Packets Bytes 1 0 0 2 0 0 3 50 5000 4 100 10000 5 100 10000 6 10 1000 7 0 0 8 0 0
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
29-Dec-2005 |
初版 |