このドキュメントでは、Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)プールが、他の IP アドレスと同様に、サブネット ゼロの影響を受けることについて説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
プール内のアドレスがサブネット ゼロに該当するような NAT プールを設定すると、NAT 変換が正しく行われません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:このドキュメントで使用されているコマンドの詳細を調べるには、Command Lookup Tool(登録ユーザ専用)を使用してください。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
この設定例では、内部デバイスにNATルータのデフォルトルートがあります。外部デバイスには、内部デバイスが変換されるアドレスへのスタティックルートがあります。NAT ルータには、次の NAT 設定が行われています。
ip nat pool test 171.68.1.1 171.68.1.10 netmask 255.255.240.0 ip nat inside source list 7 pool test interface s 0 ip address 171.16.4.6 255.255.255.0 ip nat inside interface s 1 ip address 171.16.6.6 255.255.255.0 ip nat outside access-list 7 permit host 171.16.4.4
NATプールテストのアドレスがサブネットゼロアドレスであることに注意してください。内側のデバイスから外側のデバイスへ ping を送ると、変換が行われず、失敗します。NATルータでdebug ip natコマンドを実行すると、次のメッセージが表示されます。
NAT: translation failed (A), dropping packet s=171.16.4.4 d=171.16.6.5 NAT: translation failed (A), dropping packet s=171.16.4.4 d=171.16.6.5 NAT: translation failed (A), dropping packet s=171.16.4.4 d=171.16.6.5 NAT: translation failed (A), dropping packet s=171.16.4.4 d=171.16.6.5 NAT: translation failed (A), dropping packet s=171.16.4.4 d=171.16.6.5
注:デバッグ出力の「(A)」は、ルーティングの発生後に変換が失敗したことを意味します。
注:この問題を回避するには、NATルータでip subnet-zeroコマンドを設定します。このコマンドは、Cisco IOS®ソフトウェアリリース12.0ではデフォルトで有効になっています。以前のCisco IOSソフトウェアリリースでは、デフォルトでは有効になっていません。PATを使用するときにNATが正しく設定されていない場合、NAT変換が失敗する可能性があります。NAT変換の失敗コードは次のとおりです。
A = Inside to outside fails after routing B = Outside to inside fails before routing C = Outside to inside fails after routing D = Helpered fails L = Internally generated packet fails E = Inside to outside fails after routing
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
28-Jan-2008 |
初版 |