このドキュメントでは、show ip ospf neighbor コマンドで初期状態の Open Shortest Path First(OSPF)ネイバーが検出される原因と対策について説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
show ip ospf neighbor コマンドの次の出力例を参照してください。
router2#show ip ospf neighbor Neighbor ID Pri State Dead Time Address Interface 170.170.5.1 1 INIT/- 00:00:34 170.170.1.1 Serial0 router-2#
この出力例の場合、Init 状態では router-2 がネイバーからの hello パケットを確認しているものの、双方向通信が確立されていないことを示しています。Cisco ルータは、init(またはそれよりも高位の)状態にあるすべてのネイバーのルータ ID を、hello パケットの Neighbor フィールドに組み込みます。ネイバーと確立される双方向通信に関しては、ルータはネイバーの hello パケットの Neighbor フィールドにある、自身のルータ ID を確認する必要があります。つまり、ネイバーが Init 状態にあるルータは、ネイバーから hello パケットを受信するものの、ネイバーの hello パケット内で自分の ルータ ID を確認していません。この場合、ルータは 4 つの連続した hello を受信しないと該当セッションを切断し、OSPF の隣接関係はダウンします。
ローカル ルータがネイバーの hello パケットにリストされないことの理由として最も考えられるのは、ネイバーがローカル ルータから hello パケットを受信していないということです。その理由として考えられる項目を、次に示します。
ping および traceroute コマンドを使用して、ルート間のリンクが稼働していることを確認します。ルータ間の ping に失敗した場合は、リンクが正常に機能していないため、そのトラブルシューティングを実行する必要があります。使用しているレイヤ 2 テクノロジー(ISDN、Ethernet、ATM など)に関連するトラブルシューティングのページを参照してください。
ネイバーのインターフェイス上でアクセス リストが定義されている場合は、宛先 IP(224.0.0.5)をインプット アクセス リストで許可する必要があります。
OSPF の hello パケットの宛先アドレスは 224.0.0.5(all ospf routers multicast アドレス)です。
第 2 レイヤまたは設定の問題が存在していて、マルチキャスト パケットがネイバーに到達できない場合もあります。この問題は、マルチキャスト アドレス 224.0.0.5 に対して ping コマンドを実行し、ネイバーから応答を受信したかどうかをチェックすることでテストできます。 フレーム リレー、X.25、ISDN などのノンブロードキャスト メディアの場合は、レイヤ 2 と IP アドレス間にマッピングが必要です。スタティックマッピングの場合(インターフェイスレベルframe-relay map ip 1.1.1.1 100 broadcastコマンドやdialer map ip 1.1.1.1 broadcast name router1 55346コマンドなど)は、OSPFがマルチキャストhelloパケットを送信しようとするたびにカプセル化障害を回避するようにキーワードbroadcast設定します。debug ip packet detail コマンドをアクセス リストと共に使用すると、カプセル化障害の有無が表示されます。
認証が、両方のサイドで有効ではありません。認証が有効でないルータが、ネイバーからの hello パケットをまだ処理していて、Init 状態のネイバーを見ています。この問題を修正するには、両サイドで認証を有効にする必要があります。
リリース 11.1.9 以前の Cisco IOS® ソフトウェアが稼働している場合は、show ip ospf interface コマンドの出力をチェックし、次のような不一致を探します。
Neighbor Count is 0, Adjacent neighbor count is 1
OSPF の隣接ネイバー数がネイバー数より大きい場合は、ネイバー リストが破壊されている可能性があります。詳細は、Cisco Bug ID CSCdj01682(登録ユーザ専用)を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
10-Aug-2005 |
初版 |