このドキュメントでは、Simple Network Management Protocol(SNMP)で使用する帯域幅を計算する方法について説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
SNMP で帯域幅使用率の計算が必要になる場合があります。
このソリューションを使用して、問題を解決してください。
使用率を計算する方法は、測定対象に対するデータの表示方法によって異なります。ネットワーク使用率の最も一般的な測定方法は、インターフェイスの使用率を測定する方法です。測定する接続が半二重方式か全二重方式かに応じて、次の式を使用します。コンテンションを検出するために、デバイスによるリスニングが送信前に必要なため、共有 LAN 接続では半二重方式がよく使用されます。接続がポイントツーポイントであるため、WAN接続は全二重です。両方のデバイスは、接続を共有する他のデバイスが1つしかないことを認識しているため、同時に送受信できます。MIB-II の変数はカウンタに保存されるため、2 つのポール サイクルを使用して、この 2 つの値の差を計算します(そのため、この式ではデルタが使用されています)。
次に、この式で使用されている変数について説明します。
注:ifSpeedは、WANインターフェイスの速度を正確に反映していません。
半二重方式のメディアの場合は、インターフェイスの使用率の計算に次の式を使用します。
全二重方式のメディアの計算は、さらに難しくなります。たとえば、全二重 T-1 シリアル接続では、回線速度は 1.544 Mbps です。そのため、T-1 インターフェイスでは送受信の両方を 1.544 Mbps で行うことができ、全体としての帯域幅は 3.088 Mbps まで可能になります。
全二重方式接続の場合にインターフェイスの帯域幅を計算するときには、次の式を使用します。ここでは、in と out の値の大きい方を使用して、使用率をパーセンテージで求めます。
しかし、この方式では、値が小さい側の方向の使用率は反映されておらず、結果の精度はやや低くなります。これよりも正確な方法は、次の式のように、入力側の使用率と出力側の使用率を別々に計測する方法です。
これらの式ではプロトコルに関するオーバーヘッドは考慮されておらず、単純化されています。パケット オーバーヘッドが考慮されている式については、RFC 1757 のイーサネット使用率の式などを参照してください。
MIB のすべての属性のリストは、RFC1213 MIB にもあります。
これらの式で使用されている MIB 変数の詳細は次のとおりです。
.1.3.6.1.2.1.2.2.1.10 ifInOctets OBJECT-TYPE -- FROM RFC1213-MIB, IF-MIB SYNTAX Counter MAX-ACCESS read-only STATUS Mandatory DESCRIPTION "The total number of octets received on the interface, including framing characters." ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) mgmt(2) mib-2(1) interfaces(2) ifTable(2) ifEntry(1) 10 } .1.3.6.1.2.1.2.2.1.16 ifOutOctets OBJECT-TYPE -- FROM RFC1213-MIB, IF-MIB SYNTAX Counter MAX-ACCESS read-only STATUS Mandatory DESCRIPTION "The total number of octets transmitted out of the interface, including framing characters." ::= { ISO(1) org(3) DOD(6) Internet(1) mgmt(2) mib-2(1) interfaces(2) ifTable(2) ifEntry(1) 16 } .1.3.6.1.2.1.2.2.1.5 ifSpeed OBJECT-TYPE -- FROM RFC1213-MIB, IF-MIB SYNTAX Gauge MAX-ACCESS read-only STATUS Mandatory DESCRIPTION "An estimate of the interface's current bandwidth in bits per second. For interfaces which do not vary in bandwidth or for those where no accurate estimation can be made, this object should contain the nominal bandwidth." ::= { ISO(1) org(3) DOD(6) Internet(1) mgmt(2) mib-2(1) interfaces(2) ifTable(2) ifEntry(1) 5 }