ご使用中の Cisco Digital Subscriber Line(DSL; デジタル加入者線)ルータには、Internet Service Provider(ISP; インターネット サービス プロバイダー)から固定パブリック IP アドレスが割り当てられています。
注:この例では、次の2種類の設定が強調表示されています。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ
ネットワーク アドレス変換(NAT)。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
重要:始める前に、COM ポートのモニタリングを実行している可能性のある、PC 上のすべてのプログラムを終了します。PDAやデジタルカメラなどのデバイスは、システムトレイにプログラムを配置して、COMポートがCisco DSLルータの設定に使用できないようにすることがよくあります。
ロール型ケーブルを使用してコンソールを接続します。これによって Cisco DSL ルータのコンソール ポートと PC の COM ポートが接続されます。Cisco DSL ルータに用意されているコンソール ケーブルは、明るい青色のフラット ケーブルです。ロール型ケーブルのピン割り当て、または RJ-45 から DB9 コンバータへのピン割り当ての詳細については、『コンソールおよび AUX ポートのためのケーブル接続ガイド』を参照してください。
シスコ コンソール ケーブルの一端の RJ-45 コネクタを Cisco DSL ルータのコンソール ポートへ接続します。
コンソール ケーブルのもう一端の RJ-45 コネクタを、RJ-45 から DB9 へのコンバータに接続します。
この DB9 コネクタを PC の空いている COM ポートに接続します。
次のステップを実行します。
PC で HyperTerminal プログラムを起動します。
HyperTerminal セッションをセットアップします。
セッションに名前を割り当て、[OK] をクリックします。
[Connect To] ウィンドウで [Cancel] をクリックします。
[File] > [Properties] を選択します。
[Properties] ウィンドウで [Connect Using] リストに移動し、コンソール ケーブルの DB9 側を接続する COM ポートを選択します。
[Properties] ウィンドウで [Configure] をクリックし、次の値を入力します。
ビット/秒:9600
データ ビット:8
パリティ:なし
ストップ ビット:1
フロー制御:なし
[OK] をクリックします。
[Call] メニューで [Disconnect] をクリックします。
[Call] メニューで [Call] をクリックします。
[HyperTerminal] ウィンドウ上にルータ プロンプトが表示されるまで、Enter キーを押します。
次のステップを実行します。
特権モードを開始するために、ルータ プロンプトで enable と入力します。
Router>enable Router# !--- The # symbol indicates that you are in privileged mode.
ルータ上の既存の設定をクリアします。
Router#write erase
ルータをリロードすると、ルータはブランクのスタートアップ コンフィギュレーションを使用して起動します。
Router#reload System configuration has been modified. Save? [yes/no]:no Proceed with reload? [confirm]yes !--- The router reload can take a few minutes.
ルータのリロード後、イネーブル モードを再度開始します。
Router>enable Router#
次のステップを実行します。
トラブルシューティング セクションの debug 出力を適切に記録して表示するために、service timestamp を設定します。
Router#configure terminal Router(config)#service timestamps debug datetime msec Router(config)#service timestamps log datetime msec Router(config)#end
Cisco DSLルータのロギングコンソールを無効にして、ルータの設定中にトリガーされる可能性のあるコンソールメッセージを抑制します。
Router#configure terminal Router(config)#no logging console Router(config)#end
ルーティング設定オプションに柔軟性を持たせるために、ip routing、ip subnet-zero、および ip classless を設定します。
Router#configure terminal Router(config)#ip routing Router(config)#ip subnet-zero Router(config)#ip classless Router(config)#end
Integrated Routing and Bridging(IRB)グローバルパラメータを設定します。
Router#configure terminal Router(config)#bridge irb Router(config)#bridge 1 protocol ieee Router(config)#bridge 1 route ip Router(config)#end
Cisco DSL ルータのイーサネット インターフェイスで IP アドレスとサブネット マスクを設定します。
NAT の設定(オプション)イーサネット インターフェイスで内部 NAT を有効にします。
Router#configure terminal
Router(config)#interface ethernet 0
Router(config-if)#ip address
!--- For NAT:
Router(config-if)#ip nat inside
Router(config-if)#no shut
Router(config-if)#end
Cisco DSLルータのATMインターフェイスに、ATM相手先固定接続(PVC)、カプセル化タイプ、ブリッジグループを設定します。
Router#configure terminal
Router(config)#interface atm 0
Router(config-if)#bridge-group 1
Router(config-if)#pvc
Router(config-if-atm-vc)#encapsulation aal5snap
Router(config-if-atm-vc)#no shut
Router(config-if-atm-vc)#end
Cisco DSLルータにダイナミックIPアドレスを割り当てられるように、ブリッジ仮想インターフェイス(BVI)を作成して設定します。
NAT の設定(オプション)BVIインターフェイスでNAT outsideを有効にします。
Router#configure terminal Router(config)#interface bvi 1 Router(config-if)#mac address Router(config-if)#ip address dhcp client-id ethernet0 Router(config-if)#no ip directed-broadcast !--- For NAT: Router(config-if)#ip nat outside Router(config-if)#end
ISPのデフォルトゲートウェイをネクストホップとして使用して、デフォルトルートを設定します。
Router#configure terminal
Router(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0
Router(config)#end
この手順はNAT用:ダイヤラインターフェイスのスタティックパブリックIPアドレスを共有できるように、Cisco DSLルータでグローバルNATコマンドを設定します。
Router#configure terminal Router(config)#ip nat inside source list 1 interface bvi1 overload Router(config)#access-list 1 permitRouter(config)#end
オプション設定
ISP から追加の IP アドレスを提供されている場合は NAT プール。
Router(config)#ip nat inside source list 1 interface bvi1 overload Router(config)#ip nat poolnetmask Router(config)#end
インターネット ユーザが内部サーバにアクセスする必要がある場合はスタティック NAT。
Router(config)#ip nat inside source static tcp{80 or 25} {80 or 25} extendable Router(config)#end
この手順は、DHCPサーバ用(オプション)Cisco DSLルータを、IPアドレスのプールを持つDHCPサーバとして設定し、Cisco DSLルータのイーサネットインターフェイスに接続されているホストに割り当てます。DHCP サーバによって、IP アドレス、DNS、およびデフォルト ゲートウェイ IP アドレスが、ホストに動的に割り当てられます。
Router#configure terminal Router(config)#ip dhcp excluded-addressRouter(config)#ip dhcp pool Router(dhcp-config)#network Router(dhcp-config)#default-router Router(dhcp-config)#dns-server Router(dhcp-config)#end
Cisco DSLルータのロギングコンソールを有効にし、すべての変更をメモリに書き込みます。
Router#configure terminal Router(config)#logging console Router(config)#end *Jan 1 00:00:00.100: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console Router#write memory Building configuration... [OK] Router#
このドキュメントの「設定手順」セクションの手順を完了すると、以下のような設定になります。
固定 IP アドレスが割り当てられた Cisco DSL ルータ |
---|
!--- Comments contain explanations and additional information. service timestamps debug datetime msec service timestamps log datetime msec ! bridge irb ! ip subnet-zero ! !--- For the DHCP Server: ip dhcp excluded-address |
これで、Cisco DSL ルータは非対称デジタル加入者線(ADSL)サービスに対応して稼働しています。設定を確認するには、show run コマンドを実行します。
Router#show run Building configuration...
アウトプット インタープリタ ツール(登録ユーザ専用)(OIT)は、特定の show コマンドをサポートします。OIT を使用して、show コマンドの出力の分析を表示します。
ADSL サービスが適切に動作しない場合、『IRB を使用した RFC1483 ブリッジングのトラブルシューティング』を参照してください。
この設定およびトラブルシューティングガイドの前のページに戻ります – IRB with a Static IP Address.
『Cisco DSL ルータの設定とトラブルシューティング ガイド』のメイン ページに戻ります。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
11-Sep-2006 |
初版 |