1.EEM とは
EEM(Embedded Event Manager)は、イベントモニタを行い、対象となるイベントが発生した際やカウンタが閾値を超えた場合にそれを検知し、そのイベントと関連づけたアクションを起こすことのできる IOS の機能です。
従来、外部のネットワークマネジメントシステムなどで行っていたノード管理が、EEM により、ノード内部つまり IOS 上のスクリプトで自律的に実行可能になります。
EEM をコントロールする方法は大きく二つに分けられます。IOS のコマンドラインから制御する Applet 版(CLI)と、Tcl Script を利用する Tcl 版が存在します。
現在(2006年12月時点)、最新の EEM Version は、EEM2.2 となります。EEM のサポート IOS・プラットフォームに関しては、Cisco Feature Navigator にてご確認ください。
3.EEM のサポートについて
TAC では、IOS での EEM 機能に関する内容がサポート対象となります。Applet/Tcl Script の記述方法など、デザイン・ソリューションに関するお問い合わせはサポート対象外となります。
- サポート対象内容
- EEM による Crash,、Memory Leak などの一般的な不具合
- EEM 機能自身の不具合(IOS での定義・Tcl Script が正しいことが前提)
例)
- Publisher の提示する値が 閾値を超えているにも関わらず、イベントを検知しない
- イベントを検知しているにも関わらず、アクションが正しく実行されない
- IOS Tcl インタプリタとしての不具合
例)
- Tcl 8.3.4自身の不具合
- Cisco による拡張部分の不具合
(Cisco-Extention command の挙動が正しくない、Cisco-Defined variable の値が publisher の保持する値と異なっているなど)
- Publisher 側の不具合
※ EEM 側の問題か、Publisher 側の問題かの切り分けをお願いします。
- サポート対象外内容
- EEM Applet/Tcl Script 使用時のパフォーマンスに関する内容
- デザイン・ソリューションを目的とした EEM 設定支援
例)
- 上記3(EEM 活用例)などを実現するための Applet/Tcl Script 設定方法
- その他、ネットワークにおける何らかの障害を回避するための Applet/Tcl Script 設定
- Tcl Script のコーディングに関する内容
- その他
EEM 導入にあたりましては、Applet/Tcl Script の動作検証を十分に実施してください。また、Tcl Script 記述においては、Tcl 言語に関して十分な知識・経験がある方にて行ってくださいますようお願いいたします。